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労働者・市民の力で小泉内閣の暴走を止めよう      かけはし2005.10.17号

憲法改悪・戦争国家体制作りに踏み込む反動法案の成立阻止へ

改憲国民投票法案に反対する院内集会

衆院憲法調査特別委員会の設置・初審議に抗議して

事実上の改憲手続
き法案・審議入り

 十月六日、衆院第2議員会館で「憲法改悪・国民投票法案に反対する院内集会」が開催され、会場を埋めつくす百八十人が参加した。主催は「5・3憲法集会実行委員会」。
 この日は、九月二十二日の衆院本会議で設置が議決された「衆院憲法調査特別委員会」の第一回の会議が開かれた。委員会の冒頭、中山太郎委員長(前衆院憲法調査会長)は、四月に出された衆院憲法調査会の最終報告書をうけて「調査のための調査から、具体的な改憲手続きを検討する新たな段階に入った」とあいさつした。
 この日の集会は、憲法改悪の手続き法としての「国民投票法案」作成のための動きが現実に始まったことに抗議して準備されたものである。
 憲法を愛する女性ネットの山口さんと憲法を生かす会の星野さんの司会で始まった集会では、最初に平和を実現するキリスト者ネットの糸井玲子さんがあいさつした。
 午前中の「特別委員会」の審議を傍聴した糸井さんは、「国民投票法案そのものは来年の通常国会に提出するとされているが、今日の委員会では、国民投票法案についての意見を聞くというかたちですでに審議が始まっている」と状況の切迫を訴えた。女性の憲法年連絡会の榎本さんは、三月八日にブラジルを出発し、十月十七日にアフリカのブルキナファソに到着する2005年世界女性行進(本紙05年4月4日号7面参照)に、世界の女性たちに憲法9条の思いを伝える「連帯キルト」を送ったことを報告した。
 市民憲法調査会の下道さんの発言の後、許すな!憲法改悪・市民連絡会の富山洋子さんは、「民意が反映されない小選挙区制度の下で小泉内閣はまやかしの勝利を得たが、今こそ主権者としての大きなうねりを作りだし、国民投票法案を成立させない闘いを」と訴えた。憲法改悪阻止各界連絡会議(憲法会議)を代表して全労連の西川副委員長は、「全労連は憲法闘争を『戦後史をかけた闘い』と位置づけて取り組んでいる。連合は複雑な局面にあるが、連合の中にも憲法を守ろうとする人びとはたくさんいる」と述べた。
 連帯のあいさつに立った日本青年団協議会の田中さんは、「日青協は、二度と戦争に行かないということを理念として出発した。第一回の青年大会では、三笠宮が来賓あいさつを行い『日本が再び銃を取り、海外に戦争のために出ていくようなことがあってはならない』と語った。いま世論調査では、二十代の青年の中では憲法9条を変えない方がいい、という意見が七〇%に達している。さらに青年の間に憲法9条改悪反対の声を広げていきたい」と述べて、大きな拍手を受けた。

共産・社民の両
党首もあいさつ

 続いて出席した参院議員からのあいさつに移り、吉川春子さん(共産党)、近藤正道さん(社民党)、仁比(にひ)聡平さん(共産党)、福島瑞穂さん(社民党)が発言した。
 仁比さんは「私たちが憲法の力を発揮させる運動を作りだしていこう。憲法への感動のない人が語る改憲論には人を引きつけるなんの理念もない。改憲派に自分たちが孤立していることを思い知らせるような闘いを」と語った。社民党党首の福島さんは「メディア規制や一括投票といった国民投票法案には国民主権のカケラもない。大阪高裁で靖国参拝違憲判決が出たが、自民党は『新憲法』によって、靖国参拝が違憲ではないようにしようとしている。戦争で人を殺す改憲と命を粗末にする格差社会はコインの裏表だ」と訴えた。
 日本山妙法寺の木津上人、国公労連、日本YWCAの鈴木さんの発言の後、本会議のため参加が遅れていた衆院議員もかけつけ、笠井亮さん(共産党)、志位和夫さん(共産党)、辻元清美さん(社民党)が発言した。
 日本共産党委員長の志位さんは「自民党も民主党も改憲草案の作成を競い合っている。両党は憲法9条を9条たらしめている2項の改悪で足並みをそろえた。G8諸国の中で、戦後になって戦争で人を殺していない国は日本だけだ。ここに9条の意義が存在する。毎日新聞の世論調査では、9条改悪反対が六二%、9条のおかげで日本の平和は保たれてきたと考える人が八〇%、そして九条の会は全国で三千を超えている。この六二%、八〇%、三千という数に代表される声に依拠した運動を」と主張した。

改憲既成事実化を
促す国民投票法案

 十月六日の衆院憲法調査特別委員会の論議は「憲法改正の手続き法である国民投票法の制定を急ぐことで(自民、公明、民主の三党は)一致した」が「各論ではなおまとまらず、自民、民主両党では党の見解と異なる意見を表明する委員も出た。3党協議の本格化のの前に、それぞれの足元での意見集約ですら難しいという現状も浮き彫りになった」(朝日新聞、10月6日)と報じられている。
 たとえば自民党の高市早苗委員は、改憲案について一括採決という自民党案に対して「全文一括も1条ずつも非現実的。章ごとというくくりも一つの方法」と述べ、国民投票法案の早期成立を認めている民主党からも、平岡秀夫委員は「改正の中身が決まってから議論すべきだ。投票方法を定めることで『しっぽ』が(改正案)本体の考え方を左右するという問題がある」(朝日、同記事)と述べたという。
 「国民投票法案」の成立を通じて、改憲を既成事実化しようとする目論見に反対し、来年の通常国会に向けた闘いを今から準備しよう。十月二十八日にまとめられる自民党新憲法草案のうち、天皇主義まる出し、「愛国心」「国防」の意義を強調する前文原案の内容もすでに明らかになっている(10月7日、「朝日」夕刊)。全力で憲法改悪・国民投票法阻止の運動を広げよう。(K)                          


特別国会でもう一度廃案へ
共謀罪の新設に反対する市民と議員の院内集会

あらゆる場で危
険性を伝えよう

 十月四日、共謀罪に反対する市民の集い実行委員会は、衆議院第二議員会館で「話し合うことが罪になる!共謀罪の新設に反対する市民と議員の集い」を行い、百人が参加した。
 小泉政権は、この日、派兵大国化作りの一環である有事治安弾圧体制の構築にとって絶対に必要な「武器」である「共謀罪」の新設などを盛り込んだ組織的犯罪処罰法の改正案を閣議決定し、国会に提出した。衆院解散によって廃案になったが、全くの欠陥法案であることが指摘されていたにもかかわらず、なんの修正もせずに再上程し、この特別国会中に強引に成立させようとねらっている。
 言うまでもなく現代版治安維持法である共謀罪は、「犯罪」の遂行を考えたという複数人の意思の合致自体を処罰するものであり、明らかに思想・内心の自由を破壊するものである。六百二十種類の犯罪(現在刑のを対象とし、組織集団の規定もあいまいなまま政党、市民運動、労働運動、学生運動などを弾圧することを目的としている。
 さらに改悪案のもう一つの柱であるサイバー取締り法案は、コンピュータに対する差押許可状があれば、その端末と電気通信回線で接続されている別のコンピュータに保存されているデータを複写して差し押さえることができてしまうのだ。また、権力からの要請だけで通信履歴保全し、それをコピーすることができてしまう。まさに通信の秘密を公然と侵害しようとする。
 衆院選挙後、衆院法務委員は、八割が与党と元自民、野党委員が少数という状況だ。与党は、強引な審議日程、強行成立をめざしている。法務委員での反対派議員と連携しつつ、国会外の反対の取り組みによって包囲を広げていかなければならない。例えば、マスコミ・各メディアに対しても「共謀罪」の危険な内容を伝え、「批判記事」報道をさせていく必要がある。この「共謀罪」がマスコミ規制への強力なステップになってしまうことを認識させていくことが重要だ。あらゆる機会を通じて訴え続けていこう。

現在のアメリカは
将来の日本の姿だ

 集会は、反対運動を引っ張ってきた山下幸夫弁護士のアメリカ視察報告から始まり、「米国では共犯事件には、かならず共謀罪が適用され、重く処罰されている。日本の法務省は、組織犯罪だけに適用すると言っているが、米の例からすると複数犯であれば適用していくことは明らかだ。現在の米国の姿は、将来の日本の姿だ」と厳しく批判し、闘う決意表明をした。
 国会議員からは、民主党の簗瀬進参議院議員、松岡徹参議院議員、共産党の井上哲士参議院議員、社民党の福島瑞穂参議院議員、保坂展人衆議院議員、辻本清美衆議院議員から国会状況の報告と法案成立阻止にむけてアピールが続いた。
 さらに、日弁連副会長の中村順英さん、日本ペンクラブ言論表現委員の篠田博之さん(月刊『創』編集長)からの発言。続いて、呼びかけ団体からも次々と発言が行われ、参加者全体で国会内外にわたって「共謀罪」反対運動を広げていくことを誓い合った。
 十月十七日(月)、「話し合うことが罪になる!共謀罪の新設に反対する市民と議院の集い」(午後一時、衆院第二議院会館第一会議室)が行われる。ぜひ結集を! (Y)



組合つぶしをやめろ!
豊田市でフィリピントヨタ労組支援の行動


 【名古屋】九月十八、十九日の二日間、愛知県豊田市でフィリピントヨタ労組を支援する行動が組まれた。十八日に豊田勤労福祉会館で行われた「トヨタの組合潰しを許さない9・18集会」には八十人が参加した。地元豊田や岡崎の労働者、名古屋からは笹島日雇労働組合、フィリピントヨタ労組が加盟する全造船関東地協をはじめ神奈川の多くの労働組合の参加のもと集会は行われた。
 集会の中で、トヨタ資本の地域における支配の実態などが報告された後、フィリピントヨタ労組の闘いの現状が報告された。トヨタに解雇された二百三十三人の中で百五十人が組合に残り闘い続けていること、治療費もない生活苦の中でも彼らは屈していないことが報告された。組合破壊のための御用労組結成、それに伴う労組承認選挙については、地元の闘いと、世界的な批判、によって一時頓挫状態に追い込んでいることが紹介された。集会の後、参加者全員で豊田市の中心部にビラをまいた。
 十九日は、トヨタ本社申し入れ行動が取り組まれた。行動に先立ち行われたビラまきでは、工場の前ではけっしてビラを受け取ることがない労働者も駅でのビラまきでは他とは違い受け取り、ビラをじっくり読む労働者や、かばんに大切にしまう姿も見られた。
 昨年と違い新装なった本館前で部隊は結集し、抗議行動。やがて申し入れ部隊が中に入る。申し入れ代表団の報告の中では、トヨタ側の不誠実な対応が参加者に伝えられた。最後に怒りのシュプレヒコール、団結頑張ろうで行動を終えた。
 労働者の国際的な団結によって、資本の横暴を跳ね返す重要性を痛感した二日間だった。    (K)

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