もどる

基地も戦争もない地域・世界をめざして          かけはし2006.12.11号

「米軍再編」に反対するアジア太
平洋民衆の共同の闘いを築こう



海外の仲間と共に3千人が国会デモ
沖縄・神奈川の闘いと結びグローバルな反基地闘争を

戦争国家をめざす
4悪法を通すな

 十一月二十八日、「米軍再編はいらない!! 戦争国家を許さない!! 11・28全国集会」が、フォーラム平和・人権・環境(平和フォーラム)の主催、アジア太平洋反基地東京会議の共催で日比谷野外音楽堂で開催され、三千人の労働者・市民が集まった。「米軍基地の縮小・撤去、原子力空母の横須賀母港化反対、教育基本法の改悪を許さない、憲法改悪のための国民投票法案を廃案へ、防衛庁の『省』昇格反対、共謀罪の新設反対」を掲げたこの日の行動は、エクアドルでの世界反基地ネットワーク設立総会に向けて開催されたアジア太平洋反基地東京会議の参加者とともに国際連帯の立場を強く打ち出すものとなった。
 主催者を代表して発言した平和フォーラム事務局長の福山真劫さんは、米軍再編と「戦争国家」体制に反対し、教育基本法改悪などの一連の反動法案を廃案にしようと訴えた。国会議員からの発言では民主党の近藤昭一衆院議員が、「米軍再編は米国が米国を守るためのものであり、防衛庁の省昇格法案はこの米軍とともに自衛隊が海外で戦争するためのものだ」と批判。「私は民主党の中で省昇格法案に反対の主張をしている」と述べた。緊迫する国会情勢を説明した社民党の福島みずほ党首は「四悪法を阻止するために全力を上げる」と決意表明した。
 続いて海外ゲストからの報告。韓国・民主労総のカン・チョルウンさんは、梅香里(メヒャンリ)の米軍射爆演習場を撤去させた闘い、米軍戦車による女子中学生轢殺に抗議する大衆的闘争、二〇〇四年の光州ミサイル基地に反対する全国結集などの在韓米軍反対闘争の経過を報告し、現在展開されている平澤米軍基地拡張反対闘争への支援を訴えた。
 「全国の労働者の闘いで平澤で勝利する。韓国と日本の経験を共有し、米軍を叩き出そう」とカンさんは熱烈にアピールした。
 フィリピン・ミンダナオのオクタビオ・ディナンポさんは、「米軍が冷戦終了後も日本にへばりついているのは日本を戦争する国にするためだ。アメリカは全世界で緊張を緩めることはできない。ミンダナオでもアメリカはアブサヤフなどの新しい敵を作り出し、意識的に緊張を高め、介入している」と批判した。ハワイのカイル・カジヒロさんは「ハワイの先住民はアメリカ帝国主義の犠牲者として生活も環境も破壊されている。軍事主義を止め、主権のために闘う」と述べ、最後に「上にあるものは引き下ろされ、下にあるものは上げられ、島々は手を結び、人びとは立ち上がる」というハワイ古来の祈りの言葉を朗誦した。
 非核フィリピン連合のコラソン・ファブロスさんは、「われわれは危険な時を生きている。日本でもフィリピンでも平和憲法がなくされようとしている。土地が軍事化のために使われるのはもういやだ。敵はグローバルな権力を持っているが、私たちはもっと力強いものがあることを知っている。それは民衆の連帯だ。グローバルな反基地運動を構築するために来年三月にエクアドルで開催される世界反基地会議に参加しよう」と訴えた。

戦争をするのも
止めるのも人間

 続いて神奈川平和運動センター事務局長の加藤泉さんが原子力空母横須賀母港化に関する住民投票条例運動支援のためのカンパを呼びかけ、沖縄平和運動センター事務局長の山城博治さんは、「知事選では敗北したが、保守県政の八年間を通じて一本のクイも打たせなかった辺野古の闘いを引き継いで闘う。戦争をするのも人間、戦争を止めるのも人間だ」と決意表明し、大きな拍手を受けた。
 日教組の高橋睦子副委員長が教育基本法改悪阻止のアピールをし、高田健さん(許すな!憲法改悪・市民連絡会)が、改憲手続き法案反対のアピールを行った後、海外代表を先頭に国会へのデモに出発した。(K) 



アジア太平洋反基地東京会議
世界反基地ネットワーク結成に向けて公開シンポ

来年3月エクア
ドルで創設会議

 十一月二十五日、アジア太平洋反基地東京会議公開シンポジウム「米軍再編と闘うアジア太平洋の民衆」が開催された。この日の公開シンポは、同日から二十八日までAPAジャパンやフォーラム平和・人権・環境(平和フォーラム)などを中心にして開催された「アジア太平洋反基地会議」の参加者の報告を共有し、「米軍再編」に対して闘うアジア・太平洋民衆の共同の闘いを推進するとともに、来年三月にエクアドルで開催される世界反基地ネットワーク創設会議への呼びかけとして行われたもの。会場の全水道会館には百五十人以上の人びとが参加した。
 最初に世界反基地ネットワーク・エクアドル設立総会国際準備委員会を代表して、非核フィリピン連合のコラソン・ファブロスさんが基調報告を行った。
 「世界の帝国主義支配に対する闘いは、この二年間、外国の軍事基地に対する闘いとしても発展している。二〇〇四年一月にムンバイで開催された第4回世界社会フォーラムでは世界の米軍基地への反対運動の会議が行われ、三十四カ国から百二十五人が参加した。それ以後、ポルトアレグレの世界社会フォーラムや欧州の社会フォーラム、そして今年カナダのバンクーバーで開催された世界平和フォーラムでも、各国の反米軍基地闘争グループが結集し討議を進めてきた。そして来年三月五日から十日までエクアドルで全世界の反基地闘争が集い、経験を共有し、連帯を深め、共同の行動のためのネットワークを作りだすことになった」。
 「米軍基地に反対するグローバルな闘いが必要だ。とりわけ『不安定な弧』を形成するアジア太平洋は、米軍の新たな軍事戦略の焦点になっている。ハワイやグアムでは先住民の土地が軍事基地建設のために取り上げられている。オーストラリアでは米軍とオーストラリア軍との統合軍事演習が行われ、フィリピンはVFA(米軍訪問協定)によって軍事化が進行している。これらの動きに対して草の根からの力強い闘いが始まっている。韓国、沖縄の辺野古、グアム、ハワイ、オーストラリア、ニュージーランドの闘いを結び、基地のないアジア太平洋をめざして闘おう」。

ミンダナオと平
澤からの報告

 つづいて各国の闘いの報告が次々に行われた。
 ミンダナオ州立大学教授のオクタビオ・ディナンポさんは次のように語った。
 「一九九八年に米軍訪問協定によってフィリピンへのアクセスを再獲得した米軍は、バリカタン軍事演習によって南部フィリピンに『対テロ』作戦の第二戦線を築き上げた。特殊部隊が配置され、軍事基地が建設された。二〇〇一年の9・11以後は、モロ・イスラム解放戦線(MILF)を『テロ組織』と決めつけ、ミンダナオとスルで掃討作戦を展開している。アブサヤフやジャマア・イスラミアがアルカイダと関係しているという口実も作りだされた。フィリピン国軍は、アメリカのための代理軍となっている」。
 韓国の平澤汎国民対策委員会のコ・ユギョンさんは、現在も熾烈に展開されている平澤の米軍基地拡張反対闘争について報告した。
 「平澤米軍基地拡張に反対する闘いではすでに四回にわたって平和大行進が全国規模で展開されている。二〇〇五年十一月には農民の土地の強制土地収用が決定され、二〇〇六年三月から国防部は農地の破壊に乗り出した。一万二千人の人びとが農地破壊に抗議して闘ったが、八百三十人が連行され、五人が裁判にかけられた。住民の意思を無視した米軍基地拡張にあたって国防部は、住民からの対話の要求に対して『大臣と住民対策委員長が同一の席につくことなどありえない』と言い放った」。
 「いま国防部は住民以外の村への立ち寄りを許さず、村は孤立している状況だ。家屋の破壊に対して住民たちは体を張って村を守るために闘っている。住民は平和に暮らす権利を求めているが、一年間にわたって農業ができず、経済的困難に陥っている」。コ・ユギョンさんは、平澤の闘いへの国際的支援を強く訴えた。

辺野古と相模原
からのアピール

 次に、沖縄・辺野古の米軍基地建設阻止闘争から名護ヘリ基地反対協の安次富浩さんが発言した。
 「沖縄県知事選は野党の側の取り組みの遅れと人選の混乱、そして自民・公明の期日前投票動員によって残念な結果に終わった。しかし三十万人以上が基地にノーと言ったことは大きい。久間防衛庁長官は、県外・国外移設は無理だと語り、高市沖縄担当相は、基地受け入れと振興策はリンクしていると言い切った。こうした国の側の高圧的な姿勢と全面的に闘わなければならない」。
 「防衛問題には地域住民はコミットできないと政府は語る。しかしわれわれは防衛問題は国の専管事項だという対応を突き崩す必要がある。アメリカ本国ではバージニア州のジャクソンビル軍事基地をフロリダに移転する計画を住民投票でノーと言ったことによって白紙撤回させている。米国は国内の軍事基地については住民の意見を聞いているのだ。われわれはメディアの悪宣伝を許してはならない。もう一度基地を絶対に許さないという決意を示す時だ」。安次富さんは、気迫を込めて辺野古への新基地建設を阻止する闘いを呼びかけた。
 相模原市議の金子豊貴男さんは、座間への米第1軍団司令部の移転と自衛隊の中央即応集団配置に示される米軍と自衛隊の一体化に対して、「歓迎しない会」を結成して闘うとともに、自治体ぐるみでの反対運動が発展していることをパワーポイントを使いながら説明した。

在沖米海兵隊の
グアム移転NO!

 続いて、オーストラリア、グアム、ハワイから闘いの報告が行われた。
 オーストラリア反基地キャンペーン連合のデニス・ドーハティーさんは次のように訴えた。
 「オーストラリアのハワード現政権は、ブッシュの牧場に招かれたほど、これまでで最も親米的政権だ。アフガニスタンに派兵し、イラクにも四百人の軍隊を送りつづけている。いまや軍事予算は教育予算を上回り、軍事化が急速に進行している。オーストラリア軍は米軍に完全に組み込まれ、米軍のミサイル防衛計画に参加している」。
 「オーストラリアには三十以上の米軍基地があるが、そのうちパイン・ギャップ基地は軍事衛星による情報収集・処理の任務を果たしているスター・ウォーズの戦略拠点だ。いま新たに戦車訓練基地が建設され、米豪軍の合同演習が行われることになっている。昨年、パイン・ギャップ基地に反戦運動を闘う仲間が進入し、ビルの屋上に座り込んで裁判闘争になっている。オーストラリアは大きな国で、基地が人びとから隠されている。基地の存在を人びとに実感させる闘いに私たちは取り組んでいる」。
 グアムの先住民組織「チャモロ・ネーション」のリサ・ナティビダードさんは語る。
 「私たちは生き残りをかけた闘いをやっている。いま八千人の米海兵隊が沖縄から移転すれば、軍関係者の人口は全島民の三六%に達する。軍事基地による汚染、放射線被害によってチャモロ民族の平均寿命は低下している。ぜひ皆さんが、沖縄からの米海兵隊のグアム移転に反対するために日本の政府に働きかけてください。グアム移転経費を日本政府が支払わないようにさせてください。米軍反対の運動を広げてください」。
 ハワイのDMZ(非軍事地域)ハワイ・アロハハイナのカイル・カジヒロさんは「アメリカ帝国の海外における最初の犠牲者であるハワイ」の歴史を概観しながら呼びかけた。
 「米軍はハワイに百六十一の軍事施設を擁しており、それはハワイ総面積の五・七%にあたる。最も人口密度の高いオアフ島では面積の二二・四%が軍事基地だ。ハワイ先住民の活動家カレイコア・カエオの比喩によればハワイは太平洋における巨大なタコの化け物だ。タコの目と耳は山頂に立つ望遠鏡と無線とレーダー装置、脳と神経システムはスーパーコンピューターと光ケーブルのネットワーク、タコの八本の足は、沖縄、韓国、フィリピン、グアム、ディエゴ・ガルシア、アラスカ、南北アメリカなどに巻きついている」。
 「ハワイの先住民はホームレス、投獄者の比率が高く、教育や平均寿命は最低の水準にある。全住民の一七%が軍関係者で、二〇%の先住民に迫る数字になっている。これはままさに自決権と人権の侵害だ。また劣化ウラン弾がハワイで使用されコバルト60が廃棄されている。こうした基地汚染に対してはハワイの非軍事化を進め、土地を取り戻す闘いが必要だ。私たちはハワイ以外のアジア太平洋の人びととの連帯をめざす。グローバル帝国に対するグローバルな闘いを!」。
 各地からのこの闘いの呼びかけに、参加者は惜しみない拍手を送り、「米軍再編」・「戦争国家体制づくり」に対して、アジア太平洋規模の、そして全世界的な闘いの具体的な連携が必要であることを改めて確認した。      (K) 


もどる

Back