もどる

第80回メーデー アピール                かけはし2009.4.27号

資本主義の危機に立ち向かい共に根本的変革めざす挑戦へ

日本革命的共産主義者同盟(JRCL)


破綻した新自由主義

 第八十回メーデーに参加した労働者の皆さん。日本革命的共産主義者同盟(JRCL)は、全世界で戦争に反対し、搾取と抑圧に抗して闘っている人々に心から連帯のあいさつを送ります。
 サブプライムローンの破綻に端を発した金融危機は、昨年九月の米大手証券会社リーマン・ブラザーズの倒産によって一挙に全面化し、驚くべきスピードで世界中に波及しました。金融市場は機能マヒし株価は暴落し、世界各国が米国発の金融恐慌=「百年に一度の経済危機」の中に投げ込まれました。アメリカでもEUでも「最大の事態の回避を口実」に金融機関を救済するために公的資金・税金が注入されました。しかしアメリカではブッシュとオバマの公的資金の投入にもかかわらず自動車のビッグ3などは依然として倒産の危機を脱出できてはいません。逆に労働者に一方的に犠牲を押しつけ、資本・企業だけを救済する政策に対する批判や反対の声は世界中で確実に広がり始めています。四月二日ロンドンで開かれたG20金融サミットに対する抗議の闘いはそれを象徴しています。
 この金融危機の根幹にあるのは、一九八〇年代以来三十年間にわたって世界を支配し続けてきた新自由主義的グローバリゼーションの破産です。一方で「金融工学」と称してローン債権を証券化し、詐欺的にデリバティブ(金融派生商品)を売りさばき、他方では金融投機によって「富」を専有する「マネー資本主義・カジノ資本主義」の崩壊です。
 新自由主義の代名詞ともいうべき「規制緩和」は、あらゆるものを利潤の対象とする市場万能主義の社会をつくり上げました。各国の通貨さえ投機の対象とし一国の富のすべてを吸収し尽くし、多くの国では民営化のもとに公的財産を資本の餌食にした。その結果、世界は「富める国」と「貧しい国」に振り分けられ、さらにそれぞれの「国」の中に格差と貧困を増大させ、民衆の人権を奪い環境を破壊し続けてきました。地球温暖化はその最たるものです。
 かつて新自由主義をけん引してきたG8はアメリカだけではなくEUや日本も完全に行き詰まり、世界銀行、IMF、WTOなど新自由主義的グローバル化を支えた経済システムも今やその権威を失っています。その結果、中国、インド、ブラジルなどの「新興発展諸国」を巻き込んだG20金融サミットを開催する以外に金融危機に対応できないところまで追い込まれています。加えてブッシュのもとで「対テロ戦争」の旗のもとに展開されたアフガニスタンとイラク戦争は今や泥沼にはまり込みパキスタンにまで戦場を拡大し、さらにはイスラエルのガザ攻撃に表現されるように一層国際政治を不安定なものにしています。
 今われわれが目撃している歴史的瞬間は、「冷戦」「東西対立」の終えん以降成立したアメリカ一極体制の崩壊過程であり、資本主義の限界そのものです。しかし資本主義は絶対に自然消滅することはありませんし、危機が深化すればする程労働者人民に牙を向けて生き延びようとします。したがって労働者に問われているのは、「平和・人権・公正・民主主義」に貫かれた政治・社会・経済システムへと変革していくための共同戦線の形成であり、反資本主義的なオルタナティブ政治潮流を形成していくための闘いです。

企業防衛のための派遣切り

 金融危機の最初の段階では政府も財界も「サブプライムローンの影響はアメリカやEUと比較して極度に少ない」と豪語し、「対岸の火事」として見ていました。これを裏付けるように日本の大手銀行や証券会社は、事業拡大の絶好のチャンスとばかりに米金融機関の買収や投資に走りました。政府や財界のこうした行動の根拠になったのは「ローン債権」を日本の金融機関は「それ程保有していない」という判断でした。しかし次の段階で金融危機は日本の脆弱な経済構造を直撃しました。自動車や電機製品の輸出にのみ依存する「経済大国」は、中国の高成長政策やアメリカの金融操作による消費バブルに乗っているだけですから、ひとたび「売れない」「輸出できない」という事態に直面すると一挙に危機に突入してしまうのです。経済先進国で構成するOECD(経済開発協力機構)の中で日本が二〇〇九年のGDP(国内総生産)成長率の見通しで最も大きなマイナス数値が出されているのもそのためです。
 金融恐慌の直撃が明確になると大手企業は一斉に企業防衛に走り出しました。数年間にわたって空前の利益を上げ続けたトヨタを始めとする自動車産業、ソニー、パナソニック、シャープ、キャノンなど日本を代表する大企業は、「赤字」を口実に次々と「派遣切り」「期間工切り」「請負切り」という大量解雇攻撃を行い、数十万人の労働者を路頭に放り出しました。解雇された多くの人は仕事とともに住まいまで奪われ、文字通り人間としての「生存の危機」に直面させられています。解雇攻撃や就職内定の取り消しは四月になっても減少するどころか増大し続けています。
 大企業は非正規労働者に対して働いても働いても生活が苦しい安い賃金と劣悪な労働条件を押しつけながら、他方では五年間に約百兆円を超える内部留保金を蓄えました。百兆円の大半は非正規労働者から絞り取ったものに他ならなりません。しかし大企業は内部留保金の一部さえ労働者に分配せず逆に「派遣切り」という形で企業防衛に走ったのです。労働者の追及に対しては「解雇は派遣会社が決めたことである」と開き直り、再就職の斡旋どころか一切の責任を放棄したのです。ここにあるのは企業の延命だけを優先し労働者を人間として扱おうとしない資本の論理です。
 他方、経済危機に直面した自公政権は「小泉改革の継承」を叫ぶだけで全く積極的な政策を打ち出せず安倍も福田も次々に政権を投げ出しました。昨年九月、公明党のバックアップのもとに自民党は麻生を担ぎ出し、人気を頼りに解散・総選挙に打って出ようとしました。それは自民党と公明党に残された最後の選択でした。だがこの選択も麻生本人の政治家としての資質の欠如が次々と明らかとなり、経済危機の深まりの中でなすすべもなく解散・総選挙を先送りして一日でも長く政権の座にしがみつくことだけを自己目的化しているのです。今や麻生は選挙対策のために小泉の新自由主義構造改革路線からの転換を声高に叫び、自ら総務大臣として押し進めた「郵政民営化」を批判し、他方では「生活支援定額給付金の一律支給」に見られるように二十数兆円ものバラ巻き政策を取り、三年後には消費税の大幅増税で再度労働者に転嫁しようとしているだけです。
 今日の経済危機は資本主義の根本的矛盾と一体であり、中間的、改良主義的余地は残されてはいません。したがって労働者が闘いによって勝ち取る前進だけが未来を保証するのです。

反貧困・反改憲の闘いを

 昨年末から年明けにかけて東京・日比谷公園で実現された「年越し派遣村」の闘いは、「派遣切り」の実態を満天下に明らかにしました。この闘いは数年間にわたり、「日雇い派遣・スポット派遣」の闘いを展開し、グッドウィル、フルキャストさらには「名ばかり管理職」のマクドナルドや洋服のコナカに対するに対する反撃をしてきた労働者たちと労働契約法・派遣法などの労働法の改悪に抗して闘いを展開してきたナショナルセンターを超えた力によって実現しました。その点で「派遣村」の闘いは新たな「反貧困」の闘いの巨大な第一歩を築いたといえます。
 同時に「反貧困」の闘いは、仕事を失うと住居も食事も失うという現実をどのように突き破っていくのかという課題を鋭く突きつけています。今や三八%に達する非正規労働者は人間らしい生活を守るセーフティネットが全く保証されていません。非正規労働者は大手企業・資本にとって三重の意味で「搾取」の対象です。第一は低賃金、第二に一切の保険負担をしなくてもよく、第三は雇用の調整弁であるということです。現在雇用保険の積立金は約五兆円にも達しています。しかし非正規労働者はその支給対象からはずされ、政府は「埋蔵金」として悪用しようとしています。これを絶対に許してはなりません。
 日本経団連の御手洗会長や富士通、トヨタなど大手企業・資本の側は「ワークシェアリング」の導入を主張しています。しかし彼らの論理は三交替を二交替にし、労働時間を短縮させ、余った労働者をレイオフし、その原資を賃金カットと政府の雇用調整金で埋めるというやり方です。これは労働者にとっては賃金の引き下げとなる企業救済案でしかありません。問われているのは「派遣村」で始まった「反貧困」の闘いであり、派遣法抜本改正の闘いです。さらに「派遣村」に合流できなかった女性や外国人労働者の問題も意識的に取り上げていくことが必要です。
 第二の闘いは、米軍と一体となった自衛隊の恒常的な海外派兵・戦争国家の攻撃に対する闘いです。麻生自公政権はソマリア沖へ「海賊対策」として海上自衛隊を派遣しました。これは「武器使用」も含めて自衛隊の海外の実践参加に対して憲法上の制約を最終的に取り払うことをねらったものです。四月五日の北朝鮮のロケット発射に対する「ミサイル有事体制」の発動も同様です。自公政府は一方で排外主義を煽り、一方で多く機会を利用し「改憲」にむけた攻撃を強めているのです。ソマリア「海賊」対処新法の成立を阻止し、米軍再編に反対し、沖縄の辺野古・高江の新基地建設を阻止しなければなりません。そして多くの闘いを憲法改悪反対の闘いに合流させていくことが求められています。
 第三はこれらの闘いを通して自公政権を打倒していく大きな波をつくっていくことです。総選挙を通して民主党が主導する連立政権が誕生しても、再び自民党・民主党の分裂・統合をめぐる新しい政治再編が引き起こされるのは明白です。民主党代表小沢の「西松建設巨額献金」問題をみればそれは一目瞭然です。自公政権を打倒する道は「反貧困」闘争で始まった流れ、米軍再編に反対する反基地闘争、そして憲法改悪に反対する労働者・市民の運動の結集によって実現されなければなりません。フランスを先頭に闘われるヨーロッパやラテンアメリカ、全世界の労働者と連帯して、メーデーを期して新たな闘いを開始しよう。

メーデースローガン
b憲法改悪を許すな!戦争国家づくりを阻止しよう!
b米軍再編反対!沖縄の辺野古・高江新基地建設を阻止しよう!ソマリア「海賊」対処法を阻止しよう!
b労働者派遣法の抜本改正を!あらゆる解雇を許すな!「反貧困」の闘いを!国鉄1047名の解雇争議の解決を!
b三里塚空港のB滑走路の10月前倒し供用を許すな!静岡空港暫定開港阻止!
b気候変動問題に取り組もう!原発いらない!
b全世界・アジア人民と連帯して新自由主義と対決しよう!東アジアの「平和と人権・民主主義」を!万国の労働者団結せよ!




JRCL21回全国大会コミュニケ
「労働者の力」と機関紙共同編集を決定
日本革命的共産主義者同盟(JRCL)中央委員会書記局


 日本革命的共産主義者同盟(JRCL)は三月末に第二十一回全国大会を開催し次の四点を決定した。
 (1)週刊「かけはし」を日本革命的共産主義者同盟(JRCL)と国際主義労働者全国協議会(NCIW)全国運営委員会=「労働者の力」社との共同編集体制に移行する。
 (2)機関紙名「かけはし」、週刊8ページ発行体制を継続する。
 (3)今夏の共同編集・発行体制への移行をめざし、支局体制、機関紙財政などの諸課題を今後両組織で討論していく。
 (4)両組織の共同編集・発行を通して、未だ残されている「組織統合」のイメージ、組織の機能(複数制と「連合党」、左翼再編の展望など)についても討論を継続していく。その中でどのような綱領的・組織的性格をもった「統合」なのかを確認していくとともに、女性差別問題、分裂の総括などにも何を合意し、何を今後の課題として残すのかを含め、両組織の統一を課題とする大会を準備する。
 もちろんこの取り組みは、われわれが挑戦すべき反資本主義左翼オルタナティブ潮流の形成にとってのほんの初歩的な出発点に過ぎない。しかしそれはわれわれにとって避けて通れない任務である。この一歩を踏み出すことが、情勢の要求する「党」とは何かを主体的に探り出す道であることを確認する。

 第二十一回大会はその他の議題として、「情勢の歴史的転換とわれわれの任務」、「当面する大衆運動」、「来年に予定される第四インターナショナル世界大会について」も討論した。そして新しい中央委員を選出し、中央委員会は書記局体制を確認した。
    二〇〇九年四月


もどる

Back