もどる

極右排外主義宣伝許さない!              かけはし2009.5.18号

NO! 天皇制賛美キャンペーン

「在位20年」も「昭和の日」も祝わない! にぎやかにデモ


「奉祝」動員を
拒否する運動を

 四月二十九日、「天皇在位20年」も「昭和の日」も祝わない!4・29実行委員会は、文京区民センターで抗議集会とデモを行い、百二十五人が参加した。
 昭和天皇裕仁の誕生日であった四月二十九日を欺瞞的な「みどりの日」と称して天皇制賛美に動員してきたが、より侵略戦争・戦後責任の「清算」を押し出していくために二〇〇五年五月、「昭和の日」に改称された。「昭和の日」は、政府・与党とともに日本会議、神社本庁などの全国運動のバックアップによって制定を強行したが、より突出した天皇制賛美強要の性格を押し出してきたのであった。
 この流れは現在、十一月十二日に「天皇在位20年奉祝式典」を国家式典として強行することに結実化させようとしている。すでに「天皇陛下御即位20年奉祝国会議員連盟」(自民、民主、国民新、改革ク、無所属。08・10)が十一月十二日の臨時休日法案制定を策動している。また天皇主義右翼の日本会議が中心となった「奉祝委員会」(名誉会長・御手洗冨士夫日本経団連会長。08・6)が「奉祝中央式典」(08・12・19東京)を皮切りに、各地でも「奉祝式典」を開催し全国運動として展開している。
 さらに「昭和の日」を前にして、「天皇在位20年」「明仁・美智子の結婚50年」賛美キャンペーンをマスコミを動員して一斉に展開させた。明仁は、記者会見で「大日本帝国憲法下の天皇の在り方と日本国憲法下の在り方を比べれば、日本国憲法下の天皇の在り方の方が天皇の長い歴史で見た場合、伝統的な天皇の在り方に沿うものと思います」と述べ、あらためて戦争・戦後責任を「清算」し、居直ってきた。天皇制が担ってきた諸犯罪の責任を隠蔽し、歴史の偽造にひた走ろうとしている。こんな暴言を許してはならない!
 反天皇制運動をともに闘ってきた仲間たちは、11・12「奉祝」パフォーマンスを許さず、対抗キャンペーンを果敢にくり広げていくために「〈天皇即位20年奉祝〉に異議あり! え〜かげんにせーよ共同行動」を結成し、全国の反天皇運動とともに逆包囲していこうとしている。4・29闘争は、天皇制賛美キャンペーンの真っ直中に、鋭く切り込んでいく闘いだ。

資本主義の危機
と右派言論の現在
 
 集会は実行委を代表して桜井大子さんの開催あいさつから始まり、「天皇賛美キャンペーンがくり広げられているが、とくに朝日新聞のインタビュー記事はひどい。天皇中心に歴史が回っているようなウソを書き立てている。歴史の捏造を許してはならない」と強調した。
 佐藤道夫さん(大学教員/植民地史)は、「天皇と朝鮮侵略と現在と」というテーマで講演した。
 佐藤さんは、「解放後の在日朝鮮人教育」において政府が在日朝鮮人に対する差別・排外主義に満ちた政策、教育措置を行ってきたと批判し、その結果として朝鮮学校を各種学校として認可してきたことを明らかにした。また、一九九〇年から外国人労働者の急増とともにその子どもたちに対する教育差別、教育費高額負担の強要について「多民族共生教育フォーラム」(07年11月4日)で告発された教育実態を紹介し、在日朝鮮人に対する差別・排外主義政策が再び繰り返されていることを批判した。
 さらに「天皇制の戦争・戦後責任をはっきりさせることができていないことによって同様の現れを作りださせてしまっている」とまとめた。
 リレートークでは、四人の仲間たちから問題提起が行われた。
 外山喜久男さん(「日の丸・君が代」の法制化と強制に反対する神奈川の会)は、「神奈川県教育委員会による卒業式、入学式で国歌斉唱時に起立しなかった教職員の氏名収集に抗議し、県個人情報保護条例違反にあたるとして〇八年十一月に横浜地裁に訴え、裁判闘争を取り組んでいることを報告し、支援を呼びかけた。
 なすびさん(山谷労働者福祉会館)は、「天皇制と山谷」というテーマから@寄せ場に寄生し生き延びてきた暴力団=金町一家に対する日雇全協の闘いの歴史A野宿者襲撃が再発し続ける市民社会とどう向き合うかB外国人差別・排外主義を軸にした右翼の登場に対する警戒について問題提起した。
 井上森さん(立川自衛隊監視テント村)は、「この間の右翼言論分析と課題」について提起し、「右翼の主張は大枠で観念的で理想主義的だ。例えば、『朝鮮支配はいい支配だった』『日本には日本独特のいい文化を持っている』などと主張しつつ、排外主義を強めていく傾向にむかっている。また新自由主義に対して批判しながら救う対象は日本人だけであって、外国人は入っていない。保護主義にむかう流れも始まっているのではないか」と述べた。
 近藤和子さん(女性と天皇制研究会)は、「明仁・美智子の結婚50年」を賛美する写真集、写真展、NHK特別番組を批判し、「ミッチーを支える多くの人々の存在がいる。こういった層に対して反天皇運動は、どのようにアプローチしていくのかも含めて11・12『天皇即位20年奉祝』反対運動を取り組んでいこう」と呼びかけた。
 さらに発言は、「外国人追い出しデモ反対行動」救援会から4・11弾圧と二人の仲間奪還にむけたカンパアピール、「〈天皇即位20年奉祝〉に異議あり! え〜かげんにせーよ共同行動」からの呼びかけが行われた。集会の最後に集会宣言を採択した。
 集会後、デモに移り神保町一帯にわたって反天皇・反戦シュプレヒコールを響かせた。
 なお本日の闘争においても天皇主義右翼は、集会・デモに対して妨害、挑発を繰り返してきた。権力は弱々しく制止するだけで、実質的に馴れ合いながら闘争破壊を一体的に行ってきたのだ。権力・右翼の敵対を許さない!   (Y)


インフルエンザA型:農工業のインフルエンザ
新自由主義と新種ウィルス
ATTACフランス/農民連盟


 新種ウィルスによるインフルエンザがメキシコを出発に世界的な広がりを見せ、各国政府は緊急対応に乗り出した。ここから何を読みとるべきなのか? ATTACフランスと農民連盟の声明を掲載する。(編集部)

問われるべき
農工業モデル

 インフルエンザA(H1N1)型という名称によって着手される取組みは、過熱する報道の中で、このウイルスの出現と拡大の真の原因を覆い隠すおそれがある。それにもかかわらず、しだいに多くのNGO、研究者、北米のジャーナリスト、そしてメキシコの住民の証言が、多国籍企業によって主導され、新自由主義的グローバリゼーションによってもたらされた農工業モデルを問題にしつつある。
 ウイルスの正確な起源に関する確証はないが、ヒト型、鳥型、豚型の混合とされている。しかし、あらゆることから、ウイルスの伝播は農工業と深く結びついていると考えられる。何年も前から多くの科学者が、畜産の工業化や非常に集約的な畜産によってウイルスの伝播や再結合が助長されることを警告してきた[1]。

 重大な手がかりとして、豚肉の生産・加工で世界最大規模の多国籍企業、スミスフィールド・フーズ社が挙げられている。同社はメキシコのラ・グロリアという町にグランハス・キャロルという子会社を持っている。数カ月前から、住民は呼吸器官の病気や変死が発生していることを訴えてきたが、これらはすぐに、この多国籍企業の凄まじい衛生状態(たとえば、屋外に放置された豚の腐った死骸)と関連づけられた[2]。まさにこの地で、国内初の豚インフルエンザの事例が確認されたのだった。
 メキシコ当局は明らかに問題をもみ消そうとした。それにもかかわらず、スミスフィールド・フーズ社はすでに、公衆衛生を危険にさらすその畜産慣行の犠牲者である住民によって告発されている。しかし、農産物加工に携わる他の多国籍企業の場合と同様に、当局の無能力や放任のおかげで、自由な投資の法則が幅を利かせることになったのである。

 もうひとつの潜在的な発生地は、ノースカロライナ州で米国人研究者らによって特定される可能性がある。同州は、養豚業の集約化と工業化が国内で最も進んでいるからである[3]。また他の発生地が特定される可能性もある。重要なのは、少数の多国籍企業の畜産の過度な工業化が公衆衛生にもたらす大きな危険を注視することである。このような工業化は、非常に多くの研究者や機関の警告にもかかわらずおこなわれてきた。この四十年間で、米国の一畜産農場あたりの豚の平均数は五十頭から一千頭に増加した。スミスフィールド・フーズ社の畜産では、巨大な飼育場にそれぞれ数万ないし数十万頭の豚が集約的に閉じ込められる。そこは糞便の池と化しており、汚染をもたらす大量の排泄物と、耐性を高める抗生物質にまみれているのだ。農民や家族による牧畜とはまったくかけ離れているのである。
 今回のインフルエンザが最初にメキシコと北米で特定されたことは、明らかに偶然ではない。一九九四年に米国、カナダ、メキシコの間で締結されたNAFTA(北米自由貿易協定)によって自由貿易圏が創設され、特に予防原則を無視して自由市場が定着したのである。保護される可能性を失ったメキシコの農業は、超低価格の大量の農作物によって壊滅させられたのだ。米国の農産物加工の多国籍企業は、米国で課される規制を逃れるためにメキシコに大量に投資し、大挙して根を下ろすことができた。さらに、メキシコは一九八〇年代以降、IMFと世界銀行の構造調整計画に従っていることも忘れてはならない。これらの計画は、とりわけ国内向けの食糧生産や家族農業を犠牲にして、農業を輸出志向にしむけるものである。その条件は、環境・社会・公衆衛生に関する規制のない、工業化され、汚染を引き起こすような農業へと向かう偏流をもたらすものであった。

 また、このインフルエンザの拡大によって、防止システム、とりわけ世界保健機関のシステム、および北米の公衆衛生システムがうまく機能しないことも明らかになった。これらのシステムは民営化され、財源が乏しく、適切に調整された迅速な対応が取れないのである。さらに、南の国々は、ロッシュ社のタミフルと同様に不可欠な抗ウイルス剤をジェネリック薬品として公然と生産しようとしたが、製薬業界は、この動きを阻止するためにあらゆる手を尽くした[4]。
 鳥インフルエンザの場合と同様に、根本的な原因は自由貿易と多国籍企業による独占支配にある。緊急に、ウイルスの起源、特に北米における畜産の工業化と公衆衛生システムの破綻がもたらす影響について独自に評価をおこなう必要がある。これは容易なことではないだろう。鳥インフルエンザの場合と同様に、養豚業界は、あらゆる手段を使って調査を妨げる可能性が高いからである。より長期的には、農工業モデルおよびそれをもたらした自由貿易協定と市場の自由化を再び問題にしなければならない。世界貿易は、食糧主権そして各人が自らの農業を特に多国籍企業から守る権利において、連帯的かつ協調的なものとならなければならない[5]。さもなければ、公衆衛生に関わるさらに甚大な惨事を覚悟しなければならない。
2009年5月6日

原注
[1]NGO「Grain」のウェブサイトを参照
(http://www.grain.org/article/?id=50);Bernice Wuethrich、「気まぐれな豚インフルエンザの追跡」、『サイエンス』誌、2003年第299巻;「専門家パネルは工業的畜産が公衆衛生に及ぼす深刻な脅威を強調」も参照。これは、2008年11月に議会においてなされた、集約的養豚がもたらす衛生上の大きな危険に関する専門家パネルの警鐘に言及している。
(http://www.pewtrust.org/news_room)。
[2]特にメキシコの日刊紙『ラ・ホルナダ』による。この地域では鶏の集約的・工業的な畜産も多数おこなわれており、最近、鳥インフルエンザが猛威をふるった。ウイルスの再結合の発生源という可能性もある。
[3]「米国動物愛護協会」の公衆衛生・畜産局長Michael Gregerの論文
(http://sheepdrove.wordpress.com/200)。同様に、2004年の「フランス獣医学会会報」には次のように述べられている。「2000年代初頭から、フランスにおける豚のインフルエンザは、第一に、豚の密度がもっとも高いブルターニュ地方の畜産と関係している。これは同地域の畜産に大きな経済的影響を与えている。このインフルエンザの活動は、鳥起源(A/H1N1)または遺伝子再集合体(A/H1N2)のA/H型ウイルスの仕業である。インフルエンザウイルスは不安定なため、疫学的監視を有効におこなうためには検出手段を定期的に調整する必要がある。」
[4]
http://www.guardian.co.uk/comments
[5]このテーマに関して、Attacヨーロッパ/ビア・カンペシーナ・ヨーロッパ共編『食糧主権:欧州は何をしているか?』(Paris, Syllepse,2009)が近刊予定である。
(ATTACジャパンブログより転載)


もどる

Back