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                            かけはし2009.7.13号

「祝日法」改悪案を通すな

「天皇即位20年」を祝わない!
国民動員の「奉祝」式典に抗議を


会期末ねらった駆け込み

 天皇即位二十年奉祝推進派の自民、公明、国民新、無所属議員は、六月三十日、グローバル派兵国家建設に向けた国家主義的国民統合と天皇制賛美強制をセットにした踏み込みとして「天皇即位の礼」から二十年となる十一月十二日を「天皇陛下御在位二十年を記念し、国民こぞって祝うため」の一回限りの休日とする祝日法改悪法案を衆院に提出した。
 麻生政権は末期的なドタバタ劇を繰り返しながら、総選挙に突入する前に民主党の鳩山由紀夫代表をはじめ民主党天皇制支持派を巻き込んで国会会期末の駆け込み成立をねらっている。民主党は、与党との対立構図維持の演出のために法案共同提出に参加しなかったが、天皇奉祝装置作りには素早く「一致」し、賛成へとなだれ込む危険性がある。法案をめぐる国会内状況は、流動的だが警戒を怠ってはならない。祝日法案成立阻止にむけてただちに国会包囲の取り組みに着手することを訴える。
 すでに麻生政権は、「天皇陛下御即位二十年をお祝いする各省庁の記念事業」(5月19日)を発表し、国家的規模の取り組みとして内閣府、文部科学省、総務省、外務省、厚生労働省、農林水産省、環境省、国土交通省、防衛省、宮内庁、海上保安庁で六十六事業を膨大な税金を投入し強行しようとしている。天皇制賛美と権威主義を煽動するための記念事業の実態を暴き抗議していこう。
 財務省は、「天皇陛下在位二十年の記念貨幣」を十一月をめどに発行すると発表し、マスコミに報道させた(7月3日)。資本の延命のために不当解雇、労働者使い捨てが横行し、民衆の生存権が脅かされているにもかかわらず、一万円金貨を十万枚、五百円硬貨を一千万枚を発行するなどという無駄遣いを強行しようとしている。記念貨幣発行を通して天皇制の権威主義を押し出し、民衆に屈服を強制してからめとる茶番劇を許してはならない。
 このような奉祝事業が強行されているなかで「思想・信条を否定する違憲である休日法はいらない」「日の丸・君が代強制を許さない」「なんで天皇奉祝のために仕事、学校を休まなければいけないのだ」「押しつけ休日の労働賃金を支払え」「不快の強制はゴメンだ」「貴重な税金は、労働者のために使え!天皇なんかに使うな」「11・12皇居前10万人奉祝式典をやめろ」と宣言し、真っ向から対決していこう。
 メディアが天皇制・祝日法反対の主張を一切報道しないことに抗して、メディアの腐敗・堕落に抗議しつつ、反天皇キャンペーンを押し進めていこう。同時にこの闘いは、11・12天皇即位奉祝国家式典を許さない闘いの前哨戦でもある。祝日法改悪案成立阻止!

天皇主義者の舞台装置

 反撃の闘いを作り出していくためにも、天皇奉祝推進勢力が国民運動として戦略的に準備し、用意周到に準備してきたことをとらえておくべきだろう。
 第一は、天皇奉祝派のイニシアチブ装置としてでっち上げたのが「天皇陛下御即位二十年奉祝国会議員連盟」である(08年10月16日発足)。会長に森喜朗元首相、自民、民主、公明、国民新、改革クラブ各党などの天皇賛美派衆参両院議員が参加している。
 運動方針として@即位の日に当たる〇九年十一月十二日を臨時休日とする法案の早期成立A同日に奉祝国民大会を開催B政府主催の式典の開催C衆参両院で「賀詞」を決議するD政府に事業推進のための連絡室を設けることを採択している。
 また、天皇制と靖国神社を賛美する日本会議が中心となった「奉祝委員会」(名誉会長・御手洗冨士夫日本経団連会長)と連携することも確認している。日本会議国会議員懇談会の議員は、全員が議員連盟にも参加している。この議員連盟が先行する形で天皇奉祝国民運動の推進装置としてスタートし、麻生政権に国家式典として位置づけさせ、また政府自身も自らの統治支配の脆弱性を挽回していくためのステージとして設定したのである。
 それが四月十日の河村官房長官による「天皇、皇后両陛下御結婚五十年」記者会見を皮切りに、「天皇、皇后両陛下のご結婚五十年をお祝いする式典」(天皇陛下御即位二十年奉祝委員会主催)では森(天皇即位二十年奉祝議連会長)が「ご即位二十年奉祝事業を推進することをお誓いします」などと宣言している。
 とりわけ奉祝賛美キャンペーンでは文化・芸能・スポーツ選手などの動員とその任務を明確にを位置づけ、「祝賀公演」「祝辞」をやらせている。メディアを媒介にして民衆と直近の関係にある文化・芸能・スポーツ選手を前面に登場させ、からめとろうという魂胆だ。
 「政府代表、駐日外交団、衆参両国会議員、都道府県知事及び議長、ならびに経済界、学界、教育界、宗教界など各界代表」(4千人)を動員した「天皇陛下御即二十年奉祝中央式典」(08年12月19日)では浅野温子が「日本神話への誘い」の舞台披露、テノール歌手の秋川雅史が「平成の御代を讃えん」を歌い、続いて4・10式典では宇崎竜童(作曲家、ミュージシャン)、佐藤愛子(作家)、オリンピック参加選手などが「祝辞」を行っている。このような奉祝構造は、11・12奉祝式典に向かう過程でメディアをフル回転させながら、天皇主義イデオロギーの浸透を巧妙に強化することを狙っている。文化人・芸能人を総動員した天皇賛美漬けに抗して反撃パフォーマンスを準備していく必要がある。

戦争国家づくりの一環

 天皇奉祝推進勢力の中心である日本会議と日本会議国会議員懇談会は、運動の第一ステージの節目として休日化法案成立と改憲攻撃強化に設定している。麻生首相への「天皇陛下御即位二十年奉祝運動と靖国神社参拝について要望 」(@天皇陛下御即位二十年を記念し、今年11月12日を臨時祝日としてほしいA新教育基本法に基づいた道徳教育の充実B集団的自衛権の政府解釈見直しC靖国神社の参拝)申し入れによって、その政治性格が浮き彫りになってきた。麻生は、内閣支持率低下を止める願望をかけて「ご要望の内容は、日本会議でこれまでよく承ってきたものであるので十分理解している」などとリップサービスするほどだ。
 天皇奉祝運動は、麻生が「世界の平和を願われる大御心に思い」「日本国と日本国民の行く末のために一身をなげうって邁進する所存です」などと「祝辞」(中央式典)を行ったように戦争ができる国作りの一環として天皇制を位置づけ、積極的に加担させていくための統合装置として再編していこうとしている。
 このことを最も自覚しているのが天皇自身だ。結婚五十年にあたっての記者会見で天皇は、世界的金融危機と同時不況下の奉祝演出に対して「国民生活に大きく影響を与えている厳しい経済情勢のさなかのことであり、祝っていただくことを心苦しくも感じています」などとポーズをとりながら、白々しく「人々が協力し合って社会を支えていくことが重要になってきています。私どもはこのように変化してきた日本の姿と共に過ごしてきました」などと人権侵害と民衆の分断・差別、排外主義の元凶であることを対象化せず、自己保身的に棚上げするのだ。あげくのはてに天皇制の歴史と伝統を守り抜く決意表明を行い、「私は昭和天皇から伝わってきたものはほとんど受け継ぎ、これを守ってきました」から、これからも「天皇の在り方としてその望ましい在り方を常に求めていく」と言い出す始末だ。
 ここには天皇制の戦争・戦後責任、アジア・太平洋民衆、沖縄民衆への敵対の歴史を直視し、反省する姿勢などまったくない。皇室外交、国体・植樹祭、数々の皇室出席行事などの諸活動がグローバル派兵国家建設を支えぬく活動としてあることを自己の任務として再確認したのである。こんな欺瞞的な天皇制は廃絶しかないのだ。

警察の弾圧と右翼の挑発

 反奉祝の闘いにとって注意しなければならないのが民主党天皇支持派の存在だ。祝日法案推進派は、昨年から国会提出を準備を進めていたが、民主党との「対決」構図の中で見送っていた。しかし、国会の会期末と総選挙が迫る中で六月下旬に議連実行委員長の平沼赳夫が鳩山に協力を要請し、「承諾」してしまった。
 そもそも鳩山は、改憲論者であり、『新憲法試案 尊厳ある日本を創る』(二〇〇五年)で天皇元首化と自衛軍保持を柱とする改憲試案を明らかにしてきた人物だ。新憲法制定議員同盟(自民、民主、公明、国民の改憲派議員)の顧問にも就任(08年3月)し、改憲運動をリードしてきた。
 鳩山は、議員連盟設立総会で「自民党と民主党、お互いの損得を超えて、日本の未来のために果たすべき役割」があることを強調し、(天皇は)「国賓の接遇、或いは外国訪問は、憲法の中の国事行為には記されておりません。私はでき得るならば憲法改正の議論の中でこのようなことも国事行為として謳われるべきではないかと申し上げたい」などと述べ、改憲と天皇制強化を主張してきた。鳩山による改憲運動への新たな踏み出しを許してはならない。民主党天皇支持派の祝日法賛成をバネにした11・12天皇賛美「挙国一致」の大演出の積極的役割を許してはならない。
 衆院選後、どのような政権が成立しようが天皇賛美政権が登場する可能性があることを警鐘乱打していく必要がある。たとえ民衆の「気分」が「シラケ」ていようが「盛り上がっていない」状況でさえも、支配者たちは天皇奉祝舞台を最大限利用しぬくのである。祝日法改悪は、その効果作用として役割を果たす。祝日法は、「国民こぞって祝い、感謝し、又は記念する日を定め、これを『国民の祝日』と名づける」(第一条)と称して、天皇制を賛美するために「建国記念の日」(2月11日)、「昭和の日」(4月29日)、「海の日」(7月20日)、「天皇誕生日」(12月23日)の制定を強行してきた。休日が増えることへの民衆の「喜び」を天皇制祝意へと強引に直結させることを繰り返しインプットし、天皇制を定着させようとしているのだ。この延長には、天皇と国家を讃え、忠実な民として自己犠牲と奉仕を求め続けるところにある。戦争国家を支え、担いきることなのだ。天皇制を支える祝日法改悪は廃案しかない。
 支配者たちのこれらの意図と連動して公安政治警察が中心となった天皇制警備体制の着手、反天皇制勢力に対する不当弾圧・微罪逮捕・予防拘禁の拡大さえも強行してくるだろう。また、天皇主義街頭右翼らは、反天皇集会とデモへの嫌がらせ・挑発行動を街宣車の台数を増やしながらストーカー・ローテーションを任務分担し訓練してきた。11・12反奉祝集会・デモ、関連企画に対して執拗な妨害行動、突撃隊を組織してくるだろう。このような天皇主義右翼となれあいながら公安政治警察は、天皇制を支える先兵として強化されているのである。天皇制と政治暴力は一体なのだ。反天皇・反警察闘争を押し進めていこう。天皇賛美祝日法案を阻止していこう。(遠山裕樹)




11月12日を「臨時の祝日」と
する法案の不採択を要請します

 2009年7月6日


衆議院議長 河野洋平様

〈天皇即位20年奉祝〉に異議あり!え〜かげんにせーよ共同行動
東京都千代田区三崎町3-1-18 市民のひろば気付

 6月30日、天皇の「即位の礼」から20年となる今年11月12日 を「臨時の祝日」とする法案が、衆院に提出されました。この法案の目 的は「天皇陛下御在位20年を記念し、国民こぞって祝うため」となっ ています。私たちはこの法案に反対する立場から、法案不採択を求める ものです。
 私たちにとってこの20年とは、本格的な戦争国家化と派兵の20年 であったし、歴史の書きかえ問題が大きく浮上し、言論や表現の自由も 大きく奪われていく20年でした。経済的には多くの人を追いつめてい く20年でもありました。とても祝えるような20年ではありません。
 職を奪われ、いくら働いても生活できるだけの賃金が保障されず、人 件費削減にともなう加重労働で過労死が相次ぎ、年間の自殺者もこの間 3万人を超えています。こうした深刻な社会問題にまともに向き合うこ ともせず、「天皇即位20年」を祝うための諸行事が準備され、さらに は休日化までなされることに、割り切れない思いを感じる人は多いと思 います。
 また、何かのために仕事を休んだり、何ごとかを祝ったり、あるいは 何ごとかを祝うために休んだりするということは、本来個々人が自由に 選択すべきことです。こういった基本的な人権に属することすらまとも に保障されていないなかで、「天皇を祝うために休む」ことを、一方的 に法律で定めるなど、およそ受け入れられるものではありません。
 そもそも休日にしてまで天皇を祝うことを、なぜ強要されるのでしょ う。多くの「国民の祝日」が天皇制と深い関わりを持っていますが、と りわけこの休日化は「祝われる人」と「祝わされる人」が存在するとい う関係を、この社会に持ち込み固定化させます。それは身分差別を前提 とするものであり、それを法律で強制することにほかなりません。
 それだけではありません。11月12日が休日とされ、この日に仕事 や学業を休むことになる人々は、「国民こぞって祝うため」という目的 を掲げる法律の趣旨に沿えば、その日を休日として過ごすだけで、本人 の意図とは無関係に、「天皇即位20年」を祝ったことにされてしまい ます。また、当日は政府式典をはじめ地域でもさまざまな行事が準備さ れていると聞きますが、そこでは「奉祝」を強制され動員される、休む ことのできない公務員や従業員がいることも忘れるわけにはいきませ ん。天皇を祝うために休ませられ、あるいは働かされる日になるのです。加えて、日払いで働く人が、この日に働きたいのに仕事を奪われたり、あるいは正規従業員が休むために非正規従業員が安い賃金でも働か されるという矛盾した事態も作り出します。
 式典等では「日の丸」と「君が代」があたりまえのように揚げられ、 流され、強制されるでしょう。
 こういった祝意の強制=休日化法案は、民主主義を破壊する行為であ り、天皇という存在を特別視する身分差別であり、「国民こぞって奉祝 する」という全体主義的な状況を、法律でもって作り出していこうとい うものです。私たちはこれに断固反対します。
 以上のとおり私たちの本法案不採択の考えを表明し、それが無視され ることなく、議会に反映されることを強く要請します。

【訂正】前号(7月6日号)2面第四インター声明2段左から5行目「集中」を「手中」に、同2面佐藤昌子さんの発言最下段【3面へつづく】の前に「別など全くありませんでした」を挿入します。


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