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院内集会「ガザ紛争は解決していない」          かけはし2010.2.22号

「国連決議にのっとった行動を」

封鎖が継続し
復興は不可能

 二月九日、「ガザ紛争は解決していない――国際社会は国連決議にのっとった行動を」院内集会が、午後一時半から衆院第二議員会館で開催された。アムネスティ・インターナショナル日本、アーユス仏教国際協力ネットワーク、日本国際ボランティアセンター(JVC)、日本聖公会東京教区「エルサレム地区協働委員会」、日本YWCA、パレスチナ子どものキャンペーン、パレスチナの子どもの里親運動、ピースボート、ヒューマンライツ・ナウが共催した。
 二〇〇八年十二月二十七日のイスラエルによる大規模空爆から始まったパレスチナ自治区ガザへの軍事攻撃は、二〇〇九年一月十八日に停戦となったが、その間千四百人にのぼるガザの一般市民が殺され、政府機関、産業インフラ、病院、学校、住居などが徹底的に破壊された。しかもイスラエルによる封鎖は継続したままであり、復興は事実上不可能になっている。瓦礫は放置されたままであり、学校や病院の割れた窓ガラスさえ修復できていない。こうしたイスラエルによる戦争犯罪・人道に関する罪を「不処罰」のまま見過ごすことはできない。

ゴールドストーン
報告書と勧告

 国連人権理事会は二〇〇九年一月十二日に「イスラエルによるガザ攻撃非難、攻撃停止と撤退」「イスラエルによる占領政策の停止」「ガザ地区封鎖の即時解除」「国際人権・人道法の尊重をすべての当事者に要請」「国際人権・人道法違反を調査する独立調査団の設立」を決議した(日本は棄権)。この決議に基づきゴールドストーン判事を団長とする独立調査団が形成され、ガザに現地調査、ジュネーブでの公聴会など、イスラエル、パレスチナ武装組織(ハマス)双方の国際人権・人道法違反についての公正な調査を実施した。
 九月十五日にゴールドストーン報告書が公表された。報告書はイスラエル、パレスチナ武装組織の双方に戦争犯罪が認められること、人道に対する罪に該当する可能性があることを認定し、かつイスラエルによるガザ封鎖がジュネーブ条約に違反する「集団懲罰」にあたるとして、即時の封鎖解除を求めた。また国連安保理に対しては、安保理がイスラエル政府に対し、同報告書の国際人権・人道法違反について三カ月以内に国際基準にのっとって調査するよう求め、その後三カ月以内に安保理への報告を行うよう求めることを勧告した。また安保理がイスラエルによる調査の進捗状況をモニターするための専門家委員会を設置し、進捗状況を安保理に報告することなども求めている。
 十月十六日の国連人権理事会はゴールドストーン報告書と勧告を承認する決議を可決したが、日本はふたたび棄権した。十一月五日の国連総会は、人権理事会決議を承認し、ゴールドストーン報告書を安保理に持ち込むよう国連事務総長に要請し、イスラエルとパレスチナの双方に独立した調査を三カ月以内に行うよう求める決議を可決したが、欧米諸国の多くと同様に日本もこの決議にまたも棄権したのである。
 その後、今年一月二十九日にはイスラエル政府とパレスチナ側が「調査報告書」を提出したが、それは「国際基準に立脚し信憑性の高い調査」に合致したものであるかは疑念が持たれている。とりわけイスラエルの調査報告書は、調査の全貌が公表されておらず透明性がない、現地調査や被害者側への事情調査が行われておらず軍内部の事情聴取のみで結論を出している、調査官は軍属で独立性・中立性が認められない、住宅密集地での白リン弾使用の責任に対処していない、などの問題が指摘されている。

日本政府はなぜ
棄権したのか

 院内集会では民主党の首藤信彦衆院議員、辻恵衆院議員、藤末健三参院議員が発言した。藤末参院議員は「憲法の精神にのっとった国際貢献」をと語り、ハイチから帰国したばかりという首藤衆院議員は、日本政府が一連の国連決議に棄権した問題にふれ「政権交代したものの外務省の中ではブッシュ・小泉時代の政治が続いている」と批判し、「普天間『移設』問題への対応と中東問題への対応は表裏の関係にある」と語った。
 ゴールドストーン報告書と国連の対応に関しては「ヒューマンライツ・ナウ」の伊藤和子さんが報告し、イスラエルの調査報告書に対してはアムネスティ・インターナショナル日本の川上園子さんが批判を行った。
 ここで志野光子・外務省総合外交政策局人権人道課長が日本政府の立場について紹介した。志野課長は「多くの人命がガザで失われたことは残念だが、今回のゴールドストーン調査団が送られる前にイスラエルを最初からターゲットにしているのは問題だ。誰が悪いのかを特定してしまっている。ゴールドストーン報告書の努力は評価するが、最初に与えられた権限が片務的であった結果としてイスラエルでの調査ができなかった。ガザの和平についてのゴールは共有するものの、アプローチを間違えると解決できない」と語り、イスラエルへの「配慮」の必要性を主張するものだった。
 この外務省側の主張について「ヒューマンライツ・ナウ」の伊藤和子さんは「最初の人権理事会決議が一方的だと言われるが、スーダンのダルフール紛争についてはスーダン政府側の拒否にもかかわらず、スーダンの大統領を国際刑事裁判所に訴追している。明らかに国際人道法の適用に関してバランスを欠いておりダブルスタンダードだ。これだけの人権侵害が放置されたまま中東の平和を実現できるのか」と批判した。
 パレスチナ子どものキャンペーン事務局長の田中好子さん、JVCの藤屋リカさんが侵攻から一年、封鎖から三年のガザ現地報告を行った。「依然として二万人がテント生活を余儀なくされており、瓦礫の撤去も手作業でなかなか進んでいない。学校に行かない子どもが増え、住民の八割が援助物資に依存する生活だ」(田中さん)。「ガザの人びとは、爆弾が降っていた時の方が世界の人びとに支えられているという実感があった。今は忘れられているのではないかという不安が頭をよぎる、と語った。必要なことは国際的な理解と共感だ」(藤屋さん)。
 最後に「(人権犯罪への)不処罰に終止符を打つ」ために日本政府が積極的な役割を果たすこと、「イスラエル政府およびエジプト政府に対して、ガザ地区の封鎖解除を求めて積極的に働きかける」ことを政府に求める集会アピールを確認した。      (K)



パナソニック電工派遣切り勝利和解
佐藤昌子さんの正社員・職場復帰を祝うつどい

 【宮城】一月十九日仙台市で、「パナソニック電工派遣社員・佐藤昌子さんの正社員・職場復帰を祝う宮城のつどい」が開催された。宮城全労協の組合員など五十名が集まり、ともに勝利を喜んだ。
 宮城全労協大内議長が集会呼びかけ人を代表して開会の挨拶を行った。
 鈴木弁護士は原告の激闘をねぎらいながら、「派遣切り裁判で職場復帰した例がないので、本件和解はとても貴重な成果となった。全国の同様の裁判に波及してほしい」と強調。
 宮城合同労組の星野委員長が経過報告。「比較的早期に争議を勝利解決することができた。全国の仲間が連帯して各地で抗議行動を展開したし、佐藤さんはマスコミにも積極的に訴えた。裁判と抗議闘争と社会への訴えが一体となって勝利をもたらした」。
 参加者たちは歓談しながら、勤務を終え郡山市から駆けつける佐藤さんの到着を待った。宮城合同労組の調理師の組合員が、この日のために手作り料理を用意した。
 ようやく会場に着いた佐藤さんは、これまでの支援に感謝しつつ、自分なりの信念をもって労働者の仲間たちと歩んでいきたいと抱負を語った。勝利和解以降、同じ境遇にある労働者たちから、とても勇気づけられたと手紙などが寄せられているという。「私の闘いがそのような形でつながっていっていると実感する」。
 「職場では以前と同じように働いている、同僚たちも声をかけてくれているので安心して」と近況を語ったとき、ひときわ大きな拍手が起きた。争議を経て復職した佐藤さんが「イジメられていないか」と、皆が気にかけ心配していたからだ。
 ふくしま連帯ユニオン、共生ユニオンいわての仲間をはじめ、参加した組合員から発言が続いた。パナソニック争議や佐藤さんとの関わりを、一人ひとりがかみしめていた。
 参加者を代表して宮城合同労組の仲間から佐藤さんに花束が贈られた。佐藤さんは「パナソニック電工裁判勝利和解 二〇〇九・十二・二十五」と印した記念品の「しおり」を皆に贈った。宮城合同労組の銘板製造職場の仲間たちが作製したもので、「人として生きられる社会を創造しよう。つながって歩いていこう。希望も揺るぎ無い信念もそこから生まれる」と、佐藤さんの言葉が刻まれていた。
 なお、宮城全労協のホームページを参照してください。       (八木)


10けんり春闘発足総会・学習集会
安定した雇用と生活できる賃金の獲得へ全力で闘おう

二月三日、10けんり春闘全国実行委員会の発足総会・学習集会が全水道会館に百二十人が結集し、10春闘を全力で闘う決意を確認した。
藤崎けんり春闘代表は、「デフレ、10年連続の賃下げ、年収二百万円以下の労働者が一千万人を超え、失業率も五%台と高水準を維持している。10春闘は、安心した雇用と安定した生活ができる賃金の獲得が必要だ。膨大な内部留保の社会的還元、企業優先から労働者重視、生活優先の社会の実現に向けて、派遣労働者、外国人労働者の均等待遇実現、国鉄闘争の勝利解決をめざし、お互いに頑張る春闘を闘う!」と挨拶。
中岡事務局長から、09春闘総括、10春闘をめぐる状況、歴史的転換点における働くものが報われる社会実現へむけた闘いの目標(@生活できる大幅賃上げ獲得A長時間労働の規制Bセーフティネットの再構築C労働者派遣法抜本改正実現D沖縄基地撤去)と実行委員会体制、財政が提案され承認された。

歴史の歯車回す
労働者の運動を

学習集会は、元東京大学教授の田端博邦さんが「歴史の転換と労働運動」という表題で講演。新自由主義時代とその崩壊、新しい時代をどう労働運動が作り変えていくのかという視点から話された。
一九三〇年頃から一九八〇年頃までのケインズ主義と福祉国家の時代、一九八〇年から二〇〇八年の新自由主義時代の比較。自由な個人と自己責任を前面にした社会的ルールがない中での「自由な選択」による派遣労働の拡大と格差社会拡大を新自由主義が作り出してきたこと。
カジノ資本主義から健全な金融システムにむけた世界的な規制が必要であり、各国政府に求めていくために国民、労働者が世論を動かす主体とならなければならないこと。そのためにグローバルなところから時代を見てローカルな運動を積み上げていく必要があると訴えた。
その上にたって、これまでの経済の仕組みや労働市場の構造を問わずに「賃上げのみ」を求めてきたのは、世の中の動きを変える視点が労働運動のなかになかったことを意味する。歴史の転換とは労働運動が変っていく時代ということであり、歴史、時代は変っていくものであり、その歯車をしっかり回す労働運動を、と呼びかけた。  (H)


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