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日本の歴史認識を問う「韓国併合」100年集会      かけはし2010.3.15号

日本の責任のボカシ決着図る
天皇訪韓の政治的本質を暴露

今年を東北アジア
の大きな転換点に

 「韓国併合」100年―3・1朝鮮独立運動91周年/今こそ100年に及ぶ不正常な関係に終止符を!2・27集会が、文京区民センターで行われた。
 この日の集会を前にして、集会主催団体である「2010年運動」は、「韓国併合」百年を問う全国のさまざまな運動との連携を進めてきた。また、韓国の「真実の未来―国恥100年共同事業推進委員会」との間で、今年の八月に大規模な「日韓市民共同宣言大会」を開催することを決め、一月三十一日には日本側実行委員会を結成している。
 集会は主催者を代表して、日韓民衆連帯全国ネットワーク共同代表の渡辺健樹さんの基調報告から始まった。渡辺さんは、「併合百年」の歴史を節目にして、「日本が朝鮮半島で何をやってきのたか、歴史認識問題が鋭く問われている」とした上で、@日本政府は強制連行、「慰安婦」などの被害者に謝罪と補償を行うことA日朝国交正常化を早期実現し、そのなかで拉致問題も解決すべきだB朝鮮植民地支配百年にあり、謝罪と反省の国会決議と政府談話を要求するC永住外国人の地方参政権問題や「高校無償化」問題で、朝鮮籍の人々や朝鮮学校に対する排除、除外に反対する。在日外国人の民族的民主的権利を確立し、差別・排外主義と暴力の根絶D天皇の訪韓反対を訴えた。また、朝鮮半島の平和と統一、東北アジアの非核・平和の課題を指摘し、「東北アジアの真の和解と平和のための2010年日韓民衆共同宣言」をテコとしながら、大きな転換点を作り出そうとしめくくった。

戦後民主主義意
識のウラオモテ

 続いて、伊藤晃さん(元千葉工大教授)の講演「日本と朝鮮半島の過去・現在を問い直す」に入った。伊藤さんは一点目に、天皇の訪韓をめぐって「日本が東アジアのヘゲモニー国家になるために、日本の責任はあいまいにしたままで国家間の和解をするのが日本の希望であり、そこに皇室外交、天皇の役割がある」と、天皇訪韓の政治的本質を暴露した。そのうえで、和田春樹、大沼保昭ら「中道・リベラル」派による「天皇訪韓提唱」に対して、「支配集団の戦略に従った言動であり、日本民衆の多数派に謝罪や国家責任追及の心がないのに、ないものをあるかのように語ることが天皇ならできるという考えだ」と鋭く批判した。
 二点目に、「戦後日本民衆の自己意識について」語った。「平和と民主主義の意識は事実存在するが、オモテとウラの両面をもっているという問題がある」と指摘して、国民主権の意識については「人権への無自覚は外国人への差別意識を払拭できないまま、私生活と国家の豊かさを背景に、先進国的国家主義が形成された」。平和意識については「国際政治の中での日本の軍事的プレゼンスの現実にいての無感覚、あるいは語らないということは、外から見れば二枚舌である。現実は沖縄が突きつけている。憲法第九条の非武装について、どのようにすれば現実に可能なのか本気で考えるべきではないか」と訴えた。
 また戦後補償の要求は、「戦後民主主義意識のオモテとウラの妥協、相互交通を批判し、オモテとウラを処置すべきことを主張する闘いだ」と位置づけた。あわせて司馬遼太郎が侵略と抑圧という現実を切り離して、「健康なナショナリズム」という視点から明治日本を肯定しようとしていることを指摘し、彼の日本賛美論、中国・朝鮮自主性欠如論、男権主義を厳しく批判した。

差別意識の原
因は国家権力

 ノレの会の歌の後、各報告が行われた。まず、昨年十二月四日の「在特会」による京都朝鮮第一初級学校襲撃事件の映像が上映されてから、「排外主義集団『在特会』による朝鮮学校襲撃を許さない」報告を、ペ・アンさん(NPO役員)が行った。ペさんは「貧困がレイシストを生みだす理由にはならない。社会の底辺でもがき苦しんでいる人々が、より弱い人々を襲うという差別意識の原因は国家権力にある。彼らの行動を批判する議員もマスコミも皆無であり、日本には彼らを罰する法律すらない」と訴え、さらに高校無償化問題で朝鮮学校を除外しようとする動きを指摘し、「政府は『在特会』とどこが違うのか。真の敵は国家権力だ」と訴えた。
 「日本軍『慰安婦』問題の解決に向けて」の報告は中原道子さん(VAWW―NETジャパン共同代表)が行った。中原さんはソウルで行われてきた日本大使館への「水曜日デモ」が九百回を超えたことなど、一九九一年以降の「慰安婦」問題での運動の経緯と成果について報告したうえで、「日本政府が公式に謝罪し補償すること以外に和解はなく、和解を受け入れる権利はハルモニ(おばあさん)たちにだけある」と訴えた。

「韓日民衆共同
宣言」を採択

 続いて「韓国ゲストの特別アピール」が行われた。ハン・チュンモクさん(韓国進歩連帯共同代表)は、韓国で五十団体が賛同している「韓日民衆共同宣言」を、三月一日に記者会見で発表することを報告。「南と北の民衆が団結し、世界の人々が連帯して進む道の向こうには勝利があると確信している。共にがんばろう」と訴えた。
 次に、韓国側と同時発表される「東北アジアの真の和解と平和のための2010年日韓(韓日)民衆共同宣言」が読み上げられ、二百人を超える集会参加者の拍手で確認された。
 集会は最後に、辺野古への基地建設を許さない実行委員会、許すな!憲法改悪・市民連絡会、2010安保連絡会、「韓国強制併合100年」共同行動日本実行委員会、在日韓国民主統一連合からアピールを受けた。
 この日も、区民センター前の路上で「在特会」による集会妨害行動があった。拡声器を使って朝鮮人へのあらん限りの差別発言と罵声を吐く。国家権力や排外主義者らの妨害、敵対をはねのけて、二〇一〇年を大きな転換の始まりにしていこう。 (R)




民法改正を求める!決起集会
「今国会で民法改正実現を!」
全国の運動結集し決議採択


法案制定可能な局
面で最後の攻防

 三月三日、選択的夫婦別姓制度導入や婚外子相続差別撤廃などの民法正実現を目指して憲政記念館で「民法改正を求める!3・3決起集会」(主催・実行委)が行われ、四百人が参加した。
 選択的夫婦別姓制度導入や婚外子相続差別撤廃などの民法改正は、一九九六年に法務省法制審議会の答申として提起されていたにもかかわらず、自民党政権と右翼ら反対勢力の妨害によって制定が阻まれてきた。すでに国連女性差別撤廃委員会などの人権委員会から繰り返し法改正勧告が行われきたが、ついに日本政府に対して法改正実施のためにとった措置の報告を二〇一一年までに行えと通告されるまでになっている。夫婦同姓を法律で強制したり、婚外子への相続差別を規定する国は日本だけだと言える。
 しかし鳩山内閣には長年、民法改正運動を取り組んできた千葉景子参院議員(民主党)、福島みずほ参院議員(社民党)が法相、男女共同参画担当相として入閣し、今国会で改正案を提出することを表明。改正運動とともに両大臣のイニシアチブによって法案制定の実現が可能な局面が生まれている。ところが連立政権を組む亀井静香金融相をはじめ国民新党が反対の立場のため閣内不一致状態にあり、法案提出にむけてデッドロック局面も発生している。運動強化によって法案提出をかちとっていこう。
 ジェンダー平等社会への前進するための踏みだしの一つとして選択的夫婦別姓制度導入や婚外子相続差別撤廃の実現が必要だ。亀井ら国民新党の敵対を許さず、鳩山政権は改正法案を国会提出せよ。

チャンス生かす
運動強化へ大結集

 開会あいさつが榊原富士子(弁護士)実行委員長から行われ、「法案制定実現にむけたチャンスがおとずれている。この機会を逃さず、運動を強化していこう」と訴えた。
 棚村政行さん(早稲田大教授)と犬伏由子さん(慶大教授)から民法改正にむけた取り組み経過、法案についての解説と今後の運動強化の方向性を提起した。
 来賓あいさつとして大森政輔さん(元内閣法制局長官)、小池信行さん(元法務省参事官)、宇都宮健児さん(次期日弁連会長候補)、山本剛嗣さん(次期日弁連会長候補)、菊池幸夫さん(弁護士)、川崎達也さん(第二東京弁護士会会長)、久保利英明さん(弁護士)、樋口恵子さん(評論家)から発言。
 政党挨拶が小宮山洋子衆院議員(民主党)、浜四津敏子参議院議員(公明党)、仁比聡平参議院議員(共産党)、近藤正道参議院議員(社民党)から行われた。
 次に林陽子さん(国連女性差別撤廃委員会委員)、野中廣務さん(元官房長官)、泉徳治さん(元最高裁判事)からのメッセージ。
 さらに千葉景子法相から「多様な生き方、家族のありようをお互いに認め、ともに支え合う男女共同参画社会の推進のためにも制度実現に向けて全力を傾注してまいります」、福島みずほ男女共同参画担当相からも「昨年の女性差別撤廃委員会の総括所見においても、民法改正は二年以内のフォローアップを求められています。政府においても男女共同参画会議で重要課題として取り上げてきました。民法改正は、内閣をあげてやるべきことだと考えています」と強調するメッセージが届いていることが紹介された。
 会場壇上には全国から駆けつけた民法改正運動団体が登壇。「通称使用」裁判を取り組んできた関口礼子さん、住民票│戸籍続柄裁判、「婚外子」差別に謝罪と賠償を求める裁判を支援する会、婚外子差別をなくし戸籍制度を考える会、なくそう戸籍と婚外子差別・交流会、選択的夫婦別姓の会・富山、夫婦別姓選択制の実現をめざす―あいち別性の会、夫婦別姓選択制をすすめる会、別姓を考える会から運動の取り組み報告と改正実現にむけて力強いアピールを行った。
 最後に「今国会で民法改正実現を!」決議を参加者一同で採択した。

右翼の最後のあ
がきを打破ろう

 民法改正反対派の自民党、天皇主義の日本会議系、極右派は、日本を解体する「選択的夫婦別姓絶対阻止!」を掲げて敵対を強めている。この日も法案反対派は、参院議員会館で集会を行っている。自民党の高市早苗衆院議員が「子どもたちが受ける悪影響は計り知れない」、山谷えり子参院議員も「すばらしい歴史、家族の歴史を紡いできたこの日本を解体してはならない」などと危機アジリを飛ばしていた。要するに反対派の主張は、夫婦別姓制度によって家族の姓を「統一」している民法上の「家族の原則」を崩壊させ、家族解体を導くものだというのだ。この延長に民衆の多様な生き方を認め、豊富な共存社会を作りだしていくことを拒否する天皇制と家父長制の防衛がある。手前勝手な珍説を押し出して法案反対アピールを繰り返しているにすぎない。グローバルな社会的公正の実現をめざす民衆運動と真っ向から対立するだけではなく、男女共同参画基本計画破壊につながる悪質なものに貫かれている。
 日本政府は、一九八五年に女性差別撤廃条約を批准しているが、いまだに民法の婚姻最低年齢・再婚禁止期間・夫婦別氏選択・婚外子差別の差別的規定を改正することをサボタージュし続けている。国連人権機関から是正勧告を受けているにもかかわらず「国民の意識が高まっていない」などと根拠薄弱なことをでっち上げて逃げ続けてきたのである。
 そして反対派は、政府のサボタージュを免罪する行動隊として運動を突出させてきた。熾烈な攻防局面において反対派は、頑張れ日本!全国行動委員会、草莽全国地方議員の会、外国人地方参政権絶対阻止行動委員会、日本文化チャンネル桜二千人委員会有志の会などが「密集」して全国展開を開始している。外国人参政権と合わせて「日本亡国法案」と規定し、街頭に登場し、全国集会を準備している。反対派の天皇制と家父長制を守り、強化していくための法案反対運動を許さず、法案改正を実現していこう。
 なお理論武装していくために『よくわかる民法改正―選択的夫婦別姓&婚外子差別撤廃を求めて』(編著:民法改正を考える会 発行:株式会社朝陽会)で学習することを薦める。パンフレットは、「夫婦同姓の強制、女性にだけある再婚禁止期間、男女差別の婚姻適齢、婚外子相続差別」など民法の問題点と改正の必要性をわかりやすく解説している。
 上野千鶴子さん(社会学者)は、「待ちに待ったチャンスがとうとうやってきた。今まで民法が改正されなかったほうがふしぎ。これを読めば『抵抗勢力』を論破できる!法律家やジャーナリストが熱い思いを傾けて世に送る緊急出版。民法が社会を変えることはめったにないが、社会の変化は民法を変える。すでに現実になってしまった変化をおしとどめようとする現在の民法は近い将来に「旧民法」と呼ばれるようになるだろう」と推薦している。ぜひ一読を!    (Y)

b詳細については「民法改正情報ネットワーク」を参照へ。
http://www.ne.jp/asahi/m/net/


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