第四インターナショナル第16回世界大会開催
二月末、世界すべての大陸にわたる四十カ国の支部、支持組織、ゲスト組織からの二百人以上の代議員、オブザーバーなどの参加の下に、第四インターナショナル第十六回世界大会がベルギーで開催された。日本からは日本革命的共産主義者同盟(JRCL)と国際主義労働者全国協議会(NCIW)の代表が参加した。
二〇〇三年の第十五回世界大会以来の世界情勢の急展開、とりわけアメリカ帝国主義の世界的ヘゲモニーの急速な衰退と、金融・経済・環境・食糧・エネルギーなど全般に及ぶグローバル資本主義のシステム危機の深まりと新しい運動の展開の中で、一年間以上の準備討論を経て第十六回世界大会ではきわめて活発な論議が行われた。
世界大会は「世界情勢」、「気候変動」、「第四インターナショナルの役割と任務」に関する議案を、多くの補足・修正意見を取り入れて採択し、さらに世界各国の同志たちの提案に基づく多くの決議を採択した。大会では、ベネズエラのチャベス大統領が提起する第五インターナショナルの呼びかけや、米国の左翼ウエブサイト・Zネットから発信されているノーム・チョムスキー、バンダナ・シヴァ、ミシェル・レヴィなどが署名した「参加型社会主義インターナショナル」の呼びかけについても、第四インターナショナルの共通の綱領的立場と展望、内部民主主義、国家からの完全な独立という原則に立って、討論に積極的に参加することを決定した。
大会は、新たな国際委員会(IC)を選出した。新たな国際委員会の構成は女性が四〇%以上となり、また多くの若い世代が参加するものとなった。世界大会は、ロシアの青年労働者・学生の闘いの発展を基礎に結成された「社会主義運動フペリョード(前進)」を第四インターナショナル・ロシア支部として承認した。また今回の世界大会ではヨーロッパやラテンアメリカだけではなく、フィリピンやパキスタンにおける大きな組織的成長を背景に、第四インターナショナルのアジアにおける新たな発展の可能性をも印象づけるものとなった。
本紙では、今号から第十六回世界大会で採択された決議を順次掲載していくこととする。(「かけはし」編集部)
第四インターナショナル第16回世界大会決議
権利確立に向けたパレスチナ民衆の闘いを無条件に支持する
一年前イスラエル軍が敢行したガザ地峡に対する攻撃は、パレスチナ民衆の抵抗運動の破壊という、シオニスト政策の連続性の中に位置している。三週間にわたる激しい爆撃が引き起こした劇的な結末(千三百人以上の死者と五千人以上の負傷者)は、イスラエル軍の暴力を明らかにしている。この軍は破壊的な兵器を使用した。そして数多くの戦争犯罪で有罪だ。
はるか以前から計画されたこの攻撃は、「ロケット弾攻撃を停止させること」を目的としたものでも、「停戦協定の尊重を強いる」ことを意図したものでもない。二〇〇八年にイスラエルとハマスの間で署名された停戦協定は、イスラエルによっては決して尊重などされなかったが、ロケット弾攻撃は十年間で二十人に満たない犠牲者を生んだにすぎなかった。その一方でイスラエルは、ガザに対する封鎖を続け、ガザ内外の抵抗戦士を殺害し続けた。これらの条件がある以上パレスチナ民衆には、武力によるものも含んで、彼ら自身を守り占領に抵抗する権利がある。
イスラエルの目的は、再度言うが、ゲームの支配者は唯一イスラエルであることを、パレスチナの住民と抵抗運動に見せつけることである。つまり、あり得る「和平」とはシオニスト国家が決める条件の下に強いられる和平以外にはない、ということの見せつけだ。そしてその和平が意味するものは、パレスチナ民衆の民族的権利の否定であり、この論理への抵抗を試みる者は誰であれイスラエル軍による無制限の抑圧にさらされることだ。
最近の出来事はそれを確証している。パレスチナ民衆が彼らの民族的権利を放棄し、パレスチナの孤立した各地域か外国の難民キャンプ内で生き延びることを受け容れない限り、シオニスト国家は彼らを大目に見ることはないだろう。イスラエルが求めているパレスチナ代表との交渉とはただ一つ、シオニストの目標と利害に対立しない「和平」条件に彼らが屈服する準備ができている場合だけなのだ。
アメリカは、オバマ政権の下でも以前と同様、シオニスト国家に対する帝国主義の主要な支援者であり続けている。EU諸国もまた、あからさまにあるいは暗黙に、イスラエルへの支援を継続している。分裂しほとんどが帝国主義の言いなりになっているアラブ同盟諸国は、共通の立場を取ることができない。その一方でエジプトは、イスラエル並びに帝国主義諸大国の協力者としての役割を果たし続けている―それは、昨年十二月の「ガザ自由行進」に対する妨害やラファにおける新たな恥の壁建設によって改めて例証された―。
しかしそれにもかかわらず、イスラエルを糾弾し、パレスチナ民衆を支援する数多くの反応がこの間あった。世界中で数々のデモは、数万人あるいは数十万人の民衆を結集した。ベネズエラやボリビアのようないくつかの国は、イスラエル大使を国外追放した。あらゆるところで、国連総会の場にあってさえ、イスラエルに対する制裁とボイコットを求める訴えが押し出された。
第四インターナショナルは、彼らの権利の全面的な確立を求めるパレスチナ民衆のあらゆる形態の闘争に対する無条件の支持を改めて確認する。その権利とは、どのような外部的干渉からも自由な自己決定権であり、難民の帰還権あるいは要求がある場合の補償を受ける権利であり、一九四八年以降イスラエル国内に残ったアラブ人に対する同権だ。それをさらに超えてわれわれは、パレスチナの全民衆が全面的な同権の下に共に生きることを可能とする政治的解決を支持する観点から、アラブ民衆の解放の必要性、シオニスト国家の解体の必要性を再確認する。まさにその国家は、帝国主義への奉仕に適合する人種主義的植民地主義的計画を代表するものなのだ。
この目的を達成するためにわれわれは、以下の五つの中心的、かつそれに関してはパレスチナ民族運動内部でもすべてが同意している統一された要求に集中しつつ、パレスチナ民衆に対する連帯運動を急いで強化しなければならない。その要求とは、東エルサレムを含む一九六七年以来の占領地からのイスラエル軍の無条件、即時、全面的撤退、一九六七年以降に建設された全入植地の解体、分離壁の解体、イスラエルによって投獄されている一万一千人の政治囚の解放、ガザ封鎖の即時無条件の停止である。そしてこれらこそ、同権を基礎とした政治解決に向かうための最初の一歩に他ならない。
同時にわれわれは、一九四八年以来同地域に生きるパレスチナ民衆の諸要求に特別に気を配る必要がある。彼らは、農地と水に対する自由な利用と全面的な同権を求めている。前回総選挙と、彼らの排除を公然と主唱するリーベルマンの高い得票は、この住民にとっての大きな危険となっている。それは、連帯運動が対応する義務を負う危険だ。さらにまたわれわれは、占領、戦争、また全般的にシオニスト政策に対決して闘っているイスラエル人をも支援しなければならない。
最後に、二〇〇三年に一七〇以上のNGO、共同団体、パレスチナ諸党によって始められた、ボイコット―投資引き上げ―制裁(BDS)キャンペーンを一段強めることが、われわれにとって基本となると思われる。BDSに対する要求は、諸政府と主要な帝国主義グループの共犯を弾劾する目的の連帯運動を発展させる上で好機を提供している。最近のさらに今後のBDSキャンペーンの成功は、シオニスト国家を弱める点で一定の役割を果たし、パレスチナ民衆と反帝国主義陣営を強化する条件を生み出す可能性がある。この闘争においては同時に、あらゆる人種主義、反ユダヤ主義、反イスラム潮流との戦闘が必要である。
二〇一〇年二月
投書
感動したバンクーバーオリンピック開会式
滝浦 孝
バンクーバーオリンピック開会式はすばらしかったです。自然が満ちあふれ、巨木がたち、トーテムポールが姿をあらわしました。雪の寒さの中や四季の移り変わりを人々が踊りました。そこには自然につつまれた人間の姿がありました。人は自然から生まれ、自然に戻る、土になるのだなあ、白い山や巨木は神そのものでした。その神をたたえるようにさまざまな先住民の人たちが登場し、踊り、祈りました。太鼓の音や鳥の羽、インディアンやエスキモー、アラスカの方にいるモンゴロイドのひびきは、私たちと彼らとの血のつながりを感じさせました。
カナダの人たちが先住民の人をこんなにも大切に、カナダのシンボルのようにする開会式に驚きました。先住民の貧しさや文化の細ぼりの中、そして白人がやってきている近代文明の中での先住民との争いや古い原始的な権利を回復する交渉がまだまだつづき、民族の生き残りのためにさまざまなことがあるカナダで白人たちがそれをバンクーバーオリンピックの最大の象徴として先住民の人を登場させたことに敬意と歴史の尊重を見出しました。英語圏やフランス語圏、広大な北極圏の中にあるカナダでイギリス女王の代理の総督が来ているそういう存在があることにも国ということの多様さ、不思議さを感じました。
今の世の中は、ヨーロッパ、アメリカ文明中心のなかでモンゴロイドの人たちがこうして登場することに強いおどろきをおぼえました。彼ら先住民の生活は日本の古い文化とのつながりを感じさせてくれます。
もし日本が、「日本民族」などと固まらずに、多様な日本に住む人たちをこのように先住民から新移住民にいたるまで感謝と連続性をもって見たらどうなのでしょう。日本書紀に登場する「日の本」は東日本にありましたが住民は、西日本に浸透され、「日ノ本将軍」は鎌倉時代には東北地方に移り、豊臣秀吉は、日ノ本を征伐すると広言して関東、東北に侵攻しました。そして明治の時代、アイヌのエカシは、わしらは日ノ本だといって姓字に「日ノ本」を主張しましたが明治政府は、許しませんでした。
昔の北海道には、日ノ本や唐子や渡党がいたそうです。蝦夷や奥州藤原氏、安倍一族や韓半島や日本海をわたってきたツングース系の人々がいたのでしょう。旧石器時代は分かりませんが、日本の先住民は縄文人です。サハリンから沖縄の方、太平洋の方も行動範囲だといわれています。その縄文人の末えいといわれる人々は今も濃い文化を日本中にうつしつづけています。
しかし、支配者は紀元前数百年から千年前にやってきた弥生文化〜古墳時代に多く、何波にも分かれてやってきて列島に浸透しました。征服者として形成され、それが今の日本人の七割位にのぼるだろうとする研究もあります。`東西東西aと叫ぶ対抗や比較文化論は、そのような攻防が今も文化や政治、経済の底に沈んでいることを示しています。もちろん日本固有といわれる天皇制は、近畿から瀬戸内の方面が主であり、蝦夷や熊襲、隼人など異族とされた人は多く広く広がっていました。土ぐもと呼ばれたり林の中をすばやく移動する獣とみなされたのです。酒好きでもあったようです。
さて、読者の皆さんはこれをどう見、また自分はどの流れに位置すると自分の先祖を考えているでしょうか。それとも全く歴史的考察に値いしないと考えているのでしょうか。文部科学省は一時、日本史を律令国家成立や弥生文化渡来から教えようとしたことがあります。西からの渡来はその後も続き、文化も富も西のものという傾向が今日まであるといっても言いすぎではありません。しかし近代では韓国人や朝鮮籍の人、中国人や東南アジアの人がふえ、さらにアメリカ、ヨーロッパ人などもふえ、文化的、経済的なものがかなり入ってきて、「日本民族」主義もアジアべっ視になったりアメリカへの卑屈な対応になったり複雑なものがあります。
もし、この多様性をうけいれ、先住民をうやまい、感謝し、現住民にもさまざまな地域文化と歴史があることをみとめ、新住民としてひとつの流れとして在日の人や海外の人をむかえいれるという姿勢を、カナダ国民のようにとることができたら日本はどのような日本になるのでしょうか。
日本は幕末から欧米の帝国主義におびえ、自らを中央集権的、民族的帝国主義としてつくりあげ、思想的にも近代化バンザイ的に国民は受けいれてきました。第二次大戦の敗戦があったとはいえ、その傾向は変わっていません。私は自分が半分は蝦夷系と思っているから天皇制は支持しませんが、それでもその古さや支配国家の形成、それを支えている人々の多さをみると簡単に否定できるものでないと思っています。
資本主義の克服も、単なる政治的なものではなく、文明的で技術や現在の生活様式そのものを見直し、革新なしにはありえない世紀をこえる課題だと思っています。欧米中心の世界観の克服について、特に一神教的で一天的なものの見方の克服について私たちの課題だと思っていますが、カナダのバンクーバーオリンピックの開会式は、より複眼的で多様性のあるものの見方があると思い、先住民の踊りと自然との共存共栄に感動したものです。
私個人としても古モンゴロイドの世界的な生きた展開をよりおしえてもらい、新モンゴロイドとのからみあいや他の地方とのつながりをみた時、文明論やマルクス主義の克服がより明確になるのではないかと思っています。まあ、半分は直観です。ひとつの問題提起として、皆さんが考え意見をきかしてくれたら幸いです。2010年2月18日
普天間移設「候補地」探しやめよ
結城 守保(元小田急労研)
稲嶺進名護市長の訴え
私は、普天間の一坪反戦地主です。二月十八日、稲嶺名護市長は普天間飛行場の問題で、鳩山首相と官邸で会談をした。
「稲嶺氏は首相に『海にも陸にも造らないと市民に約束して市長選に当選した。民意としてしっかりくみ取ってほしい』と述べ、名護市のキャンプ・シュワブ沿岸部だけでなく、シュアブ内陸部への移設にも反対する考えを伝えた。内陸部への移設が政府、与党内で『現実的な案』(政府筋)と取りざたされていることを踏まえ、くぎを刺した形だ」(2月19日、神奈川新聞)と、訴えたという。
沖縄の米軍基地は、日本本土の基地と違い、沖縄戦と同時につくられた基地です。米国は、沖縄上陸以前から沖縄全域の地理を徹底的に調査し、占領後、基地を建設したのだ。二つの形がある。米軍基地、一つは日本軍がつくったものと米軍が新たに銃剣とブルドーザーでつくったもの。普天間は後者であり、戦時国際法からみても違反。そして、普天間基地は世界一危険な基地である。基地は宜野湾市のど真ん中に位置し、市面積の約二六%を占めている。周囲には十九の小中高・大学と幼稚園保育園などが多数ある。騒音などの被害が連日発生している。
普天間基地は、まったなしの即時閉鎖しかない。
「候補地」探しは間違い
普天間飛行場の移設先として、「沖縄県・米軍キャンプ・シュワブ沿岸部など五ヶ所、静岡県・東富士、佐賀県・佐賀空港、長崎県・大村、鹿児島県・徳之島、米領・グアム、米自治領・テニアン」(2月18日、読売新聞)などが上がっているという。当然軒並み反発なのだ。
鳩山首相は、五月決着というが無理である。断じて押し付けなどあってはならない。
一九八九年ソ連社会主義崩壊、冷戦終わる。九五年九月四日沖縄で、三人の米兵少女暴行事件発生。十月二十一日、八万五千人が宜野湾市・海浜公園をうめつくす沖縄県民総決起集会である。そして九六年四月十二日、橋本首相とモンデール駐日アメリカ大使、普天間飛行場の五年ないし七年以内全面返還を発表した。
その後、沖縄県民は新基地にくい一本打たしていない。今こそ鳩山首相は、沖縄の民意を高々と掲げ、基地の無条件の返還交渉に入ってほしい。(2月20日)
|