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「日の丸・君が代」の強制はねかえす集会        かけはし2010.3.22号

国家主義の流れに抗して
別の「豊かさ」をめざそう

 【神奈川】「日の丸・君が代」の強制をはね返す2・21神奈川集会とデモは、約八十人が参加して行われた。司会の中森さんは十年前に街宣右翼の包囲とデモ中止がきっかけともなって毎年集会を続けてきた経緯、民主党の政権交代、「貧困・格差」の焦点化、「在日特権を許さない市民の会」に見られる排外主義の台頭、松沢県知事の「日の丸・君が代」強制と辺野古発言を紹介して、集会は始まった。

「貧困問題」=
ずらされた論点

 講師の平井玄さんは「貧者たちが別の豊かさを生きる時 ネオリベと日の丸の袋小路を突破する」と題して話をした。その話は、フリーターをはじめとする若い世代とのかかわりを通して模索されている。若い人の動向として、「下」の側からは、バスクの自立を音楽にしたムルグサを好みながら靖国神社に夢を感じるという人の例、「上」の側からは大企業などで海外勤務する人、留学生が「途上国」行きを希望しないなど内向きになってきている例を挙げた。そこでは貧困だから左翼になる、エリートは帝国主義を志向するということとは違う回路があるということを意識しようと投げかけている。
 次に平井さんは、二〇〇八年の「派遣村」開設、あいまいな期待が薄れ始めた民主党政権にまたがる貧困ブームで何が切り分けられたのかということを課題にした。それはたとえば、製造現場での失業者だけを事実上救済の対象にする風潮、貧困層を国家主義の「夢」に誘導する仕掛け、「オタク文化」論の東浩紀、教育エッセイスト内田樹ら知識層により格差拡大に対する論点がずらされていることなどにあらわれるという。
 その上で、貧困層の運動がこれまで抱えてきた悪循環を打開するために、とにかくも民衆のエネルギーの発露として影響をもたらした日比谷暴動の例を引きながら、ソ連成立前にもっと目を向けるべきではないかということを強調した。

「君が代」不起立
個人情報裁判
 
 君が代不起立個人情報保護裁判の原告で、高校教員の外山喜久男さんからは一月二十日の神奈川県個人情報保護審査会答申を中心に前回の答申以来四年間の経過が説明された。審議会は行政機関がやっていいか諮問するところだが、審査会は行政がしてしまったことを市民が訴える機関だ、当然審査会答申に重みがある、という外山さんの説明は明快だ。「審査会が一年半をかけて出した結論なのに、県教委の傍聴をしてみて、氏名収集をつづけようとする県教委の議論のレベルはめちゃくちゃ低い。条例より日の丸・君が代が、国民主権より国家権力が、上ということだ。学校だけでなく、社会全般で全面的な思想調査をさせないよう、みんなで一緒にたたかう」と裁判への決意が語られた。
 続く発言者として、国賠ネットワークの土屋翼さんがようやく免訴に決着した横浜事件の概要、たちかぜ国賠などの支援を含め、二十二年目を迎えた国賠ネットワークの趣旨を紹介した。
 女性と天皇制研究会の首藤久美子さんは、蕨でのカルデロン一家追い出しデモ以降の対抗行動の経験から、「在特会」のインターネットを媒介とした膨張ぶりを、生々しく伝えた。なぜ排外主義の旗の下に人は集まるのか、彼らへの対抗アクションはどうあるべきかという論議は、引き続き共有されなければならないだろう。

寿越冬・反基地・
植樹祭抗議の訴え

 寿日雇労働者組合の近藤昇さんは、横浜・寿町の現状と越冬闘争をはじめとした野宿者支援の様子を伝え、「派遣村のあとも可視化されなかった人たちが切り分けられ、職住がないという恐怖、自己責任論がますますあおられている。野宿者は怠け者といわれてきたが、そんなことはない。生きる姿が見えていないだけだ」、「黙って野たれ死ぬな、生きてやつらにやり返せというスローガンは、命を守り助け合って社会を作っていこうという意味だ」と訴えた。
 すべての基地に「NO!」を ファイト神奈川の木元茂夫さんは、「学費無償化の朝鮮学校排除に見られるような排外主義と横須賀を拠点にした日米韓軍事演習などの動きを許さない」「海上自衛隊は二〇〇九年八月の『いせ』進水に続き空母型護衛艦を建造しているが東アジア軍拡競争に拍車をかけている。八年に及ぶインド洋給油を終えたが、その間二十一人の死者(うち8人が自殺)を出したことなど実態を暴いていく」と発言した。
 最後に、集会アピールとともに、五月に神奈川県内で天皇の出席が予定されている植樹祭に抗議する取り組みも呼びかけられた。
 デモは集会場の開港記念館から伊勢佐木町のモールを通り抜け、竹馬等のパフォーマンスを行い、「天皇制もいらない」、「主権者は私たち、平和を作ろう」などとコールを響かせた。街宣右翼との遭遇はなく、APEC対策訓練のような警備体制をしく神奈川県警はデモ参加者を監視した。「日の丸・君が代」に巻き込まれていく人々と接点を作り、「日の丸・君が代」から排除された人々と経済成長ではない豊かさを享受することができるのか、「日の丸・君が代」の強制を許さないたたかいに課せられた使命は重い。(海田)


都庁前アクション・アンサンブル
「君が代」処分・石原都政に抗議誰もがNO!と言える学校を

新自由主義的
教育破壊許すな

 三月十日、「日の丸・君が代」強制に反対する労働組合、市民運動などの呼びかけによる「3・10都庁前アクション・アンサンブル」が行われ、九十人近くが集まった。
 都教委は、〇三年に「日の丸・君が代」強制のための10・23通達以降、三月の卒業式、四月の入学式において「日の丸・君が代」強制に反対して抗議の不起立、不伴奏する教職員を職務命令違反だとして次々と処分攻撃を強行してきた。すでに「君が代」処分は四百人を超えている。さらに教職員会議での採決禁止、分断・対立・統制強化のための主任教諭制度の導入、分限処分(解雇)制度の導入による脅迫など新自由主義的教育破壊を繰り返している。
 都教委の暴挙が続くなか闘う教育労働者、市民運動は、「日の丸・君が代」反対運動を地域・草の根で取り組み、反処分裁判闘争などを展開してきた。今春の卒・入学式を前に仲間たちは、「『君が代』処分にNO!石原都政にもの言おう 『君が代』解雇を許すな!おかしいことは『NO』と言える学校に!」を掲げ、都教委に対して「日の丸・君が代」強制反対、10・23通達撤回、不当処分を強行するなの申し入れ行動を行った。すでに卒業式が行われた学校では卒業生、保護者に「ご卒業おめでとうございます。『君が代』 あなたにも私にも、立たない、歌わない自由があります」というメッセージチラシの配布活動を繰り広げている。
卒業式は国家に
忠誠誓う場なのか

 前段集会では、町田市公立学校教職員組合が「〇三年以前は、子どもたちが主人公なのだからいろいろと卒業式のやり方を工夫してきた。しかし、10・23通達後、画一的な式に変えられてしまった。卒業式は国に忠誠を誓う場所ではないはずだ。職員会議での裁決禁止によって自由に教員間で論議ができない状況になってしまっている。自由で多様性がある学校を取り戻すために奮闘していこう。『君が代』不起立による分限免職・懲戒処分を行わないこと、10・23通達の撤回、教育格差を作り出す教育改革の見直しを都教委に突きつけていこう」と訴えた。
 北村小夜さん(元教員)は、「戦前の小学校唱歌の多くが天皇制賛美、軍国主義に貫かれたものだった。現在においてもこのような歌が二十四曲も小学校音楽教材として指定されている」と批判した。
 都教委包囲ネットは、「卒業式ビラ配布を八十校近く行う予定だ。校長などが『まだやっているのか』などと妨害してくるが、各地で粘り強く取り組んでいる。継続を力にしていこう」とアピール。
 斎藤貴男さん(ジャーナリスト)からの連帯メッセージが紹介された。
 集会終了後、都教委への要請行動に移った。都教委教育情報課が出てきた。参加団体は、「申入書」「要請書」「請願書」「抗議・要求書」を読み上げていった。行動後、再び都庁前で集会を行い、スクラムを打ち固めていった。    (Y)


共同声明
改憲手続き法の凍結・
廃止を要求します
〜改憲手続き法施行予定の5月18日に際して


 改憲手続き法(日本国憲法の改正手続きに関する法律)は安倍晋三内閣の下、2007年5月14日、参議院で強行採決され、成立しました。「美しい国」「戦後レジームの転換」を掲げ、「任期中の改憲」を公言し、それを急いだ安倍内閣と与党の強引な採決でした。まともに審議が尽くされないまま、ひたすら改憲を急ぐために強行された同法は、多くの「附則」や「附帯決議」がつけられた、まったくの欠陥立法というべきものでした。
議論が先送りされ、附帯決議などで与党も不備を認めた同法の主な問題点は以下のようなものです。
@投票権者をどう規定するか(18歳投票権問題、公職選挙法や民法との整合性の保障)。
A国民投票の対象はなにか(憲法だけでなく、国政の重要問題についての国民投票の可否)。
B広報や広告など、メディアの在り方(議席数で広報の量の配分を決めてよいか、有料広告を認めると資金能力で宣伝に差ができる)。
C国民投票運動の自由に関する問題(公務員や教育関係者の政治活動、地位利用の制限などによって、自由な活動が制限される)。
D投票成立の要件をどうするか(過半数の分母問題や、成立に必要な最低投票率規程の有無)、などなど。
当時、同法は世論の冷却をねらって「憲法改正の発議」や「国民投票」の部分の施行を3年間凍結されました。その結果、同法の施行(凍結解除)は2010年5月18日に予定されていますが、以後の国会では、ここにあげたような同法の附則や、附帯決議にもとづく検討や法改正は、まったく行われておりません。
 09年6月、安倍晋三の意向を受けついだ麻生内閣により衆議院憲法審査会「規程」が強行採決されましたが、当時の野党が委員の選出にも応じなかったため、衆議院審査会はつくられず、野党多数の参議院では「規程」の議論すら行われませんでした。憲法審査会は改憲手続き法成立後、2年9ヵ月、まったく始動していません。
 この間、07年の参院選や、09年の衆院選で与野党議席数が逆転し、明文改憲の動きを推進してきた自公政権が下野するなど、政治情勢は大きく変わりました。またこの間の世論も改憲を要求していません。新政権は憲法問題ではなく、小泉政権以来の構造改革政策の転換、「生活が第一」を掲げて多数議席を得ました。新政権に有権者が期待しているのは改憲などではなく、「生活」問題の解決です。
 強行採決され、改憲国民投票では国民の意思が正当に反映されないという点において多くの問題点を持っている欠陥立法は、5月18日がきても、ひきつづき凍結されるべきです。中身が伴わないままに「規定された3年が過ぎた」などという理由で、同法を施行するなどは許されないことです。改憲手続き法は凍結し、いったん廃止にして出直すべきです。

 以下、32団体の連名で賛同を呼びかけます。
アジア連帯講座/アンポをつぶせ!ちょうちんデモの会/うちなんちゅの怒りとともに!三多摩市民の会/おんな9条の会北海道/憲法・教育基本法改悪に反対する市民連絡会おおいた/憲法ひろば・杉並/憲法を生かす会/護憲ネットワーク(札幌)/市民自治を創る会/戦争への道を許さない女たちの会札幌/第九条の会ヒロシマ/東京空襲犠牲者遺族会/東京大空襲訴訟原告団/盗聴法(組織的犯罪対策法)に反対する市民連絡会/とめよう改憲!おおさかネットワーク/長野ピースサイクル実行委員会/日本山妙法寺/日本消費者連盟/日本YWCA/VAWW―NETジャパン/バスストップから基地ストップの会/ピースサイクルおおいた/ピースサイクル埼玉ネット/ピースサイクル全国ネットワーク/ピースサイクル新潟/ピースリンク広島・呉・岩国/ふぇみん婦人民主クラブ/プライバシーアクション札幌/平和を実現するキリスト者ネット/平和をつくり出す宗教者ネット/ユーゴネット/許すな!憲法改悪・市民連絡会/(32団体)
以下、賛同団体・個人連署。

賛同の送り先は、FAX03―3221―2558、
メールはkenpou@annie.ne.jpです。


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