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         かけはし2010.6.7号

普天間・最悪の選択に「怒」

共同声明・閣議決定に緊急抗議集会
許すな!普天間問題の日米合意
とめるぞ!辺野古新基地建設


 五月二十八日、鳩山内閣はついに普天間基地の「代替」施設として辺野古に新基地を建設することを、同日の日米共同声明を基礎に閣議決定した。閣議決定への署名を拒否した福島みずほ社民党党首、消費者・少子化担当相は閣僚を罷免された。
 この刻々と変化する緊張した局面の中で「許すな!普天間問題の日米合意 とめるぞ!辺野古新基地建設 5・28緊急集会」が東京・御茶ノ水の全電通労働会館ホールで開催された。フォーラム平和・人権・環境(平和フォーラム)と沖縄・一坪反戦地主会関東ブロックの共催、WORLD PEACE NOW、「沖縄に基地はいらない」全国同時アクションの協賛で行われたこの集会には会場を埋め尽くす六百人が集まった。

民主党川内議員
らが国会報告

 閣議決定を直前にした午後六時半から始まった集会では平和フォーラムの藤本泰成事務局長が主催者あいさつ。藤本さんは、日米合意と閣議決定に抗議し対米再交渉を求める緊急集会として位置づけ、「いつまでアメリカの言いなりになっているのか。しかし決して辺野古には戻れない。米国への従属を終わらせ、この難局を私たちの手で切り開こう」と力を込めて訴えた。
 つづいて忙しいスケジュールの合間を縫って、沖縄等米軍基地問題議員懇談会会長で民主党衆院議員の川内博史さんが国会情勢を報告した。川内さんは、民主党、社民党などの国会議員百八十一人(呼びかけ127人、賛同54人)による「5・27普天間問題緊急声明」について報告した。同声明は「普天間飛行場について、将来の国外・県外移設を実現する連立与党・政府の基本方針を策定することを求めます」と訴え、「私たちは、昨年の総選挙で鳩山代表[現総理]が国民の皆様に約束した『できれば国外、最低でも県外』の移設案を、沖縄県民の皆様、国民全体の皆様と心を一つにして、政府は米国政府と交渉・協議すべきだと思います」と求めている。与党議員百八十一人が名を連ねた「国外・県外移設」の基本方針に基づく「対米交渉」の訴えを過小評価することは許されない。
 川内さんは「今回の辺野古・徳之島を明記した共同声明の実施は絶対無理だ。もう一度対米交渉をしなければならないのは自明の理だ」と強調し、「岡田外相も北澤防衛相も国外移設を検討しなかった。政府方針の中に『国外移設』を明記せよ」と語った。つづいて社民党衆院議員の服部良一さんは、福島消費者・少子化担当相の罷免にふれ、「問題は『沖縄』対『ヤマト』という関係になっている。世論調査では安保支持が七〇%になるが、自分たちが基地を引き受けるということには反対する。こういうあり方をどうするのか考えてほしい」と述べた。さらに民主党の斎藤勁衆院議員、近藤昭一衆院議員も発言した。

自分たちの問題
として闘おう!

 「普天間基地移設計画についての日米両政府および日本国民に向けた声明」「米海兵隊は撤収を――[普天間基地問題についての第二の声明]」を呼びかけた和田春樹さん(東大名誉教授)が「辺野古に新しい基地を作ることは許されない。アメリカの圧力を跳ね返し『東北アジアの平和』という枠組みから問題を立てる必要がある。『天安』沈没事件を利用するな」と語気を強めた。
 沖縄平和運動センターの平良誠さんは、「どこに移せばいいのか、という議論の枠組み」を批判し、この日同時刻に那覇、名護で雨中の抗議集会が行われていることを報告し、絶対に新基地建設をさせない決意を表明した。
 最後に、外間三枝子さん(沖縄・一坪反戦地主会関東ブロック)、野平晋作さん(「沖縄に基地はいらない」全国同時アクション)、土井登美江さん(WORLD PEACE NOW)、小原慎一さん(神奈川平和運動センター事務局長)が「自らの闘いとして」闘うアピールを発した。
 「辺野古新基地建設」の日米共同声明、閣議決定の暴挙を絶対に撤回させ、普天間基地即時返還を勝ち取ろう。追い詰められているのは米日両政府だ!(K)




辺野古実の首相官邸前行動
日米共同声明を撤回せよ!
基地建設は絶対にNO!だ


閣議決定をめぐる
攻防の中で訴える

 五月二十八日午前中に、オバマと鳩山による電話会談によって共同声明が決定され、日米外務・防衛大臣の名によって、普天間基地の移設先を辺野古崎地区とする共同声明が発表された。これを閣議決定しようとする鳩山に対して、福島社民党党首は「沖縄の民意に反する」として、拒否を明らかにした。午後六時から与党三党基本政策閣僚会議が官邸で行われ、ギリギリの攻防が続いていた。先週は官邸でクリントン国務長官との会談が行われていた時であり、今週はまた沖縄基地問題にとってきわめて重大な会議の時の辺野古実の行動であった。行動にはいつもより多い百四十人が参加した。
 司会者が「日米共同声明には普天間の移設先が入っている。重要な状況になっているので、官邸に圧力をかけていこう」と訴えた。辺野古実の木村さんが「新基地建設を止めようとする官邸前行動は三月から始め、十一回目の行動になる。それ以外にも国会前でのビラ配りなどできる限りの行動を行ってきた」と報告。次に古荘斗糸子さん(うちなんちゅの怒りととともに!三多摩市民の会)は「アメリカに屈服して『沖縄・辺野古』ですって?!あんまりです!鳩山さん。あなたが沖縄で突きつけられた悲憤は、全国の私たちの悲憤です」と鳩山を痛烈に批判し。そして「共同声明の進め方が@日本が米国の植民地になっているA沖縄が日本の国内植民地であり続けたことを明らかにした。これは沖縄差別だ。アメリカに愚弄されたままでは絶対にいかない。安保の危機に発展させよう。基地建設は絶対に止められる」と固い決意を語った。
 日本山妙法寺のお坊さんは「鳩山に裏切られた。この怒りを官邸にぶつけよう」と語った。この日の行動にピースサイクルの仲間たちが自転車で参加した。「今日、国会行動・行政への要請行動を行った。私は米軍岩国基地近くの広島県からやってきた。五月二十三日に、岩国で怒りをぶつける四千人の集会を開いた。鳩山の裏切りを許さず、全国で闘う」と報告した。ジュゴンキャンペーンの仲間は生物多様性のためにジュゴンを守ると政府は言っているが、辺野古海域に基地を作りジュゴンを棲めなくさせようとしていると政府のダブルスタンダードを批判した。
 携帯電話で沖縄の安次富浩さん(ヘリ基地反対協)が「私は今、県庁前にいる。二千人で抗議集会を行っている。怒り!怒り!が湧きあがっている。頭越しに辺野古へ新基地を押しつけてきた。電話での合意など無効だとハッキリと宣言する。十三年間辺野古に基地を作らせなかった。絶対に基地を作らせない。普天間基地を閉鎖させる。あきらめたら負けだ。あきらめないから絶対に勝利する。共に闘おう」と怒りに満ち、断固新基地建設を阻止する力強いアピールを寄こした。
 うちなんちゅの怒りととともに! 三多摩市民の会、辺野古実、沖縄の自立解放闘争に連帯し、反安保を闘う連続講座、井上澄夫さん(沖縄米空母嘉手納基地の一坪反戦地主)、ピースサイクル全国ネットワークの仲間たちがそれぞれ申し入れ書を読み上げ、官邸に手渡した。さらに、今回六百十二筆、合計で二万六千六百四十六筆の署名を提出した。
 この行動が終わった直後に、福島大臣の罷免が伝わり、怒りのシュプレヒコールを繰り返した。辺野古実から、「今後は長い闘いになる。沖縄とともに、全国でこの闘いを継続していこう」と訴えがあり、「三月から毎週継続してきた官邸前行動について、今後どうするか相談したい。今後の行動についてはインターネットホームページなどに明らかにする」と発言があり行動を終えた。   (M) 




韓国哨戒艦「天安」爆沈事件
危機の挑発と「報復」・「制裁」
のエスカレートをやめさせよう



「慎重な対応」
から強硬論へ

 三月二十六日、朝鮮半島西の黄海(西海)上、朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)との領海線(北方限界線)の南にあるペクリョン島近くで、韓国海軍の哨戒艦「天安」(1200トン)が爆発によって真っ二つに割れ沈没し、乗員百四人のうち四十六人が死亡する韓国海軍史上最大の被害となった。
 当初、韓国政府当局は「北朝鮮が関与した可能性は低い」としていた。在韓米軍も「北朝鮮に特異な動きはない」として同様の判断に立っていた。しかし対「北」強硬路線を取る韓国の右派は、李明博(イ・ミョンバク)政権による「慎重な対応」を批判し、「天安」沈没は北朝鮮の魚雷攻撃によるものだ、との主張を繰り広げていった。北朝鮮側は沈黙を守った。
 しかし引き揚げられた「天安」を調査した軍と民間の事故調査団は四月十六日に「内部爆発よりも外部爆発の可能性が強い」と初めて発表した。だが「天安」船体に魚雷などが命中した痕跡はない。その結果、「艦の底部水中で魚雷などの強力な爆発が発生し、バブルジェットによって艦体に大きな衝撃が加わり、真っ二つに割れた」と示唆したのである。これに対して北朝鮮は「沈没原因を解明できなかったためにわれわれと結びつけようとしている」と非難した。その後、韓国の右派からは北朝鮮への「断固たる報復」が声高に唱えられるようになった。

北朝鮮の攻撃と
断定した報告

 五月二十日に韓国軍、韓国の民間専門機関に米国、オーストラリア、イギリス、スウェーデンの専門家が加わった合同調査団は、「天安」の爆沈は「北朝鮮製魚雷による外部での水中爆発によるもの」とした上で、「魚雷が北朝鮮の小型潜水艦艇から発射されたという以外の説明はできない」と北朝鮮の軍事攻撃を断定した。
 この報告を受けてイ・ミョンバク韓国大統領は「北朝鮮に断固たる措置を取る」と語り「北朝鮮が過ちを認め、謝罪して責任者を処罰する」よう求めた。日本政府、米英豪などの各国首脳、NATOも韓国政府の立場への支持・協力を明らかにし、北朝鮮を「国際法への明白な違反」として非難した。他方、北朝鮮政府は五月二十日の「合同調査団」発表に厳しく反発し、「物証を確認するために国防委検閲団(調査団)を現地に派遣する」「南側の『報復』行為、いかなる制裁にも即時、全面戦争を含む各種の強硬措置で応える」との強硬声明を発した。さらに北朝鮮は五月二十五日に、韓国との「すべての関係を断絶」すると発表した。
 今や朝鮮半島南北間の関係は、韓国による軍事境界線での「対北」宣伝放送の再開、国防方針で北朝鮮を「主敵」とする概念の復活検討など、急速にきわめて緊張したものになっている。イ・ミョンバク政権は国連安保理に提訴し、北朝鮮非難・制裁を求めようとしている。
 日米両政府は、五月二十一日の岡田・クリントン会談で日米韓三カ国の連携で北朝鮮に圧力をかけることを確認し、それぞれ独自の対北朝鮮「制裁」の強化を打ち出した。五月二十八日、鳩山政権は閣議で追加制裁の実施を決定し、同日の参院本会議では北朝鮮を対象とする貨物検査法案を成立させた。さらに五月二十九日に済州島で行われた日韓首脳会談でも「天安」沈没事件への対応で日韓両国が全面的に協力し、国連安保理での北朝鮮非難決議にむけて中国への働きかけに一致してあたることを合意したのである。

東北アジアの
平和の枠組み

 今や、「天安」沈没問題は鳩山首相の五月二十三日の沖縄再訪の際に、在沖米軍基地の必要性、「抑止力」として果たしている役割を強調し、沖縄に米海兵隊基地を押し付け続けるための口実として利用されている。労働者・市民は、「天安」爆沈事件を沖縄の米軍基地や「日米同盟」強化の根拠にしようとする動きを、きっぱりと批判しなければならない。同時にこの事件を通じて「北朝鮮の脅威」を煽り、「制裁」の強化や、朝鮮学校への無償化除外、在日朝鮮人への差別と排外主義的攻撃が強まることに反対する。
 「天安」沈没が韓国の調査委員会が断定したように、北朝鮮軍の魚雷攻撃によるものであるものかどうかは、韓国の在野言論の中では米韓軍の設置した機雷によるものである、という説など、「謀略」論まで含めてさまざまな主張があり、北朝鮮政府は当然にも「北の魚雷攻撃」説を否定している。
 現在われわれは、証拠に基づいて「犯人」を判断する材料を持ち得ない。そうであるがゆえに、公正な国際的調査による情報開示と真相究明に、すべての諸国が協力することが必要である。そして真相究明のためには「天安」爆沈事件を利用した「挑発」によって朝鮮半島や周辺地域の軍事的緊張を促すことは、北朝鮮、韓国、米国、中国、日本などのあらゆる関係諸国が厳に慎まなければならないことである。
 朝鮮半島の「戦争」状態に終止符を打ち、北朝鮮の六カ国会議への復帰と「核開発」の放棄、東北アジアの非核化を実現すること、米朝・日朝の国交正常化交渉の着実な前進、日本の韓国強制併合・朝鮮植民地支配への謝罪と補償、拉致問題の解決、そして平和・民主主義・人権に貫かれた東北アジアの持続的な平和の枠組み構築をねばり強く推進していかなければならない。       (K)

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