もどる

    かけはし2011.3.14号

沖縄米軍基地をどうする?

とめよう改憲おおさかネット講演会
「基地はどこにもいらない」論にD・ラミスさんが問題提起



 【大阪】二月一九日、PLP会館で開かれた「とめよう改憲!おおさかネットワーク」第五回総会のあと、ダグラス・ラミスさん(元津田塾大教授、沖縄在住)が「沖縄と憲法九条」と題して講演をした(別掲)。一三五人の市民が参加した。
 総会では、ネットワーク代表の中北龍太郎さんがあいさつをした。
 その中で、「民主党政権が決定した新防衛計画大綱は、動的防衛力すなわち自衛隊を米国海兵隊のような侵略軍に再編していくことを基調としたものだ。これを受けて米国統合参謀本部は、二月一〇日付け沖縄タイムスの記事にあるように、軍指針となる『国家軍事戦略』を発表し、自衛隊の海外活動支援を打ち出し、自衛隊に対しこれまで以上の責任分担の強化を求めている」と述べた、
 そして、「米国議会調査局の報告書(一〇年一〇月)は日本国憲法九条が障害になっていること、集団的自衛権の否定が日米同盟の足かせになっていることに言及している」ことにふれ、「民主党、自民党一体となった安保翼賛体制の状況がある限り、改憲状況は弱まることはない。反安保・反改憲の闘いを一体の闘いとして闘っていこう」と訴えた。
 次に、松岡幹雄さん(事務局)から、民主党・議員への要請行動、イラク戦争検証・アフガンからの外国軍の撤退、普天間基地撤去・辺野古基地建設反対、意見広告運動、五・三憲法のつどい、一一・三憲法のつどいの成功を柱とした一一年度の運動方針案が提案され了承された。民主党が自衛隊派兵恒久法の準備に入ったことについて、その内容を公表させる要請行動の依頼があり、了解された。
        (T・T)


D・ラミスさんの講演から
安保を容認するヤマト
は責任を引き受けよ 

鳩山前首相の
インタビュー
 鳩山さんのインタビューで、「普天間基地県内移設の理由として在沖縄海兵隊の抑止力をあげたのは方便と言われれば方便だった」と発言したことは、沖縄では新聞の一面で報道された。抑止力はユクシ力だ。ユクシとは沖縄ではウソという意味。今朝、朝日新聞を見たら、沖縄復帰のときの記事が載っていた。当時交渉に関わった米国大使館参事官ザヘーレンが「復帰のとき、日本が米軍基地を撤去してくれと言ったら、米国はのむでしょうと言った。しかし、日本政府は基地を置いてくれと言った」と述べている。基地を沖縄に押しつけたのは米国ではなく日本政府だということは、多くの沖縄の人は分かっていたが、一笑に付された。沖縄の状況はどんどん変わりつつある。考えが大転換しつつある。
 近所に住んでいる平良長政さん(社民党)が新年のあいさつのチラシをくれた。この間の知事選で支援した伊波候補が落選したのは残念だったが、今は仲井真知事のやっていることを応援しなければいけないと言っていた。伊波候補を応援した人も同じことを言っている人は多い。今の知事の公約を守らせるということ。

98%の住民が
県外移設賛成
 今までの知事選では、基地反対勢力と仕方がないから受け入れる勢力の対立だった。今度の選挙では、二人とも辺野古に作らせないという立場、もうひとつの勢力は辺野古基地建設賛成だった。後者は幸福実現党で、得票率は二%。残りの九八%は辺野古基地反対だった。辺野古基地は作れるわけがない。幸福実現党は他陣営と同じぐらいカネを使い、たくさんの運動員が本土から送り込まれた。富山県から来た青年は、沖縄に基地を押しつけるためにやってきたと言っていた。
 私に選挙権があれば伊波さんに入れたと思う。でも伊波さんがグアム移転をすすめていることは残念だ。グアムは米国の領土だが、沖縄よりさらに無力な植民地だ。グアムの人たちには米国議会に代表を一人送れるが投票権はない。グアムは米国ではなく、米国の財産だとチャモロの人が言っていたのが印象的だった。でもグアム移転は沖縄にとっては大いなる誘惑だ。ヤマト日本とけんかせずに基地をなくせるから。知事選でグアム移設をすすめている候補者を選ばずに、県外移設の候補者を選んだということを尊敬する。
 沖縄では、県外と国外と区別している。県外とは日本本土、国外とは外国のことだ。県外移設の候補者を信頼できるかとか疑問はあるが、政府から次々訪れても現知事は県外を言い続けている。基地をヤマトのどこかに移すということは、平和運動をやっている日本人にとっては納得しにくいことだと思う。長い間、この意見は無視できる意見だった。でも今は問題の中心になっている。その思想がどこから来ているか、真剣に考える必要がる。
 日本を一〇〇人の子ども村と考えたら、沖縄は一人ぐらいだ。一人が七五個のランドセルを背負い、九九人が二五個のランドセルを背負う。自分のランドセルぐらい自分で持ってよと言われ、ごめんなさい、では持ちます。でももうひとつは、誰が持つという問題じゃあない、私たちはランドセル制度をなくす運動をやっているから、ちょっと待って。でも待っても待っても制度はなくならない。よく見ると、九九人の子どもは制度をなくす運動にはあまり熱心でない。

9条と憲法を
つなぐ「要石」
 日本の領土の〇・六%の広さの沖縄に在日米軍基地の七五%が存在する。米国政府と日本政府と日本国民がそのようにしている。数字は不平等を表している。でも沖縄は今までこの不平等を解決するための次のステップを言わなかったが、今回初めてそのことを主張した。私は復帰前沖縄の海兵隊にいて、少し学んだ。沖縄はソ連と中国を囲むラインの要の位置にある要石だと言われていた。だから基地は沖縄に置かなければならないと。でもそれは固定観念だ。根拠はどこにもない。北朝鮮と中国に近いところというなら、沖縄よりむしろ九州だ。軍事戦略上は、一カ所に七五%もの基地を集中させるのはおかしい。だから、アーチをつくるときの要石のように沖縄は別の要石なのだ。
 以前国連大学のシンポジウムに行ったとき、平和運動をしている二人の女性が、九条を世界遺産にする話があるが、その可能性はどうかと聞かれた。少し意地悪だったが、安保条約があるかぎり、日本がアメリカの核の中にいる限り、日本の平和主義が世界から褒められると期待はできないと言った。女性はびっくりして、日米安保をなくしたら日本は無防備になるんじゃないかと言った。同じ人の頭の中で、安保が必要と九条は世界遺産になるべきだ、がどうして共存できるのか。この矛盾した二つをつなぐ要石が沖縄だ。沖縄は法的には日本だがしかしヤマトではない。世論調査では九条を守る派は五〇%以上、日米安保賛成派は七〇%。ところが、抑止力発言の後(一〇年六月)の沖縄では、安保が日本の平和に貢献していると考えているのは七%だ。日米安保条約が締結されるとき、沖縄は何の相談も受けていないし、参加していない。

「ヤマトに基地が
なくて良かった」
 ヤマトは安保がほしい、基地を置きたいみたいだ。じゃあ、ヤマトに置くのはそれほど非論理的ではないはず。新潟で講演したとき、新潟空港は赤字だから普天間をここに移転したらどうかと言ったら、カンカンに怒られた。基地はどこにもいらないという意見だった。その手段は。どこにも基地がなくなるまでどこに置くのか。その人は黙っていた。平和運動してきた人は、自分の口から基地を受け容れるとは言えないのだろう。だから、どこにもいらないという。知事選で仲井真さんに入れた人たちのほとんどは、どこにもいらないと思っているが、とりあえず今どうするかで入れたと思う。日本政府は沖縄県内移設できると思っている。仲井真さんは基地容認から反対に変わったから、日和見だという批判はある。辺野古賛成なら落選すると思ったから県外移設に変わった。普天間の県内移設は無理だ。(会場から、それは米国の問題だ!の発言)
 東京から来た女性を案内し、宜野湾をドライブしたときその女性は、私はあんなところには住めないといった。あんなところに住む人の気持ちがわからないということか? でも沖縄に基地があることを許しているのは東京だ。ファシスト石原を三選させた東京だ。東京もあんなところだ。米国は、外国に七〇〇もの米軍基地を持っている帝国だ。でも、七五%もの基地を沖縄に置いたのは米国ではない。日本政府が決めたものだ。だから、普天間基地の県外移転、関空か神戸空港への移転提案を真剣に考えてほしい。
 ヤマトからの沖縄観光客は年間五〇〇万人いる。平和ガイドをつけて観光する人が一〇〇人に一人いたとしても、反安保・反基地派が毎年一万人ずつ増えるはずだが、実は減っている。なぜか? 観光は何なのか? 関東の人なら横田基地は近くで簡単に見学できるが、あまりしない。なぜか? ヤマトに基地がなくてよかったねという気持ちが深層にありはしないか。沖縄の国際通りには沖縄の人が買いたいものは何もない。店はヤマトの資本、客引きはヤマトから来たものだ。まさに典型的な植民地文化だ。
 鳩山さんは、抑止力は方便発言のインタビューの中で、「沖縄の人は私の案を受け容れると思った」と繰り返し繰り返し言っている。「インタビューに一日目には、辞任したのは母のカネの問題だったと言ったが、二日目は、就任時は辺野古問題で辞任するとは思わなかった」と、辞任の理由が辺野古問題だったことを認めた。日本の近代史の中で、首相が草の根運動で辞任しなければいけなかったのは六〇年安保のときの岸信介。二度目が鳩山さんだ。普天間の問題はヤマトで考えなければいけない。
 
質疑―日本も
沖縄から独立を
 質疑応答では、@本土の反戦運動が沖縄に従属していることに心が痛むA高江ヘリパッド基地工事の状況はB講演が世界中の米軍基地のことにはふれていない。これをなくすにはC沖縄独立の声はDグアム移転については言われるとおりだが、どうしてすぐ本土の話になるのかE安保なくしたら危ない、に反論できなかった。関空に来るとなれば考えるかもF読売テレビの「そこまで言っていいんかい」などで、イデオロギー操作がされ、若者に浸透している。どうするか、等の発言について答えがあった。
 米国には最も責任があるが、米国という国は軍産複合体構造で、戦争に依存している国だ。日米安保の相手国は怖い国だ。米国には戦後がない。いつも戦争している。べ平連時代に米兵に訴え反戦思想が入っていった。ベトナム戦争に負けたのはそれも影響している。住んでいるところで何ができ、何をやるかということだ。沖縄独立は賛成が二割、可能性が出てくればもっと増える。でも、日本も沖縄から独立しないといけない。特に反戦運動は精神的に頼っている。自分の住んでいるところで何ができるかが一番大切。基地はどこにもいらない、それでは撤去する? 滑走路や建物は撤去できるが第一海兵航空団はどうする? 解散させる権限は日本にはない。だから基地はどこかに行く。どこにもいらないとはならない。(発言要旨、文責編集部)

よびかけ
3・19WORLD PEACE NOW
東アジアに平和を イラク・アフ
ガニスタンから外国軍の撤退を
沖縄に基地はいらない

 今年は「9・11事件」と「米国などによるアフガニスタン攻撃」から10年目にあたります。また、この3月20日で「大量破壊兵器」「テロ組織との関係」というウソを根拠に米国ブッシュ政権が始めたイラク戦争からちょうど8年になります。オバマ大統領は、今年中のイラクからの撤退を発表しつつ、アフガニスタンへの二度にわたる兵力増派を行いました。その結果、アフガン戦争は泥沼状態に陥り市民の被害も増加の一途をたどっています。
 イラクでは十数万もの市民が殺され、100万人以上の人々が難民化しました。アフガニスタンでも数百万人が難民・避難民となったままです。これ以上市民の犠牲を出さないため、米政府はイラク・アフガンから軍隊を即時引き揚げるべきです。
 アフガン戦争とイラク戦争には、日本に基地をもつ米第7艦隊や海兵隊が出撃し、多くの市民を殺傷してきました。宜野湾市にある海兵隊の普天間基地は、住宅地の真ん中にあり、常に騒音や墜落事故の危険にさらされ「世界一危険な基地」と言われています。この普天間基地を最低でも県外に移設すると約束した鳩山前首相は、米国の圧力に屈して、美しいサンゴとジュゴンの棲む辺野古への移設に合意してしまいました。菅首相も、それを無批判に引き継ぎ、辺野古移転を「ベターな選択」などと沖縄の人々に新たな基地を押しつけようとしています。
 昨年の韓国海軍哨戒艦「天安」の沈没事件、尖閣諸島沖での中国漁船拿捕事件、北朝鮮による韓国延坪島砲撃事件、黄海や日本海などで相次いだ米・日・韓の軍事演習など、北東アジアの軍事的緊張を高める動きがあり、煽られた偏狭なナショナリズムを利用して日米韓の軍事一体化の道に拍車がかけられようとしています。けれども、こうした軍拡競争では東アジアに平和はつくれません。
 私たちは、沖縄から基地をなくし、世界中のあらゆる戦争をやめることを望みます。
 3月19日、世界の人々とともに「武力で平和はつくれない」という声を上げ、
ピースパレードを行います。ぜひご参加ください。

■日時:3月19日(土)12:00〜16:00
■会場:代々木公園B地区ケヤキ並木
(交通:JR山手線「原宿」、地下鉄千代田線「代々木公園」「明治神宮前」徒歩7分)
地図:
http://www.tokyo-park.or.jp/park/format/map039.html

◎ブース展示:12:00〜
◎トーク&ライブ:13:30〜
◎ピースパレード:15:00〜
■パレードコース(予定):代々木公園B地区ケヤキ並木→原宿駅→表参道→明治通り→ハチ公前→ケヤキ並木(一周コース)


もどる

Back