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    かけはし2013.年8月12日号

加害者を逃がすな!責任を取れ


8.4福島原発告訴団が1周年集会
こうした悲劇を繰り返さないために


東電の犯罪は
いっそう明確
 八月四日、福島原発告訴団はいわき市文化センターで「強制捜査はまだか!!〜告訴受理から1年を迎えて」集会を開催した。集会には全国の告訴団代表をふくめて三〇〇人以上が参加した。
 昨年、一三二四人の福島県民が原発事故被害の苦悩の中から、国・東電幹部などに対して、原発事故加害の刑事責任を問い、告訴・告発を行って、受理されてから一年が経過した。その後、全国で第二次告訴の説明会が開催されて全国から参加し最終の告訴人数は一万四七一六人に達した。
 今年に入ってからは、「厳正な捜査と起訴を求める緊急署名」、二月二二日と五月三一日の二度にわたる大衆的な東京地検、東電への行動などを積み重ねてきた。しかし新聞報道などによれば、関係者への聴取はほぼ終了したが事故を引き起こした「過失責任」を問える重要な証拠は発掘されていない、として立件・起訴に否定的な報道を流している(共同配信)。しかし強制捜査も行わず、「仲間うち」の形式的処理で立件を回避しようとする検察の思惑を許さず、加害者に責任を取らせようという強い意思を示すために、この日の集会が呼びかけられた。
 最初に告訴団団長の武藤類子さんが発言。武藤さんは「加害者への強制捜査がいまだ行われない中で、原発事故の被害がどんどん広がっている。高濃度放射能汚染水の海への垂れ流しはその一端を示すものだ。除染を通じたおびただしい被曝、指定廃棄物焼却施設の建設、帰還キャンペーンと自主避難者への支援の打ち切りが進んでいる。東電の犯罪はいっそう明確になっている」と語り、起訴による速やかな犯罪責任の追及を求めた。武藤さんはさらに告訴人の陳述書を選んでブックレットを八月末にも刊行する(「金曜日」刊)と報告し、「暗闇に光るホタルのように私たち自身を光らせていこう」と訴えた。


権力内部の
かばいあい
 次に広瀬隆さんが、最近「DAYS JAPAN」の企画として、広河隆一さん、藤田祐幸さんとともに「ゴーストタウン」と化した福島第一、第二原発立地の双葉町、大熊町、富岡町、楢葉町を調査した結果を報告。一時間あたり一マイクロシーベルトで危険とされている中で双葉町では二〇マイクロシーベルト、土壌分析では一キロあたりで七万ベクレル(一平方メートルあたりで四六〇万ベクレル)を記録したところがあったことを報告した。チェルノブイリでは、一平方メートルあたり五五・五万ベクレル以上で強制避難、一四八万ベクレル以上で完全閉鎖とされていることから、その異常さはきわだっていると広瀬さんは語った。
 大熊町の第一原発から二キロ地点では、一時間三二〇マイクロシーベルトの数値を記録した。そして福島第一原発の事故現場では三〇〇〇人が働いており、その被ばくがどれほどのものか、と広瀬さんは警告した。
 次に河合弘之弁護士が報告。これほどの被害を出しながら誰も刑事処罰を受けていないのは雪印やオリンパスの例から見てもおかしい、と指摘。河合さんは「権力内部のかばいあいの意識から検察は起訴に消極的だが、それはA級戦犯が誰も告訴されないのと同じだ。日本では自浄作用が困難と言われるが、そんなことは許されない。最近、東電内でも福島原発の事故について過失を認め始めている。しかしそれはトカゲのしっぽ切りで、柏崎・刈羽の再稼働を認めてもらうためだとも考えられる。一部では八月中下旬にも不起訴決定という噂が流されているが、私たちはあくまで正義を貫く」と強調した。
 ここで福島の告訴人で、南相馬から横浜に避難している村田弘さん、いわきの初期被曝を追及するママの会の千葉由美さん、田村市の都路から金沢へ避難している浅田真理子さんがスピーチ。村田さんは原発禁止条約を作ることを国際的に訴えようと発言。千葉さんは「意見の違いから生まれる対立はあるが冷静に事態を解決する方途を模索していこう。私たちは安易な楽観論で困難な現実を見過ごしてはならない」と訴えた。浅田さんは「あきれはててもあきらめない」を合言葉に、と呼びかけた。
 次にいわき市出身の講談師・神田香織さんが「はだしのゲン」「チェルノブイリの祈り」に続く、福島原発事故をテーマにした作品の構想などをテーマにスピーチした。

不起訴など
許されない
 休憩の後、海渡雄一弁護士、保田行雄弁護士が報告。海渡弁護士は「浪江町請戸(うけど)の浜の悲劇を繰り返してはならない」というテーマで語った。「請戸の浜の悲劇」とは二〇一二年八月の日弁連のシンポで渡辺文星・浪江町副町長が語った話である。
 請戸の浜では、二〇一一年三月一二日早朝から、前日の地震・津波によって行方不明となった一八〇人に上る行方不明者の捜索活動が行われることになっていた。ところが一二日午前五時四四分、福島第一原発事故による強制避難の対象区域が一〇キロ圏に拡大したことによって、浪江町の全町民に強制避難の命令が出た。そのため請戸の浜の行方不明者捜索活動は中止となり、一八〇人の行方不明者の救助が不可能となった。瓦礫の下には救助を待っていた生存者がいたはずだ、と町民は語っていたという。つまり原発事故が引き起こした、もう一つの悲劇なのだ。
 海渡弁護士は、かりに不起訴という決定が出たとしても検察審査会への申し立てを行う決意をのべた。「審査会で二回起訴相当の決定が出れば、強制起訴ができる。被害者の生の声を検察審査会に届ければそれは可能だ」と海渡さんは語った。
 保田弁護士は「検察の対応は全く不十分だ。犯罪をしでかした者の言うことを聞いて東電を免罪することなど許されない。そもそも強制捜査ぬきに不起訴にするなどありえない」と語った。 
 続いて李政美(イ・ジョンミ)さんのミニコンサート。「京成線」「朝露」などの持ち歌とともに「相馬野馬追い唄」「会津磐梯山」などの福島県民謡も披露し、大きな拍手を受けた。全員で「われらゆるがず」を合唱した後、告訴団副団長の佐藤和良さんが「安倍政権の原発再稼働、原発輸出に向かう政策に対して、告訴団の闘いはきわめて重要」と決意を表明した。
 集会後、会場からいわき駅前までデモ行進。「強制捜査を行え!」「東電は自首しろ!」などの訴えを響かせた。      (K)

8.2 5・3憲法集会実が院内集会

集団的自衛権容認にNO!

安倍政権の暴走止めよう



法制局長官の
クビを切る
 八月二日、参院選後の臨時国会が召集されたこの日、2013年5・3憲法集会実行委員会は衆院第二議員会館で午後三時から「安倍内閣の改憲暴走を許さない! 8・2緊急院内集会」を開催した。集会には会場に入りきれない一五〇人が参加した。この日の集会では、七月二九日に桜井よしこらが主催する右翼団体のセミナーで麻生副総理が語った「ナチスの手口にならって改憲を」という発言への怒りの声も渦巻いた。
 主催者を代表して発言した高田健さんは「参院での安定多数を得た安倍内閣は、臨時国会で集団的自衛権に関する政府見解を変更するために、八月八日の閣議で法制局長官のクビをすげ替え、第一次安倍内閣の安保法制懇で事務作業に関わった小松一郎駐仏大使を後任にあてる、という。さらに『ナチスの手法に学んで改憲を』という麻生副総理を辞任させよう」と訴えた。高田さんは八月七日午後六時から衆院第二議員会館前で緊急行動を行う、と呼びかけた。

「ナチスに学ぶ」
麻生発言糾弾
 つづいて国会議員からの訴え。社民党の吉田忠智参院議員に続き、社民党を代表して発言した福島みずほ参院議員は「集団的自衛権の容認、国家安全保障法を『閣法』(内閣提案の法案)で出すという安倍首相の発言で、法制局長官のクビのすげ替えは予測できた、内閣提案の法案にするには法制局長官の同意が不可欠だからだ。さらに安倍内閣がもくろんでいる国家安全保障基本法には秘密保全法がビルトインされる。こうした異例の手段で改憲戦略を発動する安倍内閣との対決を」と訴えた。
 共産党を代表して市田忠義書記局長が発言。市田さんは「国会内では改憲派が多数だが、国民の多数は改憲に反対している。古賀元幹事長など自民党の長老たちも九六条改憲に反対し、九条改憲にも反対している。麻生副総理の『ナチスの手口』にならう発言が言う『気がつかないうちに改憲』発言は、まさに立憲主義の否定だ」と語った。そして集団的自衛権の行使容認は「日本の防衛」とはなんの関係もなく、新「防衛計画大綱」が自衛隊に課している世界のあらゆる地域で米軍とともに戦闘し、米軍を防衛するという任務に対応するものだ、と批判した。
 つづいて辰巳孝太郎(参)、山下芳生(参)、穀田恵二(衆)、赤嶺政賢(衆)、吉良よし子(参)、紙智子(参)、仁比聡平(参)、笠井亮(衆)の各議員(いずれも共産党)が短いあいさつ。この中で参議院では仁比議員、吉良議員が憲法審査会の委員になったことが紹介された。
 フロアからは、安倍教育政策にNO!市民ネット、憲法会議、憲法を生かす会、平和を実現するキリスト者ネット、女性の憲法年連絡会、市民憲法調査会、許すな!憲法改悪・市民連絡会、そして秘密保全法に反対する運動から発言があった。その中で安倍教育政策にNO!市民ネットからは、実教出版の教科書採択をやめさせようとする東京、神奈川などの教育委員会が現場に激しい圧力をかけている状況が語られた。  (K)

 


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