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    かけはし2015.年6月8日号

「核のないもうひとつの世界」へ


5.23世界フォーラム2015報告集会

日本でテーマ別WSFの開催が提案される


 
福島の現在を
チュニスで報告
 五月二三日午後六時から、被ばく労働を考えるネットワーク、世界社会フォーラム2015参加者有志(首都圏参加者)が主催して「世界社会フォーラム2015報告集会――反原発運動と反グローバリゼーション運動を繋ぐために――」が東京水道橋の「スペースたんぽぽ」で行われた。集会には六〇人が参加した。
 昨年一〇月、世界社会フォーラム(WSF)の発案者の一人で、現在「原発のないブラジル連合」の活動をしているシコ・ウィタケーさんが福島で行われた原発問題の国際セミナーに参加するため来日した。彼は、セミナー終了後、東京で開かれた「囲む会」の席上で、核エネルギー問題に焦点を絞ったテーマ別WSFを日本で開催する、という提案を行った。
 この提案を受けて討論が始まり、二〇一五年三月のチュニジアの首都チュニスで開催された世界社会フォーラム2015では、この問題についての集まりやワークショップが開催された。福島原発事故の現在について報告するワークショップでは、会津若松市に避難している福島原発事故の被災者・木幡ますみさん(大熊町民、原発いらない福島の女たち、大熊町の明日を考える女性の会)が被害当事者としての発言を行った(本紙5月4日号、WSFチュニスに参加してC参照)。木幡ますみさんをメインの報告者にしたワークショップには、地元チュニジアの若者たちを中心に六〇人が参加して真剣に聞き入り、質問も活発に行われたという。

知られていない
原発事故の実態
この日の集会は、WSFチュニスの報告とワークショップを共有するとともに、提案されている原発・核兵器問題に関するテーマ別WSFの日本開催についての討論を進めるために企画された。
最初に呼びかけ人の一人である小倉利丸さんが、全体としての経過とWSFとは何かについての概略的な説明を行った。さらに「原発・核兵器への反対運動は、日本国内では草の根レベルから全国規模にまで及んで繰り広げられているが、WSFの中心を担っている第三世界ではそれほど関心が高いとは言えない。しかし原発の第三世界への輸出の動きはさらに強まっており、グローバルな『テロとの戦い』の中で核兵器問題は解決へと向かう動きを見せていない」と指摘し、次のように訴えた。
「第三世界は、気候変動問題や石油資源問題などの国際的要因を背景に、伝統的な開発・成長戦略が支配的であり、日本を含む先進諸国だけではなく中国など新興諸国も政府と産業界が一体となって原発の輸出圧力を強めている。多くの地域ではチェルノブイリや福島の原発事故についても十分に知られてはいない。また原発の稼働が日常的に被ばく労働をもたらし、放射性廃棄物の処理技術も未確立であることなどについても十分に知られていない。貧困、女性の人権、パレスチナ問題や難民・移民問題、持続可能な社会などWSFが取り組んできた『もうひとつの世界』についての議論を核問題とつなげ、『核のないもうひとつの世界』へ向けた動きを作り出すことが私たちにとって重要な課題だ」。
次に、被ばく労働を考えるネットワークのなすびさんが、一向に解決されない放射能汚染、被ばく労働の実態を共有化する必要性を強調した。またATTACジャパン国際関係グループの秋本陽子さんが、WSFの国際的構成、その運動が国際的にめざすもの、二〇一二年の「ふくしまフォーラム」などについて報告した。

脱原発運動で世界
の人々とつながろう
メインの報告は木幡ますみさん。木幡さんは、原発立地である福島県大熊町が東電の「企業城下町」だったこと、バラバラにされた町民と避難者の厳しい生活、高線量の下での被ばく労働の強制、汚染水の漏洩・海洋流出、甲状腺がん、のう胞、結節、肝機能異状などの放射能による健康被害の現状をリアルに報告。
それにもかかわらず、「放射能はたいした問題ではない、大熊町に戻って復興をといった動きがある。これは人の命や生活はどうでもいい。重要なのはエネルギーだカネだ、という考え方にほかならない」という考え方が押しつけられていることを木幡さんは厳しく批判した。
木幡さんが「原発は人間が作った科学の産物ですが、人類を死へと導いていく殺人マシンでもあります。人びとは自分たちで作ったマシンで病気になり、苦しみ、死んでいくことになります。もう原発は止めましょう。健康な体や命と引き換えの原発はいりません」と訴えたとき、チュニジアの人びとをはじめとした参加者は、初めて聞く話に大きな衝撃を受けたという。
「世界的には福島原発事故は終わったと思っている人が多い。事故と被害の現実、政府や電力会社の犯罪について世界には知らされていない」と木幡さんは強調した。
質問、討論の後、WSFチュニスに参加した園良太さんも発言し、感想を語った。脱原発運動と世界の人びとの運動とのつながりの重要性を、改めて自覚させられる集会だった。 (K)

5.20TPP緊急国会行動

閣僚会合での「合意」は許さない!

米議会で「TPA」の成立見通したたず

  五月二〇日午後六時四五分、日比谷公園霞門に集合し、「5・20 TPP緊急国会行動閣僚会合での『合意』は許さない!」国会デモ・請願が行われた。その後衆議院第二議員会館前アピール行動を行い政府あてアピール(別掲)を採択した。
 霞門には北海道から九州まで二〇〇人以上の仲間が参加した。デモ出発にあたり、山根香織さん(主婦連合会会長)、醍醐聰さん(TPP参加交渉からの即時脱退を求める大学教員の会よびかけ人)、山田正彦さん(TPP差止・違憲訴訟の会幹事長)があいさつした。
 山根さんは「一二カ国は五月一六日から、グアムで首席交渉官会合を開いていて、閣僚会合で合意すると報道されている。しかし、TPPで経済的利益は何もない。即時撤回を求める。同意しないことこそが国益だ。TPPのダメージが確認でき、各国で反対の闘いが起きている。秘密交渉で中身が出てこない。企業が利益のために国家を縛っている。合意しないように世界の闘いと連携して、主権・人権を守るために闘おう」と語った。
 醍醐さんは「大詰めに来ていると言われるが何がメリットなのか分からない。合意したら不幸が起きるだけだ。企業の中でもメリットはないという会社も多い。では誰のために交渉しているのか。中国包囲網という政治目的のためにやられているともささやかれている。翁長沖縄知事は沖縄JAの会合で、『重要五品目が守れないのなら、交渉から撤退すべきだ』と表明した。国会決議を思い起こすべきだ。全国各地で、日々闘いが広がっている。あと一歩で挫折・阻止できる。がんばろう」と訴えた。
 山田さんは「交渉が始まって、五年になる。何とかつぶさなければならない。アメリカの総同盟が反対にまわり、民主党も反対している。TPPで一番打撃を受けるのは日本だ。みんなの力を合わせ、阻止しよう。これからが闘いだ」と檄を飛ばした。
 この行動の後、TPP閣僚会合を見送ることが明らかとなった。TPP妥結の前提とされる「TPA(大統領貿易促進権限法案)」が米議会で成立する見通しが立たないためだ。TPP交渉の大筋合意は六月以降に持ち越しとなり、米議会の情勢次第では一段と時間がかかる可能性もある。           (M)

アピール

日本政府は交渉テキスト
を開示せよ!合意するな!

 アメリカの大統領選の本格化を控えて、二〇一五年夏前後に交渉「合意」は「時間切れ」を迎えざるを得ません。これを避けるため、五月一五日からの首席交渉官会合に続いて五月二六日からTPP閣僚会合の開催が取りざたされています。
日本政府は、一度は国会議員にだけは交渉テキストを開示するかのように発表しながら、急遽これを取り消すなど、「合意」のためにはなりふりかまわぬ態度。国会決議違反、秘密交渉、そして人々の暮らしもいのちも、地域も、そして主権さえ破壊するTPP「合意」は絶対に許されません。
この山場にあたって、これまで全国各地で多様な形でTPP反対の運動を進めてきた団体・個人がよびかけあって、「合意など許されない!」の声を、政府に国会に、社会に向けてアピールする緊急行動に取り組むことを呼びかけます!

 この行動は次の人々によって呼びかけられた。
内田聖子(アジア太平洋資料センターPARC事務局長)/加藤好一(生活クラブ事業連合生活協同組合連合会会長)/坂口正明(全国食健連事務局長)/住江憲勇(全国保険医団体連合会会長)/醍醐聰(TPP参加交渉からの即時脱退を求める大学教員の会よびかけ人)/中野和子(TPPに反対する弁護士ネットワーク事務局長)/庭野吉也(東都生活協同組合理事長)/原中勝征(TPP阻止国民会議代表世話人)/藤田和芳(大地を守る会会長)/山田正彦(TPP差止・違憲訴訟の会幹事長)/山根香織(主婦連合会会長)/山本伸司(パルシステム生活協同組合連合会理事長)。

5.27

規制委に対する抗議・申し入れ行動

川内原発の再稼働を許すな

政府と電力資本の意向を体現する規制委員会

 五月二七日、原子力規制委員会は九州電力川内原発の運転・事故時の対応基準を定めた「保安規定」を認可した。新聞などは「これで再稼働の前提となる三つの許認可について、すべての審査が終わった。九電は設備の審査を経て、七月下旬に1号機、九月下旬に2号機を再稼働させる方針」(朝日 5月27日夕刊)としている。
 同記事では「重大事故が起きた時の態勢や手順のほか、巨大噴火への対応も定めた。火山活動をモニタリングし、巨大噴火に発展する可能性があれば、九電の社長が原子炉の停止や、核燃料の搬出などを指示する」とされている。
 しかしそもそも巨大噴火が「予知不可能」であることは火山学者の多数が指摘することであり、相当の日時がかかる「核燃料の搬出」を計算に入れた「予知」など可能なのか?
 さらに四月一四日の福井地裁(樋口裁判長)による高浜原発3・4号機運転差止仮処分では差止めを命じる決定が出された。同決定は原子力規制委の新規制基準が「多くの点で合理性を欠く」として真正面から批判されているのだ。
 しかし規制委は、司法の場でのこうした批判を省みようともせず、些細な点を取り上げてかみついているだけなのだ。いまや原子力規制委は、原発依存・再稼働推進・原発輸出の道を突進する安倍政権、そして電力資本の意向を体現する存在でしかないことは明らかである。
 この間、再稼働阻止全国ネットは、川内・高浜・伊方と続く再稼働ラッシュを阻止するために、規制委が開かれる毎週水曜日に抗議・申し入れ行動を行っている。
 この日も、東京・六本木一丁目の規制委の入った六本木ファーストビル前での抗議・申し入れ行動が正午から行われた。午前中に規制委の傍聴に入っていた市民たちの発言も受けながら、規制委への抗議の申し入れ書を提出した。
 六月七日の九電本社のある福岡市舞鶴公園での集会の成功を勝ち取り、川内原発再稼働阻止へ大きなうねりを作り上げよう。 (K)

 

 


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