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    かけはし2015.年6月15日号

「戦争国家法案」は憲法違反だ


憲法審査会に招請された憲法学者全員が明言

廃案しかない安倍政権を倒そう


自民党推薦の
憲法学者もNO

 六月四日に行われた憲法審査会は、安倍政権が提出し、首相自ら四月二九日の米上下院合同会議での演説で今夏までの成立を確約した戦争国家法案(「国際平和支援法案」と一〇本の現行法改悪案を一括した「平和安全法制整備法案」)の根幹そのものに重大な疑義を突きつけるものとなった。
憲法審査会に招請された三人の憲法学者(自民・公明推薦の長谷部恭男早大教授、民主党推薦の小林節慶大名誉教授、維新の党推薦の笹田栄司早大教授)がいずれも、現在、安倍政権が提出して国会審議中の戦争国家法案が「憲法違反」であることを明言したのである。
自衛隊合憲論者で、二〇
一三年には秘密保護法賛成の参考人発言を国会の場で行った長谷部恭男は、戦争法案について「従来の政府見解の基本的な論理の枠内では説明がつかない。法的な安定性を大きく揺るがす」として、戦争国家法案を「違憲」と断じ、自衛隊の「後方支援活動」が「武力行使」と一体化する恐れが極めて強い、と主張した。
九条改憲論者で、かつては自民党の改憲学習会に呼ばれて講師を務めていた小林節は、「憲法九条2項は海外で軍事活動する法的資格を与えていない」と断言し、さらに外国で武力行使する自衛隊が「後方支援」することについて、「長谷部先生が銀行強盗をして僕が車で送迎すれば、一緒に強盗したことになる」といかにも彼らしい言い回しで、「武力行使」と一体化しない兵站=「後方支援」などありえないことを説明した。保守派の憲法学者である彼すらも、今回の法案は「露骨な戦争参加法案」と言い切ったのである。
笹田栄司早大教授も、「これまでの自民政権と内閣法制局の自衛隊とその武力行使についての憲法解釈は、ギリギリのガラス細工だったが、提出された安保法制は、枠を踏み越えてしまっており、違憲という結論になる」と語った。
さらに同日一八六人の憲法学者は、「集団的自衛権の行使容認は立憲主義に反する」として、戦争国家法案の廃案を求める声明を発表した。
ごまかしと言い逃れで、安保法制の強行をはかろうとしてきた安倍自民党政権は、深刻な窮地に立たされている。

あわてふためく
自民党執行部


自ら推薦し招請した「護憲派」とはいえない憲法学者からも、いま国会に提出した戦争法案を「違憲だ」として否定された安倍政権は、大慌てでその場を取り繕おうとしている。
自民党の中からは、なぜ戦争法案を「違憲」だなどという学者を推薦し、招請したのかという批判・不満が相次いでいる。実際、長谷部恭男早大教授や、小林節慶大名誉教授の「集団的自衛権」容認閣議決定についての昨年以来のメディアでの主張を見れば、かれらが今回の戦争法案に反対であることは明らかだった。
菅官房長官は記者会見の場で、「今回の安保法案に賛成の憲法学者はいっぱいいる」などと捨て台詞を吐いたが、小林節からは「賛成の憲法学者は三人ぐらいだ」と切られてしまった(三人とは、西修駒沢大名誉教授[彼は安保法制懇のメンバーだった]、百地章日大教授そして八木秀次麗澤大教授という文字通りの極右分子のことらしい)。

6・14〜24総
力で国会包囲を


六月五日、前日の三人の憲法学者すべてからの「違憲」法案発言を受けて、衆院特別委員会では、「違憲の法案」を廃案にすべきとの野党からの攻勢に対して、かつて著書の中で「憲法の解釈変更をこれ以上すべきではない」と書いていた中谷元防衛相は、「他国防衛を目的とする集団的自衛権を認めるものではないので憲法の範囲内」「憲法解釈として裁量の範囲内で、憲法違反ではない」などの苦しい弁明に終始した。
そもそも今回の戦争法案が、米国の戦略の中で米軍とともに「切れ目のない」武力行使を地球規模で行うための法案である以上、「集団的自衛権行使は違憲」とする解釈との折り合いをつけることなど到底できない。政府の答弁は、ますます自己矛盾と撞着、ごまかしと居直り、公然たる虚偽に陥っていくしかない。
世論調査では、ほぼすべてのメディアで、今国会での戦争法案採決反対の声が賛成を大きく上回っている。そうであれば逆に、安倍自民党政権は、早期の審議打ち切り、採決強行への衝動にかられていくだろう。
憲法調査会での三人の参考人すべてが「戦争法案=違憲」を明らかにした六月四日の午後六時半から、戦争させない・9条壊すな!総がかり行動実行委員会による、三回目の木曜日国会前行動が行われた。一回目(五月二一日)が八五〇人、二回目(五月二八日)が一一〇〇人、そしてこの日が一四〇〇人と、「戦争法案」絶対阻止の機運は次第に高まりを見せている。
このうねりを六月一四日(日)午後二時から、そして六月二四日(水)午後六時半からの国会包囲行動につなげていこう。六・一四、六・二四への総結集をバネに、会期延長による強行採決という安倍政権の思惑を完膚なきまでに打ち砕き、改憲へのプログラムを断ち切ろう。
そしてこの行動は同時に、戦後七〇年の総括に立って、辺野古新基地建設阻止を中心にした沖縄の闘い、原発再稼働を許さない闘い、そしてアジアの民衆の平和・公正・人権・民主主義に貫かれた社会をめざす挑戦と結びついたものであることをあらためて確認しようではないか。
(六月七日 K)

緊急アピール

大阪府警が市民活動家3人を不当逮捕

京丹後市での米軍Xバンドレーダー
基地建設反対行動参加のためのバスの
手配が「白バス」行為?

2015年6月5日

 六月四日、大阪府警は昨年九月に京丹後市Xバンドレーダー基地反対集会に結集するためにバスを借り、参加者から料金を集めたことが、「無許可営業」だとして、われわれの同志をふくむ三人の仲間を逮捕し、約二〇カ所を捜索した。この異常な弾圧を許さない。二つの抗議声明を掲載する。(本紙編集部)

 

  昨日(6月4日)朝から夕方にかけて大阪府警本部警備部公安三課は、「道路運送法違反」(いわゆる「白バス」行為)なる容疑で、京都・大阪の反戦・市民運動の活動家の自宅・事務所など十数箇所の家宅捜査を行い、3名をその場で逮捕しました。
 京都・大阪の反戦・市民運動は、関西で初の米軍基地としてミサイル防衛のためのXバンドレーダーが京都府京丹後市経ケ岬に建設されるのに対して、地元の人たちと連帯しながら数度にわたって集会、デモに参加してきました。今回の「容疑」は昨年9月の現地闘争の際の大阪からのバスが無許可の営業(利用者から料金を集めた)というものです。このような理由による市民運動団体に対する捜査や逮捕は前代未聞です。
昼のテレビのニュース(ABCニュース)で、「逮捕 “白バス”運行容疑 有料で集会参加者ら送迎か」という見出しで、関西共同行動の活動家が逮捕される様子が放映されました。つまり、警察はマスコミを同行させ、わざわざ逮捕現場を撮影させ、悪意に満ちた報道をさせたのです。
 産経新聞は、逮捕された3人をそれぞれ「××」(政治団体)の活動家として書き立て、あたかも政治団体が資金稼ぎのために違法な営業をしていたかのような報道をしました。あたかも私たちの行動が、市民が主体の行動ではないかのようなフレームアップです。
 そもそも、「道路運送法違反」というものは、不当な利益を得たり、合法的に営業している者に不利益を及ぼすような常習的な不法行為を対象とするものであり、しかも通常は警告ですむ事象にすぎません。このような微罪ですらない罪状をでっち上げ、長年にわたって地道に広範な市民の連帯を作り出してきた運動に対し楔を打ち込もうとする今回の不当逮捕・家宅捜査を私たちは決して許しません。このような無茶苦茶な弾圧を行っている大阪府警に強く抗議します。
 現在、国会で議論されている「戦争法案」の審議をめぐって、安倍政権は消化試合であるかのごとく放漫な答弁を続けています。しかしそれは決して世論の総意を得ているという自信からではなく、米軍の裏庭を守る番犬と化すことで無常の至福に包まれる安倍の妄想によるにほかなりません。
 まさに沖縄では戦後70年の総括も言うべき圧倒的な沖縄民衆の力で、辺野古に新基地を建設するという安倍政権の野望に立ちふさがっています。関西でも戦争に反対し、日々平和を求めて闘う民衆が、Xバンドレーダー基地配備に見られるような具体的な形での日米軍事一体化に激しい怒りを表すと同時に、自分たちの運動の中から沖縄の闘いに深い連帯の意を表明しつつあります。集団的自衛権と戦争法に対する闘い、そして辺野古に連帯する闘いが重要な局面に入っているこのタイミングでの弾圧をすべての人々の力ではね返すことを訴えます。
 仲間を今すぐ返せ!
大阪府警は不当弾圧をやめろ!
姑息な市民運動の分断策を許すな!
我々は闘うぞ!
そして勝利するぞ!
仮称)6・4不当弾圧に抗議し、早期仲間の釈放を求め、共に闘う会
連絡先:関西共同行動
http://www17.plala.or.jp/kyodo/

※3名に対しては、すぐさま弁護士の選任を行い、接見を行っている。今後の弁護費用も必要になります。
そのためのカンパも今後訴えさせていただきたいと思います。よろしくお願いします。




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