もどる

    かけはし2015.年6月29日号

派遣法改悪案採決強行許すな!


6.12連合、雇用共同アクション

国会前にあふれる労働者の怒り

強行採決のたくらみに猛抗議


 
派遣当事者の
声に向き合え
 派遣法改悪案採決強行の情報がメディアに飛び交い極度に緊迫した六月一二日、国会前の議員会館前歩道は、怒りの声をあげる労働者で溢れた。
 この日連合は同歩道に午前から座りこみ。衆院第一議員会館前から参院議員会館前まで、座りこむ労働者が各労働組合旗と共に延々と連なった。連合の古賀伸明会長は行動開始にあたって「世界に類を見ない悪法を廃案にするため最後まで行動する」と檄を飛ばした。
 一方、全労連、全労協、中立系単産が横断的に結集する雇用共同アクションの行動は正午から。連合から一時的に譲られた参院議員会館前に三〇〇人以上がかけつけ、数々の大問題にフタをしたまま衆院厚生労働委員会採決を強行しようという自、公、維新のまさに異常な暴挙に、絶対に許さない、声をあげ始めた派遣当事者に真摯に向き合い審議を尽くせ、必ず廃案にする、と決して引き下がらない断固とした意志を突き付けた。
 特にいすゞ自動車の派遣切りと闘っている三浦慶範さんは、非正規労働者の劣悪な処遇を具体的に示しながら、今回の改悪がそれにさらに輪をかけると厳しく批判、必ず廃案に追い込もうと強く訴えた。あるいはJMIUの三木陵一書記長、全国一般全国協の平賀雄次郎委員長も、非正規組合員の闘いにふれながら、その現実をかえりみない法案など許されない、この改悪を絶対阻止しようと呼びかけた。
 雇用共同アクションとして、井上久全労連事務局長と中岡基明全労協事務局長が各々、自、公、維新の暴挙を厳しく糾弾しつつ、この日の採決はひとまず止まりそうだ、当事者の声を聞けとより強く突き付けここで引き下がらないことが廃案への道を開く、徹底的に闘おう、と訴え、参院議員会館前を埋めた参加者は、来週に向けさらに闘いを強め廃案をもぎ取る決意を共に固めた。
 なおこの場には、日本共産党の高橋千鶴子、堀内照文両衆院議員(厚生労働委員)、吉良よし子参院議員もかけつけ、国会情勢にもふれながら廃案に向け全力を尽くすと決意を表明した。

専門 業務の
労働者が訴え
維新が取引、採決強行、の報は六月九日夜からにわかに浮上、翌日の各紙でも大きく報じられた。実は六月九日の昼には、一〇人を超える派遣当事者が勇気をふるって顔を出し、記者会見で改悪絶対反対の思いを明らかにしていた。夜には参院議員会館で開かれた改悪阻止の集会(日本労働弁護団主催)にそのまま参加、ここでも一六人の派遣労働者が、この法案が当事者にもたらす悲惨をまさに切々と訴えた(別掲参照)。この日声をあげた労働者は多くがいわゆる専門26業務で働いている労働者。全国で四〇万人以上と言われるこの労働者たちには、今回の改悪で大量解雇の危機が現実のものとなるのだ。
この集会では労働弁護団が緊急に実施した派遣労働者アンケート中間集約も集会資料として配布されたが、そこでは短時日のうちに回答が急増、前日までに二九〇件に達していたことが示されていた。「法が大量解雇をつくるなんてあり得ない」「モノ扱いはやめてくれ」など、記者会見とこの集会での発言、そして先の労働弁護団資料にこまごまと記された派遣労働者たちの声は、派遣法改悪などとんでもない、そんなことはやめてくれ、との派遣労働者の叫びが日増しに高まっていることを如実に示していた。
こうした声に背を向けたまま審議終結など許されない。それが当事者から直接はっきりと突き出された。しかし、まさにその日に、自、公、維新はやにわに採決強行へと動き出したのだ。何という悪辣、卑劣。だがそれは、彼らに加わりつつある重圧をも逆に照らし出している。実際九日から一二日まででも審議をめぐる情勢は揺れ動き、結局一二日の採決は見送られた。
次週はさらに緊迫が予想されている。まさに絶対に引き下がらない闘いが、一歩でも二歩でも前に出る闘いが決定的だ。絶対廃案の声をさらに徹底的に突き出そう。      (神谷)

派遣労働者たちの声


前記集会での派遣労働者の発言を要約して紹介する。
?専門26業務(通訳)
三カ月契約の反復更新で働いてきた。派遣期限についての説明などなかった。時給は上がらず、自費で資格を取ってきた。年齢が上がり資格は増えても、それは一切反映されなかった。今回の改悪は、年齢の高い派遣労働者にとって本当に酷い仕打ちだ。
?専門26業務(システムエンジニア)
夜間作業もやり、個人情報も扱ってきた。正社員と変わらない仕事。今回の動きでモチベーションが下がり不安だ。改悪は、派遣先と派遣元だけが有利になるもの、とても許せない。
?一般派遣
三カ月、六カ月の契約で四年以上働いてきた。三年後の直雇用推薦に希望をもってきたが、今回はあまりにひどい。僅かの希望も断たれる。大手六社の派遣先で経験があるが、その他も含め事前面接は一〇〇%に近い。こんな状況で規制緩和するなどあり得ない。雇用安定化策などと言っているがそもそも雇用のパイがない。
?専門26業務(ウェブ出版)
子育て中で雇い止めが怖い。現在は比較的安定した職場で、長期に働けることを希望してきた。しかし派遣元からは、今回の改悪案が通れば三年後は難しいと言われている。転職はさらに厳しいと思う。こんな法案を考えた者たちは求職を繰り返すストレスをまったく理解していない。
?専門26業務(コールセンター)
三年前までは正規への移行もあったが今はない。正規雇用で働きたい。派遣で楽な暮らしの人などいない。派遣元からは、改悪案が成立したら今の職場では働けないと言われている。
?専門26業務(事務機器操作)
一五年働いてきて五六歳になる。業務の実態は専門職偽装で不本意派遣だ。派遣元は派遣労働者を守らない。三年後の雇い止めを通告されている。三年後は五九歳で、派遣先は残さないし、派遣元は紹介もしない。こんな法案は絶対に廃案にしてほしい。
?専門26業務(システム運用)
契約社員として七年間働いたが雇い止めされ派遣になった。ガン患者で年齢的にも正社員は難しいが、仕事は正社員と同等にこなしている。しかし治療の影響もあって病弱な者にとって、三年でまた次を探せという今回の法案は途方に暮れる。生存権を無視するような制度はやめてもらいたい。
?専門26業務(広告ウェブ)
週三回のアルバイトから派遣に移った。派遣は即戦力を求められ、自腹でスキルアップに努力してきた。それなのに三年で打ち止めなど、不利にされる。とても理解できない。

6.19派遣法改悪案採決強行糾弾

参院で必ず廃案を!

絶対に引き下がれぬ闘いだ

 六月一九日、自・公は維新を党利党略の薄汚い取引に引き込み、衆院での派遣法改悪案採決を強行した。
 六月九日には、改悪をやめてほしいと、派遣で働く当事者たちが意を決して記者会見を開いていた。当事者の切実な反対の声がはっきりと見え出す中(別掲記事参照)、マスメディアもこの法案の問題指摘に紙面を割き始めていた。しかしこれらの声が審議に届いたとはまったく言えない。自・公と維新で密室談合した「同一労働・同一賃金」法なるものの修正案が論評にも値しない無内容なものであることも、また歴然としていた。採決はその中で強行された。暴挙以外の何ものでもない。
 このあ然とするような動きに国会前では怒りが渦巻いた。雇用共同アクションが緊急に呼びかけた同正午からの参院議員会館前国会行動には雨の中二〇〇人以上の労働者がかけつけ、強い抗議の声をあげた。折しも同じ場所では、戦争法案を何としても止めようと、連続座り込み行動が継続中。この行動参加者たちからも声援が送られ、安倍政権、自・公・維新の暴挙に対する怒りは国会前一帯に広がった。
 そして怒りは議事堂の中にも。国会前で傍聴報告した全労協の柚木康子さんは、つめかけた傍聴者に対し六〇の傍聴席ではとうてい足りず二〇分入れ替え制の傍聴となった、その中で与党委員の卓上には資料さえなかった、と語りつつ、のらりくらりの答弁しかしない安倍首相に対し、傍聴に入った派遣労働者が「何でこんな答えしかないのか」と涙ながら報道陣に語っていたとも伝えた。
 派遣労働の非道な現状に闘いを挑んできた全印総連の橋場恒幸さん、首都圏青年ユニオンの濱谷和久さんなど、まさに怒りのこもった発言が数々続いた。しかし同時にそれは廃案へのみなぎる決意の表明。今回の暴挙自体、紛れもなく社会に広がる疑念に押された改悪推進勢力の焦りの現れだ。
 それはこの間の闘いがつくり出したものでもあり、結集した全員がそれを実感していた。雇用共同アクションを代表して発言に立った井上久全労連事務局長、金澤壽全労連議長は、その実感を共に確認しながら、あらゆる可能性に食らいつき、あるいは貪欲に共同を広げ自らの力で敵には想定外の事態をつくりだし、参院で必ず廃案に持ち込もうと呼びかけ、参加者は大きな拍手でそれに応えた。
 まさに絶対引き下がらない闘いが今こそ決定的だ。戦争法案反対を始めとし全国に広がる安倍政権の暴政反対のうねりとつながり、幅広い共同の中から参院での廃案を必ずつかみ取ろう。       (神谷) 

コラム

春の珍事

 「今日の広島戦は中止。嘆くべきか喜ぶべきか」「一三連敗という『不名誉な』記録が取りあええず棚上げされたということだけですよ」。六月二一日の夜、銭湯のテレビの前での会話。
 DeNAは交流戦が始まるまでセリーグの首位を走り、横浜市民も「春の珍事」と湧いた。昨年はキューバ選手が四番に座り、打線はそこそこがんばっていたが、弱体の投手陣は終盤に逆転される試合が多かった。とり分け押さえ投手の不在が致命的で今年も前評判は今いちであった。しかし開幕すると同時に四番打者も押さえ投手も若手が穴を埋め、それにつられるように他のポストも名前の知らない選手が台頭し、連日のようにヒーローインタビュー。
 こうなると隠れベイスターズファンやにわかファンが現れ、人の集まる居酒屋、銭湯、病院の待合室まで野球談議。今や横浜球場はDeNA―巨人戦ばかりではなくDeNA―広島戦のチケットさえ手に入らない状況。この現象はかの大魔神・佐々木を擁して優勝した時以来。その年の秋口には横浜駅前のデパート入り口に「大魔神社」が置かれ通行人が手を合わせる写真がマスコミを賑わした。
 しかし六月二二日現在、一二連敗にもかかわらずDeNAは巨人、阪神に次いでセリーグの三位。それもわずか二ゲーム差で十分に優勝をねらえる位置だ。この怪現象を生みだしたのは、交流戦でのパリーグの異常な程の強さ。交流戦の成績で五位までをパリーグが独占し、唯一一〇勝八敗とかろうじて勝ち越した阪神が六位、九勝九敗の広島が七位、一一位の巨人は七勝一一敗、最下位のDeNAに至っては三勝一四敗一分け。
 「人気のセ、実力のパ」という言葉がそのまま成績となって現われた形だ。観客動員数でもそれが数字となっている。「球団別の最多は巨人で三万九八一九人。ただし地方球場開催試合があった影響で、前年比一一・七%減となった。伸び率が最も高かったのはDeNAで、二九・九%増の二万四〇一三人」と発表された。余程悔しかったのかDeNAの中畑監督は「パワーのパ」と捨て台詞を吐いたのが印象的であった。
 毎年Bクラス、それもほとんどが最下位となれば誰もがファンであるとは口に出しずらい。それが今や「優勝」がちらつき出したのだから熱くなるのもわかろうというもの。最終ゲームまで続くことだけを祈る。  (武)


もどる

Back