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    かけはし2015.年7月6日号

これが安倍内閣の本音だ


沖縄民衆への差別暴言糾弾

辺野古基地建設中止・戦争法案廃案へ


「お友達」グル
ープの本音露呈

 九五日という戦後最長の会期延長で、ほとんどの憲法学者や内閣法制局長官経験者が違憲と言明する戦争法案(「国際平和支援法案」と「平和安全法制整備法案」)を何がなんでも成立させたいという焦りを募らせている安倍政権の本質を明らかにする事態が、またも生じてしまった。六月二五日、安倍首相の取り巻きである自民党の若手議員グループの「文化芸術懇話会」(代表・木原稔衆院議員・熊本1区)の初会合で起きた出来事である。
この日の会合には,安倍首相側近の加藤勝信官房副長官(衆院議員・岡山5区)や萩生田光一・総裁特別補佐(衆院議員・東京24区)などの首相側近と目される議員を含めて約四〇人が参加したと見られている。
会合は講師として招かれた安倍の「友人」である作家の百田尚樹の発言で大いに盛り上がったようだ。百田は言うまでもなく、安倍首相の「お友達」グループの一人としてNHK経営委員となり、二〇一四年都知事選では極右の田母神俊雄の応援演説で「東京裁判は米軍による大虐殺をごまかすための裁判」で「南京大虐殺は米軍の犯罪をごまかすために取り上げられた」と語り、都知事選に立候補した候補者は「田母神さん以外は人間のクズ」などと罵倒した札付きの極右デマゴーグである。
米国上下両院議員合同会議演説で、「卑屈」と言えるほどひたすら米国にゴマをすり続けたのが安倍である。その安倍の顔に泥を塗るような「東京裁判批判」を繰り返してきた百田を、戦争国家法案の審議で安倍内閣が追いつめられている真最中に講師として招待したこと自体常軌を逸しているのだが、こうした連中にとって、そんなことはどうでもいいことなのだろう。

マスコミを
締め上げろ


百田は、冒頭に安倍政権を批判しているマスコミについて「反日とか売国とか日本をおとしめる目的で書いているとしか思えない」と切り出した。出席した議員の中からは「そうだ」との声が上がった。その後、会合は非公開となったが、話はマスコミの批判をいかに封じるかで盛り上がったという。
「マスコミを懲らしめるには、広告料収入がなくなるのが一番だ。日本を過(あやま)つ企業に広告料を支払うなんてとんでもない。経団連などに働きかけしてほしい」(大西英男衆院議員・東京16区)。
「福岡の青年会議所理事長時代、委員会を作ってマスコミを叩いた。日本全体でやらなきゃならない。テレビのスポンサーにならないことが一番こたえることが分かった」(井上貴博衆院議員・福岡1区)。
「沖縄のゆがんだ世論を正しい方向に持っていくためには、どのようなアクションを起こすべきか。左翼勢力に完全に乗っ取られている」(長尾敬衆院議員・比例近畿)。
ここで百田のデマと差別に満ちた沖縄への暴言が飛び出す。
「沖縄の二つの新聞社は絶対つぶさなあかん。沖縄のどっかの島でも中国に取られてしまえば目を覚ますはずだ」。
「もともと普天間基地は田んぼの中にあった。周りには何もない。基地の周りが商売になるということで、みんな住みだし、今や街の真ん中に基地がある。騒音がうるさいのは分かるがそこを選んで住んだのは誰やと言いたくなる。基地の地主たちは大金持ちだ。もし基地が出て行ったりしたら、えらいことになる」。
「米兵が犯したレイプ犯罪よりも、沖縄県全体で沖縄人自身が起こしたレイプ犯罪の方がはるかに率が高い」。
百田の沖縄に対する口から出まかせの罵倒については、決して百田の思いつきではない。「わざわざ普天間基地の周りに住みついて、危険だ、騒音だというのはおかしい」という暴言は、沖縄の反基地闘争に泥を塗るために、隠然とした形で前から繰り返されてきた差別に満ちた中傷である。

沖縄の闘いに
憎悪丸出し


百田は、朝日新聞からの取材に対して、「沖縄の二つの新聞をつぶす」と言ったのは「冗談だ」とごまかしている。しかしそれこそ「冗談ではない!」。
言うまでもなく、後に普天間基地が作られた地域は沖縄戦の激戦地であり、その中で住民は最初は日本軍、後には米軍によって強制的に家と土地から切り離された。
沖縄の新聞二紙の抗議声明にあるように、現在普天間基地がある場所は戦前の宜野湾村役場が置かれた地域の中心であり、九〇〇〇人の人口を擁していた。住民は収容所での生活を余儀なくされ、「本土爆撃」を想定した広大な面積の軍事基地が米軍によって建設された。収容所から解放された住民たちは、かつての家・農地などを米軍によって奪われてしまった現実に直面して、基地周辺に生活・居住の場を定める以外になかったのだ。
いま再び、沖縄の「島ぐるみ」の反基地闘争――辺野古新基地反対の闘いが高揚している。安倍政権はこうした悪質なデマゴギーをまき散らし、沖縄のメディアに圧力をかけつつ「ヤマト」の沖縄差別感情を動員することによってしか、沖縄の闘いに対処できなくなっていることを、今回の事態は示している。
当初、安倍首相は、この自らの「親衛隊」とも言うべき連中の発言について、ごまかし続けようとしてきた。六月二六日の衆院安保法案特別委員会の審議で「事実だとすれば遺憾だが、行政府の責任者として誰がどう発言したかを確認するのは難しい」と逃げに終始した。安倍は「その場にいないにもかかわらず、勝手にお詫びすることはできない。発言した人物のみが責任を負うことができる」と事実究明から逃げまくった。さらに発言者への処分について「私的な勉強会で自由闊達な議論がある。言論の自由は民主主義の根幹をなすものだ」と責任者の処分回避を主張した。
「沖縄の新聞をつぶせ」「広告料を支払わないよう圧力をかけろ」というのは「言論の自由の侵害」ではなく、「自由闊達な議論」として奨励すべきことだと言うのだ。

今こそ沖縄と
共に安倍打倒へ


この問題が拡大することを恐れた自民党は、六月二七日、一転して百田を講師に呼んだ「文化芸術懇話会」代表の木原稔・自民党青年局長を更迭し、一年の役職停止処分とした。さらに「広告料収入をなくせ」と発言した大西英男衆院議員と井上貴博衆院議員、「沖縄のゆがんだ世論を正しい方向に持っていくアクションを」と発言した長尾敬衆院議員(比例近畿)を厳重注意処分にすると発表した。
安倍首相取り巻き議員グループへの、安倍の意にもおそらく反するだろうこうした処分は自民党としては異例のことである。それは、ウソとゴマカシで塗り固められた違憲の「戦争国家」法案の本質がさらに暴きだされ、答弁不能状態に陥ってしまうことへの危機感がもたらしたものだ。
今回の一連の動きは、安倍政権の基盤が大きく揺らいでいることを改めて明らかにした。この動揺と危機を作り出したのは、何よりも沖縄の「島ぐるみ」反基地闘争であり、そして大きく広がりつつある「戦争国家法案」反対の共同行動である。
われわれはこの闘いに確信を持ち、さらに共同戦線を大きく発展させ、戦争国家法案廃案・辺野古新基地建設阻止・安倍政権打倒の「暑い夏」を必ずや実現しよう!(六月二八日 純)

資料

琉球新報・沖縄タイムス
共同抗議声明

2015年6月26日

 百田尚樹氏の「沖縄の2つの新聞はつぶさないといけない」という発言は、政権の意に沿わない報道は許さないという“言論弾圧”の発想そのものであり、民主主義の根幹である表現の自由、報道の自由を否定する暴論にほかならない。 
 百田氏の発言は自由だが、政権与党である自民党の国会議員が党本部で開いた会合の席上であり、むしろ出席した議員側が沖縄の地元紙への批判を展開し、百田氏の発言を引き出している。その経緯も含め、看過できるものではない。
 さらに「(米軍普天間飛行場は)もともと田んぼの中にあった。基地の周りに行けば商売になるということで人が住みだした」とも述べた。戦前の宜野湾村役場は現在の滑走路近くにあり、琉球王国以来、地域の中心地だった。沖縄の基地問題をめぐる最たる誤解が自民党内で振りまかれたことは重大だ。その訂正も求めたい。
 戦後、沖縄の新聞は戦争に加担した新聞人の反省から出発した。戦争につながるような報道は二度としないという考えが、報道姿勢のベースにある。
 政府に批判的な報道は、権力監視の役割を担うメディアにとって当然であり、批判的な報道ができる社会こそが健全だと考える。にもかかわらず、批判的だからつぶすべきだ―という短絡的な発想は極めて危険であり、沖縄の2つの新聞に限らず、いずれ全国のマスコミに向けられる恐れのある危険きわまりないものだと思う。沖縄タイムス・琉球新報は、今後も言論の自由、表現の自由を弾圧するかのような動きには断固として反対する。
 沖縄タイムス編集局長・武富和彦、琉球新報編集局長・潮平芳和

6・10

沖縄県民と連帯するいわき集会

福島の闘いも沖縄に見ならおう

「ヒト・モノ・カネ」を送り交流を

 【いわき】六月一〇日、沖縄県民と連帯するいわき集会が、沖縄県高教組委員長福元勇司さんを招いて、いわき市労働福祉センターで開かれ、五〇人が結集した。
 主催者あいさつにたった東北全労協議長の坪井さんは、「辺野古の新基地建設反対のオール沖縄の闘いは、原発はいらないというオール福島の闘いの見本である」と訴えた。
 沖縄平和行進に参加した全港湾青年部の仲間は、「辺野古の海を見てきた、ジュゴンの海を基地に変えて良いのかと思った。反対派を海に放り投げ、暴力と弾圧で沖縄県民を黙らせる安倍政治の本質を見た。平和行進の道すがらおばあちゃんに激励された。アメリカと一緒に人殺しをして何が平和か。国策での犠牲は沖縄も福島も同じ、自分たちの将来は自分たちで決める」と力強く報告した。
 特別報告を行った福元さんは、「米軍の軍政下で県民から強制収用された土地に基地は在り国際法違反である」と基地の存在の違法性を訴え、「沖縄経済への米軍基地関連の占める割合は、沖縄返還直後でも一五%、現在は五%にすぎない」と基地経済に依存しているというデマを打ち消し、「オール沖縄の取り組みは二〇一三年から始まり、沖縄の歴史的政治的独自性を共有し、辺野古新基地建設阻止の一点でつながろう」と言う立場で反基地運動を推進し「オール沖縄のぶれない民意が翁長知事を誕生させた」と報告した。
 続いて全国一般の仲間が、本土で反基地闘争を取り組んでいる関西の仲間への弾圧の不当性を告発し、会場で支援カンパが集められ、ただちに仲間たちに送られた。
 集会では、「辺野古新基地建設反対、軍国日本反対、戦争国家法制反対、沖縄県民の闘いと深く結びつき、安倍政権打倒の大きなうねりをつくりだそう」と決議を採択した。
 最後に東北全労協事務局の亀谷さんがあいさつにたち、「沖縄に人、物、カネを送り、沖縄に連動する本土の闘いに全力で取り組む」と決意を表明した。(D)


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