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    かけはし2015.年7月6日号

「解決済み」論は誤りだ


6.20

日韓条約50年―「つながり直し」キャンペーン

植民地支配の清算に立った平和のために




「嫌韓」言論が
吹き荒れる中
 六月二〇日、東京・千代田区の在日韓国YMCAで「日韓条約50年 過去清算でつながろう2015」集会が行われた。主催は、日韓つながり直しキャンペーン2015。この日の集会は、日韓条約の締結から五〇年を経た今、「嫌韓」のヘイト言論がマスコミにあふれ、街頭では「韓国人を殺せ!」といった「ヘイトスピーチ」が吹き荒れている現実を捉えかえし、その問題を五〇年前の「日韓基本条約」締結に至る経過、そして「財産権や補償問題はすべて解決済み」とする日本側の主張の問題点と結びつけてえぐり出すことをめざすものだった。そしてあらためて侵略・植民地支配の反省・克服に失敗してきた歴史と対峙しつつ、日韓民衆が未来に向けて「つながり直す」課題を探っていくことにあった。
 なお、六月二二日〜二三日、ソウルで「日韓協定五〇年の省察と平和共同体の模索」という歴史シンポジウムが開催された。東京での企画は、この歴史シンポとの連携も意識したものだった。

朝鮮学校無償化
排除に抗して
午前一〇時半からはじまった集会では、同キャンペーン共同代表の前田朗さん(東京造形大教授)が「過去の歴史を回避するのではなく、歴史を引き受けつつ洗い直し、未来に向けて紡ぎ直していく試み」として、キャンペーンを位置づける開会のあいさつを行った。次に、被害者証言映像「私を記憶せよ」が上映された後、二つの特別報告が行われた。
一つ目は「歴史認識と朝鮮学校『高校無償化』排除問題」。「高校無償化」からの朝鮮学校排除に反対する連絡会の代表、長谷川和男さんが報告した。長谷川さんは、無償化排除に抗する五つの裁判闘争、二〇一三年五月、ジュネーブでの国連自由権規約委員会の日本審査で「高校無償化における朝鮮学校排除は差別である」との勧告が出されたこと、さらに二〇一四年九月、国連人種差別撤廃委員会でも同趣旨の勧告が出されたことを紹介し、韓国でも「ウリハッキョと子どもたちを守る市民の会」が昨年結成され、長谷川さん自身がこの四〜五月、韓国各地で講演を行ってきた、と語った。
二つ目は「群馬における追悼碑建立運動と設置期間更新問題」。群馬県の市民運動団体が、一九九八年に朝鮮人・韓国人強制連行被害者を追悼する記念碑を建てる運動を開始し、行政とのねばり強い交渉を経て、二〇〇四年四月、県立公園・群馬の森の一角に「記憶 反省 そして友好」という碑名の追悼碑が竣工した。
ところが二〇一二年になって「碑文が反日的だから撤去せよ」という右翼団体からの「苦情」が県に届き始め、同年一一月には追悼碑前で横断幕を掲げた右翼団体が公園職員と小競り合いを起こし、警官が駆けつける騒ぎとなった。その結果、二〇一三年には碑の前の追悼集会ができなくなった。
同年には、市民団体(記憶 反省 そして友好の追悼碑を守る会)の側が「追悼碑設置期間更新許可申請」を出したが、二〇一四年に右翼団体から「追悼碑設置許可取り消し」を求める請願が出され、群馬県議会は右翼団体の請願を採択した。二〇一四年七月、県の側は市民団体に碑の「自主的撤去」を求め、これに対し市民団体は知事を含むトップ会談の開催を要求した。しかし県側は市民団体からの要請があったその日の夕刻、一方的に「設置期間更新不許可」決定を報道関係者に発表したのである。これに対して市民の側は二〇一四年一一月、前橋地裁に提訴し、現在、裁判闘争は続いている。

日韓条約・請求
権協定を検証
二つの報告に続き、午後からは一九六五年の日韓闘争をどういう思いで闘ったかの証言が映像で放映された、語ってくれたのは宮田節子さん(朝鮮史研究者)、大口昭彦さんと國吉毅さん(当時、早大学生)、舘野利功さん、野田鉄郎さん、中村儀広さん、奥田豊己さん(いずれも当時、国労組合員)、白漢基さん(当時、朝鮮総連国際局)、和田春樹さん(当時、東大助手)。
次にシンポジウム「検証!日韓条約・請求権協定 『一九六五年体制』はもう終わりだ」。
庵逧(あんさこ)由香さん(立命館大文学部教授)が進行役をつとめたシンポのパネリストは太田修さん(同志社大グローバル・スタディーズ研究所教授)、金昌禄さん(韓国慶北大学法学専門大学院教授)、阿部浩己さん(神奈川大法科大学院教授)、五味洋治さん(東京新聞編集委員)、金丞垠さん(民族問題研究所主任研究員)の五人。
太田さんは、植民地支配の責任を不問に付したサンフランシスコ条約やそれに基づく日韓財産請求権交渉、日韓財産請求権協定という条約―法そのものの暴力性を批判し、一九六五年の日韓財産請求権協定で「過去清算」はなされたとは言えない、と強調し、「解決済み」論は誤っている、と語った。
金昌禄さんは一九六五年の日韓基本条約第二条(「一九一〇年八月二二日以前に大日本帝国と大韓帝国との間で締結されたすべての基本条約及び協定はもはや無効であることが確認される」)の合意が存在しなかった(韓国は当初から無効であるとし、日本は一九四八年八月の大韓民国政府の樹立により「失効」という見解)が、「韓日葛藤の根源」と指摘した。そして「請求権協定」によって解決されなかった「植民地支配責任」の問題を解決することが課題だと述べた。
阿部浩己さんは、大国主導の国際法のあり方そのものを批判し、「国家間の利益の相互実現」から「普遍的価値(人間の尊厳)の実現」を軸にして解釈し直す必要を訴えた。そして東アジアにおける共通の人権保障の枠組みを実現するための作業を提案した。
五味さんは、当時の報道のあり方を振り返って、全体として日本政府のペースに従い、「日本が譲歩している」ことを批判する姿勢で、「植民地支配の清算」という視点がなく、総じて日本政府の立場に立って韓国の姿勢を批判する傾向だったことを指摘した。
金丞垠さんは「日本の不法な植民地支配に対する反省と謝罪を前提に、新しい『第二の請求権協定』を追求していかなければならない」と語った。
なお、このシンポと並行して韓国YMCAの別の部屋で、日韓の青年たちの「ユースフォーラム」も開かれた。シンポへの質疑、ユースフォーラムの報告に続いて「2015日韓市民共同宣言 植民地主義を清算し、ともに東アジアの平和な未来を開いていこう」が採択された。
シンポ終了後、参加者たちは神保町周辺を通るデモを行い「民衆の力で、東アジアの平和を」とアピールした。なお午後六時半からは、同じ会場で朴保さんの歌と語りを中心にしたコンサートが行われた。 (K)

6.16

戦後70年・日韓条約50年

日韓労働者の闘う連帯へ

困難な現状を突破しよう

  【愛知】六月一六日、「戦後70年・日韓(韓日)条約50年にあたって」の日韓集会(「日韓関係と歴史認識」労働運動の視点から)が名古屋・東別院のイーブルなごやで開催された。定期的に開催されている同集会は、最近、参加者の減少がみられているものの、今回は約五〇人の参加で行われた。
 主催は6・16日韓集会実行委員会、実行団体は「韓国併合100年」東海行動実行委員会、笹島日雇労働組合、不戦へのネットワーク、東海民衆センター、ユニオンと連帯する市民の会、APWSL愛知であった。
 AWC国際共同代表、AWC韓国委員会代表、元民主労総首席副委員長、元左派労働者会代表のホ・ヨング氏と、韓国の女性活動家のカン・ウンシル氏が講演を行った。
 ホ・ヨング氏は、終始穏やかな口調で、帝国主義と新自由主義に対抗する東アジアにおける日韓労働者連帯闘争、グローバル化した資本の新自由主義の強化のなかでの韓国政府の労働者への攻撃と、それに対する労働者の闘争などについて話をした。労働組合法の改悪、賃金の引き下げ、非正規雇用の拡大、解雇制限の緩和のなかで、韓国の労働者が企業側を提起する訴訟の勝率が極端に低い(約一〇%)と指摘、解雇の要件が法的に満たない違法な解雇がまかりとおっている現実を非難した。韓国の労働者の闘いは、最近は民主労総等がゼネストを含む闘争の強化を図っているが、依然として苦しい闘いのようである。

強まる弾圧に
反撃しよう!
参加者からの質問(統合進歩党の国会議員の逮捕、統合進歩党の解散命令関連)についてホ・ヨング氏は、日本の「治安維持法」をモデルにした「国家保安法」を根拠にしているが、選挙によって韓国の国民が選んだ候補者の政党を国家権力が「強制解散」するという暴挙は許されない、と非難。先の大統領選挙の際に統合進歩党の代表が国民の前で「パク・クネは独裁者の娘」「パク・クネの父は高木正雄という元日本軍の軍人」とパク・クネ氏を非難したことに対する報復であるとの見解を示した。統合進歩党はもともと民主労総が支持母体の民主労働党から他政党との合同等を経て結成された政党であるが、統合進歩党に至る過程で党内でも南北統一の意見の衝突等が見られたとの指摘があった。
ホ・ヨング氏はまた「国家保安法」について、これまでは朝鮮民主主義人民共和国(以下、北朝鮮)、共産主義の賛美に対する「アカ」「親北朝鮮」とのレッテル張りにより南北統一関連の事案の取り締まりで適用されてきたが、今後は労働者への弾圧に多用される、と警鐘を鳴らした。
「村山談話」については日本の朝鮮半島に対する侵略の過程で行われた強制連行について触れていない不十分さを指摘。六月二四日に韓国の光州高等裁判所で元勤労挺身隊の被害者が三菱重工業を相手に起こした損害賠償訴訟の控訴審判決があることに触れ、名古屋の労働者・民衆に連帯を呼びかけた。(山本)

呼びかけ

7・19三里塚―東峰現地行動

成田空港「第3滑走路」計画を撤回せよ! 横堀現闘本部裁判勝利! 年間30万回飛行、飛行制限時間緩和を許さない! 反原発―再稼働やめろ! 沖縄・辺野古新基地建設反対! TPP反対!

三里塚空港に反対する連絡会

  安倍政権は集団的自衛権行使容認の具体化である安保関連法(戦争法案)の今国会での成立を目指し、審議を進めている。違憲の安保法案を何が何でも成立させ、世界中に自衛隊を派兵できるという戦争国家化を確立せんとしている。その拠点として沖縄の民衆の意志を無視して、辺野古新基地を建設しようとしている。
 改憲以前に憲法を空洞化し、改憲そのものも明確に射程にいれ、日本社会のありようを根本的に変えんとする反人民的な攻撃である。沖縄の闘いに連帯し、安倍自民・公明政権を打倒する闘いを断固闘い抜かなければならない。

横堀現闘本部裁判不当判決阻止

 5月20日、千葉地裁で成田国際空港株式会社が三里塚芝山連合反対同盟(代表世話人:柳川秀夫)を相手取って横堀現闘本部の建物撤去を求めた「朽廃建物収去土地明渡請求事件」の第5回口頭弁論が行われ、金子直史裁判長はこれまでの書面審理のみで結審し、次回は判決(9月2日)と言い渡した。
空港反対同盟は撤去要求の不当性を明らかにするために地裁に対して現闘本部の現場検証を実施することを要求した。また、現闘本部の歴史や使用状況等を明らかにするために長年関わってきた者の証人尋問も請求した。これに対して空港会社は「必要ない」という意見書を提出し、裁判所はこの主張を一方的に認め、反対同盟の請求を却下したのだ。
空港会社は「朽廃」した建物が空港機能拡張のじゃまになるから撤去せよと提訴した。現闘本部への道路を勝手に封鎖し、反対同盟の建物を管理・使用する権利を奪っておいて「朽廃」したというのは全く不当な主張である。「朽廃」の原因を作り出し、反対同盟の所有物を破壊させたのは空港会社であることは明らかだ。反対同盟の代理人・清井礼司弁護士は「最近はこのような早期結審が多くなっている。裁判所は現実を見たくない、知りたくないという姿勢の現れだ」と批判した。
事業認定を取り下げた結果、土地収用法による強制代執行ができなくなった空港会社は、この間、裁判所に提訴して土地を取得したり建物を撤去する手段に訴えてきた。横堀の団結小屋、「丹波山共有者の家」はそうして次々と破壊されてきた。これが「話し合いによる解決を目指す」と確約した空港会社(公団)の実態である。9月2日、千葉地裁の早期結審を弾劾し、不当判決を許さないために傍聴に結集しよう。

成田空港「第3滑走路」計画粉砕!

 国土交通省・空港会社は、成田空港の発着枠拡大に向けて検討を行い、2020年の東京オリンピックをめどに発着数を増やし、さらに30年代をめどに第3滑走路を新設するという計画を立て、すでに関係自治体や空港会社と協議を進めている。
国と空港会社は、成田の第3滑走路について3つの案を提示し、検討している。成田では「成田第3滑走路実現する会」(会長・成田商工会議所会頭)が署名運動を展開し、芝山町を中心とする住民や経済団体も「成田第3滑走路を目指す有志の会」を7月に設立するとしている。国や空港会社が住民の意志に反して、一方的に滑走路を建設するというイメージを避け、住民の強い要請に応えるという形にするため、こうして利権集団に期待感をもたせて推進しようとしているのだ。東峰・天神峰住民追い出しを許さず、三里塚農民と連帯し、7・19三里塚・東峰現地行動を闘おう。

?日時:7月19日(日)/午後1時結集/場所:旧東峰共同出荷場跡(成田市東峰65―1)、開拓道路に向けてデモ
?会場への行き方:東成田駅地上12時集合/迎車待機で会場へ(10:34発 京成上野 (特急)→11:42着 成田11:52発→11:57着 東成田)
?主催:三里塚空港に反対する連絡会(連絡先:千葉県山武郡芝山町香山新田90―5/電話:FAX0479―78―8101)


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