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    かけはし2015.年7月13日号

反緊縮決起第二幕へ 全欧州の共同戦線へ


ギリシャ国民投票

第四インターナショナルの声明

トロイカの絶対命令を許すな!
ギリシャ民衆の闘いに連帯を
!

(2015年6月29日)




  ギリャシ民衆は七月五日、トロイカによる脅迫以外の何ものでもない緊縮強要に大差のノーで鮮明な意志を突きつけた(一面参照)。欧州レベルで支配層の強いる緊縮との闘いの第二幕が上がった。以下は、この様な情勢展開に向け、全欧州レベルでの連帯構築を呼びかけた第四インターナショナルの声明。チプラス首相による国民投票呼びかけの直後に出された。(「かけはし」編集部)

支配層のあらゆ
る策謀に反撃を


 トロイカの協定案を拒否するよう有権者に求める、七月五日の国民投票についてのアレクシス・チプラスの発表は、ギリシャ民衆、並びに緊縮政策と現在闘っている欧州の民衆すべてにとってグッドニュースだ。われわれは、日曜日夜に投票箱からEUの絶対命令に対する「ノー」投票が大挙して現れることを期待している。
EUの指導者たちはこうして、恥知らずな協定を強要するもくろみによってギリシャ民衆の基本的諸権利を踏みにじる意志を、あらためてはっきり示すことになった。加えて彼らは、国民投票という形での住民による民主的な諮問を発表したことに対し、ギリシャ政府が限界を踏み越えた、とまで敢えて語っている。
ギリシャと欧州全体における来る日々の挑戦は決定的だ。労働者運動の全勢力は、ギリシャ民衆に対する正面攻撃を前に、連帯して立ち上がらなければならない。右翼と社会民主主義の欧州の指導者たちは、彼らの反動的な諸機関および銀行を救うために、ギリシャの有権者による「ノー」の選択と闘い、チプラス政権を降伏あるいは辞任に追い込もうと試みるために、あらゆる努力を重ねるだろう。

EUとIMFは
屈服だけを要求


この六ヵ月の間、EUとIMFの目標は単純だった。彼らは、ギリシャ政府が彼らの要求に屈しないこと、ギリシャ民衆に新たな社会的切り込み、年金改革、また日常的消費財やエネルギーに課されるVAT(消費税)の引き上げを適用することによる降伏に応じないこと、を容認できなかった。一つの国が、民衆に際限のない緊縮を強いる資本家、銀行、諸政府による政策から逃れる、などということは欧州の指導者たちにとっては問題外なのだ。
それゆえメルケル、オランド、ラガルド(IMF専務理事)、ユンケル(EU委員長)にとっては、他に代わるものは絶対ない、ということを他の欧州民衆に示すことが、さらにまた、各国の選挙における選択がどうあれ、民主的諸権利は全面的で強力な資本主義システムが始まるところで立ち止まるということを示すことも、重大なことだった。
したがって、緊縮を拒否する一政党の多数による選択は失敗あるいは降伏に終わる以外にあり得ず、チプラスは辞任するか、あるいは恥知らずな協定を受け入れ、彼の党を破壊し、社会民主主義と右翼に自身を連ねさせるかせざるを得ない、とギリシャ民衆に思い知らせることもまた必要だった。

チプラスは半年
不可能な道追求


シリザを支持した一月二五日の投票という姿でギリシャの民衆は、二〇一〇年以来彼らに打撃を与えてきた貧困と失業の深まりに対する拒絶をはっきり示した。
人口の三分の一と年金生活者の三分の二は貧困ライン以下で暮らし、労働者の二八%と若者の六〇%は失業中だ。これが、トロイカのメモランダムが強いた諸政策の結果なのだ。この悲惨に彼らを導いた諸政党を拒絶することによってギリシャ民衆が終止符を打ちたいと欲したことは、この耐えがたい生活に対してだ。
六ヵ月の間、チプラスは不可能な目標を追い求めてきた。つまり、ギリシャ民衆にとって新たな苦しみを意味しない協定をEU、ECB、IMFとの間で得ること。緊縮諸政策を引き上げることなく期限通りに債務契約すべてに返済すること。有権者にシリザが行った約束および以前の政権がトロイカに行った約束を尊重すること。これらだ。
二月二〇日にユーロ圏指導者たちは、勝負に勝ったと確信した。その時チプラスは、ECBとIMFに対する債務返済期限すべてを尊重するだろうと語った後で、新たな緊縮諸方策の協定を受け入れた。その時以来ギリシャ政府は、相矛盾する諸決定を通して、綱渡りを続けてきた。たとえば、最低賃金七五〇ユーロへの復帰や集団交渉協定の回復という約束は先延ばしされた。ピレウス港の私有化は継続されている。しかし政府は一方で、サマラス政権下でのその閉鎖が欧州の銀行とEUが強要した屈辱を象徴化した、ギリシャの公共テレビ局、ERTを再開した。そして三月には議会が、人道的危機と対決する法と納税に関するもう一つの法を採択した。

民衆の圧力の下
降伏拒絶の道へ


しかし、欧州の指導者たちの強まる傲慢さを前に、また民衆の圧力やシリザ党員と議員の抵抗を考慮して、チプラスは、トロイカの諸要求、特に年金削減とVAT引き上げの受け入れをやめた。
結局、ギリシャ政府と「債権者団」との間では一つの協定も署名されなかった。何回かの不首尾に終わった交渉の後政府は、六月五日初めて、IMFに対する期限の来た三億ユーロの返済実行を拒否した。また、六月が約束となっている全額(一六億ユーロ)の返済もできそうにないとした。IMFに対する返済、並びにECBによって九ヵ月間止められていた七二億ユーロの払い込みによる「救済」計画の最後の分割払い込み実行に対する期限は双方とも、六月末日と確定されていた。
チプラスは最終的に、ラガルド、オランド、メルケル、ユンケルが彼に押しつけようとした完全な降伏を受け入れることができなかった。
国民投票の発表はEUの諸政権と諸機関に対する肘鉄砲だ。二〇一一年一一月、サルコジ、メルケル、バローゾは、当時のギリシャ首相、ゲオルグ・パパンドレウによる、EUの諸要求に対する彼の降伏に対し政治的支持を得ようと試みる、国民投票組織化という意図に拒否権を行使した。しかし今日EUの指導者たちは、トロイカの新たな絶対命令の拒絶で終わるはずの民主的な諮問を妨げる方法を、まったくもっていない。

労働運動諸勢力
の統一的動員を


ギリシャと欧州で、新自由主義の左翼と右翼の政治諸勢力は、この国民投票がギリシャで新たな政治的進路に道を開くことがないよう、それを確実とするために彼らの力を結集するだろう。ギリシャ政府には、返済不履行と仲違いを避けるために新しい妥協への用意があった。しかし何よりもトロイカは、その協定が債権者団に対するギリシャの降伏という政治的意味をもつことを欲した。
来る日々の力学は、もう一つの道、トロイカの諸要求との断絶、債務返済の停止、オルタナティブな政策に対する急進的な取り組み、それを通じてシリザが議会多数派となった綱領の適用、これらに道を開く可能性をもっている。しかしこれは、すでに始まっている妨害のもくろみを早期に阻止する、ギリシャ労働者運動諸勢力の幅広い統一的な動員を必要とするだろう。政府とギリシャの銀行システムに対する圧力は、国民投票の前夜に向け強まるだろう。
すでにここ二、三日、サマラスの下での元閣僚であったギリシャ中央銀行総裁は、ギリシャの銀行からの資本逃避増大というただ一つの目的をもつ人騒がせな報告を送り出した。とはいうものの、二〇一四年一一月と二〇一五年三月の間に、三〇〇億ユーロ以上がすでに撤退を済ませ、ギリシャの大金持ちの海外への私的投資額は現在、四〇〇〇億ユーロを超えると評価されている。政府は銀行システムの国有化についてはまだ語っていないが、資本統制を今開始したばかりだ。
議会から権限を与えられた「公的債務に関する真実委員会」は、六月一八日に報告を出し、このあり得ない債務の正統性がなくあくどい性質を証明し、「救済」貸し付けの一〇%以下しか現金支出に向かわなかったこと、そのほとんどはドイツとフランスの銀行がそれ以前の年月に契約した彼らの貸し付けから撤退することを助けた、ということを示した。この報告の結果として、シリザの四九人の議員たちは、このあくどく正統性のない債務のより多くの部分の清算を得る目的の議会討論に、支持投票を行った。
来る日々の挑戦はギリシャの民衆にとって、また緊縮に苦しむ欧州のすべての者にとって決定的だ。
われわれは、ギリシャ民衆との欧州規模の連帯戦線を築き上げなければならない。われわれの攻撃すべては、EUの指導者たちとその政府を標的としなければならない。彼らは、資本家の鋭い利害感覚に基づいて、侮蔑に満ちた彼らの政策、そしてEU中の労働者階級への一例となる緊縮に対して、ギリシャの民衆が七月五日に拒否を表すことを恐れている。彼らはまた、この状況がギリシャにおける刷新された民衆的決起を作り出し、チプラス政権の締め付けあるいはその打倒のどちらかに終わる策動をさらに困難にすることも恐れている。
国の主要都市いくつかで反緊縮市長の選出という結果を残したスペインにおけるポデモスの最新の成功とまさに同じく、ギリシャの情勢は、欧州内の失望が極右の卑劣な外国人嫌悪かつファシスト的解答とは異なった一つの政治的応答を見出すことができる、ということを示している。

▼この声明はFIビューローから出された。(「インターナショナルビューポイント」二〇一五年六月号)   

デンマーク

2015年総選挙に関する声明/SAP(社会主義労働者党)

窮乏政治が敗北した

左翼再建はRGAの肩に

 一般紙ではほとんど報じられていないが、六月の欧州ではデンマークでも総選挙が行われ(一院制、定数一七九、六月一八日投票)、社会民主党主導政権から右派政権へ政権交替することになった。ただこの選挙結果は単純ではなかった。デンマーク政治を歴史的に枠付けてきた、そしてこの間の緊縮政策を交互に担ってきた左右の主流的政党がことごとく後退したからだ。代わって第一党になったのは、欧州では極右と理解されているDPPであり、この党は福祉改善、つまり反緊縮を主張した。結果として右派政権は少数与党を支えとするとの観測もあり、明らかに政治の不安定性が高まっている。その中で第四インターナショナルの支部もその一部である赤緑連合は、その支持を確実に高めた。以下は、この選挙後に発表されたデンマーク支部の声明。(「かけはし」編集部)
 総選挙は窮乏政治にとっての敗北となった。財務省の大型計算機が語る現実とはかけ離れた政治は支持を失うことになった。赤緑連合(RGA)は強さを獲得し、現政権の不人気の道連れにされる危険に抵抗できた(選挙運動期間中、選挙の対立構図としてレッド陣営対ブルー陣営という描かれ方が押し出され、RGAは政権を構成した諸政党に並ぶレッド陣営の一部としてくくられた:訳者)。これは、右翼の反社会改革諸政策に対決する闘争を強化することに可能性を開いている。しかしそれは、左翼の構想の再構築を意味している。RGAはこの挑戦を引き受けることのできる勢力だ。

後退と伸長の
対比くっきり
総選挙は何よりもまず窮乏政治にとっての敗北だった。社会民主党(SD、選挙前の政権の主導勢力)、自由党、保守党(以上の二政党は、二〇一一年の政権交替までの右派政権を構成した主要政党:訳者)、社会主義人民党(SPP、一年前まで政権を構成)、そして社会自由党(SL、政権を構成)という諸政党は、これらは少なくとも人びとの目には改良諸政策の敵対者と見られているが、前回二〇一一年比で大きな敗北を喫した。これら諸政党に対する選挙上の支持は、得票率七五%(一三二議席)から五八%(一〇二議席)へと下落した。その喪失は、一七%(三〇議席)にもなる。
この裏側で、窮乏政治に対するオルタナティブと見られた諸政党が票を獲得した。すなわち、デンマーク人民党(DPP、欧州の政治的通念では極右と分類されている)、自由連合(LA)、アルテルナティフ(Alt)、そしてRGAだ。
社会民主党は票を増やしたというものの、それは連立相手を犠牲にしたものだった。社会民主党はSPPとSLを共食いしたが、権力をめぐる戦闘ではDPPに後れをとった。DPPに道を清めたのは、社会福祉の諸々の切り下げと諸企業への配分という諸政策だった。
票の大きな部分がDPPに向かったとはいえ、その社会的内容を理解することが重要だ。DPPを選んだ多くの労働者にとってこれは、福祉への懸念の表現であり、それは難民と移民に対する冷遇への願いより低いものではない。RGAの任務は、それが失業給付に関することであれ、公的部門拡大であれ、福祉改善という彼らの約束についてDPPに責任を放棄させないことだ。
アルテルナティフは大きな驚きとなった。この党は得票率四・八%をもって大都市で――特にコペンハーゲンで――大きな突破を果たした。この党は政治の新しいやり方、すなわち想像力のある思考のための対立を呼ばない開かれた空間、を力説している。これは、社会の先まで及ぶ変革を欲した人びとの多くを引きつけた。
自由連合は、公共部門と課税システム変革に対する超自由主義的計画を携えて、ブルー陣営(右翼勢力の総称:訳者)内での窮乏政治に対する挑戦者として登場した。この党は、得票率七・五%と一三議席をもってRGAと同じ規模の勝利を得た。

前進したRGA
には大きな宿題
RGAに対する選挙での支持は、六・七%から七・八%へと高まったが、これは前向きのことだ。党は、二〇一一年からの好成績を打ち固めただけではなく、支持の増加をも獲得できた。党が、SD―SL―SPP政権の不人気さの道連れにされず、政権への批判を維持し、自身を政権から遠ざけてきたことは、極めて肯定的なことだ。RGAは地方で相当な成長を果たし、それゆえ二〇一三年の自治体選挙における突破から前進を打ち固めた。
しかし不幸なことにRGAはコペンハーゲンで票を後退させた。党はアルテルナティフに票で負けた。後者は、窮乏政治に対する批判の一部を引きつけることができ、より豊かなビジョンに対する切望を表現した。宙を舞うような夢にもかかわらずアルテルナティフは先のような傾向に声を与えることができ、「経済的無責任さ」という非難はむしろ党に対する利益となった。利害対立が現れる中でアルテルナティフがそれらのビジョンに見切りをつける場合に、それを可視的な形にするのはRGAの仕事となるだろう。
RGAはあまりに他の政党と同じ――現実に移される可能性のあるものに関する合意の枠内での、真剣で具体的で「十分に財政的に裏付けのある」政治的提案に基づいて他と同じやり方で政治を行う一政党――に見えた。この取り組み方は労働者階級内部の諸グループにRGAが語りかけることを助けてきたが、選挙期間中、週三〇時間労働のようなもっと先まで及ぶような要求の不在は、他と違いのあるもっと多くの何かを願っている人びとには、党の訴えが十分に届いていない、ということを示唆した。これはまた、RGAが自身のビジョンと政治を表現するために今回の選挙を利用できなかった、ということも示している。

左翼再組織化
の責任勢力へ
とはいえ全般的展望の中で見た時、RGAの状況はまったく悪くない。左翼の再組織化という必要性がある。社会民主党は選挙運動期間中、党は中道政党として見られるべき、と宣言した。それは、RGAが最大の左翼政党である、ということを意味する。党は、左翼の再建で主導性を発揮する統一をうながす勢力として、役割を引き受けなければならない。党は、今後の右翼政府が周辺化された人びとや失業者に加える攻撃に反撃する抵抗への動員に対して、推進力とならなければならない。これは、党がその資源を下からの建設に投じることを求める。RGAは、労働組合内部や学生の中で基礎の組織化を行うためにその力を使うべきである。社会的周辺化が高いレベルにある居住地域で組織するという特別の努力も必要となっている。そしてRGAは、そこで支持の増大を得てきた。
この歩みと同時的に、RGAは政治的側面に関しても成長しなければならない。主要な焦点は戦略的方向の再確定とならなければならない。党はそこで、危機からの信頼に足る出口と社会主義に向かう道を示すことを可能にする、自身の政治ビジョンを定めなければならない。RGAは、不満に依拠し、右翼政権の緊縮政策と対決する来るべき闘争に、資本主義を超えて先まで進む展望を与える、そうした政党になり得る。
これはたやすい任務ではなく、党が諸運動内部での活動に対し体系的な取り組みを発展させ、集団として任務を行うために諸々の資源を振り向けることを前提条件とする。この歩みは来るべき大会で始められなければならない。

▼二〇一五年六月二一日、SAP(FIデンマーク支部)全国指導部採択。(「インターナショナルビューポイント」二〇一五年六月号)


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