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    かけはし2015.年7月20日号

トロイカとの決裂に道をとれ




 七月五日、ギリシャの労働者民衆は、まさに圧倒的多数で欧州支配階級が強要する残酷極まりない緊縮に、鮮明なノーの声を突き付けた。緊縮打破を求めるギリシャ民衆の闘争はこれにより第三ラウンドに突入する。五年にわたって三〇回以上のゼネストに代表される抵抗闘争を重ね、今年一月の総選挙で反緊縮のシリザ政権を誕生させた闘いに続くものだ。この闘いは、これまで以上に全欧州規模の連帯した決起を必要不可欠とするが、またギリシャ民衆の闘い自身がそこに向け強力な求心力を作り出そうとしている。この第三ラウンドの闘いに向け、ギリシャの急進的左翼と第四インターナショナルから国民投票結果判明直後声明が発表された。以下にギリシャ内二組織の声明を、また七面にはFI声明を掲載する。ギリシャ内二組織はシリザ政権に対する評価と姿勢に違いはあるが、共にノー投票組織化に全力をあげ、またトロイカとの断固とした決裂を求める点で共通している。

「ノー」は始まりにすぎない

追撃へ民衆の自立的決起決定的

OKDE―スパルタコス(二〇一五年七月五日)

純粋な階級的
戦闘が現れた

 七月五日の国民投票における回答「ノー」は、伝統的資本家諸政党、ブルジョアジー、そしてシステムのメディアに対する厳しい平手打ちとなった。国民投票前の短い期間、このけんか腰の同盟は、テレビや新聞を通し、また職場にまで入り込むなど、利用できる限りの手段すべてを使って、人びとを締め付け、また彼らに恐怖を与えた。しかし彼らが結局できたことは、自分自身を笑いものにし、階級的憎悪をさらに高めてしまった、ということだけだった。
この国民投票は、シリザの意図とは関係なく、純粋な階級的戦闘に転じた。労働者階級は、「イエス」派と資本家に公然と自身を並べた労働者組合総連合官僚の歴史的な裏切りをものともせず、ノーの投票を行い、大挙して和解を拒絶した。ブルジョアジーは、シリザに敵対はしていなかった部分までもが、イエス支持に向け全力で闘った。中産階級の多数は、もはや失うものをほとんど何ももたない中、労働者階級と戦列を共にし、ノーに投票した。
国民的団結と友好を呼びかけた人びととは逆に、この国には全面的に異なる二つの「社会」が、つまり搾取する者の社会と搾取される者の社会が存在している、ということが誰にもはっきりとなった。労働者階級の大きな部分に起きた階級意識の高まりは、くっきりした階級表現におびえを覚える者たちに巨大な怖れを作り出している。この者たちは、自己満足と社会的平和を高める目的の下に、彼らの主要スローガンとして国民的団結を選択しているのだ。
この階級的戦闘という形の明瞭な状態を避けようとした者たちは、必然的に、自身を事態の外縁部に見出すしかなかった。特に、国民投票で棄権を推進した共産党(KKE)は、労働者階級に貢献することはほとんどなく、二〇〇八年一二月(アテネ中心街で一五歳の少年が警官に殺害された事件を引き金にアテネで暴動が起き、警察との衝突、公共の建物の占拠はすぐさま全国に波及、三週間以上続いた:訳者)における立場と同様、再び中産階級のおびえとブルジョアジーに付きしたがった。

投票を超える
闘争が鍵握る


この階級的闘争はまさに投票に限定されるものではなかった。この闘いは街頭で、職場で、大学内で、そして居住区で現実化した。この巨大な諸々のデモや行進がなければ、怖れが優勢となり、おそらく投票結果も異なったものになったと思われる。
反資本主義左翼と革命的諸組織はこのノー運動で指導的役割を果たし、はじめからシリザに対し、協定に署名しないよう圧力をかけた。とくにANTARSYA(アンタルシア)は、部分的な過ちにもかかわらず、この運動のもっとも勢いがあり決定的な部分の強力な典型となった。反資本主義左翼は、街頭と職場で社会的かつ政治的な実体だ。シリザには、この運動とノーをその財産と考える権利はない。
このノーの勝利がわれわれに与える自信を、自己満足に終わらせてはならない。その翌日はより厳しくもなる諸戦闘の日とならなければならない。何の疑いもないことだが、シリザは、諸機構が寛大となるという期待をもって、労働者に関する緊縮諸方策を議論する目的の交渉テーブルに戻るだろう。さらにこれもまた何の疑いもないことだが、ギリシャと欧州のブルジョアジーは、EU官僚と共に、仕返しに取りかかろうとするだろう。われわれは、ノーを負かされるままにしたり、「盗ませ」たり、あるいは交渉の紙切れにおとしめさせるわけにはいかない。

労働者の力に立
脚し決裂強制を


ノーを支持して闘った階級戦線は、あらゆる協定とあらゆる方策を拒否しなければならない。賃金引き上げと集団労働協約を要求しなければならない。それは、IMF並びにEUとの決裂を強制しなければならない。それは、銀行のゆすりと経営者たちのサボタージュに反撃する唯一の回答として、労働者管理下での銀行並びに大企業の国有化を要求しなければならない。それは、警察を武装解除しなければならない。この組織は、シリザ政権の下でさえイエス派のデモを保護し、ノー派のデモを弾圧したのだ。それは、黄金の夜明けのナチスを完全に打ち砕かなければならない。この組織は今、政治的生き残りを目的とした偽の見せかけをもって彼らが支持した、ノーの一部を利用しようとしている。
われわれは、シリザ―ANEL(独立ギリシャ人、新民主主義党から分裂した右派勢力:訳者)政権がこうした諸方策をやり切るなどとは、僅かの幻想ももっていない。われわれは、労働者の力こそがそれらを達成できる、と確信している。
労働者階級は実際、資本の主要諸政党の連合に対決する、経営者のテロリズム、官僚、「深部の」国家諸機構に対決するその力を示した。われわれは、大衆的で頑強な諸闘争、および長期のストライキを手段として、このシステムの安定性の中に開いた溝を広げなければならず、それを再び閉じさせては決してならない。この戦闘の中では、改良主義と政権から自立した強力な反資本主義左翼の役割こそ決定的だ。

▼OKDE―スパルタコスは第四インターナショナルギリシャ支部であり、ギリシャの反資本主義左翼連合であるアンタルシアの一組織。(「インターナショナルビューポイント」二〇一五年七月号)


「ノー」の勝利と前途に控える闘争

銀行国有化テコに反緊縮貫徹を

DEA(二〇一五年七月六日)

緊縮との決裂に
向けた意志明白

 あらゆる予測を超える差をもって勝ち取られた「ノー」投票の勝利は、労働者階級と民衆の偉大な勝利だ。ギリシャの人びとは、問われた問題を正しく理解した。それはすなわち、メモランダム並びに債権者団による刷新された要求、という形で定められたような極度の緊縮政策を承認するか、それとも拒絶するか、というものだった。「ノー」という彼らの回答は、ギリシャ社会の勤労民衆諸大衆が抱く「下からの」本当の感情を示し、ギリシャで、深刻な諸危機と大きな社会的抵抗の双方を抱えたそのギリシャで近年発展してきたものとして、力関係の力学を示している。
「ノー」陣営は、ギリシャの都市と地方の労働者、失業者、貧しい者たちを中心に結集した。勤労民衆は、様々な脅しをものともせず――彼らはとうに、銀行閉鎖の成り行き、大量解雇の脅威、彼らの抵抗はおそらくユーロとの決裂に導くだろうとの警告を感じ取っていたのだが――、決然と言葉を発した。彼らは、国民投票の結果は窮乏、医薬品の欠乏、燃料の欠乏その他となるだろう、との前例のないキャンペーンを前にした。「ノー」投票の規模は、これらすべてをはねのけた、緊縮との決裂に対するはっきりした権限付与だ。

鮮明な階級的
分裂と各勝敗


「イエス」陣営には、支配階級と中産階級の上層――つまり、「どのような犠牲を払っても」、特にその犠牲が他の者たちを犠牲にすることを意味するとしても、債権者と合意することに利益をもつ者たちすべて――がいた。
この問題をめぐってくっきりした階級的分割が現れた。「ノー」投票の魂は、急進的左翼、将来に決定的な影響を与えるであろう何ものかだった。現在勝者はシリザ指導部であるが、彼らは、EUの絶対命令への屈服を拒否し、それによって民衆の意志が表現される可能性を得るために国民投票を呼びかける、そうした強さを見出したのだ。
政治的相違が自身にも数々あるアンタルシアの諸勢力は、「ノー」陣営に結集した。彼らは、シリザの基層活動家たちとの間に新しい諸関係を作り出すことになった。それは、来るべき諸闘争の中で重要となる諸関係だ。
他方で共産党(KKE)はその曖昧な路線――イエスでもノーでもないという受け入れがたい主張――に基づいて、誰と共に、誰に反対して立つか、の選択を拒絶した。この姿勢は、それがこの党員と支持層の大きな部分がしたがうものとはならなかったとしても、KKE指導部に長期間つきまとうことになるだろう。
この結果はブルジョアジーの政治勢力を麻痺させることになった。前首相のアントニス・サマラスの新民主主義党党首からの辞任は、エヴァンゲロス・ヴェニゼロスのPASOK(全ギリシャ社会主義運動)党首辞任から日を置かないものだったが、債権者団と彼らの二〇一〇年および二〇一二年のメモランダムがギリシャ内の信頼できる政治的代表者を欠いたまま置き去りにされてしまった、ということを示している。ポタミ(川)という「ポスト政治」の社会自由主義勢力は、この問題への解答ではなく、またそうはなり得ない。
このすべてが決定的な国民投票を通じて世論としてはっきりしたという事実は、シリザにとっての大きな好機をつくりだしている。しかしそれは同時に、シリザに前例のない圧力を及ぼすだろう。

急進左翼の綱領
実行今こそ必要


銀行システムの絞め殺しと雇用主たちの脅迫を前にした労働者と民衆諸大衆の偉大な国民投票勝利は、力関係の最初の評価、つまり今週の債権者団との交渉再開を出発点に、これからの時期決定的な諸対立に導くだろう。
われわれは、政権が前にする諸々の圧力とジレンマを、そして特に銀行システムへの脅迫を手段とした債権者団のゆすり戦術を理解している。これらの脅迫に可能な解答はただ一つであり、それは銀行の国有化、およびこの部門の労働者の指導下における公衆による統制の確立だ。これは、経済全体を機能させる上で決定的だ。
「ノー」投票は、緊縮逆転を求める確固とした要求だった。それはシリザに、急進左翼の綱領の実行に決定的に踏みだし、必要なあらゆる経済的、政治的、財政的手段を取ることを求めている。
これに関し政権とシリザは道を外してはならない。
国民投票での投票に向け提出されたトロイカの提案に本質において類似したものとなると思われる協定は、失望を生み出し、「ノー」の勝利のひっくり返しを意味することになるだろう。それはブルジョア諸政党に対し、再組織化し、可能な限り早期にシリザ政権を打倒するという目標の下に反攻を始める好機をつくり出すだろう。彼らの代表たちが公然と言明してきたように、指導的な欧州の諸政権は、ギリシャにおける左翼政権の存在は今日、欧州レベルとギリシャそれ自身双方における底深い危機のこの「瞬間」に彼らが強いたいと思っている諸政策とは両立不可能、と確信しているのだ。
この点でわれわれは、ギリシャの労働者階級と左翼に向けて示された国際主義的な連帯行動を強調しなければならない。それは、政界中の数多くの場で登場し、力強く表現された。
われわれには、これらの連帯デモが表現した希望に失望を与えない義務がある。これは、政権指導者たちにとっての義務であり、そしてそれは、シリザ党員に対してばかりではなく、「ノー」のために闘ったすべての者に対しても本質的な任務をつくり出す。
来る日々は、この決定的な投票の勝利を打ち固め、そのさらなる発展にとって決定的となるだろう。

▼DEA、国際主義労働者左翼は、トロツキズムに起源をもつ革命的左翼組織であり、二〇〇四年にシリザを共に創出した一組織、またシリザ内「レフトプラットフォーム」ではその指導的勢力。(「インターナショナルビューポイント」二〇一五年七月号)


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