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    かけはし2015.年7月27日号

東電幹部の「強制起訴」を


7.17福島原発事故告訴団が検察審査会激励行動

原発事故の責任を法廷で明らかに!



「帰還」宣伝と
補償打ち切り


七月一七日、福島原発告
訴団は東京検察審査会に向
けて激励行動を行った。七
月末にも東電幹部たち(勝
俣恒久元東電会長ら)の
「起訴相当」を求める審査
の決定が行われることが予
想されるからだ。昨年も七
月三〇日に「起訴相当」「不
起訴不当」の議決が行われ
た。東京地検は今年一月
二二日に、不当にも再度「不
起訴」を決定したが、告訴
団は再度、東京検察審査会
に「起訴相当」の議決を求
める申請を行った。今回、
検察審査会で再度の「起訴
相当」の議決が行われれば、
自動的に「強制起訴」とな
り法廷で東電幹部たちの刑
事犯罪が裁かれることにな
る。
この日、一二時半から東
京検察審査会(東京地裁と
同じ建物)前には、福島か
ら貸切バスで駆けつけた人
びとや、全国各地への避難
者たちを中心に約二〇〇人
が参加した。
告訴団団長の武藤類子さ
んは、「毎朝、今日議決が
行われるかどうかと胃が痛
む思いで目を覚ます。事故
から四年以上たってその責
任を問う裁判が始まってい
ないことは許しがたい」と
語る。保田行雄弁護士は
「昨年、起訴相当の議決が
出たのは七月二三日、発表
が三〇日だった。本来、き
ちんとした捜査を行えば地
検で起訴できたはずだ。大
体、検察が被疑者から資料
を貰って基礎か否かの判断
をすることなどありえな
い」と強調した。
この日の公判に駆けつけ
た作家の広瀬隆さんは、「法
律は被害者を救うためにこ
そある。どうやったら被害
の真実を法律に照らして明
らかにしていくのか、そし
て社会をよい方向に向けて
いくのか、という原点に
立った判断を」と訴え、「最
大の恐怖は善人の沈黙にあ
る」と語った。
続いて、各地の告訴団、
福島からの避難者が発言。
富岡町の古川さんは「川内
や伊方の再稼働が進められ
ようとしているのも地元の
福島の態度がはっきりして
いないからだ」と語った。
原子力資料情報室の澤井正
子さんも「いまこそ良心に
従った判断を」と検察審査
会に呼びかけた。
最後に告訴団副団長の佐
藤和良さんが「七月中には
結論が出るだろう。いま福
島では住宅の無償補償や賠
償が打ち切られ、東京オリ
ンピック開催の二〇二〇年
を前にすべての補償を終
わりにする動きになってい
る。子ども・被災者支援法
を絞め殺す攻撃も始まって
いる。こうした原発事故を
過去のことにしてしまおう
とする策動をはねかえすた
めにも、検察審査会での強
制起訴判断を求めていこ
う」と訴えた。


東電の資料でも「津波対策不可避」


さらに午後二時からは、
参議院議員会館講堂で院内
集会。
武藤類子告訴団団長は、
「住宅支援の打ち切りをは
じめ、被害者支援のあいつ
ぐ打ち切り方針は、安保法
制の強行とつながってい
る。独裁政治によってすべ
てが決められていく流れに
立ち向かい、市民がきちん
とモノを言うことが重要
だ。間違いを正す政治へ力
を合わせよう」と簡潔なが
ら、明快で気合いの入った
アピール。
続いて保田行雄弁護士
は「大津波は専門家の間で
予測されていたこととは一
般的には言えない」という
理屈で、津波対策を意図的
に怠った検察側の論理を批
判。二〇〇八年六月には最
大一五・七メートルという
大津波の可能性に関する報
告を受けていたにもかかわ
らず、対策を意図的に先延
ばしにした東電の武藤副社
長(当時)などの責任を問
わなかった検察の誤りを批
判した。
河合弘之弁護士は、東京
第五検察審査会に提出した
「東京電力役員の強制起訴
を求める上申書」(5)(6)
の内容を紹介した(5は六
月一八日、6は六月二六日
提出)の内容を紹介した。
(5)は、二〇〇八年九月
に作成された「福島第一原
子力発電所津波評価の概要
(地震調査研究推進本部の
知見の取扱)」で、同九月
一〇日に福島第一原発小森
所長をヘッドとする対応会
議の場で配布されたもの。
この議事概要の中に「津波
に関する検討状況(機微情
報のため資料は回収、議事
メモには記載しない)」と
あり、会議終了後に回収さ
れたことが分かる。そこで
は「地震、津波に関する学
識経験者のこれまでの見解
及び推本(地震調査研究推
進本部)の知見を完全に否
定することが難しいことを
考慮すると、現状より大き
な津波高を評価せざるをえ
ないと推定され津波対策は
不可避」と書かれている。
つまり東電は、少なくと
も二〇〇八年九月の段階
で、実際に二〇一一年に福
島第一原発を襲った津波と
ほぼ同程度の規模の津波が
襲う可能性を知りながら、
その対策を怠ったのであっ
て「予測できなかった」と
言うのは、完全なウソなの
である。
「上申書」(6)は、国際
的原子力マフィアの中枢で
あるIAEA(国際原子力
機関)ですら、東京電力の
津波予測対策がまったく不
十分で、警告を無視したも
のであったことを報告して
いることを示すものであ
る。
「上申書」(5)について
は、東電株主訴訟の中で
東電側が提出したもので
ある。他方「上申書」(6)
はIAEAすら東電をかば
い切れず、「トカゲのしっ
ぽ切り」的に東電を批判し
たものと考えられる、と河
合さんは説明した。河合さ
んは、刑事責任の追及、損
害賠償、メーカー訴訟など
すべてをやった上で、日本
の原発をすべて止めること
が私たちの目標だ、と強調
した。


被災当事者の
訴えに向き合え


つづいて浪江町から避難
し、夫を「原発事故関連死」
で亡くした女性などからの
リレースピーチがあり、七
月二七日に開催される「住
宅支援・区域指定・賠償の
継続を求める福島県民集会
&県申し入れ行動」(午前
一一時 福島テルサ・福島
県庁)への呼びかけを、原
発被害糾弾・飯舘村民救済
申立団」の長谷川健一さん
が行った。
「国と県は勝手に決め
るな! 被害者の声を聞
け!」をスローガンに行わ
れるこの集会は、「原発事
故被害者団体連絡会」(ひ
だんれん)の主催。政府
は居住制限区域・避難指
示解除準備区域について、
二〇一七年三月までに区域
指定をすべて解除し、対
象地区住民への慰謝料を
二〇一八年三月までにすべ
て打ち切る方針を示した。
福島県もこれに呼応し、指
定区域外避難者への住宅無
償支援を二〇一七年三月で
打ち切る。被災当事者の声
を聞かないままの一方的押
し付けだ。
長谷川さんは、「避難解
除は国が決めること」とい
う飯舘村の態度を「国に寄
り添うもの」と批判し、「避
難解除にあたっては住民投
票を」という申し立てを行
う、と呼びかけた。
閉会のあいさつを行った
佐藤和良告訴団副団長は、
二〇一八年までに避難者を
すべて帰還させ、除染も賠
償もやめるという国・県の
方針は「われわれを人体実
験の対象にするものだ」と
厳しく批判した。
なお告訴団の集会が終
わった後、同じ会場で、子
ども被災者支援法を骨抜き
にしてしまう改定案が七月
一〇日に出され、八月八日
までを「パブリックコメン
ト」の期間とする、「帰還
政策」と連動した法改悪(支
援対象区域の縮小など)が
進められることに対して、
復興庁への申し入れが行わ
れた。
「原発事故子ども・被災
者支援法」推進自治体議員
連盟、福島原発事故震災情
報連絡センター、原発事故
被害者の救済を求める全国
運動実行委による要請書は
以下のことを求めている。
1 今回の改定案の基本的
考え方を撤回し、支援法の
本来の趣旨に基づいた施
策をあらためて確立するこ
と。
2 避難者の意見聴取と政
策への反映を目的とした
「公聴会」を、多くの避難
者が生活している京都・新
潟・山形などをはじめ、全
国各地で実施すること。
3 「支援対象区域」につ
いては、多くの被災当事者
および支援者が主張してき
たように、「年間1mSv
以上の地域およぶ福島県全
域」とすること。
4 福島県外でも健診や医
療費の減免を行うととも
に、甲状腺癌以外の癌、癌
以外の疾患についても幅広
く検査すること。
5 「自主」避難者も含む、
抜本的・継続的な住宅支援
制度を確立すること。
(K)

7.17 派遣法改悪案参院で廃案へ

雇用共同アクションが
パソナ本社前抗議行動

  派遣で働く当事者たちの
痛切な反対にまともに向き
アクション(安倍政権の雇
用破壊に反対する共同アク
ション)は、七月一六日の
国会前行動に続き翌一七日
には、人材派遣業界大手で、
その会長には竹中平蔵をい
ただくパソナ本社前で抗議
行動を展開、派遣法改悪案
絶対廃案に向けた第二ラウ
ンドの闘いに突入した。


総がかり行動
の一環として


竹中平蔵は、産業競争力
会議など規制解体を先導す
る政府諮問会議を主導する
人物だが、この改悪案推進
でも最先頭での旗振り役
となっている。「成長戦略」
を名目としているが、見る
通り人材業界の利益代表と
して自分への利益誘導であ
ることも明白。実際彼はこ
の改悪策を審議した労政審
にも、使用者委員オブザー
バーとして派遣業界の人間
を多数送り込み、同審議会
使用者委員発言の大半をこ
の業界関係者が占めた、と
いう異常な審議をつくり出
した。この改悪案は、内容
だけでなくその進められ方
も著しく不公正なのだ。
パソナ本社前抗議は、こ
の不公正な実態への抗議も
込めて、派遣法の重大な問
題点だけではなく、先の不
公正を端的に暴き出す竹中
語録も盛り込んだカラフル
なチラシも用意して約八〇
人の結集で展開された。
行動は午後六時開始。広
い通りに面したパソナ本社
前は仕事を終えた労働者が
多数行き交う。この労働者
たちに向け、各労組の代表
や派遣切りと闘っている労
働者が次々に派遣法の問題
点を具体的な実態に即して
訴え、派遣法改悪阻止に向
け共に立ち上がろうと力強
くアピールした。行動は行
き交う労働者たちの注目を
集めるものとなり、用意さ
れたチラシも次々に受け取
られた。
この改悪案絶対廃案の闘
いはこの間、推進勢力が当
初思い描いた早期成立のも
くろみを大きく遅らせてき
た。労働戦線をあげた強硬
な反対、日弁連をはじめと
した社会各層の反対は確実
に政府、与党に重圧を与え
ている。結果としてこの闘
いは、戦争法案をはじめと
する民意との衝突を抱えた
重大案件と文字通り渾然一
体となって闘われる客観情
勢が生まれている。安倍政
権との広範な総掛かりの闘
いの一部として、まさにあ
きらめることのない闘いを
率先して展開することが決
定的に求められている。
雇用共同アクションはこ
の行動に続いて七月二八
日、八月四日に正午から国
会前行動を行う。共に結集
し、改悪案絶対廃案の声を
さらに大きくするために全
力を尽くそう。  (神谷)


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