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    かけはし2015.年8月3日号

「第3滑走路」計画を撤回せよ!


三里塚・東峰現地行動

三里塚空港に反対する連絡会


 
「戦争国家」化と
空港拡張の関係
 七月一九日、三里塚空港に反対する連絡会は、「成田空港「第3滑走路」計画を撤回せよ! 横堀現闘本部裁判勝利! 年間30万回飛行、飛行制限時間緩和を許さない! 反原発―再稼働やめろ! 沖縄・辺野古新基地建設反対! TPP反対!」のスローガンを掲げて東峰現地デモを行い、四〇人が参加した。
 安倍政権は、安保関連法(戦争法案)を七月一六日に衆院で強行採決し、なにがなんでもの今国会での成立を目指している。世界中に自衛隊を派兵できるという戦争国家化に反対する大きなうねりは、国会を包囲しぬいた。三里塚の地からも戦争法案反対・沖縄辺野古新基地反対闘争連帯とともに、安倍政権の成長戦略の柱の一つである安全軽視・人権侵害の航空過密化と空港拡張の野望を許さない声を上げた。

横堀現闘本部
裁判に勝利を
前半の集会が旧東峰出荷場跡で行われた。
山崎宏さん(横堀地区/労活評現闘)は、「横堀現闘本部裁判は、千葉地裁が空港会社の主張に追随し、現地調査や証人申請を却下し、五月二〇日に結審した。九月二日に判決が予定されている。清井礼司弁護士は、地裁は三里塚の現実を知りたくない姿勢の現れだと批判していた。第二は、第三滑走路計画案の問題だ。国交省は、計画案を提起し、地元からの盛り上がりを利用して押し進めようとしている。成田市の第三滑走路を実現する会が立ち上げられ、芝山町の成田第三滑走路を目指す有志の会も設立が準備されている。計画案によって多くの住民、農民が追い立てられるが、そんなに簡単にはできない。今後も第三滑走路計画案をめぐる動向を注意し、反対運動を取り組んでいこう」とアピールした。
石井紀子さん(成田市川上)は、「皆さんもご存じでしょうが、石井恒司さんが持っている土地の権利を手放した。離婚してからバタバタと東峰の小屋の跡地、ワンパックの宿泊所、さらに石井武さんが埋まっている東峰の墓地まで手放した。さすがにショックでした。じいちゃんがあそこにいることが心の支えだった。なぜ墓地だけは拒絶できなかったのか。納得できないです。私は自分の世界を曲げられないし、仲間たちや信用を失ってまでお金がいるとは思わない。今、川上にいますけど東峰が根拠地であり、ここに人が暮らしていて東峰の地があるかぎり、ここに共にいたい。皆さんが来てくださって、心の支えになる。今後もよろしくお願いします」と発言した。
平野靖識さん(東峰地区/らっきょう工場)は、「三里塚物産は五〇年の闘いの成果だ。この木陰の東峰出荷場跡地も柳川秀夫さん、島村昭治さん、小泉英政さんの権利が残っている。第三滑走路が来てちょうだいよというのは、変なことになっている。政府は、これからの空港作りには地域住民のコンセサンスが必要だと言っていたが、踏みにじられてきた。有志の会は、B滑走路を北側に延長しろと言っている。南側は無理だと判断しているらしい。これは民衆の闘いの勝利の一つとして、ここはこのままでいきたい」と強調した。
札幌の仲間の連帯アピール後、開拓道路にむけてデモに出発した。炎天下だったが、「第三滑走路反対!空港粉砕!」のシュプレヒコールを行った。
デモは旧東峰出荷場に戻り、集会を再開した。
加瀬勉さん(三里塚大地共有委員会代表)は,冒頭、安保法案国会と自民党強行採決を糾弾し、@「三里塚五〇年の闘争と政党」A「三里塚の農民問題」について発言した(要旨別掲)。
続いて、「三里塚に生きる」自主上映実、日米安保条約終了通告を求める会が発言し、最後に今後の闘いを確認した。

 加瀬勉さんの発言から

改めて三里塚闘争の歴史
的任務を明確にすべきだ

 @「三里塚五〇年の闘争と政党」から
「革共同、即ち中核派の元政治局員、三里塚闘争責任者岸君が『中核派の分裂、政治局の堕落、崩壊』の本を出版した。その本の中で『中核派は三里塚反対同盟、三里塚反対闘争を政治的に利用するだけで裏切ってきた』と言明している。特に、反対同盟一坪共有地運動の推進者に対して、テロ、せん滅の敵対行動を行ったことに謝罪している。三里塚闘争と反対同盟農民に対して、あるいは杉並選挙闘争、婦人民主クラブの運動に対して、部落解放同盟の運動に対して、日本の大衆運動に対して敵対してきたことを幾多の事実を挙げて批判している。テロと内ゲバ、党内抗争に明け暮れて、党利党略のためにひたすら人民の闘争を利用してきたのである。この書籍によれば中核派は三里塚闘争の敵であるし、日本の大衆闘争に敵対する政治組織であることが判明した」。
「われわれは管制塔占拠闘争に勝利する等、国家権力に打撃をあたえた三里塚の歴史に輝かしい足跡を残した。その戦術的勝利をその後、政治闘争として発展させることができなかった」。
「三里塚五〇年の闘争を担いきる政党が日本に存在しなかったことが証明された。大衆闘争のなかで、思想を鍛え、行動を錬磨し、政党を発展させてゆく、大衆の利益を発展させる大衆路線を持った政党が日本には存在しなかったことが立証された。ゆえに今日の自民党独裁政権を許しているのである。われわれはこの困難の状況を深く理解し、その歴史的任務を遂行するために奮闘しなければならない」。
A「三里塚の農民問題」
「東峰の石井恒司くんが空港(株)に敷地内の土地を売り渡した。彼はこのように言明している。『個人的には三里塚闘争は終わったと思っている』と。シンポ、円卓会議を以って三里塚闘争は終了したのであると、石毛博道、相川勝重らも表明している。シンポ、円卓会議をもって三里塚闘争が終わったのであるとするならば、シンポ、円卓会議の路線は敗北主義である。抗日統一戦線問題と重慶会談、ベトナム戦争とパリ会談。話し合いも、交渉も闘争である。断じて統一戦線の中に自己の主体を解消したり、敵との会談、交渉に自らの主体を解体してはならない。交渉も話し合いも優れた政治闘争であることを理解できずシンポ・円卓会議推進者は権力の軍門に下っていったのである。そして、今や権力の手先になり、『第三滑走路の建設誘致に住民運動を』起こしている。闘争の敗北から権力の手先への変身である。厳しく批判しなくてはならない」。
B「大木よね執行問題に対しての和解」
「大木よねの代執行問題について反対同盟は最高裁まで裁判闘争を展開してきた。最近、小泉英政と空港(株)との間で和解が成立した。
(一)和解は代執行を受けた大木よねの遺志を引き継ぎ発展させるものであるのか。
(二)謝罪したというが謝罪をどう評価するのか。シンポ、円卓会議、東峰神社問題、天神峰小川嘉吉に対する謝罪、今回大木よねに対する謝罪、謝罪は数々の階級和解を作り出した。でも権力の空港建設の基本政策と精神は何一つ変わってはいない。巧妙に野心をとげているだけである。われわれは、金銭ですべてを奪われ、村を追い出され、運命が変わっただけである。数々の謝罪をどう評価するのかなどについて、私は現在、小泉君と意見を交わしている」。

7.19 6・4〜5弾圧を許さない

不起訴決定は闘いの勝利


大阪府警にデモ行進

 【大阪】七月一九日、ドーンセンターで「6・4―5弾圧を解体する」集会が開催され一二〇人が参加した。
既報のように六月四日に大阪府警は「道路運送法違反」なる容疑で市民運動活動家三人を逮捕し、同日から翌日にかけて一七カ所の家宅捜査を行った。
三人の仲間は同一六日と一七日に「処分保留」のまま釈放された。
 6・4関西市民運動弾圧救援会はその後も不起訴、不当逮捕の謝罪と再発防止を要求して、同二〇日に捜査本部が置かれている西警察署への第二波の抗議行動を行い、七月一九日の集会を呼びかけてきた。
保留になっている処分について、大阪地検は弁護団からの再三の問い合わせに対して「まだ決まっていない」、「いつ決定するかわからない」と回答してきたが、七月一八日付「毎日新聞」大阪版の下段に、本文わずか七行の小さな記事で次のように報じられていた。「男性三人不起訴/無許可でバス営業したとして道路運送法違反の疑いで逮捕された男性(七一)ら三人について、大阪地検は一七日、不起訴とした。理由は明らかにしていない」。
 一九日の集会では、冒頭に主催者が、「この不起訴決定は、この間の弾圧に抗議する運動の勝利の大きな一歩だ。さらに弾圧反対の運動の連携を強めていこう」と訴えた。
 弁護団の永島靖久さんは、今回の弾圧の経過を整理しながら、弾圧の狙い、運動側が学ぶべき教訓について提起した。弾圧に臆するべきではないが、弾圧に隙を与えないように慎重に行動すること、完黙が最大の抵抗手段であることを改めて確認しくことが重要である。
 関西共同行動共同代表の中北龍太郎さんは、戦後の松川事件などの冤罪事件にも触れて、権力が常にでっち上げを使って運動をつぶそうとすること、安倍政権の下で戦争法案と合わせて警察のさまざまな動きがあることに対しても闘っていく必要があることを訴えた。
 連帯労組関西生コン支部の西山直洋さんは、同支部に対するガサ入れが全く不当であり、組合弾圧としてとらえて徹底的に反撃すると述べ、弾圧反対の広範な闘いを呼びかけた、
 元報道記者の西村秀樹さん(現在は近畿大学人権問題研究所客員教授)は、自身がでっち上げ容疑での取り調べを受けた経験に触れながらマスコミと言論弾圧をめぐる問題について語った。
 続いて、今回逮捕された三人の仲間が登壇し、不当逮捕への怒りと、京都府の米軍Xバンド・レーダー基地反対の闘いが弾圧をはねのけて前進していることを語った。
 集会宣言の後、デモに出発。大阪府警前では、今後も弾圧を許さない闘いを継続する決意を込めた、ひときわ大きなシュプレヒコールが響いた。   (KH)

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『ワイセツって何ですか』
を読んで考えたこと
      

S・M

 『ワイセツって何ですか? 「自称芸術家」と呼ばれた私』(ろくでなし子著、金曜日)を読んだ。「女性器をモチーフにした造形作品を作り続け、二度の逮捕・勾留を経て起訴された、ろくでなし子。本人がその経過を描いた漫画」(『東京新聞』2015年5月13日・夕刊、「大波小波」)を中心とした本だ。この本は、「表現の自由の規制や未決拘禁者の人権という重大な問題」を考えさせる。犯罪報道の犯罪についても考えさせる。
 表現はワイセツかどうかではなく、差別かどうかで規制されるべきだ。私は、そう思う。「わいせつ」とは、最高裁判所の判例により、「徒(いたずら)に性欲を興奮又は刺激せしめ、かつ、普通人の性的羞恥心を害し、善良な性的道義観念に反するものをいう」とされてきたという。この本には、ろくでなし子さんの作品も紹介されている。この本を読めば、ろくでなし子さんの作品が「わいせつ」とも差別とも無関係であることは明らかだ。
 この本は、とても面白かった。ただ、第一に、私
はこの本の中の「同部屋のへんなひとたち」のマンガには違和感を覚えた。第二に、小倉利丸さん(富山大学教授)は、いう。「男性の性欲を満たすためのセックスワークやポルノを是認すべきでないという主張が多分フェミニズムの中の多数意見だろうが、こうした観点ではろくでなし子への権力の弾圧に十分な反論をなしえないと思う」。この点については、反対の人の意見も載せてほしかった。
(2015年7月18日)


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