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    かけはし2015.年8月3日号

変革のために国境を超えた討論


第7回アジア・グローバルジャスティス学校(AGJS)

充実したプログラムを通じた経験の共有へ

イスラム原理主義の問題を中心に――


IIREマニラ
は何をめざすか 


 IIRE(国際調査教育機関)マニラ――第四インターが中心になって設立したすべての左派に開かれた研究・教育施設――が主催する第七回アジア・グローバルジャスティス学校(以下、AGJS)が七月三〜一九日、マニラで開催されれ、今年のAGJSにはアジアから七カ国、ヨーロッパから二カ国、南アメリカから一カ国が参加した。
IIREは、第四インターナショナルの主導によって一九八〇年代にアムステルダムに設立された。政治・社会・経済文化などの広範な分野にわたるラディカルで開かれた変革と交流をめざした学習・教育・研究のための常設施設であり、出版、セミナー、講演・討論会など多くの方面で大きな成果を着実に積み重ねてきた。
このIIREの役割をアジアにおいても広げていくためにフィリピンで作られたのがIIREマニラである。その後、パキスタンにもIIREイスラマバードが開設された。現在、世界に三カ所のIIREが存在する。IIREマニラは、第三世界やその他の活動家に研究、教育、セミナーの場を提供するアジア太平洋地域センターであり、新たな国際主義、搾取のない世界を獲得するための闘争を目的に議論、意見交換が行われている。

イスラム原理
主義をめぐって


まずAGJSの一部としてIIREも加わったセミナー「イスラム原理主義」が初日の七月三日、フィリピン大学で開催され、フィリピン、海外の三五の団体から六〇人が参加した。共催団体は、マニラ・フィリピン国際法センター、国際法研究所(IILS)、UP(フィリピン大学)法律センター、IIRE、ミンダナオ民衆平和運動(MPPM)、フォーカス・オン・ザ・グローバル・サウス、ストップ戦争連合フィリピンであった。
現在、宗教の信仰の名の下に世界各地で反人道的なテロが激化しているが、それらの反人道的行為は、信仰の違いが貧困や社会問題の根源であるという誤解から生じている。テロを起こす人々は狭い視野ときわめて主観的な価値観に基づいており、さらに状況を悪くしているのはイスラム原理主義がその価値観を擁護している点にある。
セミナーではまず、パキスタン・アワミ労働者党書記長のファルーク・タリクが「イスラム諸国におけるイスラム原理主義」と題して発言を行った。ファルーク・タリクは、イスラム教徒が大多数を占める国々においてイスラム原理主義の脅威が短期間に大きな広がりを見せており、全世界的な広がりもみせていると指摘。原理主義がファシズムの新しい形態として変異を遂げ、それがある一定の教育水準のある中流階級の間にも波及しており、自分たちの宗教的な主張に従わない者の大量虐殺、女性差別を推進し、労働組合の運動、社会運動に反対する勢力となっていることに警鐘を鳴らした。
そのうえで原理主義のテロの暴力は、イスラムの民衆の自由と基本的人権を踏みにじる反革命的な行為だと糾弾し、原理主義に対する国際的な反ファシスト闘争と同時に、帝国主義諸国が推進する「反テロ戦争」への闘争も呼びかけた。イスラム原理主義の宗教的な危険性への理解にもとづいた労働組合、社会運動の組織の連携した幅広いつながりの早急な必要性を訴え、イスラム原理主義のプロパガンダに対抗するためにパキスタン政府は教育を最優先課題として予算をあてること、農業労働者への無償の土地の支給による封建制の終了と宗教と国家との分離、イスラム原理主義に対抗するための国と国ではない人と人の連帯などが呼びかけられた。
次にIILSのヘルミニオ・ハリー・ロケさんが「イスラム原理主義におけるメディアの役割」と題して発言を行った。ヘルミニオ・ハリー・ロケさんは、東南アジア地域は平均四時間インターネットを閲覧するヘビーユーザーの地域とし、フィリピン、ベトナム、インドネシア、タイでのインターネットの法規制の状況、ウェブサイト上の当局の監視の状況を述べた上で、ISISとのつながりのあるイスラム組織がもたらす危機に対する規制のなかで、表現の自由の必要性について問題提起した。
次にインサルジェンシア・ブラジルのエドゥアルド・ダルバガリアさんが「福音派原理主義の高まり:ブラジルにおける経験」について発言を行った。エドゥアルド・ダルバガリアさんは、ブラジル議会において福音派原理主義が多数を占めている問題点を指摘。最後に、原理主義勢力の攻撃のなかでの社会運動の発展の方法、一部の人々ではなく原理主義に反対する広範な市民の組織の方法、原理主義に反対する宗教他派の獲得について提起を行った。

密度高いテーマ
と学習の意欲


今回のAGJSのその他のプログラムの概要は以下のとおりである。
?われわれのマルクス主義(史的唯物論入門)
?帝国主義とは?(帝国主義に関するマルクス主義者理論の発展)
?変節する中国(中国の国家の特徴。中国の発展の過程および毛沢東主義の後について。中国は帝国主義勢力か?)
?労働者階級とは(今日の労働者階級について。絶対的、相対的剰余価値について)
?移住労働者(国際的な移民の流れ。少数民族の圧迫と資本主義的な搾取。移民生活共同体の役割)
?LGBT(LGBTのマルクス主義的概念。LGBT闘争の傾向。同性愛嫌悪)
?農業および農民の役割について(農業労働者の階級的性格。農村の生活共同体での農地改革における階級分化について)
?女性解放運動(マルクス主義者の視点からの性同一性の形成。女性の圧迫および女性の闘争。フェミニスト運動の組織化)
?韓国・北朝鮮問題について(南北朝鮮の現状および課題について。主体思想について。韓国における労働者階級の形成について)
?ナショナリズムおよび民族解放について(国家は何か。民族解放および階級闘争。前進、退行するナショナリズム)
?マルクス主義&エコロジー(マルクス主義と生産主義。生態学の危機の歴史。社会と生態学の危機との関係)
?労働組合と社会主義者(労働組合とは何か。生産・再生産における組織化)
?ラテンアメリカにおける闘争(ラテンアメリカにおける左派政権。左派政権の今後。各国での固有の運動の役割:ベネズエラ、ボリビア、キューバ)
?大衆組織および大衆運動(大衆運動の役割。階級意識の再建および結束の組織化を担う大衆組織の再建)
?革命的な戦略および社会主義(過去の闘争から得た教訓について)

 約二週間の間にこれだけの内容が詰め込まれており、驚くべきことである。各テーマを受け身で聞くだけでなく、講義の後には、グループ別に討論を行い、その討論の内容を全体に発表するという全員参加の形式で行われた。
今回のAGJSでは、日本の現状についても報告が行われた。
さらに「原発事故から四年目の福島」というテーマで、福島原発事故の現状、被害と補償、被ばく労働、原発再稼働と原発輸出などの問題点について、日本の参加者から報告が行われた。
また社会主義国のキューバ、中国、北朝鮮の現状、評価、それぞれの国の比較について積極的な意見が交わされた。今回、初めて韓国・北朝鮮問題についての報告、討論が行われた。

 最後に余談であるが、フィリピンは銃にまつわる話に事欠かない。前回のAGJS参加の際には、買い物のために訪れたスーパーマーケットで突然乱闘が発生し、男性と警備員がもみ合いの末、叩き落とされた拳銃の弾が床に散乱したが道行く人は何もなかったかのように行き来していた。今回は二回タクシーに乗車したが、いずれのタクシー運転手も、銃社会であるフィリピンの運転手は非常に危険な職業だと口をそろえていた。二回目に乗車したタクシー運転手は、過去に三回タクシー強盗に遭い、そのうち二回は自衛のために強盗犯を射殺したと話しながら、売上金を入れる車のポケットの横の安全装置を外した拳銃を見せてくれた。
ミンダナオ島出身でイスラム教徒のその運転手は、ミンダナオ島では貧困問題が深刻なため金銭目的の誘拐が多発しているので、ミンダナオ島には危険だから行くなと「親切に」警告してくれた。銃社会の問題もあるが、その根底にある貧困と格差の問題の根本的な解決が必要であると感じた。       (QY)

7.21 経産省テント裁判控訴審

原発なくすまで闘いは続く


被災者・地元住民とともに

 
経産省側の
「損害」とは
 七月二一日、東京高裁で経産省前テント裁判の第二回控訴審が行われた。この日の裁判では、あらためて経産省側の提訴理由のでたらめさ、淵上、正清の二人を訴追した経産省側の認識の誤りなどが強調されるとともに、経産省前テントが福島の被災者の怒り、全国で事故への恐怖に直面しながら原発に反対している地元住民たちの思いと結びつき、活動してきたことが、あらためて訴えられた。
 午後五時半からは、参院議員会館講堂で、この日の裁判の報告集会が行われた。この日の公判で証人になった「テントひろば」の佐藤保さんに続いて、被告の正清太一さんと渕上太郎さん、大口昭彦弁護士などが発言した。経産省側は被告に三〇〇〇万円の損害賠償を請求しているが、そもそもテントがなかったら得られるであろう「利益」とは何であるのかが示されていない。被告と弁護士は、これは「損害」という概念のでっち上げであり、経産省・国にとって「損害賠償」とは国にたてつく者への懲罰でしかない、と強調した。大口弁護士は、裁判官を監視する傍聴の「視線」の重要さも訴えた。

次回公判で
「結審」の予定
つづいて福島県塙町住民の和田央子さん(放射能ゴミと焼却炉を考えるふくしま連絡会)が発言。和田さんは、一基数百億円も使って建設される「放射能ゴミ焼却炉」が一九市町村に二四基も作られることの環境への危険性とムダを指摘。富岡町では最終焼却場への住民の同意書が本人の知らないところで偽造されていることをきびしく批判した。
川内原発建設の当初から地元で反対の闘いを進めてきた遠嶋春日児さん(前鹿児島県議)は、八月一〇日から制御棒を入れて再稼働・送電を強行しようとする九州電力の暴挙を阻止するために現地行動への参加を呼びかけた。
裁判の次回の日程は九月一八日。この日の裁判で結審となる予定だ。ぜひ注目と参加を。     (K)

呼びかけ

川内原発再稼働阻止! ゲート前大行動


8.10起動を許さない 全国結集を
     

ストップ再稼働! 3.11鹿児島集会実行委員会

 川内原発再稼働の日程が、いよいよ確定してきました。8月10日起動と九電は発言しています。鹿児島に暮らす人々の人権を蹂躙するのみならず、西日本、日本全体を崩壊せしめる重大な犯罪行為を、私たちは、断じて許すことはできません。
私たちは、全国の再稼働に反対する人々に、川内原発ゲート前大行動への結集を強く呼び掛けます。
(ストップ再稼働! 3・11鹿児島集会実行委員会) 

【起動日前集会】8月 9日(日)13:00―17:00 久見崎海岸(川内原発そば)
【起動日集会】 8月10日(月)7:00― 川内原発ゲート前

■連続行動 
8/7(金)8:00―10:00、
8/8(土)13:00―15:00、いずれも原発ゲート前
* 起動日延期の場合は、8/10(月)の起動日集会は延期。8/9(日)の起動日前集会は実施。
* 原発に隣接する久見崎海岸にテントを持参の上、自由にお泊まりください。
* 8/8(土)12:00〜8/9(日)12:00 
川内ウェル亀ロックフェスinぐみざきビーチ
https://www.facebook.com/


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