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    かけはし2015.年8月3日号

すべては反緊縮抵抗封殺のため


ギリシャ

エリック・トゥサンへのインタビュー

欧州政治指導者・政治機関突き動かす


 このインタビューは、ユマニテ(フランスの日刊紙、元はフランス共産党機関紙だったが現在は独立、しかし同党との関係は今も強い:訳者)のアテネ特派員、ロサ・ムッサウイによって七月一七日に行われた。

決定導いた動機
あくまで政治的


――多くのギリシャ人や外国の観察者が言うように、アテネは本当にこの数週間の金融クーデターに屈してしまったのか?

 イエスでもありノーでもある。
明白であったことは、金融利害関係者との共謀は明らかだとはいえ、政治的諸機関が下した政治的決定の結果だったということだ。このクーデターは金融の権力者によって直接導かれたものではなく、EU委員会、並びにユーロ圏の国家首脳部と政府によって導かれた。そこに関与したものはドイツだけではなかった。
明らかなこととして、フィンランドは言うまでもなく、スペインのマリアノ・ラホイあるいはポルトガルのペドロ・パソス・コエロは、またラトビアや他の群を抜いて新自由主義の諸政府は、シリザ政府が欧州の民衆に提起した選択肢は機能不可能、ということ各々の彼らの国民にはっきり見せつけることを欲した。それゆえ主な動機は政治的なものだったのだ。とはいえこれも明らかなことだが、民間銀行部門と多国籍企業もまた、緊縮政策から離れることは不可能、と示すことを欲していた。
しかしながら、思い起こすべきことがありそれは、ギリシャの基本的な債権者団は今公的機関だ、ということだ。つまり、民間銀行がギリシャの債務という重荷を何とか下ろすことができた二〇一二年以後、彼らはもっとも利害関係の強い部分ではない。そこで行われた債務再編が、それらの銀行が気持ちよく撤退することを許した。今日、ギリシャに強要されてきた経済諸施策の破綻にもかかわらず、EU委員会、ECB、そしてユーロ圏諸国は、ギリシャが新自由主義の道を歩き続けるよう断固として主張しているのだ。

――アレクシス・チプラスは、緊縮政策への彼の降伏と引き換えにした債務軽減保証を期待した。しかし債権者団は、二〇二二年に始まるあり得る債務再編に関する、今年予定された議論に渋々同意したにすぎない。IMFが今や自らこの債務は持続不可能と考えているのに、この頑固さはなぜか?

 私の考えでは、債務再編は二〇二二年以前にありそうに見える。債権者団は「二〇二二年前にはない」と言うだろうがその理由は、この計画は機能しないだろう、そして債務返済は持続できないだろう、と彼らが分かっているからだ。彼らは、新自由主義改革が遂行されているという条件でこの債務を再編するだろう。債務は脅迫の一手段であり、支配の道具なのだ。
基本的にギリシャの場合では、債権者団は、現状でも適切なレベルにある利益を動機としているというよりも、彼ら自身の国民と他の周辺諸国の国民に、モデルからそれるなどというのは問題外、という教訓を教え込むことをむしろ動機としている。オランドにとっては、「見てみろ、チプラスや急進左翼でさえ経済の首締め縄から逃れることはできないのだ」と言うことは、欧州財政安定条約に関する交渉という約束を彼自身が投げ捨てたことに対する、非難の不当性を証明する一つの道なのだ。

債務返済留保
が必要だった


――債権者団の暴力的な攻撃に関して、チプラスに何らかの他の選択肢はあったのだろうか? そのオルタナティブは、ユーロ離脱に要約されるのだろうか?

 私はそうは考えていない。選択肢は必ずしも、新たな緊縮計画と債務返済継続を条件として付随させたユーロ圏残留とユーロ離脱、この二つの間にあったわけではない。法的な諸手段を通した債権者団への不服従によって、ユーロ圏にとどまることはあり得たことだった。ここに賭けられているものは諸々の人権侵害なのだ。
ギリシャ当局は、債務返済を保留し、ギリシャ銀行に対する支配を取り戻し(アントニス・サマラスは、この国の利益に奉仕することのなかった人物をそのCEOに指名した)、ある種の補足的な電子通貨を創出すべきであった。この通貨は、ユーロ圏内部にとどまりつつ、流動性危機に対処することを助けることができたと思われる。
国家はその上で以下の段階に進むべきだった。
1.小株主を確実に保護し、銀行浄化のコストを国際的な大株主の富から取り戻す中で、整然とした銀行の清算とその資産の公的部門への移管を組織すること(預金を一〇万ユーロまで保証しつつ)。
2.諸商品と公共サービスに関する付加価値税(VAT)の引き下げ。低所得と小資産に対する直接税の引き下げ。さらに、最富裕層一〇%(特に最富裕層一%)の所得と資産に対する課税。
3.私有化の停止と公共サービスの強化。

 ギリシャ議会が七月一三日の悲惨な合意を採択して以後、ユーロからの自発的な離脱という展望が理解しやすいものとなっている。ユーロ圏の枠内では民衆にとって有利な解決はまったくないということが、ギリシャおよび他の欧州の民衆に今やますます明白となっている。自発的なユーロ離脱の場合でも、上記諸提案は完全に有効性を保ち、それらにはある種の再配分的通貨改革が付随しなければならない。

――このクーデターの首謀者の一つであるECBは、金融市場に流動性を溢れさせ、投機を跳ね上げつつある。資本創造は、実体経済、社会的需要、人間的発展に役立つ可能性はあるのだろうか?

 これだけではないがもちろん、ECBがここまでやってきていることは役立たない。マリオ・ドラギ(ECB最高責任者)は「独立して」はいない。彼は、民間大銀行とユーロ圏諸政府との間の接点なのだ。ECBは、それ自身の目的に、同時に他の債権者団の目的に適合させるために、ギリシャ経済を故意に不安定化させてきたのだ。

▼トゥサンは、リエージュ大学の先任講師であるが、CADTM(第三世界債務帳消し委員会)ベルギー代表であると共に、ATTACフランス科学委員会の一員。著作は多数であり、第四インターナショナル指導部の一員でもある。(「インターナショナルビューポイント」二〇一五年七月号) 


ギリシャ

仏NPA(反資本主義新党)声明

反緊縮デモ弾圧断固糾弾!

債務とメモランダム取り消せ

 昨晩アテネの街頭で、ギリシャの民衆と労働者に対し新たな緊縮諸方策を押しつける三度目のメモランダムに関するギリシャ議会での投票に反対し、一万五〇〇〇人以上がデモに決起した。それは、チプラスが政権について以後では初めてのゼネラルストライキの日だった。ADEDY(公務員の主要労組)は、「メモランダムの取り消し」と「債務帳消し」を要求していた。

 緊縮および七月一三日の合意に反対するギリシャのデモ参加者への連帯を。訴追されたすべてのデモ参加者に自由を、彼らの即時釈放を。

 議会前に掲げられた横断幕には以下のように書かれていた。すなわち、「私有化ノー、港湾、DEI(国有電力会社)、病院を救え」と。
このデモはシンタグマ広場で「対暴徒」警察によって暴力的に追い散らされ、デモ参加者五〇人が逮捕された。逮捕され警察に拘置された、また法廷に出廷しなければならない者たちの中には、二人の労組活動家がおり、その一人は警察によって重傷を負わされた。
彼らはわが同志であるOKDE―スパルタコス(反資本主義左翼連合であるアンタルシアの構成組織)の二人であり、一人は教員の労組活動家、他はアテネの書店従業員労組書記だ。
われわれは、七月五日の国民投票におけるノーの継続のためにアテネで決起したデモ参加者たちへの全面的な連帯をあらためて断言する。
われわれは、即時の釈放、並びにOKDE―スパルタコスのわが同志たちと逮捕された全員に対しギリシャ当局がかけている嫌疑すべての取り下げ、を要求する。
われわれは、緊縮に反対して街頭に繰り出している労働者と若者に対する、ギリシャ政府のための暴力行使を断固として糾弾する。
われわれは今これまで以上にギリシャ民衆の側に立っており、彼らと並んで要求する。債務とメモランダを取り消せ!

二〇一五年七月一六日、モントレイユ
(「インターナショナルビューポイント」二〇一五年七月号)

トルコ

国際主義的連帯活動への

ダーイシュによる攻撃糾弾

AKPの隠れた協力も許さない

イエニヨル

 ISを暗黙に容認してきたトルコのAKP政権が、最近になってその姿勢を転換しISの拠点への空爆に乗り出し、トルコ軍基地の米軍使用も認めた。ISがトルコ領内でのテロ攻撃(クルド運動に対して)を始めたことへの対応とみられている。しかしAKP政権は同時にPKK拠点へも攻撃を加え、自治確立に進みつつあるクルド運動圧殺の意図も明らかだ。このAKP政権の姿勢を厳しく批判しつつ、クルドの自決権防衛のためにこそISに立ち向かうことを訴えるトルコ支部のアピールを紹介する。(「かけはし」編集部)

 シリア国境の町、スルクにおけるジハーディスト組織ダーイシュ(ISに対する現地の呼称:訳者)によるテロ攻撃の結果として、三〇人以上の革命的青年が命を落とした。われわれは、犠牲者たちの家族、友人、そして同志たちに哀悼を捧げる。
 今年七月二〇日三〇〇人の若者たちのグループが、当地の住民、PYD(クルド民主統一党、クルディスタン労働者党〈PKK〉との提携関係にある)、またYPG(クルド民族防衛グループ)―YPJの民兵、さらに多くの地から来た自発的な戦士たちのヒロイックな抵抗の中で破壊されたクルドの街、コバニの再建に参加するために、国境を越えて進もうとしていた。
 青年社会主義者協会連合によって組織された支援キャンペーンの一環として、ほとんどが学生であったこれらの若者たちは、おもちゃの包み、保健衛生品、ペンキ缶、書籍、映像フィルムを携えて、建物の再建、子どもたち向けの公園や託児所の建設、図書館の開設に力を注ごうとの希望をもっていた。
 ダーイシュにとっての目標となったものは、ダウトオール首相が主張するような「トルコ」ではなく、コバニのクルド人とのこうした揺るぎない国際主義的連帯だ。ジハーディスト組織は今、PYDに対するその戦争、彼らがシリアにおける足場を失いつつあるその戦争を、この卑劣な攻撃をもって、同じくディアルバクルの人民民主主義党(HDP)集会に向けられた爆弾攻撃をもって、トルコ領に輸出しようと試みている。
 しかしわれわれがここにAKP(現政権党の公正発展党)の対外政策の結末を見ることができない理由はあるのだろうか? その政策は、中東におけるAKPのヘゲモニーを広げる目的の下に、様々なジハーディストグループに対する一時的な支援を提供することによって、いかなるものを犠牲にしようとも断固としてダマスカスを倒そうとするものだった。
 情報機関の支配の下にシリアに向かうために準備されたミサイルや兵器を積み込んだトラック、負傷したダーイシュ民兵が利用可能な病院を思い起こそう。「コバニは陥落の瀬戸際にある」と言明した時の、エルドアンが示したほとんど隠すことができなかった喜びを思い起こそう。ダーイシュは一つの急進組織と理解され得るだろうが、しかしこの「反動」を引き起こしたのは「それ以前の不満分子と怒れる者たち」だった、などと言明したのは、当時まだ外相であったダウトオールだったのではないのか? 
 一ヵ月前AKPの機関紙はその一面で、軍の情報を引きながら、「PYDはダーイシュよりもっと危険だ」と告げた。そして最後にわれわれは、トルコの警察によって逮捕された際の、このテロリストのジハーディストが見せた自信あふれる笑顔を示す写真を、どうすれば忘れることができるだろうか?
 ジハーディストの残忍さとその協力者に対してわれわれは、コバニへの途上で死んだこれらの若い革命家たちがわれわれに残した、希望と剛胆さに満ちた笑顔を対置する。われわれが彼らを駆り立てた連帯の精神を具体化しようとするのは、彼らの闘争を続ける中でだ。

クルド民衆の自決権のために!
国際主義的連帯万歳!
ダーイシュは暗殺者であり、AKPは協力者だ!

▼イエニヨルは第四インターナショナルトルコ支部。(「インターナショナルビューポイント」二〇一五年七月号)


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