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    かけはし2015.年8月24日号

「積極的平和主義」批判を


8.8「平和の灯を!ヤスクニの闇へ」2015

戦争法案を葬り去ろう


かつてない危機感
に立ち向かおう
 八月八日、「平和の灯を!ヤスクニの闇へキャンドル行動」が在日韓国YMCAで行われ、五〇〇人が参加した。
 ヤスクニ・キャンドル行動は、二〇〇六年から開始し、第一〇回目だ。今年のテーマは、「2015〜積極的平和主義を支えるヤスクニ〜コンサート&証言」。
 安倍政権は、米軍とともに自衛隊のグローバル派兵をめざす戦争法案をなにがなんでも制定するために衆院で強行採決した(七月一六日)。参院に入っても政府・与党の不誠実な態度は変わらず、礒崎陽輔首相補佐官の「法的安定性は関係ない。わが国を守るために必要な措置かどうかを気にしないといけない」(七月二六日/大分講演)などと暴言が飛び出し、中谷元・防衛相にいたっては(三日)『輸送』任務のため核兵器、化学兵器、毒ガス兵器の輸送も法律上は排除していない」と答えるほどだ。
 このような戦争法案に対して民衆は、国会包囲、全国各地で廃案にむけたうねりを拡大させている。キャンドル行動は、戦争法案廃案、「村山談話/河野談話」を否定を許さない取り組みとして行われた。
 集会は今村嗣夫さん(キャンドル行動実行委協同代表)の主催者あいさつで始まり、「権力を乱用し、この国の民主主義を破壊する政府に対して市民の知恵と力を合わせて、とことん抵抗したい。集団的自衛権の発動による戦没者は、靖国神社に合祀し、後に続く自衛官の士気を高めることになるからだ。『積極的平和主義』の欺瞞を暴きだし、戦争法案の廃案をめざそう」とアピールした。

沖縄を犠牲に
した日米安保
シンポジウムは、以下の四人から問題提起が行われた。
高橋哲哉さん(東京大学教授)は、「戦後七〇年と日本の課題 『日米同盟』とヤスクニをめぐって」という観点から提起した。
「共同通信/戦後七〇年全国世論調査」データにもとづいて「護憲派の日本国民の大多数は、日米安保とセットで(日米同盟とセットで)憲法九条を支持している。護憲派のほとんどは、在日米軍と自衛隊の存在を肯定し、それが憲法九条と矛盾しないと考えている。だが、この日米安保体制は沖縄を犠牲にすることによってしか成り立たなかった『犠牲のシステム』だ」。
「私は六月に『沖縄の米軍基地 [県外移設]を考える』(集英社新書)を出版し、在沖米軍基地は本来すべて本土に引き取るべきものではないかと提起した。現在、翁長雄志知事が政治的に体現している沖縄からの『県外移設』の要求に、『イエス』と応答することだ。『県外移設』から安保解消へ。東アジアに戦争のない平和の秩序を作っていくことが目標である」。
半田滋さん(東京新聞論説兼編集委員)は、「安保法制を読み解く―安倍政権の狙い」というテーマから「安倍首相は、二〇一六年参院選挙で与党三分の二議席を確保し、二〇一七年、第一回目の憲法改定のための国民投票(環境権、緊急事態条項)を目ざし、二〇一八年に第二回目の国民投票で憲法九条を改定しようと狙っている。憲法無視の安全保障法案は、派遣の国会承認は『原則事前』となっているが、派遣内容は特定秘密とされ、『事後』では意味不明になりかねない。法制化されれば、憲法改正なしに自衛隊は軍隊になるということだ」。
「法制化後、想定される自衛隊の海外活動は、@米国が空爆を続けるイラク、シリアを対象にした後方支援から武力行使。A中国が埋めたて続ける南シナ海を対象にした自衛隊の能力を超える警戒監視活動。B核開発を進める北朝鮮を対象に、米国による寧辺空爆計画(一九九三年)と連動した軍事行動、などを上げることができる。これらの動向に注意し、監視していかなければならない」。

朝鮮半島の
平和実現へ
鄭旭Gさん(韓国・平和ネットワーク代表)のテーマは、「朝鮮半島平和体制の構築と日本」。
「日本の平和憲法と朝鮮半島停戦体制」の分析をベースにして、「朝鮮半島停戦体制の不安が加重されれば、朝鮮半島の有事を備えるという理由に日本の平和憲法の無力化も加速化するだろう。つまり、日本平和憲法と朝鮮半島問題は拮抗関係にある。変えなければならないことは、朝鮮半島停戦体制であって、日本の平和憲法ではない。日本の平和憲法を守り、朝鮮半島平和体制を作っていくことが、この時代に私たちに与えられた歴史的な使命である」と強調した。
木戸衛一さん(大阪大学准教授)は、「戦後70年―ドイツの歩みから何をくみとるか」を切り口にして、ドイツがNATOの一員としてユーゴ空爆に参加し(一九九九年三月)、アフガニスタン派兵(二〇〇一年一一月)を行ったことを批判し、連邦軍の被害と加害性を分析した。
そのうえで「七〇年前、日本人もドイツ人も、『もう戦争はこりごり』と不戦の誓いを立てたはずである。軍国主義・ナチズムの『過去』を克服することは、真正な想起と積極的な和解という歴史認識の次元にとどまらず、『力こそ正義』の世界観を拒否し、平和・人権・民主主義を志向するという今日性・普遍性を備えていなければならない。その意味で私たちは、今また力で世界を支配しようとする動きに抗し、公正な平和に向け、世代と国境を越えて連帯を追求する必要がある」と結論づけた。

ヤスクニNO!
戦争反対のデモ
洪成潭さんの特別映像「東アジアのヤスクニズム」と上映に合わせて崔善愛さんピアノ演奏。
「遺族証言」では李熙子さん(韓国)が「私にとっての解放七〇年」、張嘉hさん(台湾)のメッセージ、吉田哲四郎さん(日本)が発言。
特別報告が俵義文さん(子どもと教科書全国ネット21)、清水雅彦さん(戦争をさせない一〇〇〇人委員会)、辻子実さん(安倍靖国参拝違憲訴訟・東京事務局)から行われた。
コンサート(韓国:ソン・ビョンフィ、イ・ジョンヨル)後、閉会あいさつが徐勝さん(共同代表)から行われ、「軍事施設である靖国神社は、死を恐れずに天皇のために命を投げ出す軍人を作る。戦後、宗教法人と名前を変えたが、本質的なものは引き継いでいる。以前の靖国反対闘争は、政教分離の観点から行われていた。宗教法人として認めてしまうことだ。反ヤスクニの闘いは、被害者である韓国、台湾、沖縄、日本人も含めて、二年前の安倍靖国参拝を通して再び世界的に広がった」とまとめた。
集会後、キャンドルデモに移り、神田一帯にわたって「ヤスクニNO!戦争反対!」のシュプレヒコールを響かせた。天皇主義街宣右翼、在特会の妨害行動と挑発があったが、整然とデモを貫徹した。   (Y)


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