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    かけはし2015.年8月31日号

新たなオルタナティブに向けた一歩


米国

民主党大統領予備選でサンダース現象

若者たちが選挙政治参入

ニューハンプシャー州ではクリントンの支持率を上回る


トラーヴェン/ジョアンナ


 八月三日号で紹介した論考中で論じられた米国大統領選挙民主党予備選に起きたサンダース現象は、その後さらに拡大、最初に投票が行われるニューハンプシャー州では指名確実と見られているクリントンを支持率で上回ったと報じられている(四四%対三七%)。この現象にどのように向き合うべきかは、米国の独立左翼にとって一層重要な課題になったと思われる。この課題について、第四インターナショナルと連携している米国の左翼組織「ソリダリティー」が一つの文書を採択した。以下に紹介する。(「かけはし」編集部)
以下の文書は「ソリダリティー」の二〇一五年大会で討論された。わが組織には同時に緑の党に関わっている多数のメンバーがおり、またわれわれは彼らの活動とジル・スタイン(米緑の党の環境活動家、前回も大統領候補者として立候補、キーストーンXLパイプライン反対活動で逮捕されたこともある:訳者)のキャンペーンをも支援しているとの補足文書と共に、多数決で採択された。この決議は、サンダース(バーニー・サンダース、民主党大統領候補予備選に対しヒラリー・クリントンの対抗馬として立候補した無所属上院議員:訳者)自身あるいは彼の政治的観点の評価ではなく、サンダースのキャンペーンと彼の支持者に対する向き合い方を概括することをめざしている。

九九%対一%と
同じメッセージ


「ソリダリティー」は、勤労民衆、自立した社会運動、また資本主義とその政治的代表に対決して共通の利害のために闘っている被抑圧層の諸組織を結び付ける、独立した労働者階級の政治活動に向けた大衆的基盤を組織するという戦略的な要請を理解している。民主党を、その内部から影響を与えることができるよりマシな悪と考え続けている左翼の人びととは異なり、われわれはこの民主党を、資本の新自由主義構想の強要にかかりきりになっている改革不可能なものと考えている。歴史があまりにも余すところなく何度も示してきたことだが、民主党は、社会運動の墓場であり続けている。われわれは、民主党政治というつるつる滑る坂道に引き込まれることを拒否する。
そうであるとしても、労働者階級の独立した政治における何らかの重要な前進は何であれ、民主党の大衆基盤の破砕とそこからの離反を必要とする。
この党が一つの緊縮優先政党である以上、「よりマシ悪」主義はその魅力の多くを失ってきた。われわれは、民主党予備選に立候補するというバーニー・サンダースの取り組み、および党の指名者を支援するという彼の約束には、まったく同意できない。
しかしながら、企業の米国と対決する、また民主的な歩みの乗っ取りと彼らが見なすものに対決する戦闘を望みつつ、彼のキャンペーンの周囲に結集している何百万人という人びとの中にある、巨大な意味と潜在的な力を認識できないとすれば、それは左翼にとって一つの過ちとなるだろう。民主党員としてのサンダースの運動にもかかわらず、われわれは、彼の基礎的なメッセージのゆえに彼が今受け取りつつある大衆的な支援の重要性について、その真価を認める。
そのメッセージとはオキュパイのメッセージ、九九%対一%というメッセージであり、こうしてそれが、破滅的な経済後退に入り込み新自由主義の緊縮を深めたオバマ政権統治下の八年、まさにその多くが生き続け、米国住民の大きな層の意識中に埋め込まれている、ということを示している。これは特に、サンダースのメッセージに触発されて全国的な選挙政治に今まさに参入しつつある若者たちの場合に真実だ。

労働運動の戦士
たちの創出を


われわれは反攻精神のこの噴出を歓迎しなければならない。そして、民主党の路線は袋小路であることを強調しつつも、彼らが提起する諸課題に関し共に活動することを追求しなければならない。そして民主党の方向に代わるものとして、社会を変革できる運動の構築と独立した政治の必要性に向け、彼らを獲得しなければならない。われわれは「ソリダリティー」のメンバー、影響力のある人びと、加えて革命派社会主義者に、サンダースのキャンペーンに引き入れられようとしている何百万人という人びとと結びつく道を見出すよう強く促したい。
それらの人びとのほとんどは、民主党のエリートに対する辛抱強さなどとはまったく無縁だろう。まして、党指導部獲得という現在進行中の戦闘の中に自分自身を見てもいないだろう。この人びとは、われわれが独立した左翼の政治に向けたある種の突破を成し遂げることになるとすれば、接触し食い込むべき一つの鍵を握る聴衆だ。多くのサンダース支持者は既に、自立した反緊縮の組織化や他の社会運動に、また地方の独立した選挙キャンペーンに、一つの全国的な政党/運動建設という緑の党の孵化したての活動に関わりをもち、あるいはそれに獲得される可能性があるのだ。
われわれは、独立した草の根の「バーニー陣営支持労働者」のような、労働運動内部の下部の反抗者に協力を惜しまない。それらは、この選挙を軸に発展中だ。それらは、どのような綱領と目標が労働者の政治的選択を駆り立てるべきか、を討論する機会を与えている。いつもの政治として官僚が駆り立てる業務的な取引への嫌気と反抗は、承認に対する実体のある民主的課程を要求する、そして労働組合の諸政策を実際に支える候補者だけを支援するよう官僚に説明責任を果たさせるために闘う、そのような労働運動内の下部に張り巡らされたネットワークの構築、に対する必要性と可能性を提起している。
政治的な承認をめぐる課題それだけではわれわれの組合ないしは労働者階級を「救出」しないだろう。しかし、たとえばAFT(アメリカ教員組合連名)の中で爆発したもののような、われわれの労組内部の内部民主主義をめぐる闘いは、下部の権力を築き上げる可能性をもっているのだ。
労働運動内部の社会主義者としてのわれわれの仕事には、民主党エリートとの労働者の奴隷的一直線化に割れ目を育むという一つの戦略が含まれる。サンダース承認という問題における一つの亀裂はいわば良いことだ。この戦闘はわれわれにとってどうでもいいことではない。この国における大衆的で独立した労働者階級の政党は、今サンダースのキャンペーンを支援している労働運動の戦士たちの活動なしには創出されないだろう。これは、労働者の政治的能力構築という必要な任務――何らかの選挙上の反乱をはるかに超えた何ものか――をつかんでいる労働運動活動家の潮流でもある。
われわれは、サンダースのキャンペーンから成長する特定の要求をめぐる諸々の運動と動員の努力に喜んで応じなければならない。この秋のワシントンにおける、公立の総合大学授業料と単科大学授業料の無料化を求める一〇〇万人の学生行進に向けたキャンペーンによって活性化された若者たちによる呼びかけが今ある。

学生行進に向け
たキャンペーン


緊縮に対する大規模な挑戦と全国レベルでの鮮明な労働者階級の政治的オルタナティブの出現は、われわれにはまだ今後のこととしてある。有効な左翼政治、ある種の左翼綱領を獲得しそれを実行できるようなそれは、ある種の組織的なインフラを、またまさに今は存在していない政治文化を必要とする。上首尾の独立した左翼政治の進行が欠落している中で、われわれは、政治に対する企業の支配に対する怒りが、曖昧模糊としたポピュリズムに、時として民主党内部に自らを表す、という現実と闘う必要がある。
われわれが認識していることだが、シアトルのクシャマ・サワント、ミシシッピーの故チョクウェ・ルムンバ、ヴァーモント進歩党、リッチモンド進歩連合、シカゴの「統一勤労家族」などの選挙への乗り出し、また緑の党のホウィー・ホーキンスキャンペーンその他のような選挙のイニシアチブは、それなりの限界と問題が多々あるとしても、民主党エリートの支配力に対する一つの挑戦を表現している。われわれは、独立のあるいは非企業政党の候補者名簿上での、親労働者候補者と労働者候補者を立てる努力を支援する。
われわれは、「世界の歴史上最良の大統領でも……この国で一つの政治革命がない限り、大衆的な政治運動がない限り、われわれが直面する大きな諸々の危機に取り組むことなどできないだろう」と警告するキャンペーンに引きつけられている人びとと共に活動することに関心を持っている。
われわれは、進行中の運動をこの選挙サイクルを超えて構築することに対するサンダースの呼びかけを強調しなければならない。確かにわれわれは、サンダースのキャンペーンそれ自身が永続する草の根の組織化を築き上げるとは期待していない。ボールは、われわれの幅広く定義されたコートの中にあるのだ。
われわれは、この組織化の潜在的好機をつかまなければならない。「ヒラリーへの投票に向け、それを一日だけ求めて子犬のように鼻を鳴らすことに終わることで、反企業と反緊縮の綱領を軸に民衆が結集しつつあるこの時を無駄にしないようにしよう。われわれの権力を築き上げよう」とのメッセージを伴ったサンダースのキャンペーンによってかき立てられている人びとに、接触を伸ばさなければならない。
悲劇はこれほどまで多くの人々がクリントンのためのテコを取り除いていることではなく、底から積み上げる努力のために指し示すものをまったくもたずに、この大衆的な抗議を浪費し、そのまま解き放すことだと思われる。

反緊縮闘争や社
会運動への合流江

 ジェシー・ジャクソンは、一九八八年に八〇〇万票を獲得したにもかかわらず、民主党の指名獲得に敗北した後、表面上は独立していた「虹の連合」の動員解除を選択し、こうして前進中の連合は、キャンペーンが終わった後経済的かつ人種的な公正という課題を軸にさらに進んで活動を続けるということがまったくなかった。今回左翼はサンダースの支持者に、大統領選挙後も十分に生き続ける自立した選挙インフラを含んで、反緊縮の諸闘争や社会運動への合流、あるいは地方の多民族的諸連合の建設を通して進みながら、闘いを維持するよう強く勧めなければならない。
われわれは次のように語るホウィー・ホーキンスに同意する。すなわち「われわれは、進歩的な権力をつくり出す最良の道は独立した政治であるという理由について、進歩的な運動の歴史的な墓場としての民主党について、さらにサンダースが敗北しクリントンを承認する場合に必要となる二〇一六年の進歩的オルタナティブについて語らなければならない。私は、予備選以前に多くの人々がサンダースのキャンペーンをやめるよう説き伏せられるとは期待しない。しかし私は、予備選後彼らの多くがプランBを、クリントンに対する進歩的なオルタナティブを欲するだろう、と期待している」ということだ。
二〇一五年七月二九日
(「インターナショナルビューポイント」二〇一五年八月号) 

FI国際青年キャンプ声明

クルド並びにトルコの活動家に連帯

エルドアンの虐殺・大弾圧を許すな

 二〇一五年六月五日以来、またディアルバクルにおけるHDP(人民民主主義党)同調者に対する攻撃以来、トルコの左翼運動とクルド運動は一連の命に関わる襲撃を受けてきた。
 SGDF(青年社会主義者協会連合)の活動家と支持者三二人の殺害は、トルコとクルドの革命運動を血の海に沈めようとの、この地域におけるもっとも反動的な諸勢力の決意を明らかにした。
 第四インターナショナルの青年は、スルクでの虐殺、トルコ国家の責任、さらにこの国家によるイスラム国の利用を糾弾する。
 エルドアンは、諸々のデモに対する抑圧、何百人という活動家の逮捕、さらに七月二四日以来のPKK(クルディスタン労働党)を標的とした爆撃によって、トルコ国家の最悪な独裁という伝統を新たなものにした。
 ゲジからソマへ、コバニからブルサへ、われわれはあらためてトルコ民衆とクルド民衆の闘争に対する連帯を確認する。そして要求する。
▼政治囚の解放を
▼PKKに対する爆撃の停止を
▼PKKをテロリスト組織とする措置の棚上げを
▼左翼活動家の逮捕と司法手続きの停止を

ディレニス・デヴァム・エディヨル(闘いは続く)!(青年キャンプ閉幕集会で採択)(「インターナショナルビューポイント」二〇一五年八月号) 

 


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