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    かけはし2015.年9月7日号

トロイカに反撃する新しい闘いが始まった


ギリシャ

「民衆連合」が誕生

ユーロ離脱を見すえて反緊縮
を貫徹する新しい左派戦線へ

スタティス・クーヴェラキス


 チプラス政権による第三次メモランダム受け入れに対するギリシャ民衆の抵抗の中、チプラスは総選挙(九月二〇日と伝えられている)による乗り切りに踏み出した。これに対し反緊縮左翼の統一的挑戦が極めて重要な課題となり、シリザの左派議員はシリザを離党し、「民衆連合」としての闘いを広く呼びかけた。以下にこの呼びかけに関する論評、並びにそれを前後する二つの声明を紹介する。また今回の第三次メモランダムのまったくの非民主制を浮き彫りにする一つの資料として、チプラス提案の新司法手続き法案反対を表明した、コンスタントポウロウ議長の国会演説も七面に紹介する。(「かけはし」編集部)

 今朝早く、二五人のシリザ議員が同党議員団から離れ、「民衆連合」の名の下に新しいグループを作り出した。これらの議員のほとんどは左翼プラットホームに加盟しているが、ゾエ・コンスタントポウロウ(人権派弁護士としてチプラスの方針に断固として反対を明らかにしてきたギリシャ国会議長:訳者)の密接な協力者であるヴァンゲリス・ディアマアントポウロスやラチェル・マクリを例とする他の何人かも合流した(注一)。

 これは、ギリシャ政治においてだけではなく、ギリシャの急進左翼にとっても、また国際的レベルにおいても大きな発展だ。

トロイカに闘い
挑む幅広い結集


三つの要素が強調される必要がある。
第一は、急進左翼の一三組織、ノー戦線設立を求めて八月一三日に出された文書(本誌前号に紹介:訳者)に署名したそれらを再結集することになっている、その新しい戦線の名称が「民衆連合」であるということ。
それゆえこの戦線は、ギリシャ急進左翼内部における再編の明白な最初の結果だ。それは、この五年の、そしてもちろん権力の座を占めたシリザの経験とその結果として起きた破局の教訓を引き出している再編だ。しかしこの戦線の目標は、その点よりもさらに広く、それは、自身を左翼の一部と必ずしも認めていないが、しかしそれでも緊縮、メモランダ、そして新メモランダムという「弾丸を再び込めたトロイカ支配」との闘いを求めている諸々の社会勢力に対し、一つの表現を提供することだ。

「ノー」の意志に
政治的表現与える


第二は、この戦線の目標が、一月の総選挙と七月五日の国民投票の双方で表現されたような「ノー」の、政治的表現を形作ることにある、ということだ。その主な綱領的路線は、緊縮とメモランダとの決裂、あらゆる私有化の拒否、金融システムを出発点とした経済の戦略的な部門に対する社会的統制の下における国有化、ギリシャ債務の主要部分の帳消し(返済の即時中断を出発点に)、そしてより幅広く、抜本的な諸方策の一セットだ。この最後の一セットは、労働者と民衆諸階級に有利に力関係を移行させ、この国の、その経済の、またその諸機関の進歩的な再構成に向け道を開くだろう。
これらの目標は、最新の惨事がこれ以上ないほどに明らかにしたように、ユーロ圏からの離脱なしには、EUによって制度化された全一連の政策との決裂なしには具体化できない(注二)。戦線はまた、欧州と国際的なレベルにおける共有された目標を軸とした統一的な国際主義的な闘争に向けても闘い、NATO離脱、ギリシャとイスラエル間の現行諸協定の破棄、帝国主義戦争とそうした介入への断固とした反対、を支持するだろう。この過渡的な綱領は、二一世紀の社会主義という展望の中に位置づけられている。

広範な論争と
動員の主導へ


第三は、この新しい議員集団が今その数の上で、ネオナチ政党である黄金の夜明けを上回り、ギリシャ国会内では第三政党である、ということだ。これが意味することは、その指導者であるパナギオティス・ラファザニスが今後二、三日のうちに、ギリシャ憲法が規定するものとして、三日間続く一つの政府を設立する権限付与を得る、ということだ。
チプラス政府の辞任を受けたこの権限付与は今、主要な右翼野党で議会第二党の新民主主義の手中にある。「民衆連合」はこの時間の期限を、広範な論争に向け、そして以前のものと同様新しいメモランダと緊縮に対しても闘いを挑もうと願っているあらゆる社会勢力の動員に向け、口火を切るために利用するだろう。党の綱領と、ギリシャ左翼の指導的諸個人内部におけるその全面的な広がりは、そして後者は極めて印象的なものになると予想されるが、来週の初めに公開されるだろう。
(二〇一五年八月二一日、アテネ)

注一)ギリシャの報道は、さらに四人の合流を憶測している。
注二)チプラス政権の前エネルギー相であったパナギオティス・ラファザニスは、八月二一日に行われた記者会見の席で、メモランダムを破棄するためにユーロ圏離脱が必要ということであるならば、そのような離脱は「準備」されるはずと付け加えた上で、この戦線はそうすることになると説明した。(「インターナショナルビューポイント」二〇一五年八月号)

ギリシャ

チプラスへの回答

独立、主権、再建、進歩
に向け選挙受けて立つ

左翼プラットホーム

 この左翼プラットホーム(シリザ内の左派潮流)の声明は、ギリシャでの突然の選挙の告示と、チプラスの首相辞任についての八月一九日の発表に関するものである。

 アレクシス・チプラスは、突然の選挙に関するスピーチで、もう一つの顔を持った者として現れた。それはこれまでのシリザの約束や闘いとは完全かつ根本的に反対のものである。
 チプラスが、一番初めにそして最も強く約束したことは、新しい第三の緊縮メモランダムとこの国の奴隷化への従順な屈従だった――それは、民衆やシリザのメンバーやカードルたちに問うこともなく彼が調印に同意したメモランダムだった。
 アレクシス・チプラスが決めた選挙は、国民投票の誇りある「ノー」を完全に否定するものだ。それは、メモランダムに反対する闘いと反緊縮を願う民衆の期待への墓石である。夏のさなかに発表された選挙の目標は、シリザの反メモランダムの公約を放棄することだが、同時に、ギリシャ民衆の首に縄をかけ、チプラス、あるいは新たな緊縮支持コンセンサスを構成する諸政党、すなわち新民主主義党、PASOK(全ギリシャ社会主義運動)、あるいはポタミに賛成するよう求めることでもある。
 左翼プラットホームはシリザの公約に忠誠を続け、ギリシャ民衆の「ノー」の意思に従い、危機へのオルタナティブのための、そしてわが国の生産的で進歩的な再建のための闘争の旗を高く掲げる。
 左翼プラットホームは、広範な反メモランダムの進歩的・民主主義的戦線を直ちに形成するために貢献する。この戦線はすべてのメモランダムの撤回、そして債務の主要部分の帳消しを求めて闘うために、選挙に立候補するだろう。七月五日の国民投票における戦闘的「反対」を防衛しよう。公共資産とギリシャの財産の売り渡しを止めよう。わが国を、国家的独立、主権、再建、そして新しい進歩的道に方向づけよう。
2015年8月20日
(「インターナショナルビューポイント」二〇一五年八月号)

「民衆連合」と

統一的闘争めざし
同志的議論を続行

アンタルシア

 この報道向け声明は、「民衆連合」代表団とアンタルシア代表団の合同会合を経て、二〇一五年八月二一日に公表された。

 この間の諸々の政治的展開が同志的雰囲気の中で討論された。議論されたものは、より特別には、「オヒ(ノー)」投票の圧倒的な勝利、EUとIMFの第三次メモランダムへのシリザ・ANEL(独立ギリシャ人)政府による採択後に形作られた新たな諸条件、今後の重要な諸選挙、そして主には、新たな残忍な諸方策が民衆諸層に及ぼすはずの否定的な諸結果、さらにそれらの撤回を求める協調された戦闘の必要性だった。
 アンタルシア代表団は、反資本主義、反帝国主義、反EUまた反体制諸勢力の政治的協力に向けた開かれた糾合の提案を提出した。
 「民衆連合」を代表してパナギオティス・ラファザニスとヤニス・トリオスが、新党創出に向けたイニシアチブの目標、並びに急進左翼の諸組織と諸個人を基礎により幅広い反メモランダム戦線を建設する努力に関して、情報を伝えた。
 急ぎ新たな会合を開くことが合意された。(「インターナショナルビューポイント」二〇一五年八月号)

FI国際青年キャンプ声明 

有罪宣告を受けたギリシャの
闘士たちに連帯を組織する

 以下に紹介する声明は、ベルギーのリーレン高原での第四インターナショナルと連帯する第三二回青年キャンプ閉幕集会(八月一日)で、ベルギー、英国、デンマーク、フランス、ドイツ、ギリシャ、イタリア、スペイン、スイスから参加した同志たち、またブラジル、メキシコ、米国のゲストたちによって採択された


 メモランダムの議会通過に反対してギリシャ議会前で七月一五日に行われたデモの中で、数人の人びとが逮捕された。裁判では、逮捕された者のうち七人は無罪とされたものの、残り三人は、最大期限の執行猶予付きで、そしてそれは三年だが、平均一五ヵ月の禁固刑を宣告された。
 有罪を宣告された三人の戦士たち、中でも第四インターナショナルメンバーであるミケ・ゴウドウマスは、政府の政策に反対したがゆえにこの処罰を受けている。はっきりしていることは、この国家が特に労働者階級の部分に罰を与えることを選択した、ということだ。この部分は、最悪の諸条件の下でも、緊縮に敢然と挑もうとしているのだ。この責めを受けている三人はすべて不安定職の労働者であり、そのうちの一人は移民労働者だ。
 シリザ―ANEL政権の新たな緊縮諸方策に対する大衆的な反対を前にして、弾圧が意味するものは、この運動に対する、またメモランダムに公然と反対している左翼諸部分に対する最後の武器ということだ。
 資本主義の危機を労働者階級の問題にしようと試みつつある者たちに対決する戦闘に、わが同志たちを単独のまま残すつもりなどないことをはっきりさせることは、われわれの義務だ。われわれは、ギリシャ政府、EU、IMFの政策に対決して彼らと歩を並べて闘う決意を固めている。
 われわれは、有罪を宣告された彼らと連帯して立ち上がるよう、彼らの即時解放を要求するよう、弾圧反対の立場をとるよう、すべての組織、労組、政治勢力――シリザ内の諸勢力と人びとを含んで――に訴える。来る数週間、われわれはわれわれの各国で、あらゆる社会運動組織に接触し、犠牲にされた反緊縮活動家に対する赦免要求統一請願キャンペーン発足に際してわれわれに合流するようそれらに訴えるだろう。われわれはこの請願を、可能な限り数多くの政治運動、労組運動、そして文化人に向け広げるだろう。われわれはこれらの請願をギリシャ大使館に届け、その前でのデモを組織するつもりだ。
 ギリシャの労働者は、チプラス/EU協定に反対する闘いにおいて、国民投票を通して広範に表現されたように、また彼らに押しつけられようとしている緊縮諸計画に反対する闘いにおいて、国際的な連帯を必要としている。これこそが、われわれがあらゆるところで人びとの動員に挑戦し、ギリシャ人には返済すべきものなどまったくないということを確証するキャンペーンを築き上げ、この債務の帳消しを要求しようと挑戦する理由だ。
 われわれは、国際連帯というわが武器をもって、この罪名の執行に反対する決起、またわが同志たちの一人に対するあり得る国外追放に反対する決起を継続するだろう。
 われわれを黙らせようとするやつらの努力は、ただわれわれをより強くするだけだろう!(「インターナショナルビューポイント」二〇一五年八月号)

FI国際青年キャンプ声明

COP21、99%は立ち上がる

地球は君たちのビジネスではない


 気候変動に対するコペンハーゲン交渉の失敗から五年、世界的企業と政治の権力者たちがCOP21の間再び会合することになっている。この二一回目のパリ会合は二〇一五年一二月の最初の二週間、パリで開かれるだろう。
 ネッスルやVINCIのような最大規模の多国籍企業は、クライメート・ジャスティスの必要とは全面的に対立する形で、彼らの利益を追求し続けるだろう。気候問題は労働者階級から盗まれた。われわれは今回の動員の中で、われわれの介入の核心部分に民主主義と社会的公正を置くことで、偽の回答や資本の新しい利潤とはまったく異なるものとして、これらの課題をあらためてわがものとする必要がある。グリーン資本主義はペテンなのだ!
 われわれ――九九%――は、気候の行き詰まりがもたらす諸結末、つまり大量かつ強制された移住、海面上昇、砂漠化、土壌劣化、大気汚染その他といったものの最初の犠牲者になる、ということに意識的でなければならない。これらの脅威は、全世界の住民、しかしその第一としては世界の南の住民を、直接に襲うだろう。
 人びとは資本家たちが集う宮殿からは遠く離れて、彼らの権利と必要を守るために自らを組織しようとしている。ヴィア・カンペシーナは食料主権のために、また農地収奪に反対して闘っている。東南アジアでは小農民の女性たちが、資本主義的生産システムに対するオルタナティブを集団的に築き上げようとしている。世界中で、役に立たない大規模プロジェクトに反対する闘いが小農民と都市の民衆を決起させている。たとえば、イタリアのTAV(リヨン―トリノ間高速鉄道)反対の諸行動は、われわれが支援する特別な闘争だ。
 われわれは、「気候のための九九%」と共に、全世界で行われる予定の幅広い決起に参加するよう、わが代表団に訴える。このネットワークは、気候の課題の中心でわれわれが上首尾の国際キャンペーンをやり切ることに可能性を与えるだろう(ポスターやチラシの配布、ソーシャルネットワークの利用、その他)。われわれは第四インターナショナルの全組織に、一〇月一四日に行われる国際青年行動に参加するよう、また一一月二八日と翌日行われる同時多発デモにも参加するよう訴える。
 われわれはこの一サイクルの決起を、われわれ自身の急進的で民衆的なCOP、すなわち「民衆会合」で締めくくるだろう。一二月一一日から同一三日までのこの空間は、エコソーシャリストの自己組織化を可能にするだろう。次いでわれわれは、諸決起の中心部で共同に、社会的公正と気候の公正を求める諸闘争の結合に、力を尽くすだろう。
 結論として、一二月一二日の最大規模の国際デモに対する大衆的な参加のみがわれわれに、エコソーシャリズム的オルタナティブを押し進めることを可能にするだろう!(八月一日採択)(「インターナショナルビューポイント」二〇一五年八月号)

ギリシャ

民主主義国家の完全な服従が要求されている

強制も、恐喝も合意ではない

私は市民権否定の措置に反対する

ゾエ・コンスタントポウロウ

 

 以下のものは、七月二二日のギリシャ議会討論において、議長のゾエ・コンスタントポウロウが行った演説であり、彼女がいわゆる合意に賛成投票しないつもりである理由を説明している。

市民の権利行使
と司法への介入


周知のことだが、この会期の中でわれわれが経験してきた、政治的かつ個人的に苦痛に満ちた瞬間が数を増そうとしている。
私は議会議長としての立場において、共和国大統領のプロコピス・パヴロウポウロス並びにアレクシス・チプラス首相に手紙を送った。そこでは、その下でこの法令が導入されようとしている諸条件は憲法の要請を受け入れる保証にまったく余地を与えていないということ、議会の立法権行使や民主的過程にも、さらに議員の良心に基づく投票にも防護策がまったくないことを述べている。
これらの諸条件は、EUメンバー諸国の外国諸政権によるこの政府と議会に対するあからさまな恐喝だ。法的諸方策は、彼も知る通り私が深く誇りに思い尊敬している司法相が認めたように、議会による修正の可能性をまったく欠いたまま導入されている。
すなわちこれらの履行は、市民の諸権利行使と司法の機能に対する大きな介入となり、その中で憲法に従う権力の分割がある、法の支配下にある社会的国家としてのギリシャ民主主義の機能、同様に公正な裁判という原則の保全の両者を壊すことになるだろう。
諸閣僚は、その内容に彼らが同意していず、むしろ直接反対している、そのような法的諸方策を導入するよう強要されようとしている。この点に関して司法相による声明が語っていた。そして議員たちも、その内容に彼らもまた反対している中で、それへの支持投票を強要されようとしている。この点に関しては、議会多数派を構成する二つの議員グループに所属する議員たちによる声明すべてがまた語っている。
このすべてが、無秩序なデフォルトという直接の脅威の下で起きつつあり、この法令には司法という三番目の独立した機能に対する大きな干渉が含まれている以上、それは本当のところ、ギリシャ政府ではなく外国政府がいわば必要条件として選択したこの法令は、ある種解体の完成を狙ったたくらみであること、を明かしている。この法令は司法の機能を掘り崩すたくらみであり、公正な裁判や市民の基本的かつ原理的な権利に対する基礎的な保証を棚上げしようとしている。
私が考えるところでは、この解体に議会議長として対抗するだけではなく、過去に私が行ったように、また私の手紙の中でEU議会議長に対し行ったように、この解体に対抗し、それに反対の立場をとるよう、EUメンバー諸国全議会のわたしと同じ任にある人びとに訴えることも私の制度的な義務だ。
大統領と首相に対する私の手紙におけると同じく、私は彼らに、その下にまさに投票が行われた、高圧的で力ずくの条件に対応するものについて公式に情報提供するようお願いした。

直接民主主義
に露骨な敵対


首相、私は議会前会期の私の資格において今発言している。私は、あなたが導入した諸法令、特に監獄システムに関する先駆的な立法に対しあなたに喜びのあいさつを送った際に、以前この資格においてあなたに話したことがあった。今私はあなたに、現首相、当時野党指導者であったアレクシス・チプラスとシリザ議員団から私に与えられた資格、つまり透明性、公正性並びに人権のためのシリザ議員団首席という資格に基づいて話している。
そしてこの資格から私はあなたに、シリザ議員団の誰一人としてこの法案の諸条項を承認していない、と告げている。その理由は、シリザ議員団は前会期にも同じく、今回と同じ法に強力かつ明確に反対したからであり、ところが皮肉にもその同じ法案が、あなたの前任者であるアサナッシオウ氏によって導入されたように、まったく同じ形態で導入されようとしており、民主主義のもう一つの表現を棺に入れ蓋に釘を打ち込む目的で、債権者団によるショッキングなやり方で加速されようとしているからだ。
その理由は、この水曜日緊急手続きを通してここで再び導入された法と同様ユーロサミットのコミュニケ両者の中で、彼らがギリシャ民衆のノーをイエスに変えようと企んだこととまったく同じに、彼らは、二〇一四年一二月はじめに初めて行われた全国規模の全員投票で記録された九三・一二%という弁護士のノーを、イエスに変えようと今試みているからだ。
民主的表現に対し異を唱えようとするこうした動きは、弁護士の全員投票というレベルおよび市民の国民投票のレベルにおいて、完全に象徴的だ。したがってまったく疑いのないこととして、債権者団によって送られようとしているメッセージは、民主的な方法は無駄であり、市民あるいは専門家(今回の場合は弁護士)によって表現された直接民主主義は不適切、というものだ。
これは欧州の諸社会に対する悪意のこもったメッセージだ。それは、左翼とシリザが送られることも広げられることも許してはならないメッセージだ。
もくろまれつつあるものが政府とそれを支持する議員団双方の脅迫を通した抹消であることははっきりしている。直接に疑問に付されようとしているものがわが国の民主主義であることははっきりしている。債権者団によってわれわれに求められていることは、私に求められていることは、首相、私に可能であるとして、現実には「ギリシャ議会」と語る一つの判を押すこと、彼らの指令を有効なものとする目的で、その判を彼らに引き渡すことなのだ。

法的対抗手段を
市民から奪うな

 シリザ並びに公正と諸権利と透明性のための委員会が二〇一二年一一月の手段となった諸条項中の八〇〇ページに上る反民主主義的操作に反対してまさに猛烈に闘った後になって、政府は脅迫と侮辱(意図としての)によって、二つの条項という形で今や九七七ページを導入するよう強要されている。その一つには「市民手続き」規則の一〇〇八項目、さらにその多くが二ないし三ページの長さとなる、EUの指令を編入した他の一三〇項目が含まれている。これら総体は受け入れ不可能なものだ。左翼政府は、有無を言わさぬ期限付きの下に、そのように多くのことを飛び越え、濃縮され、せかされた条項を、過去には左翼が一貫して強く非難してきたその条項を、取り入れるよう強要されてはならない。
首相、私はあなたに語りかけることで言わずもがなのことをやろうとしていることが分かっている。なぜならばあなたは、この規則が二〇一四年には撤回されているべきであったあらゆる理由を、徹底的に分析し、一貫して示してきたからだ。そしてそれは実際に撤回され、市民の防衛のための闘争を続けた弁護士たちにとっての偉大な勝利となっただけではなく、市民の諸運動にとっての、動員されたあらゆる諸機関にとっての巨大な勝利ともなった。同時にそれは確実に、以前の時期の主な野党、全体としての反政府派にとって巨大な勝利だった。
これは、われわれが怖れを通して立法化すべきとされているメッセージを再び送る目的で、彼らが敗北と破壊に変えたいと欲している、そのような勝利なのだ。恥知らずにも、まさにユンケル氏は今日そう語った。「恐怖が合意に導いた」と彼は語ったのだ。そして、その法的原理として民衆と社会の福祉並びに諸権利の保護と民主主義の防衛をもつEUの中で、これが受け入れられ容赦されることなどあり得ることなのだろうか?
首相、二〇一四年一二月二日と三日における弁護士たちのノーは、速決閉鎖に対するノー、競売に対するノー、追い立てに対するノーを意味していたし、今もそれを意味している。訴訟手続きでの審問を排除するための書類上の擬似裁判に対するノー、司法のさらなる劣化に対するノー、民主主義の一つの柱であるこれらは、市民の憲法上の諸権利に対するこれ以上の掘り崩しに対するノーを意味しているのだ。

市民を無防備に
し銀行奉仕推進

 二〇一四年夏にハルドウヴェリス氏が、メモランダム諸条項を無効にすると思われた司法の決定がもたらす結果すべてを補償する義務を仰々しく引き受けた時、当時野党であったシリザの司法部局と司法委員会は、歩みを進め、これを容赦することはできないと言葉を発した最初の者だった。それでも、脅迫を通して押しつけられようとしているものは、そのまさに同じ法令なのだ。そうであれば、私が例外なしに誇りに思う同志や同僚たちにとっては、彼ら自身の諸々の約束を忘れずに合意について語る方がよいと思われる。
強制は合意ではなく、恐喝は合意ではなく、他の政府や他の国々の意志と要求に対する一つの民主主義国の完全な服従を強要することを狙いとすることは、合意ではない。
そしてわれわれはわれわれの約束を忘れてはならない。なぜならば、いつかの時点でわれわれがすべてを忘れることがあるとすればその時、われわれはこの法令の内容に関し、それがあたかも自分自身のものであるかのように触れ始める可能性があるからだ。それはわれわれのものではない。それはこの政府の願いでも意志でもない。これは首相、市民手続き規則のもう一つの草案を検討する特別委員会をあなたが設立済であるという事実によって、明白にされてもいるのだ。
そしてそれは、賛成投票する意志を持っているが政府支持の議員団に所属している、そうした議員たちの願いですらない。銀行を前にして市民(特に借り手)を完全に無防備なまま放置する、そうした非人間的な諸方策の適用は彼らの願いではないのだ。
首相、あなたには分かっていることだが、しかし市民たちは次のことを十分には分かっていない。つまりこの規則を起草した委員会のトップはカミロソリス氏であり、その彼は、二〇一二年の怪物じみたメモランダム法四〇五五の責任者だったということだ。そしてその法は、諸機関だけではなく弁護士と司法の代表者たちによっても、よってたかって強く非難されたのであり、シリザもまたその廃止を誓約してきたということ、それだけではなくまた、今加速されようとしているこの立法作業の起草委員会メンバーは、諸々の銀行の法的顧問である、ということもだ。
それこそがメモランダム諸政府がつくった立法起草委員会メンバーなのだ。そして、それが奉仕する目標がまさにあらためて市民の財産を銀行に引き渡すことにあること、市民の犠牲で銀行家と銀行に奉仕することであること、これにはまったく疑いがあり得ない。

新法案は銀行を
国家の上に置く


われわれは、この目的、この「市民手続き規則」の適用によって今日推進される目的の実行を許すような扉を開いてはならない。そしてここで私は、特にあなたに、また弁護士である私の同僚に、率直に話すよう求めたい。つまり、この法案を通すことは些細なことではないということ、それは仮の間に合わせでも、冗談でもない、ということをだ。この枠組みは初めてまた実際、規則という形態をとって国法となろうとしている。ギリシャ国家が銀行に屈し、競売手続きの中で銀行の下位に位置づけられる、ということが国法となろうとしているのだ。
われわれは今票を投じるとしても、それらが確実に適用されないようにする、と言うことに十分なものはない。われわれがそれらの適用を止めようと試みれば、彼らはわれわれに「しかしあなたたちはそれに支持の票決を行った」と告げるだろう。それ以上にわれわれは、われわれの現在の立場がどうであれ、われわれ自身が永久に政権にあるわけではない、ということを分かっている。
これは、二〇一六年一月一日に発行する立法の一片だ。それは、切迫性がまったくないこと、そして正常な諸条件の下で討論が可能であることの双方を明らかにしている。それだけではなくそれはさらに、大きな懸念をも提起している。それこそ、この政権の打倒、その政権を支えている政治諸勢力の侮辱、そして市民と社会の心中で意気高く彼ら(われわれ)が立ち上がることの阻止を追い求める者たちの、今後の大望と達成に関する懸念だ。
同僚のみなさん、私はシリザ議員団としてこの法案に支持の投票を行うことは決してできないだろう。シリザ議員団の、以前公正と透明性と人権に関する諸課題の議会作業統制委員会の任に着いていた一人として、そしてその立場から、公正と市民の諸権利に対するメモランダの攻撃を止めるために、それだけではなくまた腐敗とそこに付随して与えられた諸利権を含むメモランダの底抜け騒ぎと三年間闘ってきた者として、私はこの法案をまったく支持できない。一人の弁護士として、私はこの法案を絶対支持できない。そして議会議長として私は、議会を単なるお飾りにする、議員の良心を巧みにすり抜ける形で議会に込められた保証機能を進んで放棄し、終局的には民主主義を捨て去る、そうした諸々の手続きを決して合法化できない。
静聴ありがとう。

▼ゾエ・コンスタントポウロウは、ギリシャの人権派弁護士であると共に、急進左翼連合(シリザ)の政治家。彼女は二〇一五年一月二七日にギリシャ議会議長に推薦され、同二月六日、三〇〇議席中の二三五票という記録的な支持で議長に選出された。(「インターナショナルビューポイント」二〇一五年七月号) 

 


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