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    かけはし2015.年9月14日号

改良と革命は両立できない


ギリシャ

ローザ・ルクセンブルクの提起は今も有効

資本主義との闘争不可欠

コスタス・スコルドウリス


 以下は、ウエブサイト左翼情報誌「レフトボイス」のアレハンドラ・リオスによる、OKDE―スパルタコス指導者の一人であるコスタス・スコルドウリスへのインタビュー。チプラス首相辞任後のギリシャ情勢、並びに直近の民衆連合形成に関して聞いている。コスタスは個人の資格で答えた。(アテネ発)

シリザの屈服は
深い問題を提起


――あなたはチプラスの辞任をどう見ているか、またそこに含まれている意味とは何か?

 シリザ政府の崩壊は七月五日の国民投票における圧倒的なオヒ(ノー)票の直接的結果だ。オヒを支持したこの圧倒的な六二%は明確に階級的な投票だった。それは、ギリシャおよび欧州の資本の戦略的な諸選択、すなわち新自由主義、緊縮政策、ユーロへの反対投票だった。
チプラスと彼の党内分派は、オヒ投票敗北という基礎の上にトロイカとの交渉に向けた彼らの計画を打ち立ててきた。私にはそう信じる多くの十分な理由がある。彼らは社会的力学を計算し損なったのだ。チプラスが第三次メモランダムに同意した時、彼の政府が民衆内部で正統性を失ったということを、彼は十分に分かっていた。
しかしそこにはそれ以上のものがある。それは党としてのシリザの階級的性格、そして「左翼政府」を求める幻想と関係がある。
改良主義者は、国家は中立的機関であり、鍵を握る地位に何人かの左翼を置くだけで十分、そうすれば彼らの政策実行に向けて国家を利用できる、と信じている。一つの「左翼政府」とは、ブルジョア国家を管理しようと試みる左翼政治家グループ以外ではない。この図式はこれまで機能したためしはなく、あるいはより正確に言えば、労働者階級に有利に機能したことは一度もない。シリザ政権も例外ではなかった。「左翼政府」という図式は、まさにその概念そもそもから破綻を運命付けられていた。
この最後の観点は、シリザ並びに「左翼政府」という考えを支持した国際左翼すべてに関わっている。彼らにとっては、この経験から総括を引き出し、それを彼らの分析の土台にまで向けるべき時だ。

――左翼プラットホーム離党後のシリザの将来はどのようなものか?

 左翼プラットホーム離党をもって、シリザは最後の左翼的アリバイを失うことになり、この党は今、緊縮政治を履行できる主要な政治勢力として現れている。それは急速に、主なブルジョア政党によってつくり出された真空を埋める方向に動こうとしている。ギリシャブルジョアジーの政治的代表制に起きた危機は今、シリザによって応えられようとしている。事実上それは、われわれがこれまで知っていたもの、つまり左翼改良主義の一政党、としてのシリザの終わりだ。
この点に関しては、シリザは今離党の「ツナミ」を前にしつつある、とも付け加えたい。いくつかの地方党委員会、また党員個人(そしてちょっと前には党の書記)が、左翼プラットホームが創立した党である民衆連合に加わらないまま、日々離党を公表している。この離党速度が次の何週間か続くとすれば、その時シリザの党組織は崩壊の瀬戸際ということになる。

民衆連合形成で
左翼大再編必至


――民衆連合党の形成がギリシャ左翼にたいして表現するものは何か

 シリザの左翼プラットホームによる民衆連合党の形成は疑いなく、ギリシャ左翼の大再編に帰着するだろう。
二週間前には、ギリシャ左翼の一三組織を代表するよく知られた戦士たち(シリザ左翼プラットホーム指導者のラファザニスを含む)が署名した、オヒ投票に声を与える幅広い政治戦線形成を呼びかけた一つの声明があった。それらの組織の中には、米国ISOのギリシャにおける姉妹組織であるDEA、およびCWI(英ミリタント派系の国際潮流)ギリシャ支部のヘキニマという、二つのトロツキスト組織、プラスアンタルシア構成組織の二つ(ARANとARAS)が含まれている。
その後左翼プラットホームは方向を変え、民衆連合形成を公表した。民衆連合は八月二四日、公式政党として認められるべくギリシャ最高裁に申請書を提出した。シリザの元指導者で今は「プランB」グループを指導しているアラヴァノスは既に民衆連合に正式加入している。
IMT(アラン・ウッズ、英SWP系)ギリシャ支部である「シリザ共産主義者テンデンシー」は、自分たちも民衆連合に加入しようとしている、と公表した。個人的には、彼らがDEAの反対に打ち勝ってこの構想の一部に正式に加わることになるのかどうか、あるいはこれが彼らの加入戦術の一部なのか、それは私には分からない。選挙の時が近づくにつれ、より多くの個人とグループが民衆連合への加入を認められることになる、と予想される。

――民衆連合の綱領はどのようなものか?

 民衆連合の大望は二〇一二年の「よい」シリザになることであり、それは、「ユーロ」に向けた幾分批判的立場を唯一の追加点とした「テッサロニキ綱領」の防衛によるものだ。民衆連合は自身を、反メモランダ、反緊縮、そして条件付きの反ユーロ政党として定義している。
民衆連合はその指導部によって、左翼社会民主主義者から極左に広がる幅広い政党として描かれてきた。民衆連合の著名な党員の一人であり、シリザ政権元閣僚であるコスタス・イシホスはロシアメディアのインタビューに答えて、民衆連合は「元々の」シリザ綱領を守るだろう、と語った。
民衆連合メンバー内部では、新党はシリザナンバーツー、「よい」シリザとなるべきか、それとも新たな綱領を備えた新しい何ものかに向けて船出すべきか、の議論がある。しかし純粋に選挙上の理由から、「よい」シリザという選択肢が確実に地歩を得つつある。

アンタルシア
の今後は未定


――アンタルシア内部にある政治構想の違いとはどのようなものか?

 アンタルシア内では過去三年、創造的な緊張関係の形で二つの異なった政治構想が共存している。一つはアンタルシアを、幅広い急進的な反EU左翼戦線に向かう過渡的な政治組織と見るものであり、主にはARANとARASが代表している。もう一つはアンタルシアを、将来における真に大衆的な革命的労働者階級政党への転換という展望に基づいて、職場と社会運動内部にさらに根を下ろす必要のある現存反資本主義戦線、と見ている。後者はOKDE―スパルタコスと変動的な程度に応じてだがSEKによって支持されている。ここで変動的程度においてと言っているのは、SEKがすでに一つの党であり、それゆえアンタルシアをその革命党が工作を展開する反資本主義戦線と見ているからだ。

――民衆連合とアンタルシア(あるいはその諸部分)間の連合はあり得るのか?

 アンタルシア内部の異なった構想は、「幅広い政党戦略」に関して国際的に起きている論争のねじれた反映だ。
現在アンタルシアの構想1は、民衆連合の形成に極めて好意的に関わっている、そしてそれとの間である種の選挙連合を、あるいは一三の左翼組織代表が署名した共同声明を基礎とした合同すらをも追求している。構想2は、SEKは民衆連合との討論に参加し、OKDE―スパルタコスはそうしていないとはいえ、一定の距離を保っている。
先週にはアンタルシアと民衆連合間の会合があった。その会合が一〇日前に他の左翼諸組織に向けて出されたアンタルシアの公開呼びかけの枠内にあったものかどうか、それともラファザニスとアンタルシアのいくつかの部分間で始まった討論に続くものであったのか、アンタルシアの多くの者にとってそれはまだはっきりしていない。
会合後に共同コミュニケが発表されたが、それは事実上、既に知られていることとは違うものは何も語っていない。すなわち、雰囲気は友好的であったが、主にユーロ圏に対する政策に関し綱領的な相違がいくつかあった、というものだ。
アンタルシアが民衆連合との間で一つの選挙連合を形成しようとするのか、あるいはアンタルシアのいくつかの構成組織(つまり、ARAN、ARAS、そしてMARS内のそれらの衛星諸組織)が民衆連合と合同しようとするのか、それともアンタルシアないしはその一部が自律性を保つことになるのか、それは、アンタルシア内部の力関係の結果によって、主にはNAR多数派が決めることによって決定されそうだ。これは、次の週末開催予定のアンタルシア全国評議会と地方委員会の一連の会合の中で察知されるだろう。

革命派の自立し
た政治表現必要

――民衆連合形成に対するOKDE―スパルタコスの対応はどういうものか?

 OKDE―スパルタコスは変わることなく、労働者階級と社会運動の自律した政治的表現を求めて、独立した階級的政治を支持する論陣を張ってきた。そしてギリシャでの現在の時期、先の政治表現は、アンタルシアの自律した存在に反映されている。われわれが一連の文書の中で真に正当だと論じてきたものは、「幅広い政党戦略」への不同意であり、革命的マルクス主義の分析と第四インターナショナルの最良の伝統を基礎としてシリザ構想に反対した諸々の理由だった。
われわれの分析は悲劇的な形で正しいと認められることになった。それにより左翼改良主義の階級的性格が明らかにされるためには、ギリシャの勤労民衆に課された第三次メモランダムを必要とした。
今日、民衆連合は同じ破綻した実験を繰り返そうとしている。彼らは同じ綱領に基づいて二〇一二年のよいシリザを再創立しようとしている。当時われわれはシリザに関与しなかった。そして今もわれわれは民衆連合に関わるつもりはない。事実私は、ローザが提起した「改良か革命か」の両立不可能性は今もって有効、と考える。反資本主義綱領を犠牲にした改良主義者との選挙連合(選挙戦線)の呼びかけは、現存の情勢に対する適応を求める呼びかけにほかならない。
われわれは、特定の課題を軸に形成され、関係諸組織間の綱領的一致を必要としない「統一戦線」を支持する。この基礎の上で、反ファシストや反レイシズム活動において、また社会運動によって優先性を与えられた他の決定的な諸課題に関して、われわれは民衆連合を含んだ他の左翼諸組織と協力することに開かれていなければならない、と考える。

ドイツ

ストライキ闘争活性化

教員たちは仲裁を拒否

秋にも行動再開か

マヌエル・ケルナー

 ドイツでは今年、賃上げ交渉をめぐって、鉄道運転士のストライキをはじめとして近年になく数多くのストライキが行われた。以下にその一端を伝えるものとして、教員の闘争、並びにルフトハンザでの労使対立に関する現地からの報告を紹介する。(「かけはし」編集部)

指導部の意向に
公然と異議表明

 数回の警告スト、そして六月半ばまで続いた四週間の無期限ストライキを経て、二〇〇万人の公共サービス従業者に影響を与える協定に責任を負う、地方政府の雇用責任者協議会は、ストライキ中断を強制できる(法律によって)仲裁システムに助けを求めた。
 この仲裁機関からの提案は、三・四%の賃上げからなっていたが、その賃上げは管理者を優遇するものであり(仲裁機関によれば、保育園長は四・五%の賃上げを得ることになるだろう)、一方で関連スタッフ(教員と他の従業者)の大多数にとっての賃上げは、一%から三%の間で違いを付けられていた。
 公共サービス関係産別労組であるベルディ(DGB――ドイツ労働総同盟、ドイツの労組ナショナルセンター――における最大産別労組の一つ)の指導者たちには、この提案を受け入れる準備ができていた。しかし、六月末に開催されたベルディ内に組織された関連スタッフの諸々の会合は、先の仲裁機関の提案に反対する意見を遠慮なく表明した。それは、賃上げに関する反対ばかりではなく、五年という非常な長期間続くと想定された協定期間に関する反対でもあった。

労組員の六〇〜
七〇%裁定拒否


一カ月前私は、影響を受けるスタッフ間の協議および八月半ばの雇用責任者との協議再開が不調に終われば、秋にもストライキ行動への復帰がありそうだ、と予想した。ベルディ組合員とDGB内の小さな教員労組であるGEWの間の協議は七月、さらに八月最初の数日行われた。その結果はいかなる疑いの余地も残していない。二労組内の影響を受ける者たちの七〇%近くは仲裁機関の提案を拒否した。DBB(DGBには入っていない州市民サービス労組)に組織されている教員と社会活動労働者の六〇%以上も同じだった。
ベルディ会長のフランク・ブシルスケが指摘する通り、この結果は「雇用責任者と同様労組指導者に対しても一つの鮮明なメッセージ」だ。そして彼は次のようにも付け加えた。つまり「ストライキは続くだろう。仲裁は失敗した」と。
立場を決めるために、連邦レベルでの集団交渉に関する委員会が八月一一日にフランクフルトで行われるだろう。八月一三日に行われることになっている交渉で雇用責任者が折れてこないとすれば、その後の日々諸々の闘いが以前の方向を再開することになり、何週間ものストライキとなることが期待できる。

教員の主張には
市民の広い認知


教員たちの決意を説明するものは単純だ。このストライキを始めるにあたって展開されたキャンペーンは、その目標として、伝統的に女性の仕事として考えられてきた、それゆえ低賃金とされてきた、教育という仕事の実質的な再評価の達成をはっきりとさせた。賃金に関するこの再評価は、似たような専門的資格をもつ他の公務従業員に合わせることを意味し、それは平均賃上げの一〇%を意味すると思われる。
これに加えて、教員の労働条件がますます厳しさを増してきたという事実がある。彼らは毎日、新しい任務(統合、包括、準備、その他)に対応するよう強いられている。それらの任務に対して特別に訓練を受けたスタッフもなしにだ。
安心感を与えるものがあり、それは、今回の場合六年前とは異なり、教員たちの主張の正統性と闘争は、市民たちの間で広範な認知を得ているということ、その中でストライキで影響を受ける親たちのかなりの数が教員たちと連帯してきた、ということだ。教員の勝利は、他の部門に対し、特に私有化進展の中に置かれている者たち、また労働条件と生活条件の退行の犠牲となっている者たちに勇気を与えると思われる。

ルフトハンザで
新しい闘争浮上

 こうしてたとえばルフトハンザのパイロットは今、従業員と旅客の安全を犠牲にして利益を高めようともくろむ新たな策動に反対を続けている。ルフトハンザは、低価格航空会社との競争能力を高めようと、長距離航路(ケニア、モーリタニア、メキシコ)に対し古いエアバス三三〇と三四〇の使用を求め、これらの航空機をルフトハンザの「自律的」子会社というシティーラインのパイロットに操縦させようとしているのだ。しかしこのパイロットたちは、短距離の航路(ベルリン―デュッセルドルフ、ケルン―ハンブルク!)に関してのみ訓練を受けてきたのであり、経験もその航路にすぎない。その上長距離航路で経験を積んできたルフトハンザのパイロットは、シティーラインのパイロットがこの新職務の訓練を受けることを援助しなければならない!
パイロットの多数は、「飛び越え」として知られるこの計画を受け入れ不可能と考えている。「われわれ自身の仕事をなくすためにわれわれが責任を負わせられるのか?」、彼らはこう問い、そして、この計画が飛行スタッフと利用者の安全に対して危険となる、ということをはっきりさせる多くの議論を提出してきた。ルフトハンザの経営者がこの計画に固執しているとすれば、われわれがいるところは新しい紛争の門口だ。
▼筆者は、第四インターナショナルのドイツにおける二つの公然分派の一つであるisl(国際主義社会主義左翼)の調整委員会メンバーであると共に、ケルンの左翼党員。(「インターナショナルビューポイント」二〇一五年八月号)

 




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