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    かけはし2015.年11月16日号

伊方原発再稼働阻止に全力を


10.31〜11.1

八幡浜市で相談会、松山市で全国集会開催

住民の意思を四国電力に突きつけよう



中村知事の同意
表明許さない!
 一〇月二六日、愛媛県の中村時広知事は、四国電力伊方原発3号機の再稼働に同意表明した。すでに一〇月六日には、伊方町議会が再稼働賛成の陳情を採択し、一〇月二二日には山下和彦伊方町長が中村知事に再稼働への同意の意志を伝えていた。また愛媛県議会でも一〇月九日に地元財界四団体が提出した再稼働を求める請願が賛成多数で採択された(社民、民主、共産、環境市民の七人が反対)。この愛媛県知事の「同意」で立地地域自治体に同意を求める手続きは「終わった」とされた。
 しかし伊方原発の防災重点区域となる半径三〇キロ圏には、山口県上関町の八島も含まれるが山口県は同意対象自治体には入らない。川内原発と同様に、三〇キロ圏の他の自治体も同意対象には含まれず立地自治体と県の同意だけで「地元手続き」が「完了」させられたことになってしまった。伊方原発は使用済み核燃料から取り出したプルトニウムを再処理して核燃料に使うプルサーマル運転を行う発電所としては、福島事故以後初の再稼働となる。
 報道によれば、来年一月以後にも「再稼働」と報じられている。しかし、地元での反対の声は根強い。アンケート調査によれば、伊方町民の過半数は再稼働に反対、あるいは危惧の思いを持っており、また伊方町に隣接する八幡浜市では市議会の一六人の議員のうち、賛成・反対は八対八の同数だ。
 伊方原発は、漁民をはじめとする住民の激しい反対運動を、権力の弾圧、四国電力のカネとデマと脅し、その他の卑劣な手段を駆使した切り崩し(そのために自殺に追いこまれた住民も出ている)によって建設された。住民たちは、決して四国電力や権力による分断・弾圧による住民運動つぶしを忘れてはいない。

八幡浜市住民
投票の成功を
こうした緊迫した状況の中で、一〇月三一日、八幡浜市松蔭公民館で「再稼働阻止全国相談会・交流会」が午後二時から開催された。北海道・泊原発、青森・大間原発、福島、首都圏、志賀原発(石川県)反対運動、高浜・大飯原発反対運動(福井・関西)、上関原発反対運動(広島・山口)、川内原発反対運動(鹿児島)など、原発立地の闘いを中心に全国から一五〇人が参加した。
開会あいさつを行った再稼働阻止全国ネット共同代表の柳田真さんは、「全国の力を伊方に結集し、再稼働を止めよう! 四国電力を驚嘆させ、追い詰める闘いを!」と訴えた。地元で伊方原発反対の闘いを長年にわたって進めてきた斉間淳子さん(八幡浜・原発から子どもを守る女の会)は、伊方原発反対住民運動の先頭に立ち、最近六八歳で亡くなった近藤誠さんの遺影を示しながら、故近藤誠さんとともに闘い、勝利のしらせを届けたいと語り、「一一月三日から一か月をかけて八幡浜市民一万五〇〇〇人の署名を集め、住民投票を実現する。八幡浜市議会の四人の反対派市議が請求代表者になる」と提起した。
草薙順一さん(伊方原発を止める会事務局長)は、福島原発事故をきっかけに結成された「止める会」が、伊方原発の運転差し止めを求める訴訟を、一三三八人の原告で進めていると報告した。
「伊方の家」とSTOP!伊方原発南予連絡会の八木健彦さんは「保守の牙城」と言われていた南予地域で、原発反対の訴えが始まり、自民党議員が「伊方原発再稼働反対」の請願紹介議員となっている、と語った。また南予地域での巡回デモを準備していると紹介。さらに四国電力への直接的抗議行動の必要を強調し、一一月二九日には四電本社のある高松市で包囲デモを行うと訴えた。

川内の教訓生か
し福島と共に
伊方原発再稼働阻止にむけた運動方針の提起に続いて、川内原発再稼働反対運動の教訓を3・ 集会実行委・「天文館アトムズ」の井上真紀さん、かごしま反原連の岩井哲さん、川内の家の岩下雅裕さんが報告した。井上真紀さんは、「『日本と原発』の上映運動で落ち込んでいた空気が変化した。今後は九電をメインの対象とする運動を」と強調した。また井上勝博薩摩川内市議(日本共産党)は、「原発再稼働は米国と財界の至上命題だが、その力に抗して再稼働を一年一〇カ月にわたって止めたという側面もある。短期決戦ではなく持久戦で長期的戦略を持って闘う必要がある」と語った。
全国からは高浜3・4号機阻止のために「若狭の家」を設立して闘っていること、東京における原子力規制委への持続的闘い、泊、大間、志賀(命のネットワーク)、関西の学生、徳島、高知、香川からも報告が行われた。高知からは全県二八市町村のうち二四市町村で伊方原発再稼働反対の決議が行われているが、人口の多い自治体では決議が行われていないこと、他方、香川では未だどの自治体でも反対決議が上がっていない、という対照的な状況。反原発自治体議員・市民連盟の結柴誠一東京・杉並区議は愛媛県議会、伊方町議会への陳情について報告し、全国の地方自治体の声を伝えようとアピール。
さらに鎌田慧さん、広瀬隆さんも駆けつけて報告。鎌田さんは一九七〇年代に「東の柏崎、西の伊方」と称された一九七〇年代の実力闘争を振り返りながら、伊方の闘いが亡くなった人びとの遺志を引き継いで続けられてきた、と語り、最近労災職業病認定された亡くなった原発労働者がやっと一四人目の労災認定だったという事実に示される、無権利な原発労働の実態を指摘した。
広瀬隆さんは、「再稼働を遅らせれば遅らせるほど勝てる条件は出てくる」と語り、来年四月からの電力自由化を活用し、原発を動かす電力会社から新電力に替えようというキャンペーンが必要だ、と力説した。
「原発いらない福島の女たち」の黒田節子さんは、福島の子どもたちの健康被害がさらにひどくなっている状況を、子どもの甲状腺ガンがついに一三八人になったことと重ねて語り、原子炉からの汚染水漏えいが止まらないことや被ばく労働の実態を見れば絶望的になるが、あきらめることはできないと強調。川内原発再稼働にあたって福島の女たちと鹿児島の女たちの共同行動を行った意義を再確認し、女たちの連携で原発を止めようと語った。
そして八幡浜の住民投票を成功させ、四国電力本社行動を成功させて四電を震え上がらせるような闘いの渦を作り出そうということが全体で確認された。
柳田真さんは「全国の力、福島の力を伊方へ、四国へ」、「原発立地の闘いを結んだ全国統一行動を」「戦争法廃止・沖縄辺野古新基地建設阻止の闘いと結んだ反原発の闘いを」という基調を貫き、東京での連帯運動、「伊方の家」の強化、「原発現地へ行く会」の運動を広げようと呼びかけた。

伊方原発ゲート
前で申し入れ
一一月一日は早朝からバスで伊方現地へ。八幡浜市内中心部からは約四〇分の道のりだ。私事になるが、伊方町と隣接した八幡浜市宮内地区は私の生まれた土地である(当時は西宇和郡宮内村)。もっとも私が三歳の時に父の転勤で一家は引っ越したので、全くと言っていいほど記憶はないが、実にそれ以来の再訪なのである。一生懸命、その美しい風景を目に焼きつけた。
一方、ピースリンク岩国・呉・広島の仲間たちは、この日、ゴムボートを出して海から伊方原発への抗議行動を行った。
伊方原発ゲート前では斉間淳子さん(八幡浜・原発から子どもを守る会)が近藤誠さんの遺影を掲げ、遺志を受け継いで伊方原発を廃炉にする決意を述べた後、石川県志賀原発、宮城県女川原発に反対する仲間、薩摩川内市の井上市議、ノーニュークス・アジアフォーラムの佐藤大介さん、若狭の原発を考える会などがアピールを行い、伊方原発の担当者に「再稼働反対」の申し入れ書を提出した。

松山市全国集会
に四〇〇〇人
一二時半からは松山市堀之内城山公園やすらぎ広場で、伊方原発を止める会が主催して「STOP伊方原発再稼働!全国集会in松山」が開催され、四〇〇〇人が集まった。
オープニングあいさつを草薙順一さん(伊方原発を止める会)が行い、司会をつとめるおしどりマコ・ケンさんのトークライブのあと協賛団体アピールを鎌田慧さん(さようなら原発一〇〇〇万人アクション)、長瀬文雄さん(原発をなくす全国連絡会)、ミサオ・レッドウルフさん(首都圏反原発連合)、柳田真さん(再稼働阻止全国ネットワーク)が行った。
鎌田さんは、伊方原発建設のために住民の反対をカネで潰し、反対運動の先頭に立っていた男性の連れ合いを騙してハンコを押させて、彼女を自殺に追いやるなどの非道な行為を行った電力資本を糾弾し「これほど非人間的でモラルに反する産業は原発しかない」と訴えた。ミサオさんは「党派の垣根を越えたゆるやかな連合で安倍政権打倒を!」と訴え、柳田さんは原発の御三家である三菱、日立、東芝は、それぞれアレバ、GE、ウエスチングハウスと結びついた兵器産業であることに注意を喚起し、安倍が作ろうとしている原発依存国家は「戦争国家」でもある、と批判した。

「総がかり」で
闘いぬこう!
次に「福島および地元からの報告」。福島からの避難者である菅野みずえさんは汚染水問題を取り上げ「外海は『コントロール』されておらず、ましてや内海もコントロールされてはいない。こんな老後が待っているはずではなかった。自分を責め続けながら気持が揺らぎ、壊れていく」とその痛切な思いを語った。
福島県農民連の根本敬さんは「来年三月で帰還困難区域以外の人びとはすべて補償から排除されてしまう。しかし収束の見込みはたっていない。そうした中で東電は過去最高の利益を上げている」と不条理極まる現実に怒りをぶつけた。
さらに伊方原発運転差止訴訟弁護団の中川創太さん、STOP!伊方原発南予連絡会の斉間淳子さんなどがあいさつ。社民党の吉田忠智党首・参院議員、日本共産党の笠井亮参院議員の連帯あいさつの後、元首相の菅直人衆院議員も発言。「私も原発安全神話におかされていた。海に大量の放射能が流れ出れば瀬戸内海は元に戻れない。チェルノブイリも廃炉のためにはあと一〇〇年はかかる」と原発事故がいかに取り返しのつかない結果を引き起こすのかについて警鐘を鳴らした。
集会の後、参加者は二コースに分かれて松山市内をデモ行進した。伊方原発再稼働を止めるために、全国の力を結集し「総がかり」で闘いぬこう。   (K)



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