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    かけはし2015.年11月16日号

住民と防衛省の約束は反故に


10.31Xバンドレーダー基地反対現地集会

沖縄・全国の反米軍基地闘争と連携


 【大阪】米軍基地建設反対丹後連絡会と米軍基地建設を憂う宇川有志の会の主催で、米軍基地いらない京都府民の会とXバンドレーダー基地反対近畿連絡会が共催する丹後現地での集会が一〇月三一日、アミティ丹後ホールで開かれ、七〇〇人を超える市民が参加した。三野みつるさん(米軍基地建設を憂う宇川有志の会代表)のあいさつの後、赤嶺政賢さん(オール沖縄の会、共産党衆議院議員)から沖縄の闘いの報告が行われた(別掲)。
続いて、国会報告として倉林明子さん(共産党衆議院議員)とビデオレターで福島瑞穂さん(社民党参議院議員)からの意見表明があった。
現地報告は永井友昭さん(米軍基地建設を憂う宇川有志の会事務局長)が行った。また、地元議会の報告を田中邦生さん(京丹後市議会議員)が行った。

元凶は日米地位
協定と国の姿勢
現在米軍基地にかかわる根本問題は、最初に国と交わした基地建設の前提としての約束、防衛省が行った約束がほとんど守られていないということだ。「住民の安全・安心の確保」がなし崩しにされ、米軍最優先でことが行われている。元凶は、日米地位協定と国の姿勢にある。
具体的には、@自衛隊工事・米軍二期工事(米軍宿舎建設と下水道の整備)の件。安全対策と住民説明会を求めているが、当局はやろうとはしない。A騒音の件・低周波騒音の件。防音フェンスは設置されたが、効果はない。B自動車事故の件。二〇件発生(うち米軍加害が一五件)している。防衛局が保険業者に勝手な示談を勧めさせている。C米軍人軍属がスピード違反しても処分はない。
D島津地区のシェネガ軍属住宅建設の件。六月の一方的な建設説明に対し、民意を問うための住民意向調査が行われたが、市長は調査結果の公表はしていない。調査そのものが人権侵害だという。Eレイセオン社の軍属四〇人は、宿舎から集団通勤という当初の約束を破って、Yナンバーの自家用車で基地に通勤。住民の住宅と混在して居住している。Yナンバー車は現在五〇台以上確認されている。Fビッグボールとクリームハウスという通信エリアは、衛生電波傍受用でMDA構想のためのものだとわかった。G基地に搬入される危険物質がどんな内容の物か明らかにしていない。H議会の機能停止。宇川の陳情は不採択。など、一五項目に及ぶ。
基地問題の原点に戻って、声を上げ続ける。沖縄など全国の反米軍基地の闘いに連帯し京丹後に反米軍基地の旗を立て続ける。
続いて、各団体からの発言としては、奥村一彦さん(米軍基地はいらない京都府民の会)、大湾宗則さん(Xバンドレーダー基地反対近畿連絡会)、池本昌弘さん(フォーラム平和・関西ブロック事務局長)、地元住民として長砂文夫さん(網野町島津在住、メッセージ)と坂本芳雄さん(丹後町宇川在住)が発言をした。 連帯メッセージとして、ブルース・ギャグノンさん(グローバルネットワーク・コーディネーター)のビデオレターが紹介された。
近江裕之さん(米軍基地建設反対丹後連絡会事務局長)の閉会のあいさつで終了。続いて、市内のデモ行進に出発した。  (T・T)

赤嶺政賢さんの報告から

沖縄にも京都にも
軍事基地いらない

「本体工事」と
いう情報操作
政府は沖縄の負担軽減というが、少しも減っていない。復帰しても沖縄の米軍基地は減っていない。かつて屋良朝苗主席は、復帰したら基地がなくなるのが当然だと激しく抵抗した。このとき、佐藤首相は、復帰すれば事件や事故の少ない本土並みの米軍基地になっていくと宣伝した。負担軽減論は、本土に米軍基地を拡大し、その反動で沖縄のさらなる基地強化につながるものだ。
辺野古の本体工事に着工したと、日本政府は大々的にテレビ速報で報じた。着工したと政府が言う本体工事とは、キャンプ・シュワブの米軍隊舎を壊したがれきの袋(仮設道路の建設に使うといっている)の位置をクレーンで少し動かした、海上のフロートとブイを再び設置したということ。もう辺野古の新基地建設は止められないという雰囲気を広めようと意図したわけだ。
しかし、本体工事を始めるには、名護の漁港を資材ヤードとして使う名護市長の許可がいる。川の流れの変更工事の許可もいる。名護市長は、本体工事はウソだと表明した。翁長知事が埋め立て承認を取り消した。これにより、工事を進める法的根拠が失われ、資材一個も動かせなくなった。そこで政府は行政不服審査法を使って取り消しの執行停止を強行し、工事が再開した。しかし、この法律は行政権力から不利益を受けるとき国民の権利を守るための法律だ。こんな無謀な使い方が許されるなら、日本は法治国家ではなくなると、行政法の専門家九六人が共同声明を出した。
沖縄では埋め立てに県外の土砂を使ったことは一度もない。辺野古埋め立てでは七割が県外だ。外来生物の混入が心配される。アルゼンチン蟻はサトウキビが大好物で、この蟻がいたらサトウキビは全滅する。この蟻が一匹でもいたら認められないという条例を沖縄県がつくった。埋め立て土砂は一つも運ばれていない。これからも本体工事はさせないという沖縄と本土の連帯したたたかいをしたい。

ゲート前の闘い
をさらに強化
自然破壊をできるだけ少なくすると、防衛省は埋め立て申請の中に書いている。海兵隊がビーチとして使っている砂浜にウミガメが産卵する。ここを埋め立てるというが、じゃあウミガメの産卵場所はどうなるのか?政府としてはウミガメの産卵場所として適切な場所を確保して提供するという(会場から笑い)。防衛省はこの程度なのだ。
法廷闘争になっても勝てる資料を持っている。法廷闘争は高裁から始まるが、司法だけで解決するとは思っていない。これからの闘いの三つの方向、@日本全国の国民的高揚の中で裁判闘争をやる。A辺野古のゲート前のたたかいをもっと強化する。県民の気持ちがわかるようにと、新人研修でゲート前に社員を送っている企業もある。売り上げの何%か辺野古の闘いに寄付している。大がかりなゲート前の闘いを組織するために新たな組織を一一月に立ち上げる。
B来年一月二四日の宜野湾市長選には新基地反対候補を擁立し、翁長知事を支え建白書の実現(県内移設断念・辺野古に基地はつくらせない・オスプレイは撤退させる・普天間基地は閉鎖撤去)をめざす。市長候補の記者会見の時にマスコミが質問した。「あなたは県外移設・国外移設とは言わないのか」と。「そのようなことは安保を認めている政府がやること。我々が求めるのは普天間基地の閉鎖撤去だ」と答えた。基地は沖縄にも京都にもどこにもいらない。ガンバロウ!(発言要旨、文責編集部)

10.30

狭山事件の再審を求める市民集会

不当有罪判決から41年

いまこそ事実調べ・再審開始を


「不屈の精神」で
闘うと石川さん
 一〇月三〇日、日比谷野外音楽堂で「不当有罪判決から41年!いまこそ事実調べ・再審開始を!」狭山事件の再審を求める市民集会が開かれ、全国から部落解放同盟、解放共闘、労働組合、市民団体がかけつけ会場を一杯にした。
 こぐれみわぞうさん(ジンタらムータ)のミニコンサートが前段で披露され、組坂繁之さん(部落解放同盟中央本部委員長)の開会あいさつに続き、民主党の小川敏夫さん(参議院議員、元法務大臣)が連帯のあいさつを行った。
 石川一雄さん(再審請求人)がさっそうと登壇し、「私はまだ青年だ。司法に迫っていく。寺尾裁判官に弁護団は部落民の証人申請をしたが却下した。そこで私は最終意見陳述で寺尾こそが権力の元凶だと批判した。五二年間、紆余曲折あったが、皆さんは私一人のために、汗をかき、血を流し、おカネを使って駆けつけてくれた。まだまだ前進するためにご支援をお願いしたい。不屈の精神で闘う」と決意表明した。
 連れ合いの早智子さんは「石川は今日勝負のネクタイをしている。これは布川事件に無罪判決が出た時していたネクタイ」だとふれ、石川さんの決意を明らかにした。さらに「東住吉えん罪事件で再審が決定し、えん罪をなくせの声が広がっている」と指摘し、狭山事件の早期再審決定を求めた。

再審の扉開く
新しい開示証拠
弁護団報告を中山武敏さん(狭山弁護団主任弁護人)と中北龍太郎さん(狭山弁護団事務局長)が行った。中北さんが争点を明らかにし、石川さんの無罪の証拠が開示されていることを説明した。
「二五回の三者協議(裁判所、検察、弁護団)が行われ、新たに一八五点の証拠が開示された。この開示された証拠は無実を証明することができ、再審を開かせる宝だ」。
「自白が信用できる、客観的な七つの証拠がある、として有罪判決を下した。犯人しか知らない秘密の暴露ということで、被害者の万年筆が最重要なものとされている。その万年筆が石川さん宅の鴨居にあったとされているが、石川さんは鴨居の上に隠したという図面を書かされた。その図面に警察官が手をいれた。石川さんの図面を改ざんしたことが明らかになった」。
「脅迫状を被害者宅に届ける途中でオート三輪車に追い越されたという石川さんの自白は、すでに警察がその場所をオート三輪車が通行していたことを知っていて誘導した疑いが高い。脅迫状について石川さんは書いていないと否認している。それに対して取調官は筆跡鑑定であなたが書いたと確定している。間違いない。なぜ書いたのか供述する義務があるとせまった。逮捕直後に書いた上申書が四七年ぶりに開示された。なぜ隠していたのか。それは鑑定すれば脅迫状と石川さんの筆跡が違うことが分かるからだ。自白は作られたものだということが開示された取調録音テープから明らかになった。検察は証拠を隠してきた。検察の有罪の決め手とするものはガラクタにすぎない」。
片岡明幸さん(部落解放同盟中央狭山闘争本部長)が「狭山裁判はどこまできて、どうなっているのかについて」基調提起した。
「二〇〇九年門野博裁判長が証拠開示を勧告してから六年、大きく前進している。あと一歩のところに来ている。一八五点の証拠が開示された。石川さんの無罪を証明する上申書、手ぬぐい、録音テープと重要な証拠だ。特に録音テープを聞くと、事件のことについて何も知らないことが分かる。字が書けない、読めないので脅迫状を書けない。遺体は麦畑の農道に埋められていた。石川さんは足首を持って運んだと最初供述した。その後、抱えて運んだに変えた。それは当日雨が降っていたので、足首を持って運んだら、遺体は泥でどろどろになってしまう。これでは発見された遺体と違うので、捜査官によって誘導され、変えた供述をしたということだ」。
「展望について。もう少し時間がかかる。証拠開示を追求している。それが出てくるまで手をゆるめない」。

えん罪被害者
の怒りと結んで
菅家利和さん(足利事件)、桜井昌司さん(布川事件)、袴田秀子さん(袴田事件)、山崎俊樹さん(袴田さんを救援する清水・静岡市民の会)の皆さんがえん罪をつくり出した検察・裁判官への怒りと、石川さんへの熱い連帯、狭山再審の実現のアピールを行った。袴田巌さんは四八年間の拘禁によって、精神を病みそれがまだ回復していないが散歩に毎日出ることを楽しみにしていることを秀子さんが報告した。また、いったん静岡地裁が再審を決定したが、検察の異議を受けて東京高裁は弁護団のDNA鑑定をもう一度やり直すことを決定してしまった。再審開始には時間がかかると報告した。
金聖雄監督は「『夢の間の世の中』袴田巌 失われた時間を彷徨う――」がもうすぐ完成し、来年二月末から全国ロードショーが開かれることを明らかにし、「権力(警察・検察・裁判官)のうすぎたなさを明らかにし、社会を動かしていかなければならない。力強く優しく、毎日を生きている巌さん、秀子さんの姿をおった」と話した。
香山リカさん(精神科医)は「えん罪事件といっても実感がないだろうが、戦争法反対で出てきている若者はきっと理解してくれるだろう。若者たちに話しかけよう。ウソの自白の強要について。犯罪心理学などで研究が進み、権力が介在するといとも簡単にウソのことを言ってしまう、記憶さえも改ざんされてしまうことが明らかになってきている」と指摘した。
集会アピールの採択、鎌田慧さん(狭山事件の再審を求める市民の会事務局長)のまとめがあり、銀座数寄屋橋を通り、常盤橋公園までデモ行進をして、狭山再審の実現を訴えた。           (M)


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