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    かけはし2015.年11月23日号

統一左翼として連携追求を


英国

コービンを支える「モーメンタム」結成

ソーシャリスト・レジスタンス

http://internationalviewpoint.org/spip.php?article4274


 世界の左翼に驚きと共に大きな関心を呼び起こした英国労働党を揺るがしたコービン現象は、英国内の急進左翼にたいしても大きな挑戦課題を提起した。この現象は、労働者民衆内部で潜行する急進化とそのエネルギーの蓄積を示したが、その潜在的可能性とどのように向き合うべきか、その反資本主義的発展をどのような具体的取り組みの中で進めようとするのか、という課題だ。労働党から独立した政治勢力への結晶化という問題が再び論争の中心に置かれ、統一左翼の中で重要な論争課題になろうとしている。以下では、それがどのような事態の展開の中で問題となっているのか、そして英国の同志たちがどのような姿勢でそこに挑もうとしているのか、を論じている。(「かけはし」編集部)

これまでと違った政治が始動


労働党党首選におけるジェレミー・コービンの勝利を印した九月一二日は記念すべき一日となった。彼の勝利の規模および運動に参加した何千人という人びと――特に若者たち――は、両者ともに並外れたものだった。
彼が論争と議論に取り組んだやり方、そして政治の再形成を始動させ、論争の中心を左に動かし始めたその方法は、この夏を通じてすでに明白となっていた。そしてその推進力は継続してきた。コービン現象はすでに政治的議論を左へと押し進め、本物の政治を議事日程に回復させた。
今争いの中心にあるものは、保守党の理念――労働党の議席を占めた多くの者たちがそれに挑むこともなく放置し、僅かに柔らかな言葉で繰り返してきたもの――、つまり緊縮に代わるものはまったくないという考えだ。事実はそれとは逆であり、影の財務相、ジョン・マクダネルがはっきりと論じたように、緊縮は一つの政治的選択であり、貧しい者をより貧しくし、富めるものをより裕福にすることを追求する、まさにそうした選択なのだ。
この成果はすでに明白だ。労働党は党員数が倍化し、その規模は今や他の全政党を合わせた数より大きい。以前には活動経験がなかった、あるいは今回以外ではもう何年もの間活動しなかった人びとが、活動参加に積極性を強めつつある。
コービンは聴衆範囲を広げ続けている――たとえば、首相のクェスチョンタイム(英議会における党首討論:訳者)の中で彼に取り上げさせたいと思うテーマを人びとに問いかけることによって――。チーム・コービンは、障がい者の活動家たち、まともな住宅を探している人たち、数多くの他のさまざまな課題に悩んでいる人びと、こうした人びとに発言の機会を与えつつある。政治家の間に違いなどまったくないという考えは、この違った政治のやり方によって挑戦を受けつつある。

右派の策動つぶす可能性はある


労働党内右派は、完全にではないが今沈み込んでいる。彼らは、労働党は反緊縮政党であるとコービンが言明した事実に対抗することができていない。
彼らはコービンの足場を掘り崩す何らかの機会を探し続けている。コービンに反撃する最初の大きな機会は、来年五月の選挙――英国の大多数における地方議会選挙、加えてスコットランド議会、ウエールズ議会、ロンドン市長の選挙――後に来る可能性があると考えられる。ここで労働党がふるわなければ、コービンに責任をとらせるもくろみが出てくるだろう。
しかしそれですら簡単なことではない。
労働党はスコットランドで、今年五月に喫した以上に悪くなりようがないのだ。コービンがその時スコットランド労働党にあれ程の打撃を与えたユニオニズム(イングランドとスコットランドの統合を支持する政治運動、現在では北アイルランドとイングランドの統合支持運動を指す場合が多い:訳者)から距離をとることがあれば、むしろもっと良い結果になると思われる。
さらに、彼が選挙すべてに対し比例制を唱導するとすれば、英国全体にわたる彼の展望を助けると思われる。また彼が、保守党の課題設定のやり方が気候変動の惨禍に立ち向かうというよりもむしろそれに力を貸している、ということを指摘するためにCOP21への準備期間を利用するならば、それも彼に肯定的に働くと思われる。
英国中ではっきりしていることだが、コービンの波は、来年五月の選挙で労働党のために活動する、この何十年間――かつてあり得た――よりももっと多くのエネルギーと民衆を意味するだろう。他方で、そこでの各候補者がどの程度コービンの政策並びに彼の政治のやり方と自身を一体化するかも、一つの影響力を与えるだろう。
反緊縮諸政策を支援するために労働党に合流した人びとは、当該地域の図書館を閉鎖したり演劇グループを締め出したり、また地域サービスの私有化を支持したり自治体労働者の諸条件を攻撃したりしてきた候補者に熱を上げるつもりなどないのだ。

労働党との関係が再び問題に


これが、コービンの選挙運動を「モーメンタム」――労働党内外の民衆を巻き込んだ全国ネットワークを固める枠組み――に転換するために取られてきた歓迎すべき、かつ大胆な諸決定の背景だ。それに基づいてコービンが選挙に勝利した政策を守るためには、そしてそこに向けた多数派を社会内部に築き上げるためには、一つの社会運動が必要になる。すなわち、緊縮に反対し、戦争に反対し、市民的自由と労働の諸権利を支持する――それらを英国中の多数派的観点にするために闘う民主的な枠組みの中で、それらの理念を支持し集団的に努力する人々すべてに開かれた――一つの運動だ。
労働党員自身が地域でまた全国で、党組織を民主化することに、さらに街頭で運動することに相対的な優先性を置くことを身につける必要がある、という数々の議論は確かにある。しかし、なされるべきことをやる上では、あるいはこの夏が示した潜在力をつなぎ止める上では、ここであげた基礎に基づいて組織するだけでは不十分だ。コービン、マクダネル、また考えを共にする人たちは、これについては極めてはっきりしているように見え、その点をはっきりとさせている点で支持されるべきだ。
もちろんこのすべては、労働党外の左翼に位置している諸組織に対し大きな挑戦課題を提起している。
緊縮に反対する人びとに対し政治的なオルタナティブを提供するために設立された統一左翼は驚くことではないが、この討論を一一月に行われるその評議会におけるもっとも重要な議題にしている。英国の非民主的な選挙制度、および労働(社会民主主義の)党との特別な歴史的関係を一体とした統一的な労働組合運動が意味することは、コービンの勝利に導いた急進化が、欧州の他のところでは過去一〇年かそこら存在するにいたった左翼の幅広い政党として起き続けてきた波に反して進んでいる、ということだ。

統一左翼の独自性は依然不可欠

 ある人びとはコービンの下の労働党に加入することをすでに決断している。彼らには幸運を願うが、われわれは、「モーメンタム」の中でまた個々の運動の中でみのり豊かに共に活動を続けることを期待している。他の人々は、統一左翼が党としての機能を停止するよう、そしてネットワーク内外の別のものとなるよう――その特定のセールスポイントがどういうものと考えられるかを説明しないまま――提案しようとしている。
ソーシャリスト・レジスタンスは、その道に沿って進むことは深刻な過ちとなる、と考える。われわれは、統一左翼は、この段階では労働党との提携を追求するべきだ、と考える。われわれはそれを、コービンを軸とした運動とそれがすでに影響を与えた転換に対して、われわれが向ける真剣さをはっきり示すこととして理解している。われわれは、統一左翼はその別のものとしての独自性、それ自身の政策、組織、そして指導部を保持する必要がある、と考える。
反緊縮の闘争を導き、ほんの少数のではなく、多数の利益に置かれる政策を推し進めることのできる急進的な左翼政党に対する必要性は、絶対的に不可欠なものとして今なお残っている。チーム・コービンの目標ははっきりと、そうすることができる勢力として労働党を固めることだ。しかし、重要な変化がすでに起きたとはいえ、前途には依然数多くの障害がある。
それこそが、ソーシャリスト・レジスタンスが統一左翼の中で重要な役割を果たし続けると共に、「モーメンタム」とそのイニシアチブを心から支持し続けることを目標にする理由だ。

▼ソーシャリスト・レジスタンスは、スコットランド社会党、社会主義連合、またレスペクト党によって映し出された再編を支持した英国のマルクス主義者により、二〇〇二年に創立された。その支持者は二〇〇九年七月、この組織を第四インターナショナル英国支部としてあらためて創立した。(「インターナショナルビューポイント」二〇一五年一一月号)

ギリシャ

公的部門と民間部門の一日ゼネスト

新政権との最初の力くらべ

草の根から精力的に準備

http://internationalviewpoint.org/spip.php?article4283


 明日(一一月一二日)は、シリザの新政府、およびこの夏に署名した第三次メモランダムの一部としてその政府が議会を通過させたばかりの残忍な緊縮諸方策に対する、社会戦線における最初の大きなテストとなる。公務員の全国労組連合(左翼が多数派を保持しているADEDY)と、民間並びにより幅広い公共(あるいは元公共)部門のGSEEの二つの労組連合によってストライキが呼びかけられている。後者の連合は、PASOKと新民主主義の腐敗した労組官僚によって今も支配されている。
 ストライキは、もっと草の根のレベルでは、先週の海員、交通労働者および自治体従業員の支部ストライキによって、大学の学生と高校の生徒の諸行動によって準備されてきた。それはまた、KKE(ギリシャ共産党)とその組合活動家戦線であるPAMEによっても呼びかけられている。それは、諸々の社会運動(特に不気味に迫る賃貸料支払い遅延による住宅取り上げの波に反対する運動)によって、さらに急進的かつ反資本主義左翼(民衆連合とアンタルシア)の諸勢力によって精力的に準備されてきた。
 シリザ(党としての)は昨日、彼らもストライキを求める(!)声明を出したが、それは、当てこすりから怒りへ、あるいはまったくのお笑いに広がる諸々の反応の引き金を引くことになった動きだ。予想されることとして、シリザの公式代表(もちろんのことだが、一般党員や支持者や労組活動家ではない)は、過去にPASOK代表に起きたように、計画されたデモや集会への参加を物理的に阻止されるだろう。
 この間債権者たちは、もっと多くの「先立つ行動」が議会で採択されること、そしてメモランダムの枠組みの中で政府が約束している「改革」の全体的加速化を要求しつつ、今月が期限になっている二〇億ユーロの「支援金」払い込みを遅らせ続けている。どのような形であっても、年金制度の中で残っているものを解体し、道理に反した課税を通して中小農民を破滅に導く最悪の諸方策が、今月投票にかけられると予想されている。(スタティス・クーヴェラキスを介した現地報道)(「インターナショナルビューポイント」二〇一五年一一月号)


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