もどる

    かけはし2015.年11月30日号

テロにも非常事態宣言にも反対


ISテロ

フランス軍は中東・アフリカから撤退しろ

難民への攻撃・排斥を許すな!

 一一月一三日にパリで「イスラム国」によって組織された同時多発テロは、死者一二九人、負傷者二九一人も出した。われわれはこのテロ襲撃を絶対に許さない。同時にフランス大統領が叫ぶ「テロへの返答」という戦争宣言にも反対する。オランドはこのテロ襲撃を支配体制の強化に利用しようとしているのだ。ここではフランス・NPA、フランス・アンサンブル、シリア、パキスタンの四つの声明を紹介する。(「かけはし」編集部)

フランス

テロの犠牲者に連帯を!

戦争とレイシズムに反対を!

フランス:反資本主義新党(NPA)

http://internationalviewpoint.org/spip.php?article4292


 金曜日(一一月一三日)の夜にパリで起きた恐ろしい襲撃は、一二九人の死者と三五二人の負傷者を出した――負傷者のうち一〇〇人以上が重態である。この無差別で反動的な暴力は、全国的な――それだけではなく世界的にも――驚愕、怒り、反感に火をつけることになった。この週末には、自然発生的な連帯集会が行われる。
 NPA(反資本主義新党)は、この悲劇の被害者となったすべての人びと、犠牲者の家族や親密な関係にあったすべての人びとの嫌悪の感情を共有し、連帯を表明する。シリアやイラクやアフリカで戦争を行っている政府に対して闘うのではなく、殺人的暴力が何の罪もない犠牲者、一般の人びとに対して行使されたことはとりわけ衝撃的で、耐えがたいものである。それはかれらが独裁を敷いているイラクやシリアにおいてやっていることと同様である。

やつらの戦争
を拒否する
オランド(大統領)、バルス(首相)、サルコジ(前大統領)、ルペン(極右国民戦線の指導者)は、フランスは戦争をしているとわれわれに告げている。それは事実だ。しかしその戦争はわれわれの戦争ではない。それはテロへの返答ではない。なぜならそれはこの国の歴代の政府が、アフガニスタン、マリ、リビア、シリアで遂行した戦争だからである。この戦争は最初にアルカイダ、それからイスラム国を生み出したカオスを作り出してしまったのだ。そしてテロリストの返答を引き起こしたのはシリアに介入するとしたオランドの決定だった。
こうした爆撃はイスラム国、ジハーディ・テロリストとの戦いだと思われているが、ロシアの介入・爆撃とならんで、実際のところはシリア民衆の苦難に主要な責任がある個人のシステム、すなわちアサド独裁体制を支えているのである。恐怖の下で生きるか、生命への恐怖から逃げ出すかを宣告されている最初の犠牲者も、この市民たちである。フランスは、中東とアフリカから軍隊をただちに撤退させなければならない。

国民的団結に
反対しよう
オランドは、一月七日(「シャルリ・エブド」襲撃事件)の後にそうだったように、「国民の団結」を呼びかけ、議席を持つかいなかに関わりなく、この呼びかけを支持したすべての政党に面会した(賛成するかしないかに関わりなくすべての議会政党から、それは受容された)。この団結は、犠牲者との連帯とはなんの関わりもない偽善である。
オランドはこの悲劇を彼にとって有利になるように利用し、彼の戦争政策への民衆の支持を取り付けようとしている。彼はまた、国内に広がる不満を沈黙させようとしている。右派と極右はエンジン全開で発進し、イスラムと原理主義を同一視して「予防的拘束」の強制、モスクの閉鎖等々を提案している。
しかし戦争を引き起こしたのはムスリムではない。まったく逆だ。かれらはシリア、イラク、フランスにおいて最初の犠牲者である。われわれは、バーバリズムの原因、とりわけ大企業による貧しい国々の収奪に対して闘わなければならない。このために、その出身、皮膚の色、宗教、国境を越えて、この世界を築いた者に対して反対する労働者と民衆の統一を必要としている。非常事態宣言を実施する政府の選択は、逆の方向に向いている。
非常事態宣言は、市民の安全を保障するものではない。全く逆だ。それは報道への国家統制を行い、市民の集会やデモを禁止する。こうした諸条件の下で、どのようにしてわれわれの怒り、犠牲者への連帯を表明するのか。どのようにしてエール・フランスなどでの整理解雇に抗議し、レイシズム、戦争に反対するのだろうか。
NPAは非常事態宣言を解除し、過酷な法的措置を終わらせるよう呼びかける。
犠牲者への連帯を。戦争・テロリズム・レイシズム反対。ともに決起しよう。
二〇一五年一一月一六日

フランス

アンサンブルの声明

怖れに立ち向かい連帯を!

二〇一五年一一月一四日

http://internationalviewpoint.org/spip.php?article4289

 今日は哀悼の時だ。
 一一月一三日金曜日に起きた殺人テロ攻撃は数多くの犠牲者を生み出した。われわれの同情と連帯は、この攻撃に苦しみを受けたすべての人たちに、犠牲者の家族に、そして犠牲者に近しい人々すべてに向けられている。
 これらのテロ攻撃は、シャルリー・エブドと一つのスーパーマーケットに対してこの一月に起きたパリの攻撃、またチュニジアのバルド博物館に対する攻撃に続くものだ。それらは、レバノン、シリア、イラク、トルコ、パレスチナ、そしてその他で中東を襲ってきた悲劇をそのまま繰り返すものだ。それらの背後にいるテロリストグループは、さまざまな民衆間の戦争の引き金を引くことを目的に、自らを宗教で覆い隠す全体主義的なイデオロギーによって駆り立てられた一つの組織、イスラム国によって組織され、鼓舞されている。
 こうした条理を外して凝り固まった政治グループは、バッシャー・アルアサドによって自身の民衆に対して行われた血みどろの戦争、そしてイラクへの米国の介入がもたらした恐るべき結末に基づいて、シリアとイラクに豊かな活動領域を見出してきた。彼らは、その上軍役を押しつけられ、死をもものともしない宗派的論理にとらえられ、絶望に駆られた人びとの間に聴衆を見出している。
 われわれは一つの試練を前にしている。
 その回答は、いわゆるどのような「挙国一致」の中にも、市民的自由の取り上げ競争の中にも見出されないだろう。民衆の安全を保証する諸方策が必要とされているが、しかしわれわれは、会合、集会、デモを妨げ個人の自由の腐食に余地を与える、そうした非常事態宣言には反対する。
 われわれはかつて以上に、どのような住民層であれ彼らの支配が及ばない行為に関し責任を帰せられることに抵抗しなければならない。そして、レイシズム的、イスラム叩き的反応すべてに、同じくこれらの攻撃が鼓舞しようと意図している反ユダヤ主義と共謀理論に反対しなければならない。
 われわれは、自由と民主的な諸権利を求めて闘っている、シリア、イラク、レバノン、パレスチナ、トルコ、そしてクルドの民衆への支援を声を大にして求める。
 市民の運動が怖れに打ち勝たなければならない。われわれは、連帯を求める統一された民衆的運動を、移民と難民の受け入れを、社会的公正と民主主義を、声を大にして求める。
▼アンサンブルは、フランス左翼戦線内の一組織。フランスの第四インターナショナルメンバーがその中で活動しているいくつかの潮流によって二〇一三年に形成された。(「インターナショナルビューポイント」二〇一五年一一月号)  

シリア

ドウマ市 革命派の声明

アサド政権にもテロにも反対

希望と平和のために団結を

http://internationalviewpoint.org/spip.php?article4288

 あらゆる色合いから生まれているテロリズム、包囲攻撃、死、そして皆殺し行為に苦しめられてきたドウマ市から、ドウマ革命派は、過激主義、テロリズム、攻撃のあらゆる形態に反対している被抑圧者と共にあることを表明する。
 われわれは自由な人間であり、どこにあろうとも自由な人間であり続けるだろう。

フランスの民衆とフランス政府に対する、ドウマ民衆からのお悔やみ状(2015・11・14、ダマスカス郊外ドウマ市)

 われわれは何よりもまず、家族を失ったすべての人びとに心からのお悔やみを表したいと思う。われわれ、ドウマ市の、アサド政権による包囲攻撃下で生きている市民は、昨日フランスに加えられたテロ攻撃を強く非難する。われわれは、ダエシュによる、あるいは他のテロリストグループによる市民の標的化のどちらも、また同じくいくつかの政府が遂行している国家テロも厳しく糾弾する。われわれはみなさんに次のことを思い起こしてもらいたいと思う。つまりわれわれは、ドウマで、今にいたるまで五年間、アサド政権の組織されたテロリズムの中で生き、それに苦しんできたということを。
われわれの子どもたちは政権の爆撃により何度もバラバラになった。何人もの女性と老人たちもそうだった。自由と民主主義と権威主義に終止符を打つことを求めたという、ただそれだけの理由で包囲攻撃下で生き、皆殺し攻撃に直面している市民としてわれわれは、アサド政権に、またわれわれの国とこの世界に起きているテロリズムの原因に終止符を打つことに向け互いに助け合うことができるように、まずフランスの人びとに、そして平和と自由を求めるすべての人びとに声を届かせようとしている。
われわれが希望することは、われわれの世界をもっと安全に、またもっと文明的にするために、互いに助け合うことができれば、ということだ。
二〇一五年一一月一五日
(「シリア・フリーダム・フォーエヴァー」より)(「インターナショナルビューポイント」二〇一五年一一月号)

パキスタン

パリの大規模テロ事件について

宗教的原理主義との対決を

ファルーク・タリク(アワミ労働者党書記長)

 パリはムスリムの宗教的テロリストによって襲撃された。今日の午前八時までに一六〇人以上が亡くなっている。パリには非常事態と夜間外出禁止令が敷かれている。
 われわれは最愛の人を亡くした家族に心から同情するとともに、フランスの人びとに連帯する。
 とりわけヨーロッパに住む一般のムスリムの生活は、こうした事件の後ではとりわけ困難なものとなるし、労働者階級の間で、レイシズムがさらにその基盤を広げることになる。シリアなどの諸国から欧州に迎えられた難民たちの生活は、さらに厳しいものとなる。
 右翼の思想は、左翼の多くの新組織によってこの間、その地歩を奪われてきたが、新しい余地を見いだすことになる。
 難民を守り、レイシズムと闘う進歩派は、その機会を維持することが難しくなる。
 宗教的原理主義者は世界のどこでも、人道への最大の脅威となっている。
 宗教的原理主義に対しては、イデオロギー的地盤において闘わなければならない。
 原理主義に対する通常の軍事的解決策は、九・一一後に起こったような否定的な結果をもたらすことになる。九・一一の後、米国とNATOの軍隊はアフガニスタンを占領したが、宗教的過激派はさらに広がり、新しい国にもその基盤を拡張した。
 他の勢力と闘っている宗教的原理主義への支援は、それがいかなる勢力であろうとも、大きな誤りである。どこでもファナティックな過激派を孤立させなければならないし、あらゆるファナティックなグループとのつながりを終わらせ、宗教的ファナティック派のあらゆる形態を支援してはならない。
 二〇一五年一一月一四日
 



もどる

Back