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    かけはし2015.年12月7日号

強い国家への動きを糾弾する


ベルギー

第四インターナショナル派は

LCR・SAP書記局

http://internationalviewpoint.org/spip.php?article4299


 一一月一三日に起きたパリでのテロ攻撃の実行者はベルギーを拠点としていたと報じられている。それをもって今ベルギーでは厳しい厳戒態勢が敷かれている。しかしその警戒態勢には、長期に続く中央政府の事実上の機能停止、そしてこの一年大きな高まりを見せてきた反緊縮を求める労働者の闘争(例えば本紙二〇一四年一二月一日号)に対する支配的エリート側からの巻き返し、というもくろみも見え隠れしている。以下に紹介するベルギーからの報道がそれを伝えている。(「かけはし」編集部)
 LCR・SAPは、警戒警報「レベルフォー」の発動による全市閉鎖発令としての「ブリュッセル ロックダウン」の三日目に、以下の声明を出した。

 LCR・SAPは、テロとの戦いを名目として導入されてきた諸々の反民主的な手続きに関しこの間警報を鳴らしてきた。
非常事態宣言強制に当たって、どのような民主的な統制もないまま安全保障会議がOCAM〔ベルギー治安機関〕のはっきりしない見解の陰に隠れることを許すなど、LCR・SAPにとって受け入れられることではない。
首相は一一月二三日、少なくとも一〇日間という一定期間この非常事態宣言が継続することを公表した。彼は政府としてのいかなる説明も拒んだ。われわれは、行政執行メンバーが、「十分な良心」をもって行動中である……、と語っている事実で満足するものと見られている。それは、LCRの見解では、乱用に扉を開くものだ。
LCR・SAPから見てミシェル政府は、政治とメディアにウルトラな安全保障優先の空気を押し込むために、ダエシュの恥ずべき攻撃が巻き起こした恐怖感を冷笑的に利用している。そしてその空気とは、その中で不公正な新自由主義政策に対するあらゆる異義突き付けが、敵のゲームとして行われている、と指摘される空気だ。
レベルフォーの警戒警報にもかかわらず学校と地下鉄を再開するという首尾一貫しない決定は、この政治的な情勢利用の冷笑性を見える形で示すものだ。
ジャムボン長官は諸労組にテロと戦っている枠組みの中で「責任をもつ」よう、それゆえ現在の空気を乱すあらゆることをやめるよう訴えたが、それが「ミシェル1」という反社会的方策に反対する二四時間ストライキの日である二三日であったことは、些細なことではない。ミシェル政府に対する「左派反対派」と見られていたジョエレ・ミルケットもまた諸労組への反対に乗り出したことも、些細なことではない。
テロとの戦いとの口実の下右翼は、その先頭にはNVAがいるが、強力な国家創出を今追求中だ。右翼は、特に労働組合運動を窮地に追い詰める形で、彼らに有利に政治的、社会的力関係を変えたがっている。それは、SPとSP.aに率いられた全議会内野党が、大枠として挙国一致と法執行の厳格化強化に支持を与えつつある、という事実によって鼓舞されている(注)。
政府が近い将来そして大した議論もなく、反社会的諸方策からなる新たな一組と一体的に、労働組合の権利に対する攻撃を強引に押し進めるために現在の空気を利用する、こうしたことを恐れる理由がここにある。
LCR・SAPは、エノー地方(ベルギー南部)のFGTB(ベルギー労働総同盟)―CSC〔労組ナショナルセンター〕の共同戦線を歓迎する。この労組運動は圧力に屈服せず、一一月二三日のストライキを維持した。この運動は「安全保障」の罠に落ちないよう左翼に呼びかけている。
一〇年間以上の間「テロとの戦争」は、テロの火に油を注いできたにすぎなかった。平和と安全の中で生きる権利は、あらゆるレベルでの社会的公正、平等の権利、必要の充足、富の分かち合い、そして尊厳に向けた抜本的な転換と切り離すことはできないのだ。
前途に控える日々と週、われわれは単に声明を出して済ますことはできない。われわれは、先のような闘争を継続する。われわれはわれわれの諸権利と民主的な自由がテロリストであれ諸政府であれそのどちらによっても取り上げられることを受け入れない。このことを街頭でも、公共的空間でも示さなければならない。(二〇一五年一一月二三日、ブリュッセル)

LCR/SAP
通信員から追記


パリにおける一一月二九日の気候デモ禁止の後、ベルギー連合はブリュッセルでデモを行う許可を求めた(ベルギーからは九〇〇〇人以上がバスあるいは列車でパリに向かう計画だった)。これは、「レベルフォー」およびブリュッセルにおけるあらゆる大(そして小……の)大衆イベントの禁止をもって拒絶された。「プランC」として、オステンデ(ベルギー西部、北海沿岸の港町:訳者)でのデモに対する許可が請求された。今日これも同じく、今週のブリュッセルの安全保障強化(小規模の町すべてから五〇〇人の警官がブリュッセルに向かうために呼び集められた)を口実に拒否された。これは一切のデモを安全な環境で行うことができない、ということを意味する。こうしてわれわれは今、ベルギーでの事実上の全面的デモ禁止を目撃しつつある。

注)NVAはフランドルの最大中道右翼の自由党。PSはフランス語圏(南部)社会党。フレミッシュ語圏(北部)社会党は二〇〇二年に党名をソシャリスティッシェ・パルティ・アンデルス(SP.a)に変更した。(「インターナショナルビューポイント」二〇一五年一一月号)

ベルギー

シリアに関する会合に社会党市長が禁止命令

LCR・SAP書記局
http://internationalviewpoint.org/spip.php?article4293

 二〇一五年一一月二〇日、サン・ジル市の社会党市長、シャルル・ピケは、レオン・ルソイユ(ベルギーのトロツキスト、一九三二年のシャルルロワにおける炭鉱ストライキでは指導者の一人:訳者)教育基金が組織した「シリアにおける戦争と革命」会議を最後の最後に禁止する決定を行った。出席した八〇人の人びとは決定を行う一般的会合として会議を行い、組織者であると共に発言者である唯一のシリア人参加者を逮捕するという警察の脅しがあったものの、当初は会合を外で開くと決めた。しかし警察はその後会合の進行を妨害した。参加した人びとは会合を開催できる近くの施設に撤退した。
 サン・ジルの社会党市長と警察はこうして、組織者たちへのどのような事前の接触もないまま、一方的に一つの論争を禁止すると決定した。この禁止措置は、公共の秩序を乱すどのような怖れや危険にも根拠をもつものではなく、単なるその夜にまつわる話の種を基礎にしていた。レオン・ルソイユ教育基金が組織した会合の目的は、シリア政権とダエシュの冷酷さ、シリアにおける蜂起、そして当地〔ベルギー〕と彼の地〔シリア〕の民主的かつ反資本主義的諸潮流の連帯構築を討論することだった。
 計画されていた発言者は、東方アフリカ学院(SOAS、ロンドン)の博士課程院生であると共にローザンヌ大学助手、ソリダリテS(スイス)とシリア革命的左翼潮流のメンバーであるジョセフ・ダヘル、アムネスティーインターナショナルの中東専門家であり、市民団体「シリアアクション」メンバーであるソフィエ・オージーン、クーリエ・インターナショナル誌ジャーナリストかつレビュー・ヌーべル誌編集委員のパスカル・フェノー、ロジャヴァ(シリアのクルディスタン)のための委員会かつPYD(左翼民主同盟)ブリュッセル代表のロディ・メレクだった。
 LCRはこの禁止措置を強く糾弾する。そしてそれが自由な集会と結社の権利を侵害し、罪とするものだと考える。
 ベルギー国家、政府、および地方当局は、住民を家に閉じ込め、討論と決起をやめさせたがっている。ダエシュの脅威に対する回答は、民主的権利と自由の制限であってはならない。
 LCRは、社会的反抗における「休戦」を通して挙国一致の側から国民の方向にしか動かないように仕組まれた、われわれに対して仕掛けられている策略を拒絶するよう、社会運動と反資本主義的左翼に求める。この極度の暴力を引き出す根源を深く考えることがかつて以上に重要だ。さらに、唯一の出口は、民衆階級の統一、および平等を求め帝国主義戦争に反対する、われわれの支配階級に対決する断固とした闘争の継続である、ということを理解することがかつて以上に重要だ。
 今日の緊急事項は、民主的であり、社会的であり、エコロジカルであることだ!(二〇一五年一一月二一日)

▼LCR・SAPは、第四インターナショナルベルギー支部。(「インターナショナルビューポイント」二〇一五年一一月号)


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