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    かけはし2015.年12月14日号

訴えられるべきは日本政府だ


12.2辺野古代執行訴訟第1回口頭弁論 福岡高裁那覇支部

これほど過重な基地負担は許し難い

沖縄報告その2(15年12月5日)

「国民すべてに問いかけたい」

代執行裁判で翁長知事が意見陳述

沖縄 K・S


ここに至る
までの経過
 一二月二日、福岡高裁那覇支部で、翁長知事の埋め立て承認取り消しに対し、政府・国土交通相が提訴した、埋め立て承認取り消しの取り消しを求める代執行訴訟の第一回口頭弁論が開かれた。
 簡単に経過をまとめよう。
 仲井真前知事は二〇一三年一二月二七日、辺野古新基地建設のための埋め立てを承認した。二〇一〇年知事選での自身の公約たる普天間基地の「県外移設」をかなぐり捨てたものだったにも拘らず「公約違反ではない」と強弁したうえ、「これでいい正月が迎えられる」とのコメントは、安倍にへつらう仲井真というイメージを決定的にした。仲井真に幻想を持っていた県民も仲井真に幻滅した。
 二〇一三年一月下旬の建白書実現東京行動に結実したオール沖縄の闘いは、仲井真前知事に追随する保守派の市町村長などとの厳しい政治的分化をへて、ここからさらに結束を強めて発展し、二〇一四年の主要なすべての選挙(名護市長選、名護市議会選、知事選、衆議院選)に勝利した。
 「あらゆる手段を駆使して辺野古新基地建設を阻止する。辺野古に基地はつくらせない、つくれない」を公約に当選した翁長知事は、さっそく仲井真前知事の埋め立て承認を検証する第三者委員会を法律と環境分野の専門家六人で立ち上げた。そして七月一六日、検証委員会の「法的な瑕疵あり」との報告書が提出された。
 一〇月一三日の翁長知事による埋め立て承認取り消しはこの報告書を踏まえて行なわれたものであり、日本という国において沖縄県が有する当然の行政権限の行使にすぎず、合法であり正当である。ところが安倍政権は県の当然の権利行使に危機感を抱く。沖縄県が、県が有するさまざまな行政権限を行使しとことん抵抗すれば、辺野古新基地ができなくなることを恐れる。それゆえ安倍政権は沖縄県の行政権限をなんとか骨抜きにして奪いたい。

裁判所前で二千
人が激励行動
この日の裁判に先立ち、裁判所前の城岳公園で決起集会が行なわれた。年配の人々を中心にいてもたってもいられず集まった二〇〇〇人の熱気の中、拍手と指笛に迎えられた翁長知事は「県民の思いを背負い主張してくる」とあいさつ。「オナガ」コールにおくられて法廷へ向かった。
翁長知事は冒頭の意見陳述で、「沖縄県民が自由・平等・人権・自己決定権をないがしろにされてきたこと」「日本政府によって海上での銃剣とブルドーザーともいえる行為で美しい海が埋め立てられようとしていること」「今沖縄は憲法が適用され民意が出ているにもかかわらず、米軍基地に関しては米軍政下となんら変わらないこと」を指摘し、結びに「日本に、本当に地方自治や民主主義は存在するのでしょうか。沖縄県にのみ負担を強いる今の日米安保体制は正常といえるでしょうか。国民の皆さますべてに問いかけたいと思います」と述べた。
菅官房長官は会見で、「県知事、県職員が了解したから、埋め立てを承認したのではないか。それに対して裁判するのはきわめて残念だ」と述べた。そもそも前知事の埋め立て承認が間違いの始まりだ。たしかに彼らにとって裁判は「残念」だろう。沖縄の基地問題の実態が公然と明るみに出れば出るほど「日本の政治の堕落」が広く知れわたっていくのだから。
彼らはできることなら法廷闘争になる前に「解決」したかったに違いない。しかし、いかなる手段をもってしても、圧倒的民意と不屈の現地闘争にもとづいた翁長知事の辺野古NO! の固い決意を覆すことができなかった。その結果法廷闘争に突入したからには、彼らは今度は形式的な法律論議でできるだけ早く裁判を終わらせることを狙っているが、そう簡単にはいかない。情勢の主導権を握っているのは我々であって、彼らではない。
次回以降の期日は、一月八日、一月二九日となった。二九日には県側の提出した名護市長など九人の証人申請の可否が決まる。
(12月5日)

12.2

首相官邸前に750人

沖縄の闘いと共に安倍打倒へ

海保・機動隊の暴力許すな

 一二月二日、翁長沖縄県知事は、辺野古の埋め立て承認を取り消したのは違法だとして国が知事を訴えた代執行訴訟で、福岡高裁那覇支部に出廷し意見陳述を行った。
 国の訴状では「取り消しによって普天間飛行場の危険除去ができなくなり、日米両国の信頼関係に亀裂が生じかねず、すでに投じた四七三億円が無駄になるなんど、計り知れない不利益が生じる」「承認に法的瑕疵はなく取り消せない。米軍基地の配置場所など国の存立や安全保障に関わる国の重要事項について、知事に適否を判断する権限はない」などと居直りに満ちた主張が展開されている。「安全保障に関する事案については地方に発言資格はない、黙っていろ」という切り捨ての論理だ。
 これに対して翁長沖縄県知事は、琉球処分、沖縄戦、米軍の占領支配の歴史に触れ「歴史的にも現在も沖縄県民は自由、平等、自己決定権をないがしろにされてきた」「沖縄では昨年のすべての選挙で、辺野古新基地反対の民意が出たにもかかわらず、米軍基地に関してだけが米軍施政権下と変わらない」「この裁判で問われているのは公有水面埋立法に基づく承認取り消しの是非だけではない。……日本には、本当の地方自治や民主主義は存在するのか。沖縄県にのみ負担を強いる今の日米安保体制は正常と言えるのか。国民すべてに問いかけたい」と訴えた。
 当日、那覇の裁判所前には二〇〇〇人が集まり、翁長知事を激励し、安倍政権の辺野古新知事建設強行、沖縄差別に激しい怒りをぶつけた。

「総がかり」で
追い詰めよう
この日、午後六時半から首相官邸前では沖縄・一坪反戦地主会関東ブロック、「止めよう!辺野古埋め立て」国会包囲実行委員会、戦争させない・解釈で9条を壊すな!総がかり行動実行委員会が呼びかけて、沖縄の闘いに呼応し、政府の提訴取り下げを求める集会が雨の中で行われ、七五〇人が参加した。
主催者から「政府は翁長知事を訴えたが、あべこべだ。裁かれるべきは政府だ。国と自治体は命令と服従の関係ではない」との呼びかけの後、「総がかり行動」を構成する諸団体から、解釈で憲法9条を壊すな!実行委員会、戦争させない1000人委員会、憲法共同センターがそれぞれ発言。解釈で憲法9条を壊すな!実行委の高田健さんは「われわれは沖縄の島ぐるみの闘いと一体になって戦争法廃止の闘いを進める。南スーダンPKO派兵、そして南シナ海の紛争に戦争法を適用して、自衛隊を参加させる動きに反対しよう」と訴えた。日本共産党の田村貴昭衆院議員もあいさつした。
さらに生活保護引き下げに反対して闘っている仲間の訴え、陸での機動隊、海での海上保安庁による暴力行使に反対するアピールが行われた。一二月八日には、海上抗議行動への暴力的弾圧に関する海上保安庁との交渉が国会院内で、また午後六時半からは海上保安庁への抗議行動が行われる。
東京南部実行委、全石油シェル労組、キリスト者平和ネットからも連帯のあいさつが続いた。戦争法廃止の運動と、沖縄辺野古新基地建設阻止の行動を一体の課題として、ともに闘おう!        (K)


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