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    かけはし2015.年12月14日号

民主的権利の抑圧は許さない


フランス

国家は公正を求める人々を攻撃している

非常事態宣言反対!
  デモの権利を!

NPA(反資本主義新党)

http://internationalviewpoint.org/spip.php?article4301


 フランス政府が布告した非常事態宣言によって、COP21の開始にあたってクライメート・ジャスティス(気候正義)を求める一一月二九日のデモは禁止された。一部の組織はデモ呼びかけを維持し、レプブリュク広場からナシオン広場に至る街路でヒューマンチェーンを登場させた。このデモには警察発表で五〇〇〇人、主催者発表で一万人が参加した。デモ禁止に抗議するデモの呼びかけもあった。警察はこのデモに対して、はるかに厳しい弾圧を行った。以下にこの弾圧を糾弾するNPAの声明を掲載する。また、欧州で広がろうとしている警察国家化への動きへの反撃を伝えるものとして、スペインでの呼びかけも紹介する。同呼びかけ中のデモにはマドリードで数千人が結集した。(「かけはし」編集部)

COP21に反対するすべてのデモ参加者をただちに釈放せよ! 
警察国家反対!

 フランス政府が布告した非常事態宣言によって、COP21の開始にあたってクライメート・ジャスティス(気候正義)を求める一一月二九日のデモは禁止された。一部の組織はデモ呼びかけを維持し、レプブリュク広場からナシオン広場に至る街路でヒューマンチェーンを登場させた。このデモには警察発表で五〇〇〇人、主催者発表で一万人が参加した。デモ禁止に抗議するデモの呼びかけもあった。警察はこのデモに対して、はるかに厳しい弾圧を行った。以下にこの弾圧を糾弾するNPAの声明を掲載する。また、欧州で広がろうとしている警察国家化への動きへの反撃を伝えるものとして、スペインでの呼びかけも紹介する。同呼びかけ中のデモにはマドリードで数千人が結集した。(「かけはし」編集部)
 五〇〇〇人が参加した公正を求めるデモは、警察によって暴力的弾圧を受けた。催涙ガスや警棒を使って何十人もの人びとを暴力的に逮捕した政府は、COP21に反対するデモを阻止するためあらゆる手段を取ることに何のためらいも感じなかった。政府は、一一月一三日の犠牲者たちの追悼に際しては、スポーツイベント、コンサートなどの開催を許容したが、デモは弾圧するのだ。政府はデモ参加者を守ることについては関心をもたず、その政策を実施することにだけ関心があるのだ。
 EDF(以前の国営電力会社)、BNPパリバ(大手銀行の一つ)、GDFスエズ(以前の国営ガス会社)はいずれもCOP21のスポンサーであり、世界的な最大の汚染排出企業である。全世界の独裁者たちがファビウス(外相)とオランドから名誉ある歓迎を受けているが、よりよい世界のために抗議しようという人びとは弾圧されている。一一月一三日の攻撃は世界の腐朽をあからさまに示した。気候ではなく、システムを変えよう! デモ参加者ではなく、汚染をまき散らす者たちを止めよう!
 現在、パリのレプブリュク(共和国)広場では、COP21に反対する数百人のデモ参加者が包囲されており、警察による大量逮捕が行われている。その中には、NPAスポークスパースンのクリスティーヌ・プパンとオリビエ・ブザンスノー、そしてNPA、オルタナティブ・リベルテール、アンサンブルの数十人の同志たちが含まれている。こうした逮捕は、国家緊急事態から発する特別措置が、ISISのテロリズムに対してではなく、最も基本的なデモの権利を行使する人びとに対して効果を発揮していることの証拠である。
 明日パリのCOP21会議で国家元首たちが会合を持つが、かれらにこの地球と人類の運命を決定させることを望まないすべての人びとは、弾圧されている。昨日、一昨日と環境活動家をターゲットにした自宅監禁と家宅捜索が行われたが、今日、彼らはデモ中に逮捕された。ノーモア警察国家! パリで逮捕されたデモ参加者を釈放せよ。

 NPA 11月29日午後6時 パリ

スペイン

署名運動とデモの呼びかけ開始

戦争と憎悪に反対する決起へ

アレックス・メルロ

http://internationalviewpoint.org/spip.php?article4298

 この月曜夜(一一月二三日)、社会活動家、知識人、スペイン国家で新たに選出された地方自治体首長たちからなるグループが、パリでの襲撃以後広がり続けてきた戦争のレトリックや自由の制限に対する回答として、戦争と憎悪に反対する署名運動を開始した。以下にその呼びかけ文を紹介する。われわれはすでに一万七〇〇〇人以上の署名と強力な反響を得ている。われわれはすでに、スペインの九都市において日曜午後のデモを呼びかけている。

 一一月一三日のパリにおける残忍な攻撃は、住民の間に恐怖の空気を定着させ、隣人間に憎悪と疑いの壁を築き上げ、コミュニティ生活を粉々にし、われわれの日々の生活に怖れの政治を持ち込むために仕組まれた。そうしたバーバリズムへの対応がもし諸権利の棚上げ、自由の刈り込み、われわれ自身の家への閉じこもりを含むものとなるならば、テロリズムの勝利は完成されるだろう。
 無実の犠牲者の苦痛に対してもっと多くの犠牲者の苦痛を生み出すことで応えるとすれば、暴力のスパイラルは歯止めがなくなるだろう。彼らが違うように身をまとい考えるというただそれだけの理由でわれわれの隣人たちの中に犯人を捜すならば、同じ恐怖から逃れている人びとをわれわれが犯罪視するならば、その時われわれは、ファナティックな者たちがつくり出したがっている諸々の壁を強化する手助けをしていることになるだろう。
 われわれはこれを許すわけにはいかない。
 ダーイシュ(ISIS)のテロリズム、ファナティシズムには一つの作用があり、レイシズム的な欧州ファナティシズムに油を注いでいる。その中でわれわれの諸政府は、社会的諸権利と原理的な諸々の自由を切り下げ、この間まったく効果のないことが証明済みの無差別爆撃と制度的な外国人嫌悪を実践に移している。われわれは、諸権利か安全保障かという偽りの二者択一にとらわれることを拒否する。ここスペインであろうが、パリであろうが、イラクあるいはシリアであろうが、他の者たちの交易の勢力や武器に関する利害、あるいは彼ら自身の地政学的利害の中で死んでいるのは、普通の民衆なのだ。
 僅かな者たちのファナティックな憎悪が新たな憎悪のために利用されてはならない。われわれは、憎悪やテロや不寛容の虜となることを拒否する。そうでなければ、テロリズムに屈することになるだろう。
 われわれ署名者は、民主主義、人権、そして平和と正義を求める切望は交渉を有利にする材料などではなく、それだけで方法であり目標であり、それらを破壊すると思われるものへの最良の回答だ、と確信する。それこそが、より多くの憎悪、よりひどい不寛容、無実の人びとのより多くの死、そしてより僅かの権利や自由を意味する、憎悪に対するあらゆる対応にわれわれが猛烈に反対する理由だ。
 われわれは、今は市民が隠れてはならないだけではなく、われわれがテロリズムに対する回答を導かなければならない時であるとの確信の下に、パリとレバノンにおけるテロ攻撃を糾弾し、シリアの市民に対する爆撃、安全保障を名目とした民主主義に対する効果のない諸制限、この両者を、ブッシュ、ブレア、アスナールが主導した軍国主義的外交政策も加えて拒絶するために、一一月二八日正午に、プラザ・デル・レイナ・ソフィア・ムゼウムに結集するだろう。
 われわれは、この働きかけに加わり、同様の市民によるデモを促進するよう他の自治体当局に訴える。

われわれはテロリズムに、イスラム嫌悪に、そして戦争にノーという。

われわれの自由に対する制限も、爆撃も、われわれに安全と平和をもたらすことはないだろう。

われわれの名前を使うな。

▼筆者は、スペインのアンティカピタリスタス(第四インターナショナルスペイン支部)メンバー。(「インターナショナルビューポイント」二〇一五年一一月号)

ドイツ

政府 難民政策強硬化へかじ

マヌエル・ケルナー

http://internationalviewpoint.org/spip.php?article4306

 ドイツ連邦議会は、「難民手続き促進法」という新たな名称の下に、一〇月一五日、新たな「難民申請者給付法」を採択した。これが意味することは、ドイツ領内にとどまる権利を彼らに与える資格を得ることができていない難民を、早々に本国送還できる、ということだ。彼らが何らかの異議を唱えるならば、彼らは、一定数の補助金に対する権利を失う――彼らは依然として、家を与えられる権利、暖房された宿泊所を得る権利、基本的な食料、個人としての医療ケアを受ける権利を保持しているが、衣料品や他の日常的必要品のための補助金に対する権利を失う――。かれらが得る現金ははるかに少なくなるだろう。その代わりに彼らは食料を買うためのクーポン券を渡されるだろう。彼らにはもはや、ドイツの法律が規定した最低賃金に対する権利も、子どもたちの教育確保を保証する補助金に対する権利もなくなるだろう。
 事実としてこれらの方策は、ドイツ憲法が保障する諸々の人権に反している。しかし一〇月一六日ブンデスラート(上院、ドイツ連邦国家の「州」を代表する)は、チューリンゲン州を除く圧倒的多数でこの新法を採択した。ちなみに後者には、左翼政府(多数派としての左翼党と少数派としてのSPDから構成された)がある。
 この決定は、二〇一二年七月一八日のドイツ憲法裁判所判決にはなはだしく反している。その判決は、難民たちを最低賃金以下に押し下げることを正式に禁じたのだ。しかし外国人嫌悪のアジテーションと公的政策に関する諸行動の圧力が、アンゲラ・メルケル首相が率いる連邦政府を、難民申請者の権利と「歓迎」の約束の中で残っているものを破壊するよう、一歩また一歩と導こうとしている。
 ドイツの地に難民が踏み込むことを妨げ、早々に彼らの選り分けを可能にし、そうすることで、一定期間彼らがドイツにとどまることを可能にする資格を得るチャンスがほとんどない全員を本国送還できるようにする、そうした「通過圏」という考えは、ホルスト・ゼーホファー(バイエルンにおけるCDUの姉妹党、CSUの党首)によって提起されてきた(CDUはメルケルの党でキリスト教民主同盟、SPDを少数派とする現連立政権の多数党、CSUはバイエルン州のみにある政党でキリスト教社会同盟:訳者)。この考えは多くの抗議に導いたが、メルケル首相は結局のところ、多くのキリスト教民主党指導者たちの圧力を受け、多かれ少なかれこの考えを受け入れることになった。
 SPDはそれに反対し、採択された妥協は、収容センターはドイツの地に置かれるだろう、と明記した。とはいえそれは、ゼーホファーが求めた「通過圏」と同じ基準を多かれ少なかれ満たしているのだ。
 CDUの内務相、ロタール・デマイジエレは二、三日前、シリア難民の資格を引き下げるよう公然と提案した。彼らはここまで、ドイツに三年間とどまること、また彼らの夫や妻と子どもたちをこの国に呼び寄せることを認める資格を得ることができている。
 デマイジエレは彼らを、一年間ドイツにとどまり、夫や妻と子どもの呼び寄せを禁ずる、そうした資格しか与えない、単なる「補助金資格」をもつだけにしたがっている。マスメディアが伝えた多くの抗議はデマイジエレを押しとどめたように見えた。しかし今やメルケルは、多くのCDU指導者からの圧力の下で、この提案に同意するにいたっている。SPDはここまでのところそれには反対しているが、他方でその指導者の多くは、内務相に同意すると語っている。したがってデマイジエレの考えが今後採用されるということは、極めてありそうなことになっている。
 極右の動員は今再び全力を挙げたものになっている。ペギーダ(西洋のイスラム化に反対する愛国的欧州人)は、ナチス独裁下で「アドルフ・ヒトラー広場」と名付けられた象徴的な広場で、これも象徴的な日付である一一月九日(一九三八年の反ユダヤポグロムの記念日)、約八〇〇〇から九〇〇〇人を動員した。それゆえそこには四〇〇〇人の対抗デモ隊がおり、同夜エルフルトでは、難民への連帯と歓迎、そしてレイシストとイスラム嫌悪のデモへの反対を広く呼びかける六〇〇〇人のデモがあった。しかし右翼の煽動者たちはさらに過激になりつつある。すでに、ドイツに来たがっている、そしてそこで暮らしたがっている難民たちを阻止するために、国境での決起に向けた呼びかけがある。
 同時に本当のこととして、難民に対する連帯と彼らへの実際的な支援の運動はドイツで発展を続けている。それゆえドイツにおける大衆意識は分極化したままだ。しかし、連帯の波は全体としての社会のレベルで全般化するようにならなければならない。「ドイツモデル」の「負け組」――世界レベルでの資本主義システムの負け組――が難民と団結する場合にのみ、力関係に本当の変化が起こるだろう。すなわち、資本家たち、大富豪たち、大独占企業合同、大銀行が、見捨てられた何百万、何十億という人びとのものすごい貧困、はなはだしい不平等を生み出している世界秩序の諸々の結末に、対価を払わなければならない。(「インターナショナルビューポイント」二〇一五年一二月号)  


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