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    かけはし2016.年1月25日号

軍事的挑発で独裁維持図る


北朝鮮の核実験強行糾弾

米日韓の「制裁強化」反対

平和・人権の東アジアへ民衆連帯を

「想定外」の実験
だったのか?

 一月六日、朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)は約三年ぶりとなる四度目の核実験を行った。北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)体制は、この核実験を初の水爆実験であると強調した。北朝鮮国営メディアが公開した一月三日付の金正恩自身の最終命令書によれば、この「水爆実験」は今年五月、三六年ぶりに開催される朝鮮労働党大会に言及して「勝利と栄光の年、二〇一六年の荘厳な序幕を初の水素爆弾の爽快な爆音で開くことで、全世界が偉大な朝鮮労働党を仰ぎ見るようにせよ」と書かれていた。
 北朝鮮は「水爆実験」と称しているものの、爆発の規模からして、水爆実験である可能性は少ないと米国などは判断している。おそらくそうであろう。しかし、いずれにせよ昨年の「海中の潜水艦からの弾道ミサイル発射の成功」という主張や、今回の「水爆実験」宣伝を見れば、北朝鮮・金正恩体制が、その総力をあげて軍事能力の開発に集中していることは確かである。
 一月一日の金正恩による「新年の辞」では核開発についてはまったく触れておらず、「人民の生活の改善で転換を起こさなければならない」と強調していた。マスメディアなどでは「党大会を前に周辺国との関係悪化を避けたいという姿勢を前面に押し出した」(毎日新聞 一月三日)と報じられていたほどである。
 そうしたこともあり、当初、金正恩体制による核実験強行は米国にとっても「予想外だった」との報道も流れていたが、実は米国は北朝鮮による核実験の動きを察知していたようである。一月六日、米NBCテレビは、米軍高官の話として「米国が二週間前から北朝鮮の核実験の準備を察知し、空気のサンプルを採取するため実験場の近くに無人機を飛ばしていた」と報じた。またホワイトハウスのアーネスト大統領報道官は、北朝鮮の核実験実施は「米政府としては驚きではなかった」「北朝鮮が何をしようとしているのかは極めて明らかだった」と述べた(朝日新聞 一月八日朝刊)。
 われわれは、民衆を飢餓に追いやり、恐怖支配によって反抗の芽を残虐に押しつぶしてきた北朝鮮の金正恩体制による核実験強行の暴挙に強く抗議する。金正恩体制によるこの反民衆的・挑発的暴挙は、軍事的緊張を意図的に作り出すことで民衆による批判と抵抗の拡大を押しつぶそうとするものだからである。

米日韓「臨戦」
態勢の実験場


米国、韓国、そして日本の安倍政権は、北朝鮮・金正恩独裁体制の核実験挑発を利用しながら、朝鮮半島をめぐる軍事的危機を演出し、臨戦態勢に踏み込んでいる。韓国軍は一月八日から軍事宣伝放送を再開し、とりわけ前線にいる北朝鮮軍の若い兵士たちの動揺をねらった工作を強化することになった。
米国は一月一〇日に、水爆を搭載する戦略爆撃機B52をグアム島の米軍基地から韓国に派遣した。韓国国防省報道官は一月一一日の「B52以外の戦略資産を韓半島に追加展開する問題について韓米は緊密に協議を続けている」と語った。この「戦略兵器」の韓国配備のペースは北朝鮮による以前の核実験や、軍事緊張の勃発時に比べてはるかに速い。
日本政府・安倍政権はどうだったか。この米韓の動きと連動する形で安倍首相は一月七日の国会答弁で「我が国独自の措置の検討を含め、北朝鮮に対して断固たる対応を行っていく」と答弁した。
一月一三日には、北朝鮮核開発に関する「六者協議」の日米韓の首席代表(米国:ソン・キム北朝鮮政策特別代表、韓国:黄ジュングク朝鮮半島平和交渉本部長、日本:石兼公博外務省アジア太平洋局長)がソウルで会談し、北朝鮮に対する従来より厳しい「新たな手段の制裁」が必要という点で一致した。石兼外務省アジア太平洋局長は「日本独自の制裁」に関して「核実験、挑発行動を繰り返すことが彼らのためにならないと実感させる内容を作らなければならない」と述べ、韓国の黄代表は「過去とは差別化された圧迫外交を通じ、北朝鮮に相当の代価を支払わせなければならない」と語ったと報じられている(朝日新聞、一月一四日朝刊)。
米日韓の、北朝鮮への「強硬な圧力」で「思い知らせる」という点での「一致」は、中国に対しても、北朝鮮への「より厳しい制裁」を認めさせる、という圧力として働いている。

「圧力」強化は
回答ではない


北朝鮮・金正恩体制による冒険主義的で反動的な「核実験」挑発に反対するわれわれは、同時にこの「核実験」を利用した米日韓の北朝鮮に対する軍事的圧力の行使に反対する。こうした圧力の強化は、「戦争」を口実にした北朝鮮の民衆に対する金正恩体制の独裁支配をさらに強め、抵抗の運動をいっそう困難なものにせざるをえない。
日本人拉致被害者の家族は、北朝鮮の核実験と北朝鮮への「制裁」の強化が肉親の帰国をいっそう困難にすると沈痛な面持ちで語っている。一方、安倍政権は、北朝鮮による核実験強行と米日韓による政治的・軍事的連携の強化を、「戦争法」発効の下での新たな踏み出しのチャンスと捉えている。
北朝鮮の金正恩独裁体制に抗する労働者民衆との連帯を、東アジアの平和・人権・民主主義のための闘いとして貫いていくために、北朝鮮核実験強行を口実にした「制裁」と「軍事的圧力の強化」に反対する運動を作り上げていこう。(一月一八日 純)

12.18

山城博治さんが訴える

全国から辺野古の現場へ

オール沖縄会議とともに

 【大阪】STOP辺野古新基地建設!大阪アクション主催の集会が一二月一八日エルおおさかで開かれ、約一九〇人の市民が参加した。
山城博治さん(沖縄平和運動センター議長)には、一九日の多田謡子反権力人権賞受賞に合わせて、一日早く大阪に立ち寄ってもらったとのこと。この賞は、二九歳で死亡した弁護士多田謡子を記念して、多田の遺産をもとに一九八九年に創設された。毎年、自由と人権を擁護するために活動している個人または団体に贈られている。山城さんは、四カ月の入院生活の後の一〇月に辺野古現地の闘いに復帰した。
大阪アクションは一八団体で構成されている。講演に先立ち、ビデオ「辺野古の今(一〇月号)」の上映があった。翁長知事の埋めたて承認取り消し決定の訴えが、詳しく映像に映った。司会の松島さん(構成団体の一つであるジュゴン保護キャンペーン)の紹介のあと、早速、拍手に迎えられて山城さんが登壇した。(講演要旨:別掲)
  講演の後、最近辺野古の闘いにしばしば参加している三人の仲間が、闘いの中で体験したことを話し、最後は「美しいパリの五月」の替え歌、「沖縄の未来は沖縄が拓く」(山城博治作詞)を参加者全員で合唱して集会を終えた。          (T・T)

山城博治さんの報告から

今闘わないでいつ
闘うのか?

座り込みの人数
で工事は止まる
辺野古では、座り込む人の数が増えると工事は止まる。毎週水曜日は工事を止めているが、その翌日木曜日は参加者が減るから、三〇〇人近くの機動隊が総がかりで襲いかかってきて、仲間たちをひとりずつごぼう抜きにし、仮設の檻に閉じ込める。
もう一つ悔しいことは、辺野古崎の浜を埋めたてるため、コンクリート製のL字型の壁を置いて、そこに岩石・土砂を入れ、湾岸道路を造る工事に入っていること。悔し涙を流しながら工事トラックを見ている。水曜日の阻止行動を週二回、できたら三回に増やしたいと、訴えている。木曜日は参加人数が減るが、一二月一七日(木曜日)は、自治労九州地連の委員長・副委員長・書記長ら三〇人が自治労沖縄県本部の要請で参加し、うるま市からは木曜行動に五〇人が参加した。総勢一五〇人の参加だったが、多勢の機動隊にごぼう抜きにされた。ジャバラ(殺人鉄板)の中に入ったら、中に隠れていた機動隊に引き抜かれ、ひとり逮捕された。私も先週、身柄を押さえられ、大阪に行けないかなと心配したが、一晩で出してくれた。

翁長さんは信念
と理想の政治家
人々を売って自分を肥やすのが一般的な政治家だが、翁長さんを見て初めて政治家にもこういう人がいるんだ、本物の自分の言葉を持っている人がいるのだと思った。有権者に依拠をしてさまざまな障害を乗り越えて信念を貫く政治家がでた。野党ならいざ知らず、権力を持っている人間でこんなことを言う人は初めてだ。あの人の言葉にはウソがない。立派な知事を戴いて、私たちも決意を固めて、引けない闘いではなく、前に進む闘いをする位置に立っている。
同じ現場に立っていても、毎日が感動だ。生きていてよかった。現場に帰りたい一心で治療をしてきたが、本当に戻れてよかった。最後まで闘いに立つ、そういう思いだ。
翁長さんに会ったときに思った、言葉で人を感動させる話はどこから来るのだろう。その人の信念と理想と情熱、一緒にガンバロウという掛け値のない訴えで、言葉に命が吹き込まれるのだろう。権力に迎合しないでウチナンチュひとり一人のために生きようとする政治家がでた。名護市長も、現場も元気が出た。今なら闘える。

労組の全国交流
を辺野古現地で
オール沖縄会議が立ち上がった。これは辺野古の現場から要請した。昔あった復帰協と同じような全県民を網羅するような組織を作り、現地を支援し翁長知事を支える、闘う組織に切り替えてほしいと。
島ぐるみ会議は個人参加で、横のつながりや縦のつながりがない、緩やかな組織形態だ。島ぐるみ会議のまとめ役である新里米吉さん(社民党)が準備委員長になりわずか二カ月で結成までこぎ着けた。本当に感謝している。事務局長がなかなか決まらなかったが、自治労沖縄県本部の委員長に頼み込んでなってもらった。沖縄自治労が来るようになると、自治労の他の地本も来るようになる。座り込みにも参加するようになった。そのようにして現場と労働運動の交流が始まる。東京の自治労本部が全国動員をかけられないのか。求められていることをやって初めてえらいといわれるのではないのか。
安倍の暴走を止めるという声をゲート前で上げる。そうしてこそ労働組合の熱意があるのではないか。自治労が動き出せば次は日教組の皆さん、マスコミ共闘の皆さん、全港湾・全水道の皆さん、民間の皆さんの産別も続かなければいけないでしょう。
辺野古の問題は、基地問題ワンイシューを超え、民主主義の根幹、人々の命と暮らしの根幹にかかわる問題だ。自分の考えに合わなければ封殺をしていく、これは民主主義政治にはあり得ないことだ。国の悪事は絶対許さない。そのためにみんなが団結をする。労働組合もそのことを踏まえて現地で交流しよう。

「団塊の世代」
はガンバロー
機動隊が暴走している。一一月四日から東京警視庁が一五〇人体制で来ている。カルチャーリゾートホテルに投宿している。安くても一日一万円以上だ。一晩で一五〇万円だ。一ヶ月四五〇〇万円だ。そんな金があるなら福島に回せ。東京警視庁に対しては、東京に帰れと声を上げている。
なぜ東京警視庁だけが悪者にならねばならないのかという声が上がり、これからは北海道から鹿児島までの選抜チームが沖縄に来るそうだ。皆さんも是非全国から来てほしい。全国の選抜座り込み隊で跳ね返えそう。安倍はなんとしても押さえ込もうとしている。三〇〇人体制が五〇〇人体制になるかもしれない。機動隊が坂を上がったり下がったり、毎朝戦争が始まったのかと思う。人民を圧殺する「軍隊」だ。自衛隊、警察、海上保安庁これらの暴力が今沖縄に襲いかかってきている。是非皆さん、辺野古に来てこの姿を見てほしい。このことを提案したい。
先日、米国退役軍人会の皆さんが一一名来た。イラク・アフガン戦争に参加した人たちだ。「二四時間、毎時間退職者が命を絶っている。病気で死ぬより、自分で命を絶っているものが多い。それぐらい疲弊している。戦争に行ったら、国の言うことが全部ウソだったことがわかる」といい、辺野古基地はいらない、米国の海外基地はいらない、という決議をあげたことを報告してくれた、と述べた。
私たちは、非暴力直接行動で希望を見い出そうとしている。今闘わないで、いつ闘うのだ。ここから世界に発信しよう。皆さん頑張っていきましょう。(講演要旨、文責編集部)



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