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    かけはし2016.年2月22日号

分断差別を超えた労働者の団結を


社会変革労働者党の創党大会 創党の辞

新自由主義の嵐を突き破ろう

  韓国で一月三一日、労働者階級の政治の実現と社会主義社会の建設を目標に掲げた「社会変革労働者党(以下、「変革党」)」が正式に発足した。新しく発足した変革党は、以下の綱領を掲げている。労働者の解放。福祉、医療、教育の社会化と民衆の生存権の獲得。すべての民主的権利の獲得。女性、少数者が解放される社会。エコロジー社会への転換。帝国主義と戦争に対する闘争。労働者・民衆が解放される南北朝鮮の統一。民主的計画経済、労働者権力の樹立。変革党は今後、財閥社内留保金返還闘争、財閥社会化闘争、民衆の生存権を獲得する闘争、労働者のゼネスト、今年の4・13総選挙などに取り組んでいく。党結成総会の後に開催された創党大会の冒頭、党代表のイ・ジョンヘ氏は以下の「創党の辞」を読み上げた。創党の辞の後半では、変革党の前身である労働者階級政党推進委員会の政治路線である国際的な労働者連帯が呼びかけられている。(「かけはし」編集部)

闘争と変革の政治を


 足をつけているこの地が沈んでいます。生まれてから苦難が始まり、幼児期、青少年期を経て競争と挫折をまず学びます。そして非正規職、派遣職を転々としながら挫折に慣れていきます。未来を抵当にして生きてきた生活は、どこにもよりどころのない老年期にさしかかり、残りの人生に対する期待が狭まります。この地に足をつけている人はだれもがみな、生活の希望がなく、ひたすら希望を切望するのみです。
 危機に瀕した資本の生き残りのあがきは、労働者民衆の生活を根こそぎ奪っています。そのいきつくところ、競争の終わりは、挫折であり、差別や排除、そして暴力です。
 われわれは、光州民衆抗争そして87年民衆抗争、労働者闘争をはじめとする闘争の歴史を記憶しています。しかしながら資本と政権は、その足跡を一つずつ消し去っています。資本と政権は、外国為替の危機を口実にして労働者を脅迫し、整理解雇法や派遣制の受け入れをさせました。不安定な労働があふれかえるなかで、正規職と非正規職、女性と男性、青年と高齢者、そして「正常と非正常」、このような分離と排除がもっとも効果的な労働、社会政策となりました。いつのまにか労働者はひとつでなくなり、民主は花開かずに空しくしおれてしまいました。
 整理解雇を核心とする労働法と安全企画部法の改悪に立ち向かった闘争後20年のいま、労働者民衆は、一般解雇や派遣制の全面適用やテロ防止法に立ち向かい、かろうじてゼネストに進んでいます。
 87年民衆抗争・労働者大闘争(注1)は、分断体制を土台にする保守政治に立ち向かう自由主義政治や労働者民衆を主体にして、あらたな社会を切り開くという進歩政治の勝利でした。そして自由主義政治勢力は87年以降、自ら立っていたその痕跡を消しながら崩壊しました。自らが痕跡を傷つけ、地域主義に期待しながら政治工学のみに終始し、反動的な政治がこの国を覆っています。当然ながら彼らの目には、労働者民衆の生活は映りません。
 いわゆる社会連帯戦略は、吹きすさぶ風を防ぐことができず、新自由主義の嵐は98年以後、新たな道を開いた進歩政治の土台すら崩れ去ってしまいました。ひとときの映像を思い出しながら、一つの政党を旗印に一つになろうと叫んだ者たちすら自由主義者の懐に行ってしまいました。「労働者中心の政治」をうんぬんしながら、道をはずれてしまいました。
 いま労働者階級政党が旗を上げました。光州民衆抗争そして87年民衆抗争・労働者大闘争にさしかかり、新自由主義の嵐が吹き荒れるその地で、旗を上げました。分離された者、差別を受ける者、排除された者、それらはわれわれであり、労働者階級政治の主体です。競争を越えて連帯する普遍的な価値でスクラムを組んでいきます。南米のピンク・タイド、アラブのジャスミン革命とともにし、ヨーロッパ労働者民衆のゼネストに連帯し、米国の不安定な労働者とともに、われわれは進んでいきます。さらに、世界、自由な個人の連帯社会に進む闘争と変革の政治を実現していきます。
 2016年1月31日

社会変革労働者党
代表 イ・ジョンヘ

(注1)87年民衆抗争・労働者大闘争:1987年6〜9月の4か月にわたって行われた民主化要求運動。87年民衆抗争の結果、大統領直接選挙制改憲実現などが達成された。

声明

日本の法的な国家的責任に免罪符を与えた慰安婦問題合意書を破棄せよ

朴槿恵政権退陣闘争に進め

 日本政府と韓国政府は昨年12月28日、日本と韓国の懸案であった慰安婦問題に関して合意に達した。本声明は、この合意を受け今年1月6日に労働者階級政党推進委員会が発表したものである。すでに本誌でも掲載したように労働者階級政党推進委員会については、これまで労働者階級主体の政治を模索してきたが、今年1月31日に階級政党推進の段階を超え、労働者階級政党本党(社会変革労働者党)を発足させた。(「かけはし」編集部)
 朴槿恵政権と安倍政権は12月28日、日韓外相会談をつうじて慰安婦問題の合意を行った。慰安婦問題の本質である日本の国家的な法的責任については、全く明らかにされなかった。
 過去20年あまりの間、被害者らが日本政府に強く要求してきた反人道的な戦争犯罪に対する真相究明、被害者への日本政府の公式的な謝罪、日本政府の法的賠償と再発防止策の整備、教科書をつうじた人権と平和教育等の要求についても、合意書ではまったく言及されなかった。本合意はさらに、慰安婦問題に関する最終的、不可逆的性格を明示し、被害者に今後の発言をさせない意図を浮き彫りにしている。
 日本政府は、慰安婦問題に関する日本の法的な国家責任はないと主張してきた。日本政府の主張の根拠は、戦犯国家としての日本の責任と賠償を免除したサンフランシスコ条約や屈辱的な日韓基本条約、およびその関連協定である。
 韓国の政権はこれまで、屈辱的な日韓請求権協定を締結することによって、日本の国家的、法的責任の追及を妨害してきた。そんななか韓国の最高裁判所は二〇一二年、日帝の侵略や植民地支配、および賠償回避について、韓国の憲法に違反する違法行為であり、反人道的なものであるとの判断を示し、日韓基本条約と請求権協定を無効とした。ところが朴槿恵政権は、この最高裁判所の判断を覆したのである。
 朴槿恵政権の慰安婦問題に関する合意は、すでに韓国の歴史教科書国定化強行によってさらけ出されたように、親日反逆の歴史を覆い隠そうとする意図と無関係ではない。帝国主義戦争によって破壊された人間の権利を無視する彼らの哲学をそのままさらけ出したものである。それだけでない。日米韓軍事同盟の完成のための米国の政治的意図、そして憲法改正まで狙った日本の軍事大国化のための布石にまで結びついている重大な事案である。
 米国は、対中国、東アジア覇権のための日米韓軍事同盟を構築してきており、日本の戦争責任問題をめぐる日韓関係を、最後に解決されていない障害と認識してきた。米国は過去数年間、「安倍首相は一通りの謝罪をして、金でけりをつけろ」との仲裁案を示し、日本と韓国政府に圧力をかけてきた。
 韓国はその結果、米国の反中国覇権戦線の第一線に立たされようとしているのである。日米韓同盟強化に比例して、中国·ロシア·北朝鮮の三国間の同盟も強化される。それによってもたらされる結果は、対中関係悪化、南北朝鮮の対立の激化、軍備競争加速化、そして北東アジアの朝鮮半島における戦争の危険の増大である。
 日韓外相会談以降、慰安婦被害当事者と韓国社会の各界各層で憂慮と怒りの声が上がっている。各界各層の人々が参加する非常時国会が開催され、日本軍「慰安婦」問題、日韓合意無効!
汎国民大会が一月九日に開催される予定である。合意書を無効にするための汎国民署名運動も始まった。
 朴槿恵政権はすでに、セウォル号事件、歴史教科書の国定化、労働改悪により、政治生命を縮めてきた。また慰安婦問題によって、自らの政治生命をさらに縮めている。慰安婦問題合意を不可逆的なものとした朴槿恵政権に残された道は、退陣のみである。

 2016年1月6日

労働者階級政党推進委員会

コラム

三万円問題に何を見るか

 先月一月二〇日、二〇一五年度補正予算が成立した。そこには臨時福祉給付金が盛りこまれている。安倍自民党政府の目玉政策である「一億総活躍社会」の予算の三分の一を占めている。私のような下流老人、六五歳以上で住民税非課税の約千百万人が対象だそうだ。四月から六月にかけて支給されるという。
 参議院選挙が七月であることを考えれば、選挙対策の露骨な実弾(現金)のバラマキであることは明らかだ。議員個人が実弾をバラまけば明白な選挙違反であるが、政府がやれば選挙違反ではないというわけだ。
 さらに安倍は「賃上げの恩恵を受けにくい高齢者にアベノミクスの果実を支給する」「景気の下支えにもなる」と主張している。そこには、勝つためには何でもやる。勝てば官軍の下心が見え見えである。
 だが、八パーセントへの消費増税と、円安・株高による一部大手企業の空前の企業収益だけがアベノミクスの実体なのだ。何のことはない大衆収奪と、株で儲けただけなのだ。これは日本の政治が投機的になっていることを示している。それは労働者の老後を支える年金資金の運用を、世界で最も危険なジャンク債につぎ込むことに手を染めつつあることにも示されている。
 だが、世界的な原油安と中国経済の過剰生産不況への突入、新興国諸国の経済成長にブレーキがかかるなどの国際環境の中で、今やアベノミクスはそのメッキが剥げつつある。株価の急激な下落と乱高下はそのまま株価連動政府と揶揄される安倍自民党政府の姿そのものである。日銀黒田のマイナス金利の導入はその焦りの表現に他ならない。
 投機性を深める日本の政治は、今年集団的自衛権の発動に入る。ということは日本政治の中心に軍事が座るということである。その軍事もまた投機的なものにならざるを得ないだろう。政治、経済、社会全体が軍事を中心に回転する時代の幕開けとなる。
 その軍事をめぐる攻防のひとつは、国会が自衛隊の海外派兵とその軍事行動について単なる事後追認機関に押し下げられてしまう圧力に不断にさらされることになる点である。国会は軍事に奉仕する機関に作り変えられようとするだろう。
 二つは、マスメディア全体に対する政治的な統制が強化される可能性がますます増大する点である。自衛隊の海外派兵とその軍事行動に対する批判的報道を統制しようとする圧力は強化されるだろう。それは既に、沖縄の二紙「沖縄タイムス」「琉球新報」を潰せという自民党サイドからの公然たる要求。あるいはNHKやABC(大阪朝日放送)への自民党政府のあからさまな介入等として始まっている。
 三つは、大衆自身の自主的、自治的組織を解体しようとする攻撃である。その最大のターゲットは労働組合である。「産軍複合体」のより重層的で大規模な構築と、そこにおける労使安定帯の形成こそが必要不可欠だからだ。豊富な兵器生産なくして自衛隊の軍事行動を支えることは出来ないのだ。
 安倍自民党政府は、集団的自衛権の発動を踏まえ、アベノミクスのメッキが剥げ落ちる前に、改憲の突破口を切り開くために必死である。「正々堂々と改憲をめざして進撃しよう」と草の根右翼の決起を呼びかけている。
 私たちもまた、オール沖縄の闘いに応えて、新しい闘いの陣容を創り上げていくことが求められているのではないだろうか。   (灘)

 



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