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    かけはし2016.年2月29日号

東京高裁の不当判決許さない


三里塚芝山連合空港反対同盟声明

東京高裁の横堀現闘本部破壊を
追認する不当判決を弾劾する

上告し断固として闘いぬく

 二月三日、東京高裁民事12部(杉原則彦裁判長)は反対同盟に横堀現闘本部の建物の撤去を求める成田国際空港株式会社の主張を認め、一審千葉地裁の判決に不当として控訴した反対同盟に対して控訴棄却の決定を言い渡した。
 空港会社は別の訴訟で土地のすべてを取得したとして、建物の撤去と土地の明け渡しを求めて提訴した。
 空港会社は誘導路用地内にある建物が「朽廃」し、空港運用上妨げになるとして反対同盟に撤去を求めた。しかし、建物が「朽廃」した原因を作り出したのは空港会社である。二〇〇六年、突然現闘本部に至る道路を一方的にバリケード封鎖し、所有者の往来、管理を不可能にした。空港会社は裁判で「一九九八年一月の旗開き以降一切使用していない」と事実に反するでっち上げの主張を行った。反対同盟は証拠を挙げてこれに反論したが、一審千葉地裁はこれを無視、高裁判決もこれに触れることはなかった。
 また、反対同盟は裁判に提訴して強制的手段によつて事を進めることは成田空港シンポジウム(一九九一年)、円卓会議(一九九三年)での「平行滑走路の整備においては、あらゆる意味で強制的手段が用いられてはならず、あくまでも話し合いにより解決する」という信義則に反すると主張した。
 高裁は「円卓会議での合意において、あらゆる意味での強制的手段が用いられてはならないことが明示的に確認されたのは、平行滑走路のための用地の取得についてであること、また少なくともそれ以外の用地の取得について、純粋に民事上の紛争について民事訴訟の手続きによる解決を求めることを排除するものでないことは現判決のとおりである。」と三里塚闘争の歴史性から切り離し、切り縮める判断を下した。
 さらに高裁は、「なお、仮に上記合意が民事裁判をしないことも含むものであったとしても少なくとも、話し合いによる解決を目指す合理的な努力を相当期間にわたって継続しても、なお解決に至らない場合には、民事裁判による解決を求めることが許されると解すべきである」と念を押した。また、「円卓会議での合意から長期間が経過し、その前後を通じて被控訴人(空港会社)や国が、話し合いその他の方法による解決の努力を続けてきたことに照らせば、民事裁判による解決を求めることも許されると解すべきである。」として空港会社を擁護した。これは高裁が時間が経てば円卓会議の合意は時効であると言ったに等しい。また、「解決の努力を続けてきたことに照らせば」とは、どんな一方的で相手に取って受け入れ難い要求であっても、既成事実をアリバイ的に積み重ねれば「努力」したとして容認されるべきである、とも言っているのだ。
 こんな空港会社擁護一辺倒の判決を断じて認めることは出来ない。
 裁判所は歴史的に成田空港問題の当初以来、空港公団の時代から空港会社の主張を全面的に追認して来た。
 反対同盟はかかる不当な判決に断固抗議し、最高裁に上告して最後まで闘い抜く決意である。
二〇一六年二月一三日

三里塚芝山連合空港反対同盟(代表世話人 柳川秀夫)

加瀬勉さん談話

我々は最後まで闘う

 反対同盟を「権利能力なき社団」と認定し、空港会社の「職権乱用」を全面的に認めた今回の東京高裁の不当判決に断固抗議する。我々はただちに最高裁に上告し最後まで闘うことを表明する。
 三里塚大地共有委員会代表 加瀬勉

横堀現闘本部破壊裁判

2・3東京高裁による不当判決を糾弾する!

三里塚空港に反対する連絡会(2月10日)

 二月三日、東京高裁第12民事部(杉原則彦裁判長)は、成田国際空港会社が三里塚芝山連合空港反対同盟(柳川秀夫代表世話人)に対して横堀現闘本部撤去と土地の明け渡しを求めた訴訟(朽廃建物収去土地明渡請求事件)において一審(千葉地裁/二〇一五年九月二日)に続いて不当判決を言い渡した。なお高裁は現闘本部破壊のための「仮執行は、相当でないから付さない」としたが、一審と同様に周囲を鉄板塀で囲った不当な状態を追認した。
 判決は、「円卓会議での合意において、あらゆる意味での強制的手段が用いられてはならないことが明示的に確認されたのは、平行滑走路のための用地の取得についてであること、また、少なくともそれ以外の用地の取得について、純粋に民事上の紛争について民事訴訟の手続による解決を求めることを排除するものではないことは、原判決のとおりである」としてあらためて成田空港シンポジウム(一九九一年)、円卓会議(一九九三年)における「平行滑走路の整備については、あらゆる意味で強制的手段が用いられてはならず、あくまでも話し合いにより解決する」という歴史的事実を排除した。
 さらに高裁は、露骨な歴史の歪曲であるがゆえに「なお、仮に上記合意が民事裁判をしないことも含むものであったとしても、少なくとも、話合いによる解決を目指す合理的な努力を相当期間にわたって継続しても、なお解決に至らない場合には、民事裁判による解決を求めることが許されると解すべきである」と補強し、「円卓会議での合意から長期間が経過し、その前後を通じて被控訴人や国が、話合いその他の方法による解決の努力を続けてきたことに照らせば、民事裁判による解決を求めることも許されると解すべきである」と空港会社を防衛をするのだ。

 高裁は、いったい何を根拠にして空港会社が「話合いその他の方法による解決の努力を続けてきた」というのか。空港会社がやったことは、現闘本部が「(一九九八年)一月に開催された旗開き以降は一切使用していない」と事実をねじ曲げ、一方的に横堀十字路から現闘本部に至る通路にバリケードを設置(二〇〇六年七月〜九月)して封鎖したことである。反対同盟は、空港会社の嘘を暴くために写真、文書などの証拠を多数提出し、一九九八年一月以降も諸々の行事や会合で使用していたことを証明していったが、完璧に無視するという立場を貫いた。
高裁は、空港会社防衛の根拠があまりにも弱いため@黒野社長の「暫定滑走路に関わる謝罪」(「回答」/2002・5・9/「東峰区の皆さまへ」)A公団の浅子直樹用地業務推進室長(当時)が北原派反対同盟に属する共有地の共有分割請求訴訟での記者会見(02・12・24)で「他の共有地については引き続き任意交渉し、訴訟で取得を求めるのは今回が最後である」(毎日新聞/02・12・25)という事実について「(空港会社が)話合いにより成田空港に係わる紛争の解決を図る旨の発言をした事実があり」と触れざるをえなかった。
だが「(空港会社が)地域住民に対して、航空機の騒音被害等について謝罪し、滑走路の整備について話合いによる解決の努力をする旨表明しているとしても、そのことによって本件請求が信義則に反し、権利濫用になるとはいえない」と暴論を展開するが、その根拠を一切提示することができないところに判決の脆弱性が現れている。
一審判決では、歴史的事実と本裁判を切り離して「土地が原告の単独所有に帰したことを前提として、土地の単独所有者とその地上建物の所有者との間の純粋に民事上の紛争について民事訴訟の手続き」だとすり替え、切り縮めて主張したうえで、「そのような手続きが円卓会議において用いられてはならないこととされた強制的手段に当たるとは解し難い」と一方的に不当な認定を行っていた。高裁は、ストレートに「信義則に反し、権利濫用になるとはいえない」と断定することによって、より反動判決へとエスカレートしていったのである。
一般的・客観的に見ても「嘘つき空港会社」であり、傲慢な態度、姿勢は明白である。高裁は、具体的な証拠を検証することができないために「信義則に反し、権利濫用になるとはいえない」と言うしかなかったのだ。

 このような姿勢は、現闘本部の「老朽化」「朽廃」へと追い込んだ犯人が空港会社であるにもかかわらず、なんと「(現闘本部)の周囲を鉄板塀で囲んで使用を妨げたのが原因であると認めるには疑問が残る」と言い出す始末だ。現闘本部を管理・運営するために通行権をバリケードで妨害・圧殺するという事実があるにもかかわらず、いったいどのような「疑問が残る」というのだ。この延長で空港会社が鉄板塀で囲い込み、現闘本部内にある書類、諸備品などの反対同盟の所有物を、実質的に破壊・強奪してしまった犯罪さえも黙認している。
しかも現闘本部の「破片」が「滑走路内に飛散した場合には、航空機の運航を妨げるのみならず、重大な航空機事故が発生する危険性があったため、それを防止するために囲い込みが必要であった」という空港会社の主張を取り入れ、空港会社の「窃盗」犯罪は正当だと認定し、「ブルジョア法」でさえも投げ棄ててしまった。
だめ押し的に判決は、横堀現地闘争本部撤去も含めた空港機能拡大に対して「過密運行、安全軽視、環境・人権破壊、空港公害の拡大と、時代に逆行する危険に満ちたもの」という反対同盟の主張に対して、「新滑走路が設けられることに空港公害の発生の蓋然性及び程度の具体的に認定させる証拠はなく、本件請求の権利濫用を基礎付けるものではない」と真っ向から否定した。航空機の騒音の拡大、落下物、ニアミスなどの事故が多発化しているにもかかわらず、排除・無視して空港会社の営利主義を防衛するのだ。
このように高裁判決はブルジョア国家防衛という階級的任務を貫徹するために反動判決をデッチ上げたのである。、空港会社の夏目誠社長は「一審と同様、当社の主張が正当と認められた。空港のさらなる機能強化が求められる中、機能拡充に当該用地を活用していきたい」と居直り発言を行っている。反対同盟は、高裁不当判決を許さず、ただちに上告し裁判闘争を行っていくことを表明している。二・三高裁判決糾弾!最高裁勝利判決をかちとろう。


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