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    かけはし2016.年3月14日号

「日の丸・君が代」強制をやめろ


2.13

社会的排除に抗する闘いへ

国家主義をはねのけよう

 【神奈川】二月一三日、「日の丸・君が代」の強制をはね返す神奈川の集会が横浜・波止場会館で行われ、八〇人が集まった。
司会の中森圭子さんから、一月に取り組まれた県教委交渉の様子、県教委の無関心と戦後七〇年の薄れつつある戦争経験、戦争法をはじめとした安倍政権の振る舞い、人々の自粛傾向を振りかえり、開会した。

鵜飼哲さんが
メインの講演
講師の鵜飼哲さんはフランス在住経験が長く、南シナ海への介入を含め、日仏の軍事交流も見逃してはならない傾向だと指摘したうえで、「日の丸・君が代」の強制について話した。二〇一五年という一年を、安倍七〇年談話と「平和」国家観へのすり替え、アメリカの意向による日本軍性奴隷問題の日韓「合意」、集団的自衛権容認と「周辺事態」の終わりなどといった項目で鵜飼さんは特徴づける。教員としての立場においても、下村前文科相による国立大学への「日の丸・君が代」強制発言、人文科学分野等の統廃合を意図した六・八通達など大学に対する政策から「日の丸・君が代」強制を身近に感じているという。
鵜飼さんは問題を整理するために、「国旗・国家」法、自民党改憲草案、二〇二〇年東京オリンピックと「日の丸・君が代」強制という形で時期を区切り、強制に抵抗するための歴史的前提と今後の課題を提示している。子どもの権利条約違反の矛盾を乗り越える右派の強制論は「国民」でなければ「人間」でないという思考回路に貫かれ、子どもは動物であり、「日の丸・君が代」による調教の対象、として体現されている。そして「日の丸・君が代」は、天皇制をはじめとした「変わらなさ」、「変われなさ」の象徴であり、特定の集団の国家権力私物化の象徴でもあるが、特定の集団の支配は恒久化の段階に入ったといえること、などを鵜飼さんは説明するのだった。たとえばフランスにおいて、二〇〇一年におこなわれた仏代表とアルジェリア代表のサッカー試合中に起こるアルジェリア系移民の「ウイニング・ラン」、二〇〇五年の「郊外」での蜂起は、二〇一五年の二つの殺傷事件につながるとも指摘し、諸状況に至るプロセスに「国旗・国家」が組み込まれていることを解き明かすのだった。
鵜飼さんは小学生のときにむかえた一九六四年東京オリンピックを非常なトラウマだと感じている(岩波ブックレットに「一九六四年の『少国民』」という鵜飼さんの著書がある)。その上でオリンピックという枠を利用した、「オリンピックを開催する、ゆえに(放射能の)リスクはない」などの倒錯したイメージ作りが、歴史修正主義と並行して進んでいくのだと指摘し、オリンピック開催にともなうさまざまな強制に対する意識的な抵抗を呼びかけた。

憲法破壊と戦争
に立ち向かおう
アピールは五人からおこなわれた。木元茂夫さん(すべての基地に「NOを!」ファイト神奈川)は(会場から見える)ノースドッグに停泊する米軍揚陸補助艦などの説明をしてくれた後、「全日本海員組合」の声明を紹介し、一月に防衛省が発表した船員の予備自衛官化を糾弾した。具体的には一九八五年二月にペルシャ湾でロケット弾攻撃を受けて日本人船員藤村さんが死亡した事件をあげ、軍艦が海外派遣されれば民間人の動員が不可避で、民間船の犠牲が増えていくことを指摘した。
外山さん(個人情報保護条例を活かす会)は 不起立者の氏名等情報を削除させる県教委交渉への取り組みと、情報廃棄に向けた働きかけを伝えた。学校現場における自衛隊へのリクルート活動の実態と、生活体験学習の分野に組み込まれた自衛隊体験の問題について説明があった。この問題については主催者の「日の丸・君が代」の法制化と強制に反対する神奈川の会も意識的に取り組むであろう。
桜井大子さん(女性と天皇制研究会)からは新しい学習会シリーズ参加要請があり、初回は憲法一条から八条の問題と皇室典範の問題を扱うとのことだった。
山下治子さん(辺野古への基地建設を許さない実行委員会)はキャンプシュワブゲート前での警視庁機動隊による弾圧、政府による訴訟合戦の矛盾を報告、二一日の国会包囲行動への参加を呼びかけた。
宮崎俊郎さん(横浜から住基ネット不参加を!横浜)からは「マイナンバー」というよりナショナルナンバーといった方がよい、昨今の押し付けの数々と、神奈川でも取り組まれる違憲訴訟について紹介があった。
集会終了後、デモがおこなわれ、「日の丸・君が代と天皇制反対」、「憲法壊すな、平和を作ろう」などコールをあげ、街頭に訴えた。

人権を守り排外
主義との対決へ
なお神奈川・川崎では在日朝鮮半島出身の人々が生活する街・桜本に対して在特会等右派のデモが二〇一五年はエスカレートしており、これに対してふれあい館の関係者やカウンター行動の人々によって一月二三日には「オール川崎」集会がおこなわれ、ヘイトスピーチ根絶へ向け条例制定などの運動が強化されている。一月二三日の集会での地元中学生、ハルモニによる発言は多くの参加者に感銘を与え、三一日は富士見公園での右派集会に対抗し駅前の大規模な街頭宣伝、公園現地包囲を数百人で取り組んでいる。そしてシットインで右派デモ隊の桜本立ち入りを再度阻止したといわれている。川崎市内では二〇一五年から現在にかけて象徴的な事件が相次いでいる。少年たちによる中学一年生の殺害事件(二〇一五年二月)、放火による簡易宿泊所全焼と入居者一一名死亡(二〇一五年五月)、そして介護施設において職員が複数の入所者を殺害したと疑われている事件(二〇一六年二月拘束)など、煽動的に大メディアで報じられているところである。
これらのことは偶然とも言えるが、社会的排除と閉塞という一点において偶然では済まされない問題を持っていることも確かである。桜本ふれあい館は「在日」の人々に対する指紋押捺拒否運動の過程で生まれており、このことにとどまらず川崎は労働者の街として、市民運動の大きな拠点でもある。しかし政令指定都市として緊縮政策の独自性ばかりが求められる中で、野宿者は駅頭、公園から追い出され、アゼリアに象徴される大規模な都市開発によって労働者の人権は周辺に追いやられてきた。
広範な抵抗のつながりを広めながら、オリンピックのホスト国として恥ずかしいからヘイトスピーチを許さない、よき国民として共生しようという次元を越え、国家が押し付けるものをはね返していく思いを、この日の集会によって新たにした。     (海田)

2.26

米軍だけではない

やめろ琉球弧への自衛隊配備

防衛省に抗議のアピール

 
宮古・石垣に
PAC3配備
 二月二六日、二回目の琉球弧自衛隊配備反対アクションが防衛省前で行われた。参加者は二〇人。
 まず主催の栗原学さんから、自衛隊配備をめぐる直近の動きの報告。
 「前回一月三〇日の配備反対アクションで防衛省敷地内でのPAC3配備に抗議したが、その後に南西諸島で配備されたのは、宮古島と石垣島だった。結局、無駄・無意味としか言いようがない配備だったが、日本政府は危機感を煽って自衛隊配備の露払いにしている。他国のロケットを撃ち落とすこと自体戦争行為であり、もし島にミサイル基地など配備したら先制・報復攻撃の対象になるだろう。まさに『基地があるから戦場になる』ということだ。沖縄戦の愚を繰り返させないためにも、自衛隊配備反対の動きを強めよう」と訴えた。
 また、現地の動きとして「与那国島では、基地建設で発生した土砂が大量に流出して海が汚れ、サンゴが破壊されている。また、作業員が釣りなどをしてゴミを海に撒き散らかしていることが問題になっている。このようなことは、基地を作ればどこでも繰り返されるだろう。日本政府は、与那国島の住民が起こしている差し止め訴訟を無視して、三月二八日に基地運用開始を強行しようとしている。絶対に許せない」と語った。
 反対運動の動きについて、石垣島と宮古島で本格化しつつあり、宮古島では二月二二日から市役所前で平日は毎日「配備反対」のスタンディングが開始されていることが報告され、また、沖縄選出の糸数慶子議員や仲里利信議員が「石垣島自衛隊配備反対」の立場から、国会で質問主意書を提出していることが紹介され、とりわけ仲里議員は沖縄保守派系出身であり、「オール沖縄」が自衛隊配備反対で固まりつつあることに注目するべき、とした。

辺野古新基地
反対と一体で
参加者から、辺野古実の中村利也さんからアピール。「PAC3配備に際して、防衛相の中谷が“先島に常備したい”などと語っている。『離島防衛』の既成事実化ありきの姿勢は許せない。また今回のように『北朝鮮脅威論』が煽られて、島々を軍事化していく策動が繰り返されるだろう。脅威論そのものを批判していかなければならない。辺野古の問題と自衛隊配備の問題を結んで反対し、安倍政権に迫っていこう」と訴えた。
宮古島出身の下地さんは「軍隊があるから『有事』があっても住民が守られるという思考の前提がおかしい。戦争になれば誰だって自分の身を守ろうとする。実は軍隊も同じだ。だから、沖縄戦で集団自決や日本軍の住民虐殺が引き起こされた。『有事』を起こさないことが政府の役割であって、決して自衛隊を配備することではないはずだ。政府は『領土』としてしか琉球を見ていない。『日本を守る』と安倍は言うが、現実は沖縄が犠牲になるだろう。本土の人も一緒に自衛隊配備に反対してほしい」と語った。
植松青児さんは「政府は中国脅威論を煽るが、一九四九年に中華人民共和国が成立した時点で沖縄には基地があり、アジアを見据えていた。アジアの緊張を作り出してきたのは、常に米日政府だったではないか。この上に、琉球に自衛隊配備しようなどということは許されない。今回の自衛隊配備計画は、北海道の部隊がソ連の崩壊で浮いてしまっているから、その埋め合わせに過ぎないのではないか。組織を守る論理のために、島の人々の生活を踏みにじる自衛隊配備に絶対反対だ」とアピールした。
最後にシュプレヒコールを上げて、次回行動は「沖縄戦」が開始された四月一日に行うことが確認された。        (F)

3.3

安保法制施行・大軍拡に反対

防衛省に抗議の申し入れ

戦争国家化にSTOPをかけよう

 三月三日、朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)の核実験と「ミサイル発射」、そして北朝鮮への制裁強化とこの日から始まる米韓軍事演習など、朝鮮半島をめぐる軍事緊張がさらに緊張の度を増している中で、東京・市ヶ谷の防衛省に対して「安保法制の施行と緊急事態条項新設の中止、オスプレイ配備ほか軍拡の即時停止を求める要請行動」が午後六時半から、東京・市ヶ谷の防衛省に向けて行われた。呼びかけたのは有事立法・治安弾圧を許すな!北部集会実行委、立川自衛隊監視テント村、パトリオットミサイルはいらない!習志野基地行動実行委の三団体。行動には四〇人が集まった。
この日の行動は、安倍政権の安保関連法=戦争法の施行、東シナ海・南シナ海での「領土紛争」、朝鮮半島での軍事緊張を背景にした、自衛隊の大軍拡、「緊急事態条項」新設と改憲プログラムの実施などの一連の「戦争国家化」と米日韓からオーストラリア、フィリピンなどをも実戦的軍事同盟体制拡大の動きに抗議するために呼びかけられた。

 この日の行動の対防衛省申し入れ文は、次のように訴えている。
「すでにわが国は米追随の『ミサイル防衛』に一兆五〇〇〇億円以上もの税金を投入し、今後も費用拡大はとどまるところを知らない。そこにTHAADミサイルシステム(高高度ミサイル迎撃システム)が加わることで、果てしもない『スパイラル開発』による税金の空費が拡大されることになる。今回の北朝鮮の打ち上げ実験に際し、私たちの地元である習志野基地、朝霞基地、防衛省にPAC―3が展開された。さらに各務ヶ原基地、宮古島、石垣島と、通過の予定もない地域へのPAC―3の展開も行われた。これらは一方的に危機を煽り、ミサイル防衛を規制事実化するだけではなく、南西諸島への自衛隊配備、米空軍のオスプレイCV―22の横田配備、米海兵隊と陸自のMV―22の木更津整備拠点化への道筋を、北朝鮮の脅威を口実に正当化する軍事的茶番劇に他ならない」。
さらに辺野古への基地建設を許さない実行委の中村利也さん、武器輸出反対ネットワークの杉原浩司さんなどからの発言を受け、沖縄の島ぐるみの辺野古新基地建設のねらい、そして原発とならぶ武器の輸出を戦略的な成長戦略に組み込んだ安倍政権と大資本の動きに立ち向かう運動の形成が強調された。
改憲・派兵とセットになった大軍拡の動きに共に立ち向かおう。   (K)

 


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