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    かけはし2016.年3月28日号

不当弾圧を糾弾する


新国立競技場の建設による
野宿者排除を許すな

混乱深まる
20東京五輪

 「福島原発の汚染水は完全にコントロールされている。」「福島は東京から二五〇キロメートルも離れているから安全」安倍首相のウソと被災地切り捨ての言葉で勝ち取った二〇二〇年東京オリンピック。その主会場である新国立競技場の問題が揺れている。ロンドン在住のザハ氏の案に一度は決まったものの、あまりに奇抜なデザインと、それを実現するためには途方も無い予算(二六五一億円)をつぎ込まなければならないことから、批判が相次ぎ、決定を覆し、再度コンペを行い、昨年一二月にA案、B案の二つの中からA案に決定した。
しかしそのA案の設計図には「聖火台」がないことが三月になって判明し、またもや、混乱が生じている。 デザインを担当した隈研吾氏はデザインの募集要項にそもそも聖火台の設置についての記載はなかったと指摘し、建設主体のJSC(日本スポーツ振興センター)は大会組織委員会からそのような(聖火台を設置する)要望は聞いてないと主張している。
それを受けて大会組織委員会の森会長(元首相)は山梨県甲府市で五日に行われた「ラグビーワールドカップに2019日本大会を成功させる山梨の会」の設立総会であいさつし、「JSCというとんでもない連中が聖火台を忘れた設計図を作った」「組織委員会ばかりが悪者」「私が悪いと怒られる」「一番悪いのは馳浩(文科相)です。文科省です」と言い放った。(三月六日、スポーツ報知)
その後、遠藤五輪相を中心とするワーキングチームが会場の中に設置するか、それとも外かを四月中に決定するということになったが、木材を多用するデザインのなかで、消防法の問題などクリアしなければならない課題はまだ多い。

野宿者への
不当令状逮捕


そんな新国立競技場の建設予定地である明治公園では今も数人の野宿の仲間がテントでの暮らしを続けており、これまでも東京都や、JSCからの排除の動きがあったが、支援の仲間と共に「話し合い」での解決を求め、追い出しを跳ね返して来た。
しかし、東京都からJSCに権限が委譲された一月二七日、これまで幾度かの話し合いが行われ、「住んでいる人がいる間は生活に影響のある工事はしない」と言っていたのが一転、大量のガードマン、警察官を動員して野宿の仲間を排除する挙に出て来た。不当な追い出しであり、行政代執行の手続きを踏まない強制排除は違法でもある。
野宿の当事者と支援者はそれに抗して闘い、排除を阻止したが、一月以上経った三月二日、朝八時、支援者のAさんが一月二七日の件で「全治一週間の暴行」と「公務執行妨害」の容疑で突然、令状逮捕された。
Aさんは逮捕され、原宿警察署に連行されたが、そこにはマスコミ各社が呼ばれ、車から警察署の建物の中に入るまでの間を意図的に撮影させた。夜勤明けの所を狙い撃ちで逮捕されたAさんだが、「職業不詳の活動家の男」とマスコミにはリークされた。
翌日には渋谷の野宿者支援団体、野宿者の生存と生活を勝ち取る自由連合」(通称のじれん)の事務所に家宅捜索が行われ、その様子もテレビなどで報道された。直ちに救援会が組織され声明を発表した。Aさん本人は現在、不当にも保護房に入れられている。
新国立競技場は旧国立競技場、明治公園、日本青年館そして都営霞ヶ丘アパートも建設予定地となっている。六四年の東京オリンピックに向けた再開発によってそれまで建っていた都営住宅(一〇〇戸)が建て替えられ、一〇棟三〇〇戸のアパートになり、敷地内にあった兵舎、将校会議所に居住していた戦災者、引揚者もアパートへ入居、ほかに高速道路や明治公園の建設に伴って移転して来た人々もいたとのこと。今回アパートの住民も立ち退きを余儀なくされているが、前回のオリンピックで住む所を追われ、ここで暮らしていた人々が、五〇年経って、またしても今回の新国立競技場建設によって二度目の移転を余儀なくされるというのはあまりにも酷である。アパートでは三月一〇日現在、二世帯が生活を続けており、霞ヶ丘アパートを考える会の仲間が寄り添い、ブログなどで情報を発信している。こちらも注目を。

危機感がもたらす
相次ぐドタバタ


オリンピックに向けて都内各地では便乗も含め再開発が進められているが、大会関連施設が集中しているのは渋谷区と江東区である。江東区辰巳の森海浜公園にある東京都辰巳国際水泳場(九三年開設)は水泳の国際大会なども開かれる本格的な競技用プールであるが、オリンピックに向けて「オリンピックアクアティスセンター」という新しいプールが作られ、既存の国際水泳場は観客席が少ないという理由で練習用プールとなる。五輪後には同じ国際規格のプールは二つ要らないことから、取り壊しが濃厚である。ほかに水球などを行う「ウォーターポロアリーナ」というプールも作られるが、五輪後には取り壊される予定だという。建設費は合計で三九七億円、全額東京都が負担する。
同様の問題は新国立競技場にも当てはまる。八万人収容のスタジアムなどオリンピックが終われば無用となるだろう。巨額の維持費をイベントの開催などで捻出出来なければ、それを誰が負担するのか? 八四年のロサンゼルス・オリンピックを境に加速したオリンピックの商業化、巨大企業の利益のために税金を還流させる仕組み、このようなモデルに日本資本主義がもはや耐えられるだけの体力を失っているということが、この間の新国立競技場建設をめぐるドタバタの根底にあるのではないか。           (板)

声明

新国立競技場3・2弾圧救援会

オリンピックによる野宿者追い出しを
許さない 不当な逮捕に抗議する

2016年3月2日のAさんの不当逮捕に抗議する

 3月2日の午前8時過ぎ、私達と活動をともにしてきた仲間Aさんが路上で警官7、8人にいきなり取り囲まれ、パトカーに乗せられ連れ去られるという事件が起きました。いわゆる令状逮捕といわれるものです。容疑は1月27日の新国立競技場建設予定地での野宿者強制排除の現場で、JSC(日本スポーツ振興センター)職員に怪我を負わせたというもの。しかし、これまでの新国立競技場建設をめぐるJSCと明治公園の野宿当事者の話し合いの過程からすると、今回の逮捕はあまりに事実経緯を無視したものです。1月27日から1ヵ月以上たっての、この突然の逮捕は、問題含みの新国立競技場建設を強行するための社会運動に対する弾圧と考えざるをえません。
  私達「オリンピックによる野宿者追い出しを許さない 新国立競技場3・2弾圧救援会」は、この不当逮捕・弾圧に対し社会的な陣形を形作り撃ち返し、Aさんを一日も早く取り返すことを目指します。

1月27日に起こったこと 圧倒的な暴力を振るったのはJSCです

 1月27日の早朝、JSCは大量の警察官・警備員を動員して、新国立競技場の建設予定地である明治公園の出入り口を封鎖しようとしました。クレーン車で鉄パイプを組んだバリケードを吊り下げ、抗議する野宿者や支援者の頭上をかすめるようにして設置を強行し、また、出入り口に集まった私達を追い出しました。JSCや警備員・警察官らによる暴力がふるわれる中、傷を負った私達の知人友人が何人もいます。さらにはJSCの職員が救急箱を持って走り、私達の友人の怪我に薬を塗るといった光景も見られました。
そもそものはじまりであり、最も大きな暴力は、JSCによる公園の強制封鎖です。中に人が暮らしているにもかかわらず、またこれまでの話し合いを反故にして、いきなり生活空間の出入り口を封鎖しようとしたJSCの稚拙で非人間的なやり方が、1月27日の騒ぎの原因であることはまちがいありません。
3月2日のAさんの逮捕は、容疑である「公務執行妨害」と「傷害」が事実無根であるだけでなく、1月27日に明治公園でJSCが振るった暴力と嘘を隠蔽し、居直るという意味でも許しがたいものです。

追い出しではなく、話し合いを! 私達はずっと求めてきました

 これまでJSCは、公園内に野宿し暮らしてきた人達の求めに応じて話し合いを続けてきました。そして、「住んでいる人がいる間は生活に影響のある工事はしない」「話し合いで解決する」と約束してきました。それにもかかわらず1月27日、JSCは明治公園を強制封鎖しようとし、野宿者・支援者の必死の抗議によってそれが中止せざるをえなくなった後も、2月5日には再び警察官を使って出入り口を閉ざそうとしました。紙切れ一枚で工事の妨げになるものは人間であろうとなんであろうと排除する、という姿勢です。
しかし私達は、JSCがなりふり構わぬ追い出しを行うようになった1月27日以降も、話し合いでの解決を求めて活動してきました。2月17日には、JSC職員が明治公園にやってきて、30分ほどですが話し合いを行い、「人が暮らしている間は工事はできない、しない」ということをあらためて確認しています。Aさんが逮捕された3月2日は、私達が1月27日の危険な工事や2月5日の強制封鎖の法的根拠などJSCに確認したいことをまとめた質問書の回答期限でした。それへの返答が今回の逮捕なのでしょうか? 野宿者に対してなら約束も確認も守る必要はないということでしょうか?
今回のAさんの逮捕は、当事者と支援者を力づくで分断することによって、これまでの話し合いのプロセスを踏みにじるものです。今回の逮捕の報を受けた公園に住む野宿当事者は「こんなやりかたでは、出ていくわけがない」と憤っていました。私達は引き続きJSCに話し合いを求めていきます。

Aさんを一日も早く取り戻すため、多くの方々の支援と連帯を

 私達は、3月2日のAさんの逮捕をJSCと警察が一体になった形での社会運動に対する圧力であり、野宿者追い出しの一環としての弾圧と考えます。マスコミを大量動員しての見せしめ逮捕を絶対に許すことは出来ません。JSCが1月27日に明治公園で行ったことは、いくつかの動画が上がっているのでぜひご覧になっていただきたいと思います。
今回の不当逮捕の容疑のひとつは「公務執行妨害」。これはJSCの職員が公務員とみなされること(「みなし公務員」)を表しています。法的根拠を示せずに、果たして公務といえるのでしょうか?
今回の弾圧により、あらためて新国立競技場を建設する主体であるJSCに注目が集まっています。だからこそ、この機会にJSCの行状を白日の下にさらし、貧者を更に厳しい状況へ追い込む権力者たちを大衆的に包囲していく重要な契機であると考えています。警察署に勾留されているAさんも同意見であり、黙秘を続けて頑張っています。
今回の逮捕は、法律・警察権力の濫用であると同時に、人権侵害なしでは計画が進められないJSC・新国立競技場のあり方そのものの問題です。社会の矛盾が最も凝縮する中で暮らしてきた野宿者に対して、国策としてのオリンピックのために一方的に追い出すJSCに対する広範な社会的批判を創りだしていきましょう。そしてAさんの一日も早い奪還を、実現しようではありませんか。

文責:オリンピックによる野宿者追い出しを許さない 新国立競技場3・2弾圧救援会2016年3月4日 

3.7

辺野古実 防衛省抗議行動

工事を止めたのは勝利

闘いはこれから始まる


疑ってみる
必要はあるが
 三月七日午後六時半から、防衛省定例申し入れ行動が辺野古への基地建設を許さない実行委員会の主催で開かれた。三月四日、辺野古新基地建設工事の中止と訴訟を取り下げて協議することで国と沖縄県が和解した。こうした新たな事態を受けての防衛省行動だった。
 司会者が「和解にはなったが、安倍首相は辺野古に新基地を建設すると表明している。単純に喜べない。運動を継続していこう」とまず語り、集会に入った。花輪伸一さん(WWFジャパン)は「和解が成立したが疑ってみる必要がある。安倍首相は辺野古が唯一の選択肢であると表明している。七月参院選まで静かにしておくということだろう。今後の裁判の結果に従うとしているが、知事側が負けたら埋め立てできるのか。基地建設できるのか。知事には基地建設に伴う承認事項がいっぱいある。新たな裁判で基地を作ることはできない」と語った。次に中部地区労働者交流会の仲間が一月二六日〜三〇日、辺野古に行き連帯行動を行った報告を行った。
 続いて沖縄出身者がアピールした。嘉手納基地近くに住んでいた島袋さん。
 「政府のやってきたことを中断させた。これはたいへんなことだ。和解のニュースが流れた時、ゲート前で座り込みをしていた山城博治さんは男泣きしていた。山城さんはすぐに今後とも闘いを続けなければならないと表明した。今回の和解は沖縄・現地の闘いがあったからだ。座り込みも六〇〇日を超えた。毎日数十から数百人が闘っている。これは一大闘争だ。二・二一国会包囲二万八〇〇〇人の大結集。これから参院選に取り組まなければならない」。もう一人の沖縄出身者が発言した。「和解は私たちの大勝利だ。工事を止めることが肝心なことだ。強靭なスクラムを組んでいこう」。
 
政府は新基地
の最後的断念を
沖縄から電話アピールをもらう予定だったが通信機器の不具合で残念ながら今回はできなかった。反安保労働者講座が「参議院選挙後、自民党大勝となれば、一気に工事再開の強権を発動する恐れもある。私たちは、政府が一刻も早く、辺野古工事をとりやめ、新基地建設を断念することを申し入れる」と防衛省に申し入れた。
 辺野古実の中村利也さんが今後の行動提起を行った。
 「3・19報告会 辺野古、最前線」報告:北上田毅さん(沖縄平和市民連絡会)三月一九日午後六時半、新富区民館(地下鉄日比谷線「八丁堀駅下車)、「辺野古の海を埋め立てるな!3・27新宿デモ」午後2時新宿アルタ前でアピール午後3時デモ。
 最後に大仲尊さん(沖縄一坪反戦地主会・関東ブロック)が「代執行裁判が敗北するかもしれないとなり、政府は和解案を飲んだのだろう。これから闘いは始まる。辺野古に基地は作らせない。沖縄本島から与那国島まで自衛隊基地建設・配備が強まっている。これに反対する宮古・石垣島の人たちが上京し、三月三〇日昼間に防衛省行動、夕方集会を行う。ぜひ参加してほしい」とまとめた。東京音楽協議会の音頭で辺野古で歌われている闘争歌を歌い団結を固めた。(M)


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