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    かけはし2016.年3月28日号

基地ある限り米軍犯罪はなくならない


沖縄報告 3月21日

3・21キャンプシュワブ前緊急抗議集会に2500人

沖縄 K・S

米軍兵隊は沖縄から撤退を

 三月二一日午後、キャンプ・シュワブ第一ゲート前で、「基地の県内移設を許さない県民会議」主催の「米海軍兵による性暴力を許さない緊急抗議集会」が開かれた。一部に被害者に落ち度があるかのような無責任な言葉が流れているが、とんでもない話だ。悪いのは全面的に加害者だ。集会には全県各地から予想を上回る二五〇〇人が結集し、日米両政府に対する強い抗議の意思を表した。
司会は山城博治平和運動センター議長。「基地・軍隊を許さない行動する女たちの会」の高里鈴代さんは「性暴力の被害にあっても訴えることができないでいる女性がどれだけ多くいることか。県民は基地の黄色いラインを越えると刑特法で捕まるのに、米兵は沖縄中を自由に動き回る。沖縄全体が基地になっている。米軍の性暴力をなくすために被害者が沈黙を強いられる状況を打ち破っていかなければならない。一刻の猶予も許されない」と訴えた。
ヘリ基地反対協議会の安次富浩共同代表は「口先だけの謝罪の言葉は要らない。根本的な解決は沖縄の基地の撤去しかない」と強調した。稲嶺進名護市長は強い抗議の意思を表す赤いTシャツをつけて登場し、「米軍は良き隣人というが、これまでキャンプ・シュワブの米兵が引き起こした強姦、殺人、住居侵入など数々の犯罪は良き隣人であれば決して起きる筈のない事件だった。私は今日家からここまで一時間二〇分かけて走ってきたが、その間ずっと“基地をなくせ”“新基地いらない”と独り言を言っていた。これ以上米軍犯罪はごめんだ」とアピールした。
照屋寛徳、赤嶺政賢、玉城デニーの各衆議院議員、糸数慶子参議院議員のあと、県議会会派県民ネットの奥平一夫県議は「加害者は米軍の一兵士だが、米軍に基地を提供しているのは一体誰か。安倍晋三ではないか。日本政府に責任はないのか」と怒りの声を上げた。
伊波洋一参議員選予定候補のあいさつのあと、集会決議、ガンバロー三唱を行い、「沖縄を返せ」を全員でうたい閉会した。

容疑者を起訴し、厳罰に処せ


三月一三日(日)未明に起こった米海軍兵による女性暴行事件の経過はこうだ。県警に逮捕された容疑者はキャンプ・シュワブ所属の米海軍一等水兵ジャスティン・カステラノス(二四歳)。容疑者は週末、他の海兵隊員と共に那覇の繁華街に繰り出し酒を飲み那覇市内のホテルに宿泊した。被害女性は日本本土から観光に訪れ、たまたま、容疑者と同じホテルに宿泊していた。同室の知人との連絡の不手際からオートロック式の部屋に入れず、扉の前で寝入ってしまった被害女性を容疑者の海軍兵は自分の部屋に連れ込み、暴行した。女性の悲鳴を聞いた同室の知人が容疑者の部屋に急行し女性を保護すると共に、警察に通報し、事件が明るみに出た。那覇署は面識のない観光客の女性が寝ているのに乗じて性的暴行を加えたとして準強姦容疑で逮捕し、那覇地検に送検した。
準強姦容疑とは寝ていたり深酔い状態だったりして抵抗できない状態にある女性に性的暴行を加える犯罪であり、未遂を意味しない。日本の刑法上の法定刑は三年以上二〇年以下の有期懲役となっている。
一九九五年の少女暴行事件では、犯罪米兵は基地内に逃げ込み、米軍は起訴前引渡しを拒否したが、今回容疑者は県警に逮捕された。検察は必ず起訴をし、裁判所は国内法に基づいて厳罰に処す判決を下すことが重要だ。裁判官は、法定刑の最高と決められている懲役二〇年にできる限り近づく判決を下すべきだ。米軍の性犯罪の撲滅は犯罪者に対する国内法にもとづく厳罰が実効性のある第一歩である。

広がる抗議のうねり


事件を受けて沖縄では抗議のうねりが大きく起こっている。強姦、殺人、放火など米軍犯罪は、沖縄戦での米軍の沖縄上陸と共に始まり、米軍政時代だけでなく復帰後も延々と続いてきた。一体いつまで米軍犯罪と共存しなければならないのか。日米両政府は事件のたびに、「遺憾」の意を表明し「綱紀粛正」「再発防止」を約束するが、これまで守られたためしがない。しかも今回の容疑者は辺野古キャンプ・シュワブの海軍兵だ。辺野古新基地NO!の民意と合わさって、自治体や女性団体、市民団体などで女性暴行を糾弾する動きが広がった。一部に被害者に落ち度があるかのような無責任な言葉が流れているが、とんでもない話だ。悪いのは全面的に加害者だ。
翁長知事は、謝罪に県庁を訪れた沖縄駐留米軍トップのローレンス・ニコルソン四軍調整官とジョエル・エレンライク米総領事に対し、「女性の人権をふみにじる重大な犯罪であり、決して許すことはできない」と強く抗議した。「基地・軍隊を許さない行動する女たちの会」(高里鈴代、糸数慶子共同代表)は「駐留軍による構造的暴力」だとして、@被害女性のプライバシーを守り、心身の十分なケアを図る、A被害者への謝罪と加害米兵の厳正な処罰、B全米兵の基地外行動の禁止、C日米地位協定の抜本的改正、D沖縄のすべての基地・軍隊の撤退、を求めた。
思い起こせば、日米両政府が普天間基地の閉鎖を打ち出したのは、一九九五年の少女暴行事件に対する県民の怒りの爆発が米軍基地撤去へと進むことを恐れたからであった。あれから二一年、その後も度重なる米軍の性暴力事件に対する抗議を重ねてきて、多くの県民は米軍基地の全面撤去だけが米軍の性犯罪を根絶する道だと強く主張する。
沖縄県警のまとめによると、一九七二年の復帰後昨年一二月まで、沖縄で起きた米軍人軍属らの刑法犯は五八九六件、そのうち強姦事件は一二九件、一四七人が摘発された。『涙のあとは乾く』(講談社)の著者、キャサリン・ジェーン・フィッシャーさんは今回の事件を受けて、「表面化しているのはほんの一部。どれだけの人が傷つき今も苦しんでいるか。」「自分の大切な存在が傷つけられれば、怒り、正義のために立ち上がり、大切な人を守る。日本政府にはそれがない。そのことが米兵による犯罪が起きるのを許している。被害者が声を上げられない状況もつくっている」と指摘した。

米兵を基地外に出させるな

 米軍は、戦場において躊躇なく人を殺す攻撃性を身につけた「殺人マシーン」となるよう兵士を教育し訓練する。このような攻撃性と性暴力は一体だ。米軍内部での性暴力も深刻な水準にある。二〇一五年五月一五日付の琉球新報問山記者のワシントン報告によると、米国防総省は二〇一四年会計年度の米軍内部の性犯罪件数を一八九〇〇件(うち女性の被害者八五〇〇人)と推定していると発表した。そのうち実際に被害申告したのは約三分の一の六一三一人に過ぎず、申告者の四分の一は基地内で働く民間人だという。米軍の存在そのものが性暴力の温床なのだ。
日米地位協定により、出入国管理法の適用除外や基地の排他的管理権、犯罪米兵の身柄引き渡し拒否権など治外法権的な特権を有していることが米軍の構造的性暴力をさらに強める。前泊博盛沖国大教授によると、犯罪米兵の起訴率は一〇%前後にすぎないという。逮捕されない、起訴されない、処罰されないという日米安保―日米地位協定の仕組が米軍犯罪を保護しているのだ。形だけの「綱紀粛正」「再発防止」は効き目がない。「再発防止」のために必要なことは、米兵を基地の外に絶対出さないことだ。

3.16

国交相が「是正の指示」を撤
回し、再度「是正の指示」を
提出するという失態


翁長知事の埋め立て承認取り消しに対する国交相の「是正の指示」(三月七日)はA4用紙三枚、知事の埋め立て承認取り消しは「法令の規定に違反している」から「取り消すよう指示します」という、具体的な内容は何もないお粗末なものだった。
沖縄県は、国の「是正の指示」は違法であり「是正の指示」の取り消しの勧告を求めるとして国地方係争処理委員会に審査の申し出を行なった(三月一四日)。
それに対し国は一六日、東京の国交省から職員が直接沖縄県海岸防災課を訪れ、三月七日の「是正の指示」を撤回し、理由を付した新たな是正指示文書を提出した。翁長知事は、このような国の失態にたいし、「地方自治法に違反しているということを自ら認めたもの」「地方自治の趣旨を理解いただいていない」と述べた。
国交相の是正指示の理由は@仲井真前知事の埋め立て承認は法的瑕疵がない、A仮に瑕疵があるとしても、取り消し制限法理により取り消しはできない、となっている。
今後係争委を舞台とした県と国との攻防が進展する。翁長知事は係争委での意見陳述の考えを表明している。他方、法的手続きと並行した政府と沖縄県との協議は三月二三日に始まる。全国の皆さんは、係争委と県政府間協議における沖縄の主張に注目し、できるだけ多くの人々に伝えてほしい。
なお、ヘリ基地反対協議会の安次富浩共同代表は、国と県との和解条項による「円満解決に向けた協議」は、キャンプ・シュワブゲート前や海上で警備に当たっている警視庁機動隊、海上保安庁、民間警備会社の撤退が前提条件であるとの声明を発表した。現場での工事が止まっていることは歓迎するとしながら、警視庁機動隊が依然として配備についており、警戒を緩めることができない、と述べた。その通りだ。

3.17

土砂搬入反対学習会に一〇〇人

土砂搬出反対連絡協
の阿部さんが報告


三月一七日午後六時半から、名護市で、「それぞれの故郷を守ろう!―辺野古への土砂搬出に反対する全国のたたかい―」と題する学習講演会が開かれ、約一〇〇人が参加した。主催はいーなぐ会(稲嶺市政を支える女性の会)。司会はいーなぐ会事務局長の浦島悦子さん。
辺野古新基地建設の埋め立てに使われる二一〇〇万?の土砂のうち一七〇〇万?は瀬戸内、北九州・山口、鹿児島、奄美などの各地から持ち込まれる計画になっているが、それらの地域では、故郷の土砂を辺野古の埋め立てに使わせないという取り組みが広がっている。昨年結成された辺野古土砂搬出反対全国連絡協議会には現在八県一七団体が加盟している。
阿部悦子さん(全国連絡協議会共同代表)は、スライドを上映しながら、各地の採石場の様子と住民の取り組みを二時間にわたって報告した。(以下、要旨)

阿部悦子さんの報告から

連携して自然を守ろう


はじめのきっかけは二〇一三年三月二七日の琉球新報の記事だった。辺野古への土砂調達、一三〇〇億円、瀬戸内海からも、となっていて、これは一体どういうこと?と思った。それからいてもたってもいられず活動をはじめた。昨年五月に全国連絡協議会を結成し、各地を訪問してきたが、運動の輪は広がってきている。
香川県の小豆島。「二十四の瞳」で有名なこの島の東側に大規模な土砂採取場がある。島の人々から重箱山と呼ばれて親しまれてきた山は大きく崩されてしまった。
山口県の黒髪島、向島。先日山城博治さんの講演会があり、辺野古に土砂を運ばせない山口のこえ結成集会が行われた。山口県議会は二月県議会で辺野古土砂問題を追及した。
北九州市、門司区。五〇人弱で会が発足した。「戦場ぬ止み」の三上監督の講演には二五〇人が集まった。
長崎県五島列島。福江島の離島、椛島は人口一〇〇人もいない過疎地。この島のど真ん中に採石場がある。ここで、五島列島自然と文化の会の人々が運動している。
熊本県天草、御所浦島。昨年七月二〇日に熊本県連絡協が発足した。この島の採石場からは一億年前の恐竜の化石がゴロゴロ出てくる。海に浮かぶ博物館。辺野古の埋め立てに使っていいのか。
鹿児島県の南大隅町。ここもやはり過疎地。それにかこつけて、砕石、土砂搬出、核廃棄物処分場建設、自衛隊射撃場建設の動きがある。周辺の原生林はすばらしい。
奄美大島。三カ所に砕石場がある。住用湾の上流の山に砕石場がある。積まれた砕石が大雨で濁流となり、道路をふさぎ、海を汚す。粉塵もすごい。沢も石で埋まる。小学校から砕石場が丸見えだと住民は嘆いている。
徳之島。元田漁業組合長は頼りになる人。青森から移住してきている人もいる。
沖縄の本部と名護。そして、慶良間諸島の間の無人島からの海砂。
三重県。辺野古のケーソンをつくらせない三重県民の会ができた。ケーソンを造るのはJFE(元日本鋼管)。昨年五万筆以上の反対署名を提出した。ケーソンは五二m×二四m×二二mという巨大なもの。
辺野古の埋め立てに土砂が搬出されると、各地の環境も大きく破壊される。辺野古の埋め立てに反対することはそれぞれの故郷の自然を環境破壊から守ること。全国各地の人々が手をたずさえ、共に闘いましょう!

 

米海軍兵による性暴力を許さない緊急抗議集会決議

 三月一三日、那覇市内でまたしても米兵による許しがたい女性に対する性暴力事件が起きた。キャンプ・シュワブ所属の海軍兵が、抵抗できない女性を暴行するという蛮行は言語道断だ。これまで何度も繰り返される米兵による凶悪事件に県民の怒りは頂点に達している。もはや再発防止策や綱紀粛正などの実効性のない対策ではこのような事件は防げない。すベてが、基地があるが故に起こる事件・事故であり、抜本的対策は米兵の沖縄から撤退と基 地の撤去以外にない。県民の人権を蹂躪し、植民地意識で沖縄に駐留する米兵は沖縄にいらない。米軍は戦争するための軍隊だ。有事に備え日々訓練を繰り返している。今回の暴行も軍隊とういう構造的暴力の延長線上で発生した。決して許されるものではない。被害 女性は、休暇で沖縄を訪れた観光客であり、米軍基地が沖縄の発展の阻害要因ということ があらためて裏付けられた。
在沖米軍による女性に対する暴行事件の摘発件数は復帰後、昨年末までに一二九件、一四七人と後を絶たない。事件、事故の再発防止策として米軍が実施している飲酒規制「リバティー制度」も形骸化し、逆にそれを逃れるために那覇市内などで宿泊する現実は看過できるものではない。また、米軍は今回の事件後キュンプ•キンザ一(牧港補給基地)以南 において全面的に宿泊を禁止すると発表したが、事件の火消しに奔走し県民や観光客を愚 弄している。全県で禁止すべきだ。
繰り返される事件事故は、不平等な日米地位協定を放置している日米両政府にある。沖縄に基地を押し付け、県民の民意を無視する日本政府の沖縄に対する差別そのものだ。今、辺野古への新基地建設が政府によって強行され、さらに沖縄の米軍基地の機能強化が推し進められているなかで、この県民の怒りをどこに向ければいいのか。私たちは今回の凶悪事件を糾弾し、二度とこのような事件が起きないよう再発防止の徹底をはじめ以下の要求を決讓し強く抗議する。
1、被害女性に対する人権保護と謝罪を強く要求する。
2、徹底した再発防止を図り、リバティー制度を強化し、全県で宿泊を禁止すること。
3、日米地位協定を直ちに改定すること。
4、すべての米軍は沖縄から撤退すること。
以上、決議する。

  2016年3月21日

米海軍兵による性暴力を許さない緊急抗議集会
宛先:内閣総理大臣、米国大統領、防衛大臣、沖縄担当大臣、駐日米国大使、沖縄 防衛局長、在沖米軍4軍調整官





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