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    かけはし2016.年3月28日号

解決を不可能にする軍介入


2.22

日弁連憲法問題対策本部

安保法適用の問題点は?

PKO、IS空爆を素材に討論


 
駆けつけ警護
で混乱が拡大
 二月二二日、「安保法の適用・運用の危険性と問題点の解明〜PKO活動・IS空爆を素材に〜」と題するパネルディスカッションが日弁連憲法問題対策本部主催で開かれた。パネリストは内藤正典さん(同志社大学大学院教授)、松井芳郎さん(名古屋大学名誉教授)、半田滋さん(東京新聞論説委員兼編集委員)、コーディネーターを川上詩朗さん(日弁連憲法問題対策本部事務局長)が行った。
 最初に川上さんが「自衛隊のPKO活動で、戦争法が具体化されるかもしれない。駆け付け警護で武器使用を認め、具体化していく。現場がどういう所か理解する必要がある。IS空爆問題で安倍政権は自衛隊を派遣しないと言っているが法的には可能。中東情勢をどう見るか、軍事介入は本当の解決につながるか、日本はどうかかわるべきか、IS空爆は適法かどうか、公式見解はないなかで、今日のパネルディスカッションを素材にして考えていってほしい」と問題提起した。

武力行使では
ない別の道を
パネラーの内藤さんが中東情勢について語った。
「日本の関与について、国際会議で元トルコ外相が『日本は軍隊で介入する必要はない。教育・医療・住宅建設などソフトパワーで援助すべきだ』と語った。四年前にあったアフガン和平についての会議で、政府とタリバンが初めて同席した。そこで一致した結論は、外国軍隊が徹底しないかぎり平和はないということだった。これを当時のカルザイ大統領も認めていた。自衛隊派遣は歴史・現状を見ることなしにはとんでもないことになる」。
「シリアは最悪の人道危機状態だ。海外に逃れた難民が四五〇万人、国内難民が七六〇万人。ISが出てくる前(二〇一四年六月)に、アサド政権の弾圧によって三〇〇万人の難民が出ていた。ISによって難民が生まれたわけではない。ISをガンに例えると、ガンを手術してはたして母体が持つか。ISは一つの思想だ。一カ所つぶしても次に移る。外科療法だけに頼るか。ISのシンパはどこにでもいる。武力ではつぶせない。武力行使が唯一の解決策と言うが別の道はないか」。
「ISはイスラム法で統治している。われわれとは断絶がある。われわれはイスラムのことを知らない。バグダディはカリフを名のった。彼らは、主権は神にあると言う。イスラム・サラフィストはイスラム教徒自身が敵とされている。近代化を受け入れない。コーランがすべての基準だ。最悪の病理だがわれわれの価値観を押しつけることはできない。欧米諸国は国内でイスラム教徒を差別してきた。疎外・抑圧をなくさないかぎり、ISのような者は出てくる。IS問題の解決はイスラム教徒しかできない。力でつぶすのは間違いだ」。

南スーダンと
自衛隊の活動
南スーダンのPKOの現状について。半田さんが報告した。
「自衛隊はソマリア沖と南スーダンで活動している。ジブチで基地を作っている。海賊は出てきていない。自衛隊の被害はゼロ。P3C二機を常駐派遣し、アメリカの肩代わりで任務の六割をやっている。陸上自衛官五〇人が派遣されている。二〇一二年から南スーダンでは九回部隊を入れ替えている。首都ジュバに国連部隊の宿営地がある。そこで水道局を新しくしたり、駐機場の整備をしている」。
「国連憲章七章型のPKO。南スーダンでは停戦合意がない。予防的PKOだ。二〇一三年に紛争が起きたが二〇一五年に停戦合意ができた。自衛隊を取材すると『古いスタイル(後方地域支援)にいるんで』と現状を認めない。邦人などを守る駆け付け警護が必要だとしている。自衛隊が実際にできるのか。今は武器を持っていけば相手が逃げていった。米軍のシールズ(特殊部隊)は情報収集がほとんどの任務だ。日本の能力が問われている。『行けとなれば行かざるをえない』。内戦への介入となると憲法問題になる。駆け付け警護は歯止めがなくなる」。
「防衛省は以前に取材に応じていたものを、公表の形が変わったと言って拒否するようになった。特定秘密にされてしまっている。戦争法の成立によって、自衛隊員の安全が守られるのか疑問だ」。
シリアの空爆、PKOの武力行使について。松井さんは、シリアは通常の内戦であり、外国の介入は政府側・反政府側どちらもよくない。テロに関与・指定されると制裁。それは資産の凍結など個人を対象にしている。集団については言っていない。人権・法の支配が大切だ。最近のPKOは第二世代のPKOと言われ、当事者の合意がいらないとしている」。
「従来の国際法を発展させていく必要がある。混乱したい事態の時、@武力で対処すべてきでない。Aどこまで協力するのか、これは国内問題にもつながっている」。

難民受け入れ
と非軍事支援
山岸良太さん(日弁連憲法問題対策本部長代行)が「日弁連の五二地域組織全部が戦争法を廃案に持ち込むと決めている。二月一九日総がかり、二月二〇日沖縄国会包囲にも参加している。今後も日弁連はシンポ・宣伝などで行動していく。実際に平和を守らければならない時に、軍事力ではなく、平和的力でもって介入すべきだ」と閉会のあいさつをした。
パネラーの内藤さんがISに対して、「イスラム教徒のことはイスラム教徒にまかせるべきで、力でつぶすのは間違いだ」と提起していたがISがシリア・イラクのみならず、アフリカ・アジア、ヨーロッパでテロを繰り返している。この現実といかに立ち向かうのか、ISの持っている価値観やなぜISが登場したのかを、「アラブの反乱」の登場と挫折、労働者階級解放・人権の価値観などからきちんと批判していくことが必要だ。もちろん、われわれは自衛隊の軍事介入は反対であり、日本政府に難民の受け入れや現地での医療・教育・住宅建設など大規模な人道支援を行うように要求すべきと思う。(M)

2.29

首相官邸前緊急行動

日本政府は代執行訴訟裁判を
取り下げ沖縄の民意に従え!

 二月二九日午後六時半から、首相官邸前で、「日本政府は代執行訴訟裁判を直ちに取り下げ沖縄の民意に従え」の行動が沖縄・一坪反戦地主会関東ブロックが主催して行われた。昼間と打って変わって、強い北風が吹きつける寒い中での行動であった。
 木村さん(沖縄・一坪反戦地主会関東ブロック)が経過説明し、大仲さんが(沖縄・一坪反戦地主会関東ブロック)が主催者あいさつをした。
 「代執行訴訟にオール沖縄会議が呼びかけ裁判所前に一〇〇〇人以上が集まり激励行動をした。辺野古の現地と法廷行動は不可分の関係にある。現場の闘いが重要だ。三月一七日、不服審査の判決、四月一三日に、行政代執行の判決が出る。地方自治、翁長知事の権限をはく奪するな。負けるわけにはいかない。水・木集中行動に加えて火曜日も大行動を起こす。三日間工事車両をストップさせる。警視庁第四機動隊そして第七機動隊を使い弾圧している。絶対にゆるせない。ヤマトの中で、第七機動隊に対する抗議行動が取り組まれた。埋め立て土砂が県外から持ち込まれる計画になっているがそれを阻止する闘いが全国に広がっている。辺野古現地に行こう」。
 内田雅敏さん(戦争をさせない一〇〇〇人委員会事務局長)がかけつけあいさつした。
 「どうすべきかはなかなか言えないことがあるが、どういうことをしてはいけないかは分かる。米軍の基地を新たに作ること、武器輸出を国家戦略とすること。想像力を働かせることだ。高市総務相はマスコミを規制しようとしている。戦争の準備が始まっている。太平洋戦争下における様子を書いた『暗黒日記』(清沢冽著、ちくま書房)を読んでいる。あの時代に何が行われていたのか詳しく書いている。暗黒の時代であった。持続的に闘いを継続することが大切だ。沖縄に連帯しよう」。

ヤマトと沖縄を
結ぶ闘いを強化へ
次に沖縄から、山城博治さん(沖縄平和センター議長)が電話でアピールした。「二月二一日の国会包囲が二万八〇〇〇で成功したことに感激している。今日の裁判闘争には一五〇〇人が集まった。ゲート前はガラガラだ。堂々たる闘いを現地、裁判所で行う。勇気を持って見守って下さい。裁判所の二つの和解案が出された。新たな基地を建設し三〇年使用してから協議する根本的和解は断固拒否する。暫定的和解案は工事の中止をして協議をするとしている。県は前向きに検討するとしているが和解にならないだろう。両案から和解にならない。裁判長は逃げるな。裁判で堂々と闘う。今後工事を進めるには変更申請が必要だ。翁長知事はすべてノーという。そうすればすべて訴訟に発展する。国がすべて勝てるわけではない。例えば、一つでも県側が勝利すれば工事は中止になる。ゲート前、火曜行動を決めた。那覇島ぐるみ会議、労働組合そして全国の仲間たち、県庁前にバスを五〜六台用意する。私はこれから全国を回り結集を訴える。辺野古の闘いに勝利しよう」。
次に参加者が次々に発言した。郵政ユニオンの土屋さん。「今日、郵政本社行動やJAL支援行動を行った。この行動には三人で参加した。二月二五日〜二八日に一〇人で現地に行ってきた。五〇〇人が参加していた。木曜日は二〇〇人が行動。機動隊は時間をずらして押しかけてきた。だましうちをしないと工事ができない。今後定期的に行く体制をつくる」。東京労組の平田さん。「五人で参加した。現地は朝六時から集まり座り込み。第一回のゴボウ抜きをされ、それが四回繰り返された。船とカヌーはフロートを越えて拘束される、それが日課となっている。金曜日はまったくこなかった。ペースが乱れている」。
加藤弁護士が現地から裁判の報告を行った。「審理は終結したが和解協議は継続したいと裁判官が発言した。今後は不透明だが県が闘いの旗を下げることはない」。沖縄出身の遠山さんがシュプレヒコールで自らの思いを吐き出した。辺野古リレーは機動隊の暴力を厳しく批判した。最後に辺野古実の中村さんが三月七日月曜日午後六時半から定例防衛省行動、三月二七日午後二時から新宿アルタ前に集まり、三時からのデモに参加を呼びかけた。辺野古アクション武蔵野の三月一二日の武蔵野公会堂での集会も呼びかけられた。(M)



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