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    かけはし2016.年4月25日号

今こそ憲法改悪阻止の闘いへ


「任期中の改憲」を公言した安倍首相

共同の力をさらに発展させよう

7月参院選(同時選)勝利・政府打倒へ

 第八七回メーデーに参加した労働者の皆さん。日本革命的共産主義者同盟(JRCL)と国際主義労働者全国協議会(NCIW)は、あらゆる戦争に反対し、平和を希求し、民主主義を求め、搾取と抑圧に抗して闘っている人々に心から連帯のあいさつを送ります。

(1)

 二〇一五〜二〇一六年の一年間を通して、今日の資本主義世界システムの危機が全面化しました。これを最も象徴しているのが「テロと難民」問題です。IS(イスラム国)に代表されるテロリズムは、中東・北アフリカにとどまらず、欧州・米国・日本という帝国主義諸国にも深刻な影響をもたらしました。昨年の二度にわたるパリのテロ、そして先日のベルギー・ブリュッセルでの鉄道・空港の爆弾テロはそれを代表する事件です。
これに対して米国、英国などのNATO諸国、ロシアがシリア・イラクのIS(イスラム国)支配地域で空爆を展開し、最近ではサウジアラビアやトルコなどの中東諸国もこの空爆に加わっています。
しかし空爆はテロ問題の解決とはなりません。中東・北アフリカでは大量の難民が発生し、トルコから海を渡りギリシャを経由してドイツをめざす人々が行列をなし、欧州・EUの社会的基盤を動揺させています。
これと表裏一体に世界経済の危機が全面化しています。EU諸国が選択した緊縮財政政策は、銀行や大企業を守るために公共事業を削減し社会保障費などを打ち切るものであったため、失業者が増大し格差が拡大することとなり、社会不安が深刻になっています。この経済的危機はブラジル、ロシアなどのBRICS諸国の経済的行き詰まりを露呈させ、またこの間世界経済をけん引してきた中国経済も減速し始めています。
こうした新自由主義グローバル資本主義の危機はこれを主導してきたアメリカ帝国主義の政治・経済など全分野での衰退と無関係ではありません。逆にアメリカの主導力の衰退が世界中で無秩序に混乱を拡大させているのです。

(2)


安倍政権は後退したアメリカ帝国主義を支え、「積極的平和主義」を掲げ米軍とともに地球の裏側も含め、世界中のどの地域でも戦争を遂行できる国家をつくろうとしているのです。
このため安倍政権は「集団的自衛権」を認める戦争法を昨年九月に強行採決し、今年の三月二九日に施行しました。そして参議院選挙後には戦後日本の平和を支えてきた「憲法九条」の改憲を狙っています。安倍政権と防衛省は例えば南スーダンでの国連平和維持活動(PKO)を行っている自衛隊の任務に「駆け付け警護」を追加させ、「人を殺し、殺される」任務を果たすことを強制しようとしています。
この戦争法の本質を国会で追及されると安倍首相は、「決して戦争法ではなく、戦争を抑止し、世界の平和と繁栄に貢献する法律」であり、「隊員の安全を図るためにも、十分に訓練を重ねる必要がある」として、「駆け付け警護任務の追加を秋以降に先送りして判断する」と弁明しました。これは参議院選挙の争点になることを回避し、戦争法や九条改憲の本質を覆い隠そうとするものです。
安倍政権の戦争のできる国家づくりは、戦争法、九条改憲攻撃と一体となって進めているのがオスプレイ一七機(三六〇〇億円)の購入にみられるように自衛隊の攻撃用装備の強化、兵器の輸出・共同開発の方法にも現れています。
決定的に重要なことは「アジアの安定」を口実に沖縄県民の意志を無視して辺野古新基地を強行に建設しようとしていることです。一九九六年に日米両政府は米軍普天間飛行場の返還に合意しておきながら、裏では辺野古新基地建設を条件にしていたのです。沖縄県民の闘いによって何度も挫折しかけた辺野古新基地建設を安倍政権はしゃにむに遂行しようとしています。本土防衛のための沖縄戦、戦後の米軍支配、復帰後も増大し続けた米軍基地、ここに貫かれているのは明らかに沖縄差別です。辺野古新基地建設反対は戦争法廃止の闘いと一体であり、沖縄県民と連帯して闘うことが求められています。

(3)


安倍政権の高支持率の背景にあったのは、民主党政権に対する幻滅感と景気に対する期待感でした。だが安倍政権が推し進めた「アベノミクス」は、円安政策によって自動車産業などの輸出を増大させましたが、逆に人びとは小麦・バターなどの値上がりにより生活が圧迫され、賃金は毎年下がり続けました。今や大企業が貯め込んだ内部留保金は三〇〇兆円にも達しています。また日銀が推し進めた異次元の金融緩和政策は、株などへ投資ができる一部資産家だけを潤しただけで人びとの貯蓄額は年々減り続けています。まさに安倍政権の三年間に、消費増税と円安による物価上昇、実質賃金の低下によって消費は後退し、成長が鈍化してしまったのです。
この経済政策の失敗を隠蔽するために安倍首相は一月の国会施政方針演説で「アベノミクス・第二ステージ」として、第一にGDP六〇〇兆円の達成、第二に五〇年後も人口一億人を維持、第三に生涯現役社会を「新三本の矢」とする「一億総活躍社会をめざす」構想をぶち上げました。だがこの三本の矢はなんの連関性もなく、耳障りのいい言葉を並べたに過ぎず、一月二九日には質的量的緩和政策の行き詰まりからマイナス金利の導入を決定するありさまです。
安倍政権はこの二年間で非正規雇用労働者数を二一五万人も増加させ、逆に正規職労働者数を二〇万人も減少させています。こうした安倍政権の労働政策を端的に表現するのが「同一労働同一賃金」です。これは明らかに論理矛盾です。今や郵政職場ではゆうメイトなどの非正規職は半数近くになり、非正規職の賃金は正規職の半分にもならないことが報告されています。現在非正規職労働者は民間だけではなく、自治体などの公共部門の中でも拡大する一方です。その上「解雇の金銭解決」を合法化する動きなど益々労働条件の切り捨てが進行しています。
また最低賃金も地方の県では六〇〇円から七〇〇円台が圧倒的多数で、東京でも九〇七円と、未だ一〇〇〇円に達していません。最低賃金の引き上げの闘いこそ急務です。内需を破壊し、外需に依存するアベノミクスを打ち破るために、低賃金と劣悪な労働条件を断ち切る闘いは不可避であり、この闘いの前進だけが貧困と格差を克服し、世界経済の混乱と対峙できる道です。

(4)


福島第一原発の爆発からすでに五年が経過していますが、未だ一〇万人を超す人びとが故郷に帰れず避難を余儀なくされています。しかし、第一原発から今もなお大量の放射能が放出されており、溶け落ちた核燃料デブリの所在も不明で、依然として事故収束の見通しはたっていません。
さらに汚染水の増加を抑えるために作られた凍土遮水壁は稼働せず、貯水タンクは増え続け、一部の汚染水は海に流出し続けています。その一方で政府は除染の基準を年間被ばく量を一_シーベルトから何の根拠もなく二〇_シーベルトに引き上げ、「避難指示解除準備区域」と「居住制限区域」に対する避難指示および区域外避難者の住宅支援を二〇一七年三月までに解除し、東電は賠償を二〇一八年三月末までで終了させる方針を出しています。これは明らかに県民を分断し、被ばく者や避難している人びとを切り捨てる方向にかじを切ったことを意味します。
こうした政府の悪質で反動的立場は、川内、高浜原発の再稼働に始まり、全国の原発を再稼働させようとする動きと一体です。またトルコをはじめ世界中に原発を輸出する政策も同根のものです。
四月一四日、阪神淡路大震災にも匹敵する熊本県の熊本地方を震源とする地震があり、現在も頻繁に余震が続き南西方向の大分県や伊方原発のある伊予地方にも拡大しています。しかし震源地に近く稼働中の川内原発に対して政府は「判断は規制委にまかせている」と言い、絶対に停止させようとはせず人びとを危険にさらし続けています。今すぐ川内原発の即時停止を実現しよう。
しかし3・11以降全国に広がった反原発の怒りと闘いは依然として後退してはいないばかりか、検察審査会が東電幹部三人を強制起訴することを実現させましたし、大津地裁では再稼働が始まり運転中の高浜原発を「審議が尽くされていない」という理由で稼働を中止させる決定が出されています。
私たちは福島原発のような事故を再び引き起こす原発の再稼働を阻止していく闘いとともに、新電源として再生エネルギーの活用を追求していく運動が求められています。

(5)


今こそ安倍政権を包囲し打倒する共同の闘いが求められています。
昨年九月、戦争法の強行採決をめぐる攻防の中で、学生グループ「SEALDs」や高校生グループ「T-nsSOWL(ティーンズソウル)」という新しい闘う仲間が登場し、闘う隊列は一挙に広がりました。
この動きに呼応するように、今年二月には民主党、共産党、社民党、維新の会、生活の党の野党五党が戦争法廃止法案を国会に共同提出しました。同時に野党五党は今夏に行われる参議院選挙では自公与党の過半数割れを実現するために参院一人区で統一候補を擁立していくことを決めました。私たちはこうした野党の動きを支持します。
この動きに危機感を強める安倍政権は衆参同時選をちらつかせ、野党の分断を図ろうと必死です。安倍政権を支えている基盤は多くの課題を抱え揺らぎ始めています。「アベノミクス」の中心政策であった質的量的緩和が行き詰まり「マイナス金利」に方向転換し、安倍政権が財界に要求した「賃上げ」も前年を下回りました。
安倍政権は「一億総活躍社会」の掛け声とは反対に多くの分野で行き詰まりと反撃に見舞われています。衆院補選が行われる京都三区では自公は候補を擁立できず、北海道五区では野党の統一候補が実現しただけではなく反TPPの力に後押され自公候補を追いつめています。沖縄では辺野古新基地建設で「和解」に追い込んだゲート前の闘いを担っている「島ぐるみ会議」が島尻北方・沖縄担当相と真っ向から対峙しています。加えて保育所問題では広範な女性たちが怒りの声をあげ始めています。
安倍政権を包囲する戦線は確実に広がっています。七月参院選(衆参同時選)に勝利し安倍政権の打倒へともに闘いましょう。



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