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    かけはし2016.年5月2日号

「緊急事態」口実の改憲NO


4.19 「毎月19日行動」に7500人

5・3憲法集会、6・5国会行動へ

 四月一九日、戦争させない・9条壊すな!総がかり行動実行委員会は、衆議院第2議員会館前〜国会図書館前で戦争法廃止に向けた「毎月一九日行動」として「戦争法発動させない!戦争する国許さない!安倍内閣は退陣を!4・19議員会館前行動」を行い、七五〇〇人が参加した。

被災者救援に
米軍オスプレイ
四月一四日に熊本地震が発生、強度の余震が続発し死者も含め多くの被災者が出ている。安倍政権に緊急の被災者支援が求められていることは言うまでもない。ところが菅義偉官房長官は、熊本地震の事態に便乗して政府の権限を強化し、人権制限などを強要する「緊急事態条項」について「憲法にどう位置づけるかは極めて重く大切な課題だ」(一五日)と述べた。
悪のりは、これだけではない。日米防衛協力のための指針(ガイドライン)に基づいて自衛隊と米軍は、陸自西部方面総監部(熊本市)に「日米共同調整所」を設置し、米軍普天間飛行場の垂直離着陸輸送機MV22オスプレイ四機を災害支援で初めて投入した。一九日午後には、海上自衛隊の大型護衛艦「ひゅうが」に着艦する補給作戦も展開した。しかも自衛隊車両隊は、オスプレイが着陸時に強風と砂ぼこりを巻き起こすために着陸地点の白水運動公園(南阿蘇村)に貴重な水を散水するほどだった。
要するに、沖縄をはじめ全国的な事故多発のオスプレイに対する批判が巻き起こっているなか米国務省は、震災救援を口実に既成事実の積み上げを強要してきたのである。防衛省官僚も「オスプレイ投入は災害で使えることを示して安全性の懸念を取り除こうとする取り組み。災害の政治利用という批判はあるだろう」と吐露するほどだ(毎日新聞/一八日)。このように先行して米軍と自衛隊の共同実戦化を強化し、戦争法のレベルアップを押し進めているのだ。
安倍政権は、自衛隊をグローバル派兵するための戦争法を施行(三月二九日)したが、南スーダンPKO(国連平和維持活動)派遣部隊への「駆け付け警護」などの任務追加を参院選前の事件発生、争点化を避けるために秋に先送りにした。だが、自衛隊の「部隊行動基準」(行動できる地理的範囲、武器の使用方法)の策定作業に着手し、いつでもどこでも「人を殺し、殺される」軍隊を構築しようとしている。
連動して防衛省は、交戦で負傷した自衛隊員の治療拡充策について有識者会議を設置していた(沖縄タイムス/四月三日)。会議は、衛生兵である第一線救護衛生員を新設し、これまで医官しか行えなかった外科的気道確保、胸腔穿刺の医療行為、鎮痛剤や抗生剤の投与の任務なども加えた法改悪を準備している。まさに交戦による戦死者の発生を前提とした戦時医療の踏み出しだ。安倍首相は、戦争法によって「自衛隊員のリスクは下がる」と繰り返していたが、あらためてウソであることを証明した。戦争法施行後の水面下の策動を暴露し、発動させないための取り組みを強化し、戦争法を廃止に追い込んでいこう。

運動を強めて
参院選勝利へ
集会の冒頭、熊本地震の犠牲者への哀悼の一分間の黙とう。続いて「戦争法は今すぐ廃止!戦争法の発動を止めよう!原発今すぐ止めろ!参院選に勝つぞ!衆院補選もみんなで勝利!安倍政権退陣!」のシュプレヒコールが永田町一帯に響きわたった。
国会議員の発言は、主濱了参議院議員(生活の党)、江田憲司衆院議員(民進党代表代行)、小池晃参院議員(共産党書記局長)、福島みずほ参院議員(社民党副党首)から行われ、戦争法批判、参院選勝利にむけた野党共闘、熊本地震の被災者への悼みと川内原発即時停止、憲法改悪と 「緊急事態」事項導入の危険性などを訴えた。
連帯あいさつが行われ、上田文雄前札幌市長(市民の風・北海道)は、「衆院北海道5区(札幌市厚別区、石狩管内)の補欠選挙(二四日投開票)は、池田まき統一候補=無所属新で頑張っている。市民の力で実現した。残された期間、全力で闘い勝利して全国に波及させたい」とアピール。
伊藤真弁護士は、戦争法違憲訴訟を今月末までに提訴することを報告し、「これまで二〇〇〇人以上が違憲訴訟の原告になった。主権者である私たちは、原発やTPP違憲訴訟などによって司法面からも闘い、安倍政治を倒していこう」と発言した。
さらに山口二郎さん(安全保障法制の廃止と立憲主義の回復を求める市民連合)、奥田靖二さん(黙ってはいられない!戦争法廃止を求める宗教者の会事務局長/八王子・浅川金比羅神社宮司)、山岸良太さん(日本弁護士連合会憲法問題対策本部本部長代行)が発言した。
最後に高田健さん(総がかり実行委員会)は、@衆院補選の取り組み強化A平和といのちと人権を!五・三憲法集会の成功B参院選勝利にむけた六・五国会包囲への参加を呼びかけた。(Y)

4.9

ポデモスから学ぶ市民シンポ

「路上から議会へ」の訴え

自ら動き政治を変えよう

 【大阪】四月九日、ドーンセンター(大阪府立男女共同参画・青少年センター)で、「路上から議会へ ポデモスから学ぶ市民シンポジウム」が開かれた。おおさか社会フォーラム実行委員会と社会主義ゼミナール実行委員会が呼びかけたシンポジウム実行委員会が主催した。会場は、椅子や資料が足りなくなるほどの大盛況で、一八〇人が参加した。

スペインの歴史
と社会に根ざし
シンポジウムは申サンナムさんの司会で始まり、まずスペイン在住の研究者・廣田裕之さんによる「市民政党ポデモスを生んだスペインの社会的背景」、ポデモス・バレンシア事務局長のハイメ・パウリーノさんによる「あなたが政治を行わないと、誰かがあなたの利益に反する政治を行う」という二本のビデオ・メッセージが上映された。
廣田さんのビデオ・メッセージは、地図や写真、資料を駆使して、スペインの地理的・言語的多様性、ポデモスが生まれた背景としてのスペイン近代史、五月一五日運動とポデモスを生んだ土壌作り、ポデモスの活動と主な政治家について。わかりやすく基礎となる知識を整理したものだった。

ビデオ・メッセ
ージでアピール
パウリーノさんは、ビデオ・メッセージの中でまず福島原発事故に触れ、「災害後に今でも五万人以上の方が避難生活を続けたままで生活を築くための安定した住居を持たないままと聞いている。不可抗力が起こると、常に社会の中で最も脆弱な部分がその結果を被る。その一方で、ロビーや大企業などは一般市民を犠牲にして他人の苦しみを喜んでいる。過去に苦しんだ方や今でも苦しんだ方全員に思いを馳せることが大切だ。というのも、私たちのような弱い多数派の市民の利益が無視されているから」と語った。
そして、ポデモスの形成に至る過程を一九七八年の民主化、EUへの統合と国民党・社会労働党の二大政党制、経済バブルの崩壊と金融危機、そして人々の生活破壊・失業と歴史を追って説明した。
「二〇一一年五月一五日、マドリードで無名の若者のグループが起こしたデモを発端として、五月一五日運動(15―M、キンセエメ)が全国に広がった。『今すぐ本当の民主主義を!』を掲げたこの運動は、広場を市民集会場として政治経済について討論する場にした。そこから二〇一四年にかけて、私たちは政治的関与の重要性を意識し、支配層が牛耳る従来型政党ではない政党の形成へと進んだ。ポデモスは市民が自由に入党でき、何でも議論できる地域の集会に参加できる。インターネットなど最新の技術で可能になったバーチャルな意思決定の方式も導入した。それは、決定が決して一部グループのものではなく、できるだけ多くの人たちが参加した決定とするためだ」。
「ポデモス創設からわずか二年間で、まず欧州議会選に出馬し、資金なしでスペインの政治基盤を揺るがす議席を確保した。地方選挙でも際立った成果を達成した。マドリード市やバルセロナ市といったスペインの主要都市で市長を輩出している。そして総選挙では、二位の政党にわずか二十万票差にまで善戦した。ポデモスは、銀行からの借金なしでスペインの主要政党へと躍進したのであり、これが私たちのアイデンティティだ」。
「私たちのもう一つのアイデンティティは、党内プロセスにおける市民の積極的な参加である。マニフェストは、大多数の市民の積極的な参加で編纂された。候補者名簿の作成も投票で決められた。ポデモスの政治家の収入は、最低賃金の三倍(月収約一八〇〇ユーロ)に制限されている。これは他政党の政治家が通常手にする給料の半額未満だ」。
「なぜ普通の人たちが政治をする必要があるのか?この八年間で大金持ちの数は四割増えた一方、五〇万もの家族がローンを払えず自宅から強制追放されている。貧困率が上昇し、スペインの人口の二九.二%が社会的疎外の危険にさらされている。大卒でも職が見つからない若者たちを中心に二〇〇万人以上が経済難民となった。スペイン社会の大部分は危機状態にある。しかし同時に、変化という希望の状態にもある。状況を変える必要があるが、何もしなければ変わらない。この決定的で苦しい時に、私たちは絶対的真実を見つけた。それは『あなたが政治を行わないと、誰かがお前の利益に反する形で政治を行う』ということだ」。

若者たちが中心
に座る運動へ
休憩のあと、「スペインからの映像レポートを、私たちはどう受け止めるか」をテーマにパネル・ディスカッションがスタートした。パネラーは、エリザベット・ベルガラ・ベラスコさん(スペイン・ガリシア出身の大学院生)、中村研さん(SADL=民主主義と生活のための有志)、片方真佐子さん(大阪平和委員会)、大椿裕子さん(大阪教育合同労組)、木戸衛一さん(大阪大学教員)で、パウリーノさん、廣田さんもスカイプ中継で参加した。
ベラスコさんは、五月十五日運動に自らが参加した経験を踏まえて、運動がどのように広がっていったのか、若者がなぜ参加したのかを語った。中村さんは、四月初めにシカゴを訪問して、大規模な教員ストを経験したことやスペインで展開されている空き家占拠運動について述べた。また、片方さんや大椿さんの質問に答えて、パウリーノさんは「誰にも反対できない切実な課題を取り上げること、それを市民に伝える方法や内容を変えていくことが大事だ」と答えたのが印象的だった。
様々な観点から議論が進んだが、まだまだ時間不足の感があり、会場からは是非もう一回掘り下げた議論が聞きたいという声が上がっていた。パネラーに若手の活動家を起用したこともあり、会場には若い参加者の姿も目立った。 (森)

4.15

武器輸出反対ネット、防衛省に申し入れ

豪州に潜水艦を売るな

「戦争国家」は「死の商人国家」

 昨年一二月に結成された武器輸出反対ネットワーク(NAJAT)は、四月一五日に防衛省に対して「日本政府はオーストラリアに潜水艦を売るな」と申し入れ行動を行った。
 この日、海上自衛隊の最新鋭そうりゅう型潜水艦の「はくりゅう」が日豪共同軍事演習に参加するためにオーストラリアのシドニーに寄港した。それはオーストラリアの次期潜水艦をめぐる独仏との受注競争を見込んだ宣伝的パフォーマンスという意味もある。
 二〇一四年、安倍政権は武器輸出を原則として禁じた「三原則」を閣議決定のみによって撤回し、武器輸出を「国策」としても展開する道に踏み出した。オーストラリアへの潜水艦売りこみは一二隻分・四兆円以上という巨額となる。
 安保関連法を強行成立させて戦争国家への道に本格的に踏み込んだ日本は、同時に武器産業を「成長産業」として戦略的に育成する「死の商人国家」への道を歩んでいる。「原発輸出」と「武器輸出」という二つの部門を「成長戦略」に組み込んだのが「アベノミクス」の「もう一つの顔」である。
 この日までにオーストラリアへの潜水艦輸出に反対するネット署名は短期間のうちに一万五八三筆に達した。それは、戦争国家への道が同時に「武器輸出大国」への道でもあることへの危機感が広がっていることを示すものだ。

軍学共同反対の
流れを作ろう
武器輸出反対ネットワークの代表になった杉原浩司さんの司会で進められた防衛省前集会では、最初にNGO非戦ネットワーク代表でJVC(日本国際ボランティアセンター)事務局長の長谷部貴俊さんが、先進国から多くの武器が流れ込んでいるイラクの状況を説明しながら、日本の安保法制に反対して三七カ国、三六一のNGOが日本の安保法制に反対したことを紹介し、武力紛争を拡大・泥沼化させる先進国の役割を批判した。
つづいてジャーナリストの志葉玲さん、反安保実、元レンジャー部隊隊員の井筒高雄さんらが安保法制と武器輸出国家、グローバルな戦争国家とのつながりを厳しく批判した。
井筒さんは怒りを込めて「南スーダンでの駆けつけ警護はやめろ、ジブチの自衛隊基地を撤去しろ」と訴えるとともに自衛隊員が強制的に入らされる「職員団体生命保険」の適用範囲から「戦死」がはずされていることに語気を荒げて糾弾した。
また大学での軍事研究・軍学共同に反対する活動を進めている軍学共同反対アピール署名の会の赤井純治さんからのアピールが紹介された。
米日、そしてオーストラリア、フィリピンの間での実戦的な共同作戦体制が整えられようとしている。この流れと武器輸出の拡大は一体のものだ。戦争法廃止の運動の中に武器輸出・原発輸出に反対する訴えをきっちりと組み入れていくことが必要だ。   (K)
 
 


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