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    かけはし2016.年5月2日号

宗教的右翼の政治行動との対決を


パキスタン AWP(アワミ労働者党)招請の政党間協議

会議に参加した50以上の政党や団体が声明を発表


政府は宗教勢力の
圧力に屈服するな
アワミ労働者党(AWP)が設定して四月九日(土曜日)に開催された政党間会議は、宗教的右翼勢力が、自らの願望に沿って「暴力から女性を保護する」立法を撤回、あるいは修正するよう州政府と連邦政府に圧力をかけようとする企図に対決する、共同闘争の推進を確認するためのものだった。
五〇以上の政党と社会運動が、この一日会議に参加した。
会議の最後に承認された共同声明は、家庭内暴力から女性をまもる権利の承認を妨害する宗教諸政党を非難し、わが国の進歩的変革のための進歩的諸課題を支持する民衆動員の必要性を強調した。参加者たちは、宗教的過激主義に対決する左翼的・非宗教的勢力が連合する必要性を、勤労民衆の経済的搾取への反対をふくむすべての発言において強調した。
冒頭の発言で、AWP委員長のアビド・ハサン・ミントは、州議会で可決された法律は女性の憲法的諸権利と家庭内暴力からの女性の保護を保障する上では、適切なものではないと語った。しかしすべての進歩的政党、社会運動、労働組合活動家、市民社会諸組織がいっしょになってこの法律を支持すること、そして家庭内暴力問題やその他の女性に有利な諸法への宗教諸政党の反対に対決することが重要だ、と語った。彼は、AWPは全国で進歩的諸勢力を団結させる役割を継続的に果たし、他の州でもこうした対話を組織すると語った。
さらにミントは、自らの関心事を法に書きこむ宗教的諸政党との交渉を州政府が開始したことを非難した。進歩的諸勢力は、政府が宗教的諸政党の圧力に屈し、家庭内暴力の被害者への補償を提供する法律の下で提起されている制度的枠組みを弱めるようにさせてはならない、と述べた。
この点に関して彼は、家庭内暴力に関わったカップルの家族を地域レベルの女性保護協議会の手続きに組み入れることに、すでに政府が同意していると述べた。こんなことには抵抗すべきだ、と彼は語った。AWPはパキスタン左翼の統一のプロセスをリードし、対話をすべての州に広げる、と彼は語った。

すべての進歩勢力は
協力しともに闘おう
議事は、AWP委員長のアビド・ハサン・ミントと同書記長のファルーク・タリクが共同議長となって進められた。
女性行動フォーラムのヒナ・ジラニは、暴力行為から女性市民を保護する責任を国が投げ出してしまうのを許すことはできない、と語った。彼女は、女性にふりかかるすべての犯罪は個人に対する犯罪ではなく、国家に対する犯罪と認識されるべきだ、と述べた。
彼女は、宗教的右翼の政治的行動の活性化に対決して、すべての進歩的勢力が協力して闘争を行っていく必要を強調した。それを家族制度に反対する立法への支持と同一視する傾向について、ジラニは、ジェンダー間暴力を容赦し、男性を制御されない権威を持つ存在に置く家族制度を擁護することはできない、と述べた。彼女は、進歩的勢力は個々の成員間の平等主義的関係を促進し、暴力行為からすべての成員を守る家族制度を望む、と語った。
必要かつ確定されるべき女性保護法の欠陥の中で、ジラニは、彼女が言うところの憲法に反して選択された地域での実施の遅れと、実行の可能性について言及した。
最高裁弁護士協会会長のアリ・ザファーは、宗教政党に反対する街頭でのアジテーションとならんで、女性保護立法に反対する彼らの宣伝活動の信用を失墜させる知的バトルも必要だ、と語った。法の改善に関する彼の提案は、暫定的保護、警察のジェンダー的配慮、女性保護法の下で明文化された事件の起訴率の改善、効率性を高めるための家庭裁判所の改革などである。

 この会議を支持する声明の中で、パクツンクワ・ミリ・アワミ党(PKMAP)委員長のマフムード・カーン・アチャクザイは、彼の党がこの会議で可決された宣言への支持を表明し、彼の党の活動家が宗教的右翼との闘いの中で進歩的勢力に結集する、と語った。
アワミ民族党を代表したミアン・イフティカル・フサイン(中央総書記)は宣言を支持し、議会政党や国家機関以外の同盟勢力の結集を強調した。彼は、すべての志を同じくする勢力との協力のための、ジェンダーに基づく暴力のない社会のための闘争について語った。
彼はさらに、この日の集まりがNAP(アワミ国民党)を思い起こさせる、と語った。彼は、NAPこそパキスタンの政治史における指導的進歩勢力である、と語った。左翼の統一が回復されなければならず、すべての州においてAWPが左翼統一の対話を進めなければならない(訳注:アワミ国民党は世俗主義の立場に立つ左派政党で一九八六年結成。現在下院に一議席を有している)。

 五〇以上の進歩的政党、労働組合連合、職業組織、女性の権利グループ、学生連合がこの会議に参加した。
アワミ国民党、国民党、バロチスタン国民党、ジェアイ・シンド・マハズ、シンド統一党、ハザラ・シヤシ・カルクナン、パキスタン人民党―シャフニード・ブット派、ワーカーズ、最高裁・ラホール高裁弁護士協会、パンジャブ・パキスタンジャーナリスト連合、パキスタン労働組合連合・パキスタン・バッタ・マスドール連合(パンジャブ)、アンジュマン・マザリーン・パンジャブ、パキスタン医療協会、「闘争」、パキスタン労働組合防衛キャンペーン、全国学生連合・民主主義学生連盟・フェミニスト・コレクティブ、ラワダリ・タハレークなど。
共同声明を支持する連帯メッセージがパクツンクワ・ミリ・アワミ党、パキスタン・セライキ党、バロチスタン国民党、サモライ運動、ビジョンなどから送られた。

声明

暴力から女性を保護する最近の立法への反動的諸勢力の態度に対する左翼からの回答


会議の最後に以下の宣言が採択された。

1 アワミ労働者党が呼びかけた左翼、非宗教、民主主義、民族主義、そして非暴力運動の多党間会議は、その多くが公然と暴力から女性の権利を保護すること、すなわち尊厳ある生活を送ることに公然と反対している宗教政党と国家機関の声明に、深刻な憂慮をいだく。

2 われわれは、パキスタンでは女性が体系的な抑圧に直面していると理解している。この状況は、勤労諸階級、被抑圧民族、宗教的少数派に属する女性にとってはいっそう悪化したものになっている。資本主義という形をとった生産力の発展の中で、女性の生活水準はわずかながら改善するとしても、彼女たちは依然として社会的・政治的不平等、侮辱、暴力、無力さの最悪のあり方を経験しており、それは女性によるどのような限定を持った前進に対してもなされる、家父長制的な反動によって駆り立てられることがしばしばである。
現在でも女性たちは、家庭内・家族内の責任に制限されており、彼女たちのアイデンティティーは娘、妻、母親という役割に切り縮められている。こうした状況は、われわれの歴史、そして現存する封建的・家父長制的構造にその起源を持っており、それは国家の神権政治的・ネオ帝国主義的性格によって強められている。

3 したがってわれわれは、社会における女性の地位を改善する目的を持った、女性の保護と前進のためのあらゆる立法的・政治的・経済的・社会的措置を歓迎する。シンド、バロチスタン、パンジャブの各州議会で最近可決された、家庭内暴力に関する州法を、われわれは支持する。「暴力に反対し女性を保護する条例2016」は不十分なもの(たとえば家庭内暴力を犯罪とはしていない)ではあるが、それはより公正な社会秩序に向けた一歩前進である。

4 われわれは、それが国家の内側であろうと外側であろうと、暴力から女性を保護する立法を廃止したり、掘り崩そうとする勢力に反対することを宣言し、総力を挙げて彼らに集団的抵抗を行うだろう。われわれはしたがって、イスラムイデオロギー協会(CII)、国家問題に関する連邦シャリア(イスラム法)法廷(FSC)、の退行的役割を強く拒否する。
われわれは国民議会(下院)と上院が、神権政治的・家父長的なCIIとFSCを解散させるよう呼びかける。この二つの組織はともに封建的・家父長制的勢力を代表するものであり、したがって民主主義ならびに、すべての人びとの根本的平等にとっての妨害物である。

5 われわれはパンジャブ州の暴力から女性を保護する条例2016、州政府や連邦政府による他の同様の立法に反対している宗教政治的政党を強く非難する。こうした勢力は、女性の抑圧を促す恐るべき慣習を全面的に立法化しようとする、封建主義的残忍さと反動的蒙昧さの集約的存在である――かれらは民衆の基本的権利を犠牲にして、数十年間にわたって国家が養い、肥え太らせてきたモンスターなのだ。

6 国家と政府が、宗教的・政治的諸政党とその一団に与えてきた保護が、社会的・国家的問題に彼らの影響力が高まった根拠である、とわれわれは理解している。イスラマバードでのこうした勢力による民主主義への攻撃と政府の偽善的な反応は、彼らの力を強めてきた。国家と政府がこうした勢力を完全に見放すまで、あるいは見放さないかぎり、彼らはパキスタンの民主主義と大衆を人質に取り続けるだろうと、われわれは確信している。

7 われわれは、パンジャブ州政府が宗教政党に法への関心を向けさせるために作った二つの委員会を拒否する。宗教過激派の願望に沿って、そして女性の権利のために闘う活動家に敵対して、政府に法案を修正させはしない。

8 われわれは、女性への不平等を集団的に明らかにし、抵抗し、それを排除し、あらゆる形態の家父長制的抑圧と暴力を打ち破るわれわれの責任を確認するものである。

 


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