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    かけはし2016.年5月23日号

地域に根ざした市民の訴え


4.24

脱原発オール荒川アクション

「とにかく止めろ」を大きな世論に

集会とデモに100人が集う

 【東京東部】四月二四日。東京・荒川で脱原発を訴える集会とデモが行なわれ、約一〇〇人の区民らが参加した。主催したのは「脱原発オール荒川アクション」。
午後二時。午前中の雨もあがり、日差しが差すようになった荒川公園に、参加者が集まってくる。荒川区役所本庁舎を背景に、四季折々の風景を楽しめるこの公園は、区民の憩いの場でもある。
司会の坂本繁夫さんが「本日は参加ありがとうございました。私たちは『脱原発』の一点で集まっている。後ほど熊本地震被災者への募金の呼びかけも行ないたい」とあいさつ。

衆院補欠選挙
の結果に注目
最初に、主催者を代表して白石孝さんが発言した。
「まず二つのことを報告したい。ひとつは今日、北海道と京都で補欠選挙が行なわれている。今年二月、マイナンバーの学習会で札幌に行ったが、共産党が候補者の擁立を取りやめる記者会見を開いた。この二つの選挙は、今夏の参院選に大きな影響を与える」。
「もう一つは熊本地震について。学者たちは想定を超える地震だと評価している。川内原発と伊方原発にトラブルが起きたら、日本だけでなくアジアや世界中に取り返しのつかないことになる。『とにかく原発を止めろ』を大きな世論にしたい」。
白石さんはさらに、二〇一一年の「三・一一」当時を振り返った。
「区役所では免振工事の最中だった。職員と業者がこの荒川公園に避難した。職員が組合事務所に飛んできてトラメガやラジオを貸してくれと言った。職員は自主的に障がい者の安否を確認し始めた」。
白石さんは続けて、荒川アクションのこれまでの活動を報告した。三・一一前後の郡山での集会に、荒川から大型バスを仕立てて参加していること。関連する写真展や映画会を開催したこと。去る四月一八日には、福島の高校生たちの活動を記録したドキュメンタリー映画「種まきうさぎ」を上映したばかりだ。
「まだ五年しか経っていないのに福島への関心が薄れている。その矢先に熊本地震だ。地震大国日本に原発はいらないというのが常識だ。やっぱりおかしいと声をあげていく。みなさんと明るく元気に集会とデモを成功させよう」。

フクシマを気
にしてほしい
「経産省前テント広場」の久保隆さんは、「四国や九州では原発反対の声が高まっている。それでも安倍は原発を止めようとしない。新規制基準は安全性の確立が不十分だ」と再稼働路線を厳しく批判した。
「NPO法人福島県有機農業ネットワーク」の高橋久夫さんが発言。区職労と区の協力を得て、庁舎地下食堂前の一角で、福島の有機野菜などの販売会を開いていた。買い求める客は、区職員とそれ以外の人が半々だったという。
高橋さんは、「自分たちの作物を食べてくれる人がいることが、支援になる」と切り出した。「農家が生きていくには、農業を続けるなかで、汚染されない方法を探していくしかない。福島の農家の努力を知ってほしい」と訴えた。「熊本地震が起きても、政府は川内原発を止めようとしない。フクシマから何も学んでいない。七万人の生活を奪った原発事故を肝に銘じてほしい」。「フクシマを気に留めて欲しい。これからの生活を作る指針のひとつにしてほしい」。高橋さんは切実な声をあげた。
東京土建荒川支部の磯部さんは、「川内原発と伊方原発は大丈夫か。復興の最大の障がいは原発だ。即刻廃止を求める」と強調した。

沖縄映画の
上映会企画
部落解放同盟荒川支部の発言の後、映画「『戦場ぬ止み(いくさばぬどぅどぅみ)』を上映する会・荒川」の三井峰雄さんが登壇。
「熊本地震で米軍機オスプレイが救援物資を運んだが、あれは日本政府が飛ばさせたものだ。アメリカではなぜなのかと首をかしげている」。「人の不幸を利用して軍事強化をしている。なんとさもしい政権ではないか」と糾弾した。そして、来る五月二八日に上映会が予定されている冒頭の沖縄映画について、「作品は闘いの場面ばかりではない。人々の生活や思いを大切にして、それが表現されている」と紹介。上映会への参加を呼びかけた。「荒川9条の会」は、月に三回行なっている「二〇〇〇万人署名」行動を報告。
全労協全国一般東京労組・フジビグループ分会の小金井俊弥分会長が、争議の経過を報告した。
荒川区西日暮里にあったフジ製版は二〇一二年九月に破産。社員全員を即日解雇した。この倒産は、負債額の九割が労働債権(主に退職金)という倒産だった。経営者の田中健は、個人資産を守るために不採算化した会社を抜き打ち的につぶし、労働債権を踏み倒して逃亡した。
フジ製版の親会社は富士美術印刷(フジビ)。〇九年に就任した田中正武社長が、ワンマン体制にとって邪魔な労働組合を排除するため、フジビグループの組合の拠点であったフジ製版を徐々に本社の経営体制から外し、フジ製版の経営悪化に乗じて、子会社もろとも組合つぶしを図った。争議の勝利をめざすために一四年一月、「フジビ闘争支援共闘会議」が結成された。
会社側は、こうした地域の労働者・市民団体を巻き込んだ争議行為に対し、損害賠償請求を起こした。東京地裁は大衆的運動に対して、三五〇万円の支払いを命じ、労組は即控訴した。
すべての発言が終わると、デモ行進に出発した。いつものように、区役所裏側から路地を通り抜けて、
メインの尾竹橋通りに出るコースである。
「原発なくしてオッケー、オッケー」「原発再稼働はノーサンキュー」
「子どもの未来を守ろうよ」「子どもの健康守ろうよ」
リズミカルなコールも、この町にすっかり定着した感がある。都電の踏切を渡りデモ隊は北進。歴史ある商店街に「脱原発」の賑やかなかけ声を響かせて、この日の行動を終えた。(佐藤隆)

4.17

とめよう改憲!おおさかネットワーク総会
あきらめない! 戦争法廃止へ

中野晃一さんが講演

 【大阪】とめよう改憲!おおさかネットワークは二〇〇六年に結成され、大阪市立中央会館で四月一七日、第九回の総会を開き一七〇人が参加した。
第一部では、松岡幹雄さんが戦争法廃止のとりくみ・安倍退陣に向けた闘いを柱とする方針を提案し承認された。
第二部では、中北龍太郎さん(ネットワーク共同代表)が主催者あいさつを兼ね、「とめよう!憲法の『緊急事態条項』導入」と題したミニ講演をし、「緊急事態条項(国家緊急権)は国民のためではなく、国家存立を維持するためのもの。その本質は憲法の効力の停止だ。国家緊急権の発動により独裁体制を確立をめざす。三・一一後の惨事便乗型改憲論で火事場泥棒そのものだ」と述べた。
その後、おもちゃ楽団による歌と演奏のライブがあった。続いて、中野晃一さん(上智大教授・立憲デモクラシーの会呼びかけ人)が、「戦争法廃止へ 市民連合の歩み」と題して講演をした(別掲)。
講演の後は、シナピス【カトリック大阪大司教区】(長谷川嘉美さん)、関西市民連合(シールズ関西・川島カズキさん)、五・三憲法集会実行委員会(山元一英さん)の三団体から連帯のあいさつがあった。川島さんは、「昨年九月一九日国会前にいて、戦争法案が可決したとき、人前もはばからず涙が出て止まらなかった。安倍政権によるヒューマンエラーが起きているが、まだ回復のチャンスはある」と述べ、京都の補欠選挙で投票率を上げる活動に全力をあげていることを熱く語った。  (T・T)

中野晃一さん講演から

市民連合はどう
歩んできたのか

昨年八月三〇日国会前での大規模な抗議行動は、運動が大きく変わる時の象徴的な出来事だった。歩道から路上に決壊して人々が集まって、解放区が存在した。偶然ああなったのではなく、いろいろな方が知恵を絞った結果だった。
憲政記念館の門前に、歩道がへこんでいる部分がある。ここで自由の森学園(埼玉)の高校生たちが、集会がスタートする前にレ・ミゼラブルやケセラセラなどを、自由と平和を求めて生きていこうと歌っていた。しびれを切らしたようにその隣でシールズの「戦争反対・憲法守れ」のコールが始まった。決壊したのはその場所からだった。給水車があり、人が集まって来る場所で、学者の会もここにいた。機動隊も給水まで止めることはできなかった。

個人の尊厳
怒りの頂点
フランスの抵抗する民衆の歌、この背景はあきらめないこと。権力を持たない者の抵抗の仕方は、負けないということだ。個人の尊厳を守る闘いをしている。個人として自立するには他の人がいないとできない。戦争になると、人間らしさ・弱さの中にもっている尊さがゴミくずのように扱われていく。真っ先に尊さを奪われていくのは、若者や女性だ。世界各地で九九%のひとが声を上げている。その原点は憤りだ。
スペインのポデモス、台湾のひまわり運動が新しい政党を作って躍進する、オキュパイ運動を担った若者がバーニー・サンダースを躍進させている。グローバルな規模で寡頭支配が拡散していて危機的な状況の中で、富も力もない人々が、いい加減にしろと抗議の声を上げている。

『保育所落ちた。
日本死ね』の衝撃
この流れで、日本で一番注目を集めたのは、『保育園落ちた。日本死ね』だ。「日本」は人ではないから、比喩的な表現だ。ここに現れているのは絶望。これに対して、いろいろな人たちが「保育園落ちたのは私だ」とプラカードを持って国会前に集まった。高をくくっていた安倍さんもその場しのぎの政策を取るふりをした。保育士にもっと仕事をしろというだけ。うつぶせで寝ていて亡くなる赤ちゃんの数が増えるだけだ。
ここまでマスメディアを抑えた安倍政権でも、一人の人が憤りを表明したブログがあったということで、政治が動いていく。だれのために政治をやっているのだろう。「保育園落ちたのは私だ」という人たちが出てきたのは興味深い。これは連帯意思の表明だ。グローバルな寡頭支配に対して出てきている新しい抵抗運動の形といえる。
日本の貧困率は先進国の中でも下から数えて六番目だ。女性・子どもの貧困率は世界最低レベルだ。そんな中で、安倍さんは愛国心を振り回し排外主義・ヘイト、美しい日本というもので実態をごまかす。国民国家という相当に空洞化したものを使って、「日の丸・君が代」を強制しても、実態として日本人としての意味がここまで無くなってしまった。それを覆い隠そうとしている。私たちは、旧来のアイデンテティティを乗り越えて、お互いの違いを認めつつ新しいアイデンティティを模索している。

戦争・寡頭支配
グローバル企業
九条をどのように読んでも集団的自衛権は許せるものではない。個別自衛権を仮に認めても、九条には意味がある。自衛隊の活動は九条によりタガがはめられていて、自衛隊は、日本が侵略され他に手段がない場合にしか出動できない。いわば普通の軍隊ではないのだ。集団的自衛権が行使できるなら、九条には何の意味もない。集団的自衛権は、国防とは違う。日本が攻撃されていないのに他の戦争に入っていくということになり、中東など米国がやる戦争に日本もついてこいといわれたときに行くということ。
具体的に問題になるのは、グローバル企業の利権が絡むときだ。二〇〇〇年のアーミテイジ報告で最初に要求された。冷戦が終わり、日米安保を強化するというときに、九条が邪魔だからどかせというのが、要求だった。それが集団的自衛権の始まりだった。テロや中国の台頭以前のことだ。グローバル企業の利権を守るため戦争をする。

自民党支持は
6人に1人だけ
現在。参議院の勢力は改憲派(自民・公明・おおさか維新・日本のこころ)は一四七議席だ。改憲発議には一六二議席が必要だ。たった六人に一人の支持しかないのに、二〇一二年・二〇一四年の衆議院選は自民の一人勝ちだった。しかも、二大政党制のかけ声で導入された小選挙区制だがその流れは破綻している。だから、市民が野党を押し上げていけば、改憲派(与党プラスα)三分の二を阻止することができる。この度、一人区で野党候補を一本化するため共産党は自分たちのリスクを覚悟で独自候補見送った。ほめてあげてほしい。多くの場合民主党がその成果を受け取るだろうが、民主党が自分らの力だと勘違いするようなら、このような連帯の動きはこれが最後になるだろう。(発言要旨、文責編集部)


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