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    かけはし2016.年5月30日号

米軍属による女性虐殺許さない


沖縄報告 5月22日

沖縄から米軍を追い出すため
全県民は今こそ団結強めよう

沖縄 K・S

女性殺害・死体遺棄事件

犯人は元海兵隊、嘉手納基地勤務の米軍属

 沖縄本島中部のうるま市に住む女性会社員が四月二八日から行方不明になっていた事件で、沖縄県警は元海兵隊で嘉手納基地勤務の三二歳の米軍属、シンザト・ケネス・フランクリン容疑者を逮捕した。シンザト・ケネス・フランクリン容疑者は女性暴行、殺人、死体遺棄の容疑を認めているという。残酷で忌わしい事件がまたも起きてしまった。
被害女性は名護市出身で、今年一月成人式を終えたばかりだった。一人っ子でいとこの中でも一番の年下ということもあって、親族みんなに可愛がられたという。成人式ではピンクの振袖を身につけ、成人の門出のお祝いをした。将来を約束した男性と同居していたが、失踪当日の午後八時ごろ、「ウォーキングに行く」というスマートフォンのメッセージを交際相手に送ったまま、行方が分からなくなっていた。
容疑者の米軍属は、米ニューヨーク州出身の三二歳。二〇〇七年から二〇一四年まで海兵隊に所属していた。その間二〇〇九年から二〇一一年の二年間は沖縄のキャンプ・キンザーで勤務し、現在は嘉手納基地で民間会社に所属しインターネット関連の仕事につく米軍属である。住まいは妻の実家のある与那原町で、ウチナーンチュの妻と誕生間もない子どもの三人家族だった。
容疑者は事件当日、「数時間にわたり車で女性を物色した」「ウォーキング中の被害者を後から棒で殴り、草むらに連れ込んで暴行した」「首をしめナイフで刺して殺した」「スーツケースに死体を入れて運び、恩納村の雑木林に捨てた」と自供した。自供どおりの場所から発見された遺体は半ば白骨化していた。

深い悲しみと
怒りに包まれ
沖縄は深い悲しみと怒りに包まれている。若い命がなぜ理不尽に奪われなければならないのか。県民はいつまで米軍犯罪に怯えて暮らさなければならないのか。事件が起きるたびに日本政府は「怒っている」ふりをし、米軍は「再発防止の約束」をするが、現実は何も変わらない。一時しのぎのパフォーマンス。現実を変えるのは県民の団結した行動だけだ。キャサリン・ジェーン・フィッシャーさんの「私は米兵にレイプされた。私は殺されなかった。だから私が声を上げないといけない」との訴えに応えよう。
五月二〇日の嘉手納基地第1ゲート前の金曜日早朝抗議行動には一五〇人が結集し、「女性暴行事件糾弾」「すべての米軍基地撤去」のアピール行動を行なった。参加者は手に手に「CLOSE ALL BASES」「DON,T RAPE OKINAWA」などのプラカードを掲げ、ゲートを出入する米兵の車両一台一台に訴えた。激しい抗議にYナンバー車が立ち往生すると、県警が出動し規制を始め、ゲート前一帯は騒然とした空気に包まれた。その上空をF15戦闘機が爆音をとどろかせて訓練を行ない、C130輸送機やAWACS(早期警戒管制機)などの米軍機が飛行する。沖縄戦後七一年間、沖縄に居すわったままの米軍。沖縄戦は今も続いている。ここに元凶がある。米軍を撤退させることが沖縄戦を終わらせることだ。
昼休みには嘉手納基地爆音差止訴訟原告団と中部地区労共催の緊急抗議集会が開かれ、二〇〇人以上が集まり、各団体の旗やノボリが嘉手納基地第1ゲート前に林立した。主催者あいさつのあと発言した沖縄平和運動センター副議長の仲村未央県議は、「弱いものがいつも犠牲になる現実に終止符を。基地をなくすという一点で団結を固めよう」と訴えた。普天間基地爆音訴訟団の島田善次団長は「申し上げる言葉がない。悲しく苦しい。沖縄はいまだ戦場だ。こんな現状が許されているのはわれわれの怒りが足らないからだ。怒ろう。そしてなんとしても基地を撤去させよう」と檄を飛ばした。
黙祷のあと、ヘリ基地反対協議会の辺野古海上チーム約二〇人がそろって前に立ち、「米軍は人殺しの軍隊。基地がなければ事件は起きなかった。辺野古に基地はいらない。沖縄からすべての基地をなくそう」と訴えた。辺野古チームのリードで「座り込めここへ」を参加者全員で歌ったあと、がんばろう三唱で集会を締めくくった。
五月二一日に行なわれた葬儀には、家族親戚のみなさんをはじめ、翁長知事、出身地の稲嶺名護市長、地元の島袋うるま市長、小中高の同級生、職場の同僚、友人知人合わせて八〇〇人が参列し故人の冥福を祈った。
葬儀には中谷防衛相や島尻沖縄相も参列した。なんと言う小ざかしい連中か。彼らが意識しているのは選挙だ。県議選と参院選で辺野古NO!の圧倒的民意を示し、日本政府の手先となっている人々の席が沖縄にはないことをはっきり突きつけよう。

5.22

米軍司令部前で
2千人が抗議行進

 五月二二日には、米軍司令部のあるキャンプ・フォスター(北中城村石平)ゲート前で「元米海兵隊兵士の事件被害者を追悼し米軍の撤退を求める集会」が開かれ、二〇〇〇人が参加した。「基地・軍隊を許さない行動する女たちの会」「強姦救援センター」「SEALDs琉球」など三六団体が賛同し参加した。「女たちの会」の高里鈴代共同代表の「追悼と抗議の意思を示す。元凶である基地・軍隊の撤退を求める」とのアピールのあと、静謐の中に深い怒りを表す「サイレント・スタンディング」として黒や白の服装で参加した人々は基地フェンス横を歩きながら、静かに抗議の意思を表した。

モンデール元駐日大使が証言

基地の強制収用「たいへん申し訳ない」


翁長知事は今秋沖縄で開かれる「第六回世界ウチナーンチュ大会」のPRのためハワイや北米を訪れた最後の日程として、ワシントンで、米上下両院議員一二人と会談した。県ワシントン事務所(平安山英雄所長)が準備に奔走した。
翁長知事は上下両院議員との会談をふりかえり、「去年は『辺野古が唯一』という議員がほとんどだったが、今回は直接的にはなかった。認識が深くなった」「去年は『この工事は難しい。なかなか前には進みませんよ』と言っても誰も信用しなかった。今回、この一年ほとんど工事は進んでいないでしょう、と言うと、みんな『なるほど』と理解を示した」と感想を語った。
日本政府は沖縄の声をアメリカ政府・議会にまったく伝えないばかりか、沖縄の声を踏みつぶすことに熱心だった。このような日本政府に「外交」を任せてはおけない、と昨年から始まった沖縄県の日本政府から独立した「独自外交」は徐々に成果を収めつつある。
下院歳出委員会のトム・コール議員(共和)は、「一九六〇年代のフランスや九〇年代のフィリピンがそうだったように、辺野古も日本政府が要請すれば変更の可能性がある。日本政府が解決策を出せば、それを尊重するよう私は米政府に働きかける。沖縄にとって平等な解決策が出てくることを期待したい」と述べた。
また、コクラン上院歳出委員長は、日米両政府が沖縄の声にまったく耳を傾けず辺野古を強行しようとしているとの翁長知事の説明に、「米政府は知事や沖縄の声を聞くために特使を送り、解決策を話し合うようなことをしているか」と質問し、沖縄の現状を理解しようとする姿勢を示した。知事を先頭に押し立てた沖縄のゆるぎない団結のみが日米両政府の態度を変えていく力である。
二〇年前、普天間基地の返還合意を打ち出した橋本・モンデール会談の当事者であるウォルター・モンデール元副大統領(元駐日大使)は、翁長知事との今回の会談で、沖縄の米軍基地が米軍の強制収用により出来上がったとの歴史に触れ、「たいへん申し訳ない」と述べた。そして、二〇年前の普天間基地の返還合意の内幕をはじめて明らかにした。それによると―
「ハシモトが電話で『すぐに普天間を閉鎖したい。手助けしてくれないか』と聞いてきた。その日の午後にペリー国防長官に電話したところ『よしやろう』と言ってくれた。二日間で普天間基地返還の大枠をまとめ上げた。」
その後、日米両政府により、普天間基地返還の計画は二本の滑走路と軍港、弾薬装着場、オスプレイ発着場・駐機場を備えた巨大な最新鋭の辺野古新基地建設の計画に姿を変えた。モンデール元駐日大使の証言は、辺野古基地建設の現行案が普天間基地の返還を口実とした新基地建設に他ならないことを明らかにするものだ。

辺野古海上警備はブラック企業

防衛局との癒着、残業代不払い

業務契約を破棄せよ!


辺野古新基地建設に伴なう陸上、海上の民間警備費が二〇一四年六月から二〇一六年一二月の二年半で少なくとも一五九億円にのぼることが明らかになった。「一般競争入札」には毎回、陸上、海上とも各一社だけが参加していて、落札率は軒並み九九%を超えている。平和市民連絡会の北上田毅さんが情報公開請求を通じて沖縄防衛局から資料を入手した。
陸上の警備は綜合警備保障(ALSOK)、海上の警備は東京のライジングサン・セキュアリティ・サービス(実際に業務を行っているのは沖縄市にある一〇〇%子会社のマリンセキュアリティ)が独占している。当初、警備業務は大成建設が受注した工事業務に含まれていて、二社に再委託されていた。この期間の警備費の契約金額は陸上が三九億円以上、海上が四〇億円以上だった。その後、警備業務が独立して発注されるようになり、入札が四回あった。陸上は約一九億円、約一五億円、海上は約二三億円、約二〇億円で契約されたが、落札率はそれぞれ九九・八%、九九・二%、九
九・五%、九九・九%であった。防衛局と業者の癒着は明白だ。
この一五九億円にのぼる警備費には警察や海保の費用は含まれていない。含めると総額は天文学的な額にふくれあがるだろう。辺野古の工事は現在止まっている。工事車両の出入はない。それでもゲート前にはALSOKの警備員がただ立っている。辺野古は安倍による国家予算の浪費の典型だ。
海上警備のマリンセキュリティの従業員が、月最大二〇〇時間に及ぶ残業代が支払われないのは労働基準法違反だとして訴えを起こしたことにより、ブラック企業としての「マリンセキュリティ」の実態が明るみに出てきた。残業代不払いだけではない。社会保険や雇用保険も加入しなかったり、源泉徴収票の発行を「希望制」とするなどしていた。こうしたブラック企業と癒着して契約し、辺野古海上の警備を進めてきた沖縄防衛局の責任は免れない。
信頼は地に落ちた。沖縄防衛局は警備業務契約を破棄し、辺野古新基地建設を白紙撤回せよ。

 


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