もどる

    かけはし2016.年6月6日号

米軍は沖縄から撤退せよ


沖縄報告 5月29日

女性暴行殺人・死体遺棄事件の元凶は基地

沖縄 K・S


5.25

辺野古ゲート前で
400人が怒りの声

 元海兵隊で嘉手納基地に勤務する米軍属による沖縄女性暴行殺人・死体遺棄事件に抗議して、五月二五日午前、キャンプ・シュワブ第一ゲート前で集会が開かれ四〇〇人が結集した。主催は基地の県内移設を許さない県民会議。
炎天下、ゲート前に座り込んだ集会は、山城博治平和運動センター議長の進行で進められ、統一連の中村議長、「基地・軍隊を許さない行動する女たちの会」の高里鈴代さんがあいさつした。高里さんは、「基地の撤去はもちろんだが、何よりまず犯罪の根源である軍隊を撤収させなければならない」と強調した。
つづいて、県議選に翁長知事を支持する与党候補として立つ予定の名護市区の親川さん、国頭郡区の平良さん、参院選の伊波さんがそれぞれ決意を述べた。高江の安次嶺現達さんは、「北部訓練場のゲート前でも米軍に対する抗議行動を続けている。ともに米軍基地を撤去していこう」と呼びかけた。
その後場所をテント前に移して集会を続けた。教科書への軍命による集団自決記述復活の活動に取り組む玉寄哲永世話人、埼玉年金組合の一六人のあと、「青い空は青いままで子どもらに伝えたい」の横断幕を持って貸し切りバスで参加した東京の辺野古ツアーの人々があいさつした。
集会の後、参加者は、テントに残るグループ、早朝抗議行動で拘束された仲間の釈放を求めて名護署に行くグループ、午後からの嘉手納ゲート前集会に参加するグループに分かれてそれぞれ行動した。

5.25

嘉手納に4000人
基地の暴力断ち切れ

 「辺野古に基地をつくらせないオール沖縄会議」主催による「元米兵による残虐な蛮行糾弾!犠牲者を追悼し米軍の撤退を求める緊急集会」は、午後二時から、嘉手納基地第一ゲート前で開かれ、四〇〇〇人が結集した。
司会は平和運動センター副議長の仲村未央県議。最初に二〇歳の犠牲者に対し全員で静かに黙祷した。主催者を代表してのあいさつでは稲嶺進名護市長(オール沖縄会議共同代表)が、「本当にワジワジする。戦後七一年間米軍に苦しめられてきた沖縄の歴史と現実は綱紀粛正と再発防止をオウム返しのように繰り返しても何も変わらない。日米両政府は負担軽減の名の下に負担を押し付けてくる。ガッティンならん。絶対に許してはいけない。安心して暮らせる社会を自らつくりだそう。沖縄の力を見せよう」と訴えた。
もう一人、主催者を代表してシールズ琉球の玉城愛さん(オール沖縄会議共同代表)は、「言葉にならない悲しみと怒りを覚える。こんな沖縄はもうイヤだ。私たちの命と人権がどうしてないがしろにされなければならないのか。基地のある沖縄で生きていきたくない。基地をなくそう。世界中に訴えていこう」と呼びかけた。
幹事団体からは、次のような発言が続いた。
照屋寛徳衆議院議員(社民党)―「私は被害者の女性と同じうるま市にすんでいる。極悪非道で計画的な犯罪を断じて許すわけにいかない。受忍限度を超えている。すべての基地の撤去を求める。辺野古の新基地建設を断念せよ。地位協定の全面改訂を行なえ。被害者の遺族の方々に謝罪と償いを行え」。
赤嶺政賢衆議院議員(共産党)―「キャサリン・ジェーン・フィッシャーさんの外務省抗議行動に同行した。フィッシャーさんは外務省職員に、被害者が襲われた時何と叫んだか知っているか、とたずねた。『だれか助けて!』と叫んだはずだ。被害者の声を受け止めるべき日本政府は当事者意識を持っていない。沖縄の基地の強化しか考えていない。基地のない沖縄を実現するまで闘う」。
玉城デニー衆議院議員(生活の党)―「モンデール元副大統領のインタビュー記事を読んだ。当時の橋本首相との間で二日間で普天間返還計画をつくったという。その時移設の条件・代替施設の計画はなかった。二〇年たっても普天間が動かないのは、辺野古新基地に固執する日米両政府の責任だ。私には来年成人式を迎える娘がいる。被害者の女性と重なる。怒りの声をしっかり上げていこう」。
仲里利信衆議院議員(無所属)―「ハイサイ、グスーヨー。沖縄の自民党を代表してあいさつする。安倍首相や今の沖縄の自民党はユクサー(うそつき)、本当の自民党ではない。本来は彼らを除名すべき。西普天間五一haの返還を政府は大宣伝しているが、実は日本本土では三六〇ha返還され、沖縄の米軍基地の比率は七三・八%から七四・六%に増えている。沖縄県民を馬鹿にしてはいけない。ウチナーンチュの力を示そう」。
大城一馬県議(社大党委員長代行)―「県民の怒りを共有して闘う。被害者の若い女性に哀悼の意を表すると共に、加害者の極刑を求める。加害者の家族も被害者だ。地域で支援しなければならない。基地撤去まで共に闘おう」。
県議会会派「県民ネット」山内末子県議―「告別式に参加して、ピンクの服を着た被害者の姿に涙が止まらなかった。日米安保の犠牲になったことを決して忘れてはならない。六歳の少女が米軍の暴行殺人・死体遺棄の犠牲になった由美子ちゃん事件を思い浮かべる。基地あるがゆえに多くの尊い命が失われた。苦しみ・辛さは消えない。軍隊は人々を救わない。軍隊をなくす闘いを沖縄からすすめていこう」。
那覇市議会会派「新風会」知念博市議―「私は辺野古基地NO!を貫いて除名された自民党員だ。以前、基地撤去は革新のスローガンだと思っていたが、今やわれわれのスローガンになった。翁長知事と共に、沖縄から基地をなくしていこう」。
連帯あいさつに立った新川秀清さん(嘉手納基地爆音差止訴訟団原告団長)は、「嘉手納基地の米軍人軍属によりどれだけ多くの命が失われたことか。基地周辺の人びとは人間らしい生活を取り戻すために爆音訴訟に立ち上がった。子ども達が伸び伸びと育っていける環境を取り戻したい。嘉手納基地の中に昔、三つの小学校があった。人間らしく生きていくことの出来るただ一つの方法は基地をなくすことだ。そのため日本の政治を変えて行こう」と訴えた。
決議文を拍手で採択したあと、基地に向かって「命をかえせ」などのスローガンを叫び、最後に高里鈴代さんが閉会のあいさつを行った。「みなさん、手をつないでください」との呼びかけのあと、まず基地に向かって英語で訴えた高里さんは、「この地が受けてきた米軍の暴力は恐ろしいほど深刻だ。新聞に出る統計は復帰後のもの。実はそれ以前にも事件事故は無数にあった。表に出てこない事件事故の数もまた数多い。今こそ基地の暴力を断ち切るため、軍隊の撤退を求める」と述べた。

日米安保は砂上の楼閣

米国で広がる沖縄との連帯

 女性暴行殺人・死体遺棄事件の衝撃によって沖縄は深い悲しみと怒りに満ちあふれている。犯行が明らかになって以降、死体遺棄現場の恩納村の県道一〇四号線沿いの雑木林には毎日、花束や飲物、お菓子などを持ってバイクや車で訪れる人々が絶えない。被害者の二〇歳の女性が好きだったというピンク色の花束や生前の写真もある。一人娘を失った被害者の父親は親戚・家族と共に現場を訪れ、娘さんのマブイ(魂)に「一緒に家に帰ろうね」と泣きながら呼びかけた。
悲しくやるせない。冷酷で残忍な犯罪は米軍基地あるが故だ。沖縄戦後七一年間沖縄に居すわり、数知れない多くの事件事故と犯罪を積み上げてきた米軍と共犯の日本政府に対し、「日米安保のいけにえ」とされるのはもうごめんだ!もういいかげん基地をなくしてくれ!という県民の声はとどめようもなくあふれ噴出している。
翁長知事は安倍・菅との会談で、「綱紀粛正、再発防止は何百回と言われてきたが何も変わらない」「今の地位協定の下では日本の独立は神話と言われる」と、米軍犯罪の温床になっている日米地位協定の改定を強く求めた。そして、安倍がオバマとの会談で「辺野古が唯一」と伝えたことに対し、「県民に寄り添うことに関心がない」「『法治国家』ではなく『放置国家』だ」「日米安保条約は砂上の楼閣」と日米両政府をきびしく批判した。
県議会は五月二六日、「元海兵隊員の米軍属による女性死体遺棄事件に関する抗議決議」を採択し、遺族に対する謝罪と補償、普天間の閉鎖と県内移設の断念、海兵隊の撤退と米軍基地の大幅縮小、地位協定の抜本改定などを日米両政府に求めた。決議は自民党が退場し、公明党なども賛成する全会一致だった。県議会が海兵隊の撤退を求めたのは初めてだ。各市町村でも同様の決議が相次いでいる。五月二六日現在、県内の自治体の半数に当たる二〇市町村議会が抗議決議をあげた。沖縄は今六月五日投票の県議選の最中だ。翁長知事を支持する県議会与党多数派を確実に維持・強化することがかかっている。
連帯の動きは国会前行動や日本各地だけでなく、アメリカへも広がっている。全米で五万人の会員を有する「コード・ピンク」を中心に「ベテランズ・フォー・ピース」などの市民団体も参加して五月二六日ワシントンで、米軍属の犯罪に抗議する「ダイ・イン」行動が行なわれた。「この悲しみや怒りは言葉では表現することが出来ない。米国民に沖縄の現状を知ってもらいたい」と、参加者のひとりで母親が沖縄県出身の女性は口に黒のガムテープを貼り沖縄の声なき声を表現、地面に横たわる人たちは血が流れる様子を模した布を被って事件の残酷さを表現した。言語学者のチョムスキーさんなど著名人八三人は「米軍基地の撤退を求める沖縄県民を支持する」との声明を発表し、オバマ大統領に対し翁長知事と話し合いを持つよう働きかけると強調した。

6・19県民大会に結集せよ

闘いの焦点はここに!


五月二〇日の嘉手納基地第一ゲート前での一五〇人の早朝抗議、五月二二日のキャンプ・フォスター(米軍司令部)前での二〇〇〇人のサイレント・デモ、二五日の辺野古の四〇〇人と嘉手納の四〇〇〇人の集会を経て、六月一九日には那覇市のセルラー球場で数万人規模の県民大会が計画されている。キャンプ・シュワブ、嘉手納基地第1ゲート、普天間基地の野嵩と大山ゲート、読谷村トリイステーション(陸軍特殊部隊)、北部訓練場など、沖縄に駐留する主な米軍基地ではどこでも日常的に反基地の意思表示が行なわれているのに加えて、全県民を糾合し日米両政府との全面対決の怒りの声をあげる。
現在の東アジア大衆運動の最大の焦点はこの沖縄対日米両政府の対決にある。沖縄の闘いを支持し共に闘おう! 闘争陣形を拡大強化し、日米両政府の支配を打ち破る突破口を切り開こう!

元米兵による残虐な蛮行糾弾!

犠牲者を追悼し米軍の撤退を
求める緊急抗饑決議

 沖縄が本土に復帰後、最も残虐な事件が起こった。
4月下旬から行方不明となっていたうるま市の女性が遺体で発見されたのだ。元米海兵隊員で軍属の男が未来ある二十歳の尊い命を奪った凶悪事件は沖縄県民に恐怖と衝撃を与えた。
私たちは「オール沖縄Jとして、かけがえのない一人娘を亡くした遺族の深い悲しみと怒りを多くの県民で共有し、犠牲者の死を決して無駄にしないことを誓うため、今日この場に結集した。
沖縄県民はこれまで、幾度となく「基地あるが故の」事件•事故に抗議し、米軍に対し再発防止 の徹底と網紀粛正を強く求めてきた。にもかかわらず、米軍人や軍属等による事件•事故は後を絶たない。
それはなぜか。日米両政府が戦後71年間も過重な米軍基地をこの沖縄に押し付けているからである。沖縄県民の怒りはもう限界点を越えた。私たちはもうこれ以上、基地の重圧に耐えることはできない。
本土復帰後44年を経てもなお、在日米軍専用施設の約74%が集中する沖縄。その現実を日米両政府は無視し続けてきた。早急に日米両政府の責任で具体的な解決策を取らなければ、戦後最大級の「県民総ぐるみ基地撤去運動」が展開されるだろう。
私たちは、日本国憲法に保証されている国民の当然の権利である基本的人権、生命、自由及び幸福追求、法の下の平等を主張し強く訴える。基地のない平和で豊かな沖縄を実現させるまで最後まで決して屈しない。
私たちは「オール沖縄』として、次代を担う沖縄県民がこの島で生きていくための最低限の権利を守るため、満身の怒りを込めて抗議する。
さらに、下記について要求し、米軍の撤退を強く求める。
1、米軍基地の大幅な整理縮小
2、日米地位協定の抜本的な改定
3、 普天間飛行場の閉鎖・撤去
4、オスプレイの配備の撤回
5、辺野古新基地建設断念
以上決議する。
2016年5月25日 辺野古新基地を造らせないオール沖縄会議
宛先:アメリカ合衆国大統領、駐日米国大使、在沖米軍四軍調整官、
内閣総理大臣、外務大臣、防衛大臣、沖縄担当大臣



もどる

Back