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    かけはし2016.年6月6日号

時給1500円 今すぐ実現!


5.11

全労働団体の結集で抗議の声

「解雇自由」「低額働かせ
放題」は絶対にゴメンだ



労働法改悪問題
を参院選争点に
五月一一日午後六時半から日比谷野外音楽堂で「アベ政権はもう嫌だ! 〜次に来る矢は解雇自由≠ニ低額働かせ放題=` 5・11雇用と暮らしの底上げアクション」が開催された。スローガンは、なくせ!ブラック企業・ブラックバイト!、なくせ!賃金差別!バイトもパートも今すぐ時給一五〇〇円!!、守れ!一日八時間労働!の三本。主催は、日本労働弁護団を中心とした同アクション実行委員会。
日本を「企業が世界で一番活動しやすい国」にすると打ち上げ、労働規制に岩盤規制などと悪罵を投げかけ、その破壊を一貫して追及してきた安倍政権に今度こそ労働者の総反攻で痛打を浴びせようと、連合、全労連、全労協、全国港湾が勢揃い、いわば日本の全国的労働団体が一堂に会する、この間では画期的集会となった。
たとえば連合はこのところ、日本労働弁護団呼びかけの行動でも僅かな幹部の参加で対応することが通例だったが、しかしこの日は、全国ユニオン、UIゼンセン、私鉄総連、JAMなどの民間単産を含め数多くの組合旗を連ね数百人のデモ隊列を作った。最低賃金一五〇〇円を掲げ独自に行動を重ねてきたエキタスなどの若者グループも参加。彼らは、サウンドカーを仕立てた独自隊列で、最低賃金を今すぐ上げろ、ブラック企業さっさと消えろなどのラップ調コールで元気一杯に行進、この日の行動に新鮮な息吹を吹き込んだ。参加者は主催者から一八〇〇人と発表された。

「女性活躍」論
はいかさまだ
定刻通り始められた集会では、日本労働弁護団の徳住堅治会長がまず主催者あいさつに立ち、労働法制の改悪をこれでもかと進めながら、参院選が近づくややにわに甘言を弄し始めた安倍の不誠実極まりない姿勢に怒りを直截にあらわし、参院選での総決起を呼びかけた。そしてその後、労働法改悪を絶対はね返すとする決意と力を合わせた行動を呼びかける発言が、実に多方面から続いた。
情勢報告に立った棗一郎日本労働弁護団幹事長は、政府の「労働移動支援助成金」を使った人材派遣業界によるリストラビジネスに、同助成金使用を止める形で野党共闘による議会での追及が一定の打撃を与え、その共闘が、労働基準法改悪案審議断念にも力を発揮するなど効果を見せ始めていることをまず指摘。その上で野党共闘をさらに広げ、参院選で安倍の正体を徹底的に暴露しノーを突き付け安倍を引きずり下ろそう、労働法改悪の策動に引導を渡そうと檄を飛ばした。
民進党の中根康浩衆院議員、日本共産党の小池晃書記局長、社民党の吉田忠智党首も発言、共に、安倍政権の労働法制改悪攻撃との断固とした対決、また安倍打倒への力を合わせた決起に向け決意を明らかにした。
「かえせ☆生活時間プロジェクト」からは浅倉むつ子早稲田大学教授が発言。若い男性の極度に短い家事時間のデータを上げながら、家事が女性に押しつけられる根底に長時間労働がある、それを変えずに何が「女性の活躍」かと、まず安倍政権のいかさまさを鋭く批判。そして、長時間労働が、命と健康に加え、家族生活、文化生活、社会生活を奪っていると強調、地域から、家族から、生活から声を上げ、時間政策を変えようと訴えた。
「ブラック企業対策プロジェクト」からは今野晴貴POSSE代表が発言。労働相談事例として仕事の責任を無制限に労働者に被せる形のブラック企業が増えていると現状を報告した上で、社会のこのブラック化を加速している元凶こそ安倍政権の労働政策、それを何としても止めなければならないと力を込めた。

今こそ開かれた
労働運動が必要
参加した各労働団体も発言した。連合の安永貴夫副事務局長は、まずこの日の集会スローガンに強く賛同し強い決意で発言すると立場を表明。そして労働基準法改悪は絶対に認めない、時間規制こそ必要、その社会的うねりを参院選で結果にしようと呼びかけた。
全労協の金澤壽議長は、格差社会を深刻化した安倍には責任を取ってもらおう、名前に値する労働規制確立を掲げ参院選を何としても安倍の転落路にしよう、と決意を述べた。
全労連の井上久事務局長は、今さら甘言をふりまく安倍の厚顔無恥の奥底には人びとからの圧力もあると指摘し、流れを変えるチャンス、労働組合らしく攻勢的に、最低賃金引き上げをやらせよう、労働時間上限規制をやらせよう、そして安倍を徹底的に追い詰めようと呼びかけた。
全国港湾の松本耕三副委員長は、二点に絞るとしてまず、不当解雇は撤回させ職場に戻すのが労働組合の原点であり原則、それを認めない金銭解決制度は労働組合運動の意義を無にするものであり、絶対に認めることのできないものだと力説した。次いで、安倍の暴走を止めたいとの声が切実さを増す中で労働組合組織率が一七%である現実は、多くの労働者が声を上げる上で蚊帳の外に置かれていることを意味する、開かれた労働運動が今こそ求められている、今回の集会をその第一歩にしよう、と力強く訴えた。

保育労働と
過労死問題
俄然大きな社会問題に浮上した保育の現場からも、保育士である全国福祉保育労働組合の佐藤よしみさんが発言。入れ物や保育従事者の人数という形だけで問題をやり過ごそうという政府の姿勢を厳しく批判、保育労働に対するしっかりした社会的認知を基礎に据えた抜本的な政策転換が是非必要と強く訴えた。
過労死に立ち向ってきた運動からも労働法改悪に強く反対する発言が行われた。「東京過労死を考える家族の会」の中原のり子さんは、過労死で父親を亡くした子どもの死を朗読して紹介し、「ノーモア過労死」と強く訴えた。タイムマシンに乗って父の死の前日に戻り、働きすぎるなと父を止めたい、との切々とした詩は、今さらながらに長時間労働の酷さを訴えるものだった。そして過労死弁護団全国連絡会議の玉城一成弁護士は、過労死防止法が一昨年成立しながら過労死はまったく減っていない、その原因は長時間労働としてはっきりしている、しかもそれが労働基準法の例外規定の悪用・脱法から生まれていることもはっきりしている、にもかかわらずその例外をさらに広げる改悪など絶対に許せることではない、共にそれを止めたいと訴えた。
社会に今現れているさまざまなできごとは、労働法制の規制緩和の民衆に対する敵対性をこれでもかとあらわにし、世界で展開されている闘い共々労働の規制強化こそ不可欠であることを示している。今集会の多方面からの発言と労働組合の垣根を越えた結集はそれをあらためて示したが、同時に参院選を前に甘言を弄し問題の表面化を必死で押し隠そうとしている安倍政権の卑劣な姿勢自体もそれを裏書きするものと言える。今こそ、社会の奥底から労働の規制強化をの声を高め、ごまかしに逃げようとする安倍を追い詰める時だ。民衆の声に押されて野党共闘が進む参院選をも好機に、その闘いを全力で推進しよう。    (神谷)

5.6

戦争あかん!ロックアクション・大阪

「戦争のリアル・貧困のリアル」

高遠菜穂子さん、雨宮処凛さん 講演

 

 【大阪】戦争あかん!ロックアクション・大阪と『戦争法』違憲訴訟の会の共催による講演集会が五月六日、エルおおさか南館ホールで開かれた。最初に高遠菜穂子さんが講演、次に荒木淳子さん(ロックアクション事務局)がインタビューし、最後に高遠さん・雨宮さんに荒木さんがインタビューした。
 インタビューが終わった後、二団体からアピールがあった。
 梅尾直人さん(関西非正規等労働組合・ユニオンぼちぼち):大卒後フリーターを選択した。その後仕事はころころ変わった。長く同じ職場にいても労働条件は何も変わらないからだ。非正規労働は流動性が大きい。徴兵制ができれば、一部はその方向に流れていく可能性がある。私たちは、とにかく雇用を守るために組合として交渉力をつけたい。大阪市大は特任教員の雇用を一旦すべて打ち切り、研究は勤務時間外に行うことを条件に雇用するとした。Aさんはこれに不同意であることを伝え、雇止め解雇され、雇用を求めて無期限ストを闘っている。注目してほしい。
 冠木克彦さん(弁護士、『戦争法』違憲訴訟の会共同代表):集団的自衛権閣議決定後、闘いの一つとして訴訟することを考えた。安倍さんは、この閣議決定の時、安全保障環境が変容していることを理由にあげたが、だから戦争するのか。武力行使はかえって被害を拡大している。加害者にも被害者にもなってはいけない。平和が大事だということを訴え、訴訟の形で世論形成をしていきたい。【新聞記事を見せて】違憲訴訟に対して裁判所は真摯に答えるべきだ、という記事は今までで初めてだ。ぜひ原告になってほしい。(T・T)

高遠菜穂子さんの話

イラク占領が生み出したIS

戦争の現実の直視を

 演習と戦場は違う。実家は千歳で基地の隣だったので、演習の音はよく聞いていたが、イラクで体験した出来事は全く違った。イラク人は、日本を奇跡の高度成長を遂げた国と思っていたから、武装した日本人(自衛隊)を見たのは初めてだった。防衛装備・人道支援は戦場リアルをそいだ日本語で、実情がわからない。自衛隊という言葉も理解が困難だ。今からISのことを話す。ISはイラク戦争の生んだモンスターだと言われるが、モンスターになるまでは、どうだったのか。イラクとシリアでは、ISがつくられた背景は同じではない。
イラクでは、バグダッドにイラク政府がつくられる頃の二〇〇五年、政府(警察)が大々的なスンニ派狩りをやった。それがISが誕生するきっかけだった。スンニ派市民は、イラク政府のやることが許せなかった。 国際移住機関によると、二〇一四年三月末までに、イラク国内避難二六〇万人を突破した。ISが建国宣言をする二〇一四年六月末までは、イラクでの戦闘のメインはスンニ派部族が率いる地元の抵抗勢力と政府軍だった。日本では、米軍が空爆するとニュースになる。ところがイラク政府がスンニ派を空爆してもマスコミは報じない。イラク政府は、「対テロ」という言葉を使えば国際社会からとがめられることなく、堂々と武器を調達し無差別空爆を続けた。
二〇一二年モスルにISが入ってきた。かれらは、イラク政府の恐怖政治から助けるために来たといった。住民はISに加担した。その後一カ月自由が戻った。そして再び、ISによる恐怖政治が始まった。二〇一三年ファルージャ、ラマディで反政府の金曜デモがあり、政府軍が弾圧し、七人が死亡。それから三カ月後また金曜デモ、死者二〇人。でもスンニ派市民の抵抗はやまない。政府軍によるスンニ派狩りも続いている。ISはそこに付け入っている。武力行使の前に手を打たなければいけない。
二〇一四年八月、隣国シリアでISによる米英人の殺害が相次いだ時、米国は空爆に踏み切った。オーストラリアは空爆に参加し、日本は人道支援として有志連合に名をつらねた。これにより日本の市民がテロに巻き込まれる可能性が一気に増した。平和国家ジャパンのイメージが崩れてきている。日本の憲法は戦争放棄をうたっているが、「戦争サポートはいいのですか?」と聞いてくるイラク人もいる。国際情勢を把握するには、日本のニュースだけでは全く足りない。日本は情報鎖国だ。日本を知るには、日本の姿を外から見てほしい。日本の国内問題は国際問題の一部なのだから。

帰還米兵のPT
SD、自衛隊は?
PTSDのことについて。イラク戦争に参加した米兵の多くは、大学に行くお金のためにがほとんどだ。訓練を受けて戦場に行くが、それでも、戦場と演習は全く違うことを彼らは感じる。上官から、彼らは「人間愛に触れてはいけない」と教えられてきた。イラク戦争での米兵の死者は四五〇〇人、ところが帰還兵は一日に二〇人単位で自殺している。地獄から生き抜いて生還した彼らは、帰還してから自殺する。ニューヨークにある帰還兵病院には、朝鮮戦争、ベトナム戦争、湾岸戦争、アフガン戦争、イラク戦争と、すべての戦争の帰還兵が入院している。退役軍人省があり、それなりにケアーしているにもかかわらず、帰還してから症状が悪化する。カウンセラーが、「君は英雄だ」というほど、症状が悪化する。良心が傷ついてしまっているのだ。米兵がこのような状況になっているというのに、自衛隊が戦場に行ったらどうなるのか。
イラク戦争検証委員会について。政府が立ち上げるという当初の計画は挫折した。全野党と民間に人材を集めてつくった。まず、日本政府がイラク戦争を支持するに至った経緯を明らかにしたい。大量破壊兵器が存在しなかった点について、安倍さんや外務省は「イラクが査察に協力しなかったからだ」と繰り返しているが、この点については国際査察団が初めからないと言っていた。オランダ、イギリス、米国は、大量破壊兵器があると言ったことは間違っていたと認めている。イラク戦争検証委員会を傍聴してほしい。イラク戦争もきちんと検証されていない状況で、イラク戦争ごときものが起きたら、日本はどうなるのか。(発言要旨、文責編集部)

 



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