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    かけはし2016.年6月27日号

被害女性追悼し海兵隊撤退を要求


沖縄報告 6月19日

6.19沖縄県民大会に6万5000人

涙と怒りで平和に生きる権利訴える

――米軍と住民は決して共存できない!

沖縄 K・S

力を合わせ基地撤去
米軍犯罪の撲滅を!


 辺野古新基地を造らせないオール沖縄会議主催による「元海兵隊員による残虐な蛮行を糾弾!被害者を追悼し海兵隊の撤退を求める県民大会」が六月一九日午後、那覇市奥武山(おうのやま)公園陸上競技場をメーン会場に開かれ、梅雨明けの太陽が照りつける中、六万五〇〇〇人が結集した。
 県内各地の島ぐるみ会議がチャーターした貸し切りバスは会場周辺に何十台と横付けとなった。四方から列をなして歩いてくる人も多い。参加者は追悼の意を表す黒のカラーを帽子、傘、リボン、かりゆし、シャツ、ズボンなど思い思いの服装で身につけ集まった。小さな子どもを抱いた若い女性やカップル、家族連れも多く目についた。沖縄戦を体験したと思われる年配の人々も会場へと足を運んだ。
 集会は古謝美佐子さんの「童神(わらびがみ)〜天の子守歌」の歌から始まった。古謝さんは三歳の時、父親を米軍基地内の交通事故で失ったが、賠償金として二〇〇ドルが支払われただけだ。子や孫に基地のない平和な沖縄を伝えたいとの思いを歌に託した。
 続いて参加者全員で黙祷し、二〇歳の夢ある人生を理不尽に奪われた犠牲女性の恐怖、悲しみ、怒り、虚しさに思いを巡らし追悼した。そのあと、被害女性の父親からの「多くの米軍犯罪が起こる中で、私の娘も被害者のひとりになった。県民が一つになれば基地撤去も米軍犯罪の撲滅も可能だ」とのメッセージが紹介された。

4人の共同代
表があいさつ
主催者を代表して、オール沖縄会議の四人の共同代表がハワイのウチナーンチュから贈られたレイを首にかけて登壇し発言した。
稲嶺進名護市長。「ハイサイ、グスーヨー。一昨日の名護市での追悼集会にたくさんの人が参加してくれて、お礼申し上げる。間もなく慰霊の日がやってくる。七一年前の戦争の時も今日のような暑さだったのだろうと思う。若い命を救えなかった無力感と悔しさを感じる。このような事件が二度と起きないようにしないといけない」。
呉屋守将金秀グループ会長。「名護市での追悼集会で被害者女性の両親が娘を最後の犠牲者として欲しいと訴えていた。今日は父の日だが、父親の無念はいかばかりか。真の追悼は二度とこのような事件を起こさないことだ。沖縄を米軍基地の要から平和と経済のキーストーンにしよう。ウチナーンチュの誇りと尊厳をとり戻さなければならない」。
高里鈴代さん。「私は那覇市の婦人相談員を長く勤めた。その中の一つに、復帰前、ベトナム戦争帰りの米兵にレイプされ首を締め殺されそうになって逃げた二一歳の女性がいた。女性は精神科の入退院を繰り返した。レイプ殺人も何件もあった。今も同じことが起こっている。もう二度と事件を起こしたくないという思いで辺野古のゲート前にも立っている。声をあげることのできない被害女性の声を耳を澄まして聞こう。埋もれている声を集めて、新基地NO!海兵隊撤退につなげていきたい」
玉城愛さん(名桜大四年)。「安倍晋三さん。本土にお住まいのみなさん。第二の加害者は誰か。あなたたちだ。しっかり沖縄に向き合ってください。いつまで県民は馬鹿にされるのか。オバマさん。アメリカから沖縄を解放してください。アメリカから解放されない限り、沖縄に自由と民主主義は存在しない。私たちは奴隷ではない。アメリカ市民と同じ人間だ。同じ世代の女性の命が奪われ、もしかしたら私だったかもしれないと思う。軍隊によって若い命が奪われるという、こんな社会を誰がつくったの? ウチナーンチュとして、市民として私は誇りを持って生きていきたい」。

4人の若者の
メッセージ
そのあと、「変わらない過去、変えて行こう未来」と題して、シールズ琉球の四人の若者がメッセージを発表した。
元山仁士郎さん(国際基督教大四年)。初めはウチナーグチ、終わりは英語で、「米軍基地をなくさない限り事件事故はなくならない。私たちに平和に生きる権利があるのか。私たちは普通に生きていたいだけだ。こういう県民大会を開く必要がないようにしたい」。
眞鍋詩苑さん(名桜大三年)「胸がいたい。私は県外出身だが、沖縄に基地と被害を押し付けてきた加害者としての自分に自責の念を感じる。沖縄の悲しみ怒りを沖縄だけのものとせず向き合って行きたい。安全で平和な生活を守るため、辺野古、高江、宮古、石垣、与那国の動きにNO!と叫ぶ」。
小波津義嵩さん(名桜大三年)。「なぜ沖縄は戦場となったのか。なぜ基地に悩まされ続けるのか。なぜ犠牲になり続けるのか。沖縄から基地をなくして欲しいというのはわがままなのか。誰が沖縄に基地を負担しろということができるのか。武力に頼らない平和を発信しよう。沖縄で幸せに暮らせるようにしよう。日本の民主主義革命は沖縄から起こる」。
平良美乃さん(琉球大大学院一年)。「事件をどう受け止めたらよいか分からなかった。簡単に命が奪われる現実が怖くなった。同じようなことが二度と起きてほしくない。祖先から受け継がれてきたメッセージが重なる。私たちが、私たちの命、子どもたちの命を本当に守っていこう」。
そのあと四人の学生は並んで「WE WILL NOT FORGET」「FREE OKINAWA」などのプラカードを掲げ力強くアピールした。

 司会から全国四一都道府県、六九カ所で沖縄の県民大会と連帯する集会が開かれていることが大きな拍手と共に紹介され、翁長知事があいさつに立った。
「恩納村の死体遺棄現場に行き花を手向け、心の中で犠牲者の女性に声をかけた。あなたを守ってあげることができなくてごめんなさい。申し訳ないと思っている、と。安倍首相との会談で地位協定の改定を申し入れたが返事はなかった。私たちの前には大きな壁が立ちふさがっているが、県民が心を一つにして立ち向かっていけば、必ず道は開ける。先の訪米で面会した議員たちにもだんだん理解が広がってきている。少しずつではあるが前進している。私は県民の先頭に立って不退転の決意で闘う」。
そしてウチナーグチで結んだ。「グスーヨー、マキティーナイビランドー(皆さん、負けてはいけませんよ)。ワッターウチナーンチュヌ、クヮンマガ、マムティイチャビラ(私たちウチナーンチュの子や孫を守って行きましょう)。チバラナヤーサイ(頑張っていきましょう)」。
大会決議を採択したあと、全員で「怒りは限界を超えた」「海兵隊は撤退を」のプラカードをいっせいに高く掲げアピールした。最後に海勢頭豊さんの「月桃」の歌声の中、一時間半にわたる集会を終えた。

自公との熾烈な攻防の中で
勝ち取られた県民大会

 一九七〇年、復帰前の沖縄でコザ反米暴動が勃発する直前、糸満市で米軍の二等軍曹が飲酒運転で女性をひき殺す事件があった。軍法会議の結論は証拠不十分で無罪。「人をひき殺しても無罪か」。
糸満小学校で開かれた抗議集会には五〇〇〇人が結集した。この時私たちも那覇からバスに乗って参加したが、理不尽な米軍犯罪に対する怒りがあふれ出すような熱気を感じた。
今当時と同じように、復帰後もいやというほど積み重ねられてきた米軍犯罪に、今回さらに残忍でむごたらしい事件が起こっても、「軍属の範囲を明確にする」などという小手先の対策に終始する日米両政府に対する不信は増幅している。
六月一七日までに沖縄県議会とすべての市町村議会で、元海兵隊員で嘉手納基地勤務の米軍属による女性暴行殺人・死体遺棄事件に抗議する決議が採択された。決議内容は各市町村でさまざまだが、繰り返される米軍犯罪に対する怒りと再発防止、そのための日米地位協定の抜本見直しを求めたのが三九市町村にのぼった。県議会をはじめ、海兵隊の撤退に言及した決議も多い。全基地撤去、辺野古新基地断念を盛り込んだ決議を採択した市町村もある。県民大会はこのような全県的な反基地のうねりの頂点として動員目標の五万人を上回る六万五〇〇〇人が結集し、成功裏に勝ち取られた。
「辺野古推進」「海兵隊容認」の安倍政権の代弁者・沖縄自民党は「県内移設によらない普天間閉鎖」「海兵隊撤退」という県民大会のスローガンが「受け入れられない」として参加せず、公明・維新の中間派は「超党派ではない」として参加しなかった。そして奥武山公園の陸上競技場やセルラー球場を会場とするのは「球児の夢を奪うものだ」「会場を変更せよ」などと県民大会の足を引っ張ることに熱心だった。
安倍政権の御用新聞・産経も「県民大会は革新色が強く偏っていて、自公も不参加、県民大会とは名ばかり」とキャンペーンしていたが、彼らのもくろみは失敗した。県民大会は予想以上に盛り上がり、辺野古NO! 海兵隊NO! というより左への大衆的政治分化が進展した。
翁長知事は県民大会を受けて間もなく訪米する。翁長知事は五月の訪米で「少しずつ糸がほぐれる思いがした」と確かな手ごたえを口にした。アメリカも沖縄県民の意思を無視して基地の運営ができないことを理解せざるを得ないだろう。そのために県民のいっそうの結束と行動への決起が求められている。

参院選に勝利しよう!

 自公は参議院選に必死だ。沖縄選挙区から選出されているにもかかわらず沖縄県民の主張をまったく顧みず中央政府の代弁者としてふるまう島尻沖縄担当相がきたる参議院選挙で落選すれば、安倍に大打撃だ。
県知事、県議会、衆議院の四つの選挙区、もうひとつの参議院選挙区すべて辺野古新基地NO! 海兵隊NO! を掲げて日米両政府と闘おうとする勢力が占めている中に、今回もうひとつの参議院選挙区に、オール沖縄の伊波さんが当選すれば、沖縄の民意は一〇〇%明らかになる。日米両政府はどうあがいても沖縄の民意をねじまげることができなくなる。そうすれば辺野古新基地の白紙撤回、海兵隊撤退へ向けた動きが加速するに違いない。
参院選を全力で闘いぬき、伊波さんの当選を勝ち取ろう!

6.17

国地方係争委が結論

真摯な協議が最善の道”

辺野古NOの声をさらに大きく

六月一七日、国地方係争処理委員会(小早川光郎委員長)は第九回の会合を開き、翁長知事の埋め立て承認取り消しに対する国交相の是正の指示について、五人の委員の全員一致で、「地方自治法の規定に適合するかしないかの判断をしないことを審査の結論」としたことを明らかにした。
小早川委員長は会議後の記者会見で、「例外的な措置ではあるが」「肯定、または否定のいずれかの判断をしたとしても、それが国と地方のあるべき関係を両者間に構築することに資するとは考えられない」として、「国と沖縄県は普天間飛行場の返還という共通の目標の実現に向けて真摯に協議し、双方がそれぞれ納得できる結果を導き出す努力をすることが問題の解決に向けての最善の道である」と述べた。
是非の判断を回避した係争委の結論に「想定外」との声が上がっている。翁長知事の埋め立て承認取り消しに対する国交相の是正の指示について、「是か非か」結論を出すことを期待されていたことに照らしてみれば、係争委は地方自治法の番人としての役割を放棄したといえる。国の機関が公然と国を批判するのは難しいのかもしれない。
しかし、沖縄の自治にとって決定的な重要性を持つ今回の件で、係争委は勇気を持って国の不法不当な地方自治に対する国家権力の行使を退けるべきだった。残念だ。好意的に解釈すれば、係争委は国交相の是正の指示に適法とのお墨付きを与えず、国の姿勢に疑問を呈することによって、消極的に国を批判したと見ることもできる。琉球新報は社説で「自治を拒む国への警告」と評価した。
中谷防衛相は係争委の結論を受けて、「県は一週間以内に裁判を提起するものと承知している」と語った。彼らには沖縄県と誠実に話し合って問題を解決しようとする考えなど念頭にない。彼らが早く得たいものは最高裁の「辺野古推進」のお墨付きである。ところが、県は係争委の結論に対し提訴せず国との協議を求めることを決めた。翁長知事は「真摯な協議が最善の道」とした係争委の結論を「重く受け止める」と述べ、国に対し「係争委の判断を尊重し、沖縄県と実質的な協議を行っていただくことを期待する」と求めた。
現在、翁長知事による前知事の埋立承認の取り消しはそのまま生きている。防衛局は辺野古新基地建設のための埋め立て工事をすることができない。国交相の是正の指示もそのままだ。ところが、是正の指示は拘束力を持たないので工事を進める根拠とならない。それゆえ、工事中止の現状が継続することになる。工事再開のめどは立たない。安倍は内心落胆していることだろう。裁判所や第三者機関が安倍の強行路線から徐々に離反していく動きをとどめることができない。NHKをはじめマスコミや財界で安倍に迎合する動きが目立つ中でも、安倍の政治的支配力は後退している。
普天間閉鎖、辺野古NO!の声を、安倍とその取り巻きと御用マスコミを圧倒して県内外からさらに大きく強く上げていこう!

元海兵隊員による残虐な蛮行を糾弾!

被害者を追悼し海兵隊の撤退を求める県民大会決議


元海兵隊員の凶悪な犯罪により、20歳の未来ある女性のいのちが奪われた。これは米軍基地あるが故の事件であり、断じて許されるものではない。
繰り返される米軍人・軍属による事件や事故に対し、県民の怒りと悲しみは限界を超えた。
私たちは遺族とともに、被害者を追悼し、2度と繰り返させないために、この県民大会に結集した。日米両政府は、事件・事故が起きるたびに、「綱紀粛正」、「再発防止」を徹底すると釈明してきたが 実行されたためしはない。このような犯罪などを防止するには、もはや「基地をなくすべきだ」との県民の怒りの声はおさまらない。
戦後71年にわたって米軍が存在している結果、復帰後だけでも、米軍の犯罪事件が5910件発生し、 そのうち凶悪事件は575件にのぼる異常事態である。
県民の人権といのちを守るためには、米軍基地の大幅な整理、縮小、なかでも海兵隊の撤退は急務である。
私たちは、今県民大会において、以下決議し、日米両政府に対し、強く要求する。

1、 日米両政府は、遺族及び県民に対じして改めて謝罪し完全な補償を行うこと。
2、 在沖米海兵隊の撤退及び米軍基地の大幅な整理・縮小、県内移設によらない普天間飛行場の 閉鎖・撤去を行うこと。
3、日米地位協定の抜本的改定を行うこと。
宛先内閣総理大臣 外務大臣 防衛大臣 沖縄及び北方対策担当大臣 米国大統領 駐日米国大使
2016年6月19曰
元海兵隊員による残虐な蛮行を糾弾! 被害者を追悼し、海兵隊の撤退を求める県民大会

 

夏期カンパのお願い

 全国の同志、友人、「かけはし」読者の皆さん。日本革命的共産主義者同盟(JRCL)と国際主義労働者全国協議会(NCIW)は夏期カンパへのご協力を訴えます。
新自由主義的グローバル化の行き詰まりと破産は、全世界を新たな分解と再編・衝突のるつぼの中に投げ込んでいます。米大統領選に見られるように民主党も共和党もそれぞれ大きく二つに分解し、EUヨーロッパもギリシャ、スペインに象徴されるように経済危機に見舞われ、ドイツを初めとする多くの国でシリア・アラブからの難民問題で揺れ動き、イギリスではEUに残るのか離脱するのかをめぐり国論が二分しています。そして中東ではIS問題などをめぐりアラブ全体が戦争状況に突入しています。日本もこの荒波にどう対応するのかが迫られています。安倍政権は「戦争できる国家」をつくり、米国とともに世界の戦場に出向こうとする極右の方向に舵を切ろうとしています。私たちはこれを絶対に許してはなりません。
安倍政権が推し進める「戦争体制」は、南シナ海を中心に急速に軍事的進出を強める中国を封じ込め、アジアでの権益を取り戻そうとするアメリカとともに軍事行動を行うことをめざしています。沖縄での辺野古新基地の建設もこの構想と密接に結びついています。
この攻防の最大のカギは「憲法改正」です。安倍政権は昨年九月に安保法案を強行成立させ、今度の参院選で「憲法改正」が可能になる参院での三分の二勢力の実現をめざしています。安倍政権は参院選が近づくと「改憲」という本音を後ろに隠し焦点があたかも経済問題であるかのようにごまかそうとしています。
しかしこのやり方は「消費税一〇%引き上げ延期」を決めた二〇一四年の総選挙といっしょであり、なお悪いことに「アベノミクス」の失敗を隠蔽し、犠牲を労働者人民に押しつけようとしているのです。「アベノミクスの三本の矢」は、株などへの投資ができる一部の富裕層を一層富ませただけです。
まさに一億総活躍社会は安倍政権の掛け声とは反対に、年金や社会保障費が削減され、福祉はどんどん切り捨てられ、貧国と格差、低賃金と長時間労働、不安定雇用を一層悪化をもたらしただけの「住みにくく、生きることが難しい社会」に向かっていることは明らかです。
これを如実に物語っているのが甘利問題や舛添都知事のスキャンダルに見られるように一方では利権に群がり、他方では福島原発事故の被災者を切り捨て原発再稼働にまい進するあり方です。
私たちは全世界で新自由主義に抗して、生存や人権、民主主義を求めて闘っている人たちの一翼を全力で担っていこうと決意しています。ぜひ夏期カンパにご協力を訴えます。

【送り先】労働者の力社 郵便振替00110=2=415220
新時代社 郵便振替00290=6=64430

 


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