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    かけはし2016.年6月27日号

7月参院選とわれわれの立場


戦争法廃止、改憲阻止、辺野古新基地建設阻止・米軍基地撤去、福島原発事故被災者を切り捨てるな、原発再稼働阻止へ

1人区・複数区での野党共闘・野党候補の勝利を! 比例区は共産党・社民党に投票を

日本革命的共産主義者同盟(JRCL)/国際主義労働者全国協議会(NCIW)

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  六月二二日公示、七月一〇日投票という日程で、第二四回参院通常選挙が行われる。今回の参院選挙は、これまでにもまして重要な政治的意味を持っている。何よりも、昨年九月に強行成立させた違憲の安保関連法をもとに安倍政権が進めている「戦争国家」体制の確立と憲法改悪に向けて、安倍政権が大きく舵を切ることを許すのか、それとも戦争国家・改憲への動きを押し戻し、安倍政権打倒に向けて大きな一歩を踏み出すことができるのかの岐路が、今回の選挙で提起されているからである。
 自公両党による昨年の戦争法案強行成立に対しては、憲法のみならず立憲主義をも踏みにじった行為であるとして、これまで改憲論の立場に立ってきた憲法学者、保守派の論客、さらには政治活動から距離を置いてきた若者、初めて選挙権を行使することになる高校生、デモデビューの母親たちまでふくめて、深夜まで連日国会を包囲する巨万のデモが行われた。反対行動は全国津々浦々にまで広がった。
 この闘いは、翁長県知事を当選させた沖縄の「島ぐるみ」の辺野古新基地反対闘争とならんで、自公政権に反対する全野党共闘を成立させる最大の要因だった。戦争法に反対する民衆の闘いは、ついに安保法制に反対した野党を強制して、戦争法廃止を中心にした選挙共闘まで実現させるにいたった。
 六月七日、民進党、共産党、社民党、生活の党と山本太郎と仲間たちの四野党は、「安保法制の廃止と立憲主義の回復を求める市民連合」(学者たち、SEALDs、安保関連法に反対するママの会などで構成)との間で、参院選に向けた政策協定を結んだ。同協定は、「戦争法の廃止」のみならず、「立憲主義回復」、「参院で改憲勢力が三分の二の多数を獲得することを阻止」、「貧困解消」、「TPP合意反対」、「沖縄の民意を無視した辺野古新基地建設の中止」などの項目を含んでいる。

(2)


 われわれはこの野党協力の政策協定に基づき、全国三二の一人区すべてにおいて成立した野党共闘候補への投票を呼びかける。
 さらに定数二人以上の複数区では、戦争法廃止、憲法改悪反対、沖縄の反基地闘争支持、反原発の立場を明確にした候補への投票を、また比例区では共産党、社民党、両党候補者への投票を呼びかける。
 昨年の戦争法反対の闘いの大衆的高揚の中で共通の訴えになっていった「野党は共闘」「安倍を倒せ」の叫びが、この野党共闘の中に表現されている。「総がかり行動」「学者の会」「ママの会」、そしてSEALDsなどの運動は、戦争法の強行成立後も、国会行動などを通じて国政選挙においても「共闘」の実現を求めていった。この大衆運動による政党への粘り強い働きかけこそが、参院地方区の一人区でかつてなかったような共同候補擁立を成就させたのである。
 他方、複数区や比例区では、野党がそれぞれの立場で候補を擁立することになった。われわれが比例区で共産、社民両党への投票を呼びかけるのは、先に述べた戦争法と改憲の攻撃、原発再稼働に反対する闘い、さらに貧困と格差に対して労働者・市民の権利を守る闘いを前進させるうえで、より有効な選択肢と判断するからである。

(3)


 安倍政権と与党は、この野党共闘を「野合」だと批判し、参院選の争点から意識的に憲法改悪のテーマをそらしている。国会会期末の六月一日にあたって安倍首相は、二〇一七年四月一日に予定していた消費税率一〇%への引き上げを二年半延期すると発表した。そして六月二日には「経済財政運営と改革の基本方針」(骨太の方針)、「一億総活躍プラン」を閣議決定した。
 安倍政権は、このデマゴギーに満ちた「日本再興戦略」によって「アベノミクスのエンジンを最大限にふかす」と主張し、自らの悲願である「改憲」問題を後景に退かせ、野党の攻撃をかわそうとしている。しかしこのやり方は「消費税一〇%引き上げ延期」を材料にし、「アベノミクスの是非を問う」と訴えた二〇一四年一二月総選挙後の国会において、安倍政権が実際に行ったことが戦争法の強行であったことと同じ手法である。
 現に安倍首相は、国会答弁で「任期内に改憲に手をつける」とくりかえし強調している。したがって労働者・市民は今こそ「戦争法廃止」「憲法改悪阻止」の訴えを、今回の総選挙で正面から訴えて選挙戦を闘うことが必要である。そのためにも沖縄の辺野古新基地反対「島ぐるみ」闘争と連帯して、すべての米軍基地を撤去する闘いを選挙戦の中ではっきりと打ち出すことが求められている。さらに福島原発事故被災者を切り捨てて進められる原発再稼働の加速化と対決し、「原発のない社会はいますぐ可能だ」の声を上げよう。
 同時に安倍自民党が今回の総選挙キャンペーンの基軸に据えてきた「アベノミクス第二ステージ」なる主張のデマゴギーを正面から批判する必要がある。「アベノミクス」の「一億総活躍社会」なるものが、まさに貧困と格差、低賃金と長時間労働、不安定雇用をさらに深刻化するものでしかないことを徹底的に批判しよう。

(4)


 安倍政権は、明らかにこれまでの保守政権とは区別された、資本主義の危機の時代の極右政権という性格を持っている。自民党改憲案(二〇一二年四月)に示された国家像は、立憲主義の破壊であり、個人の尊厳・自由・権利を国家に従属させるものであり、有事=戦時の人権剥奪を射程に入れたものである。
 しかし安倍政権の基盤は決して盤石ではない。甘利問題などのさまざまなスキャンダル、自公両党に支えられた舛添東京都知事の金銭問題に絡む辞任などは、政権の不安定さを示すものである。
 同時に危機の時代の強権主義的国家体制は、グローバルな資本主義の危機を背景にしたものであり、危機に対して具体的な要求・方針の体系をもってたたかう反資本主義左翼の形成が実践的課題としても提起されている。われわれはこうした課題についても、積極的に討論していく道筋を切り開いていかなければならない。
 最後に、われわれは若い仲間たちに訴える。今回の参院選は一八歳で選挙権が行使できる初の国政選挙だ。未来を自分たちの手で切り開き、平和・自由・人権を実現するために投票所に向かおう。そして学校で、職場で、地域で共に論議し、闘う仲間を見つけよう!
    (2016年6月)

6.5

京丹後現地総決起集会

米軍Xバンドレーダー基地撤去!

京丹後市は住民の自治・安全と安心を守れ

 【大阪】六月五日、京丹後集会実行委員会主催で米軍基地建設を憂う宇川有志の会協賛の現地総決起集会が宇川農業会館で開かれ、三五〇人が参加した。
池本昌弘さん(平和フォーラム関西ブロック事務局長)と大湾宗則さん(米軍Xバンドレーダー基地反対近畿連絡会代表世話人)が主催者あいさつをした。
池本さんは、総がかり行動実行委員会の行動と重なり十分な参加ができなかったと述べ、「政府は、反対運動は弾圧するが米軍犯罪には手心を加えている。北朝鮮の核実験やミサイルの打ち上げ、これに対して米国が核搭載可能な戦略爆撃機を韓国に派遣するなど挑発行為をした。菅官房長官は米国の行為を地域の平和と安全に役立つ行為だと評価した。北朝鮮の行為が問題であることは明らかだが、米国の対応が東アジアの情勢を不安定にしている。三月の米韓合同軍事演習は過去最大の規模となったが、この演習には迎撃ミサイル戦略の会議を日本でやったり、Xバンドレーダーのフル稼働などで日本も参加している。関西で初めての米軍基地を決して認めない。今後も京丹後の反対運動や沖縄の運動と連帯していく」と述べた。

不当な弾圧に
屈しないぞ!
大湾さんは次のように述べた。
「連絡会の主な活動は、月に二回休まず京丹後での戸別訪問。一軒一軒地元の人々の意向を聞き、基地の前で私たちの考えを訴えてきた。米韓合同演習には、普天間からオスプレーの海兵隊、B2戦略爆撃機は嘉手納から、強襲揚陸艦は佐世保から、原子力空母と潜水艦は横須賀経由で計一万七千人の米軍が参加した。中谷防衛相は昨年一一月、自衛隊基地にTHAAD(サードミサイル)を配備することを表明した。韓国にもこのミサイルとTHAADレーダー(Xバンドレーダーのこと)が配備される」。
「京丹後にも米軍軍属が元々の確認を無視して民間住宅に住んでいて、これらの人々を相手にする店がどんどん増えている。沖縄と同じ問題が起きるのは時間の問題だ。安心・安全を守るために地域が結束し、それを私たちが支援し、軍隊をたたき出さねばいけない。京丹後でも、基地ができてから軍・軍属による交通事故が二七件も起きている。日米地位協定の抜本的改定で、米軍は日本の国内法に従うことが明文化されないといけない。昨年六月四、五日、一九カ所の家宅捜索をし三人を逮捕したが、証拠なしで釈放。再び今年の五月二日、一六カ所の家宅捜索をし三人を逮捕した、現在は釈放されている。容疑は詐欺罪(主催者が労働組合名で会議室を借りたこと)だ。さらにその後も召還状が多くの仲間にきているが、応じずにがんばっている。平和な京丹後、平和な沖縄、平和な東アジアをつくるためにがんばろう」。

決意を固めて
住民が意思表示
協賛団体の米軍基地建設を憂う宇川有志の会からは、松原さんが「これまで何一つ反基地闘争の経験のなかった宇川の人間が、この三年三カ月闘ってこれたのは皆さんのおかげだ。昨日、三上さんの作った映画を見た。三上さんは三、四〇人ぐらいを予想していたらしいが、五〇〇人がきた。あのような闘い方を私たちは身につけていないが、見たからには、Xバンドを撤去するまで闘う。ここから車で一〇分のところに、京都府が経営する一〇〇ヘクタールの牧場がある。これもその気になれば、ミサイル陣地になる。老骨にむち打ってがんばる」と、元気なあいさつをした。

米軍属が起こ
した交通事故
現地報告は、永井友昭さん(米軍基地建設を憂う宇川有志の会事務局長)が行った。永井さんは、逮捕は不当だと述べたあと、四月二四日に行われた京丹後市長選について語った。
「候補者は保守系の二人で、いずれも基地賛成派だ。公開質問状を出し、候補者にXバンドレーダー基地ができて、住民の安全・安心が脅かされていることとその対策を訴えた。一人から返事があった。最後になってその一人が、ようやく選挙チラシに対策の必要性を載せてくれ、その人が当選した。当選者は、記者会見で、米軍人・軍属をめぐる事件や事故で、市民が被害に遭った場合に、泣き寝入りしない市独自の救済制度の創設(七日の毎日新聞ニュースでは、米軍相手の弁護士助成)を検討することを表明した。この表明をさせたのは、Xバンドレーダー反対運動を続けてきた運動の力だ」。
「昨年一二月末、調理師が運転して、京丹後市網野町の国道の交差点に入ったところ、軍属運転の乗用車が赤信号で突っ込んできて、調理師は首や手首三週間のけがをし、車は大破。軍属はレーダー基地のレーダー技師で、公務外だった。軍属は青信号で入った、過失は全くないと主張したが、目撃者があり、赤信号で入ったことが分かり、弁護士を頼むのも難しいので半々の示談となった。六月一三日から議会が始まる。どういう議論が行われるのか、チェックして、提言したい」。
続いて、各地の反基地運動から発言があった。

沖縄から山城
博治さんが激励
まず沖縄からは、山城博治さん(沖縄平和運動センター議長)、「米軍は居座ったが最後絶対に引かない。地位協定と日本政府に守られ、やりたい放題のあげく、そのままとんづらを決め込んで、事件をなしにしてしまう。市長を替えるとこまでやった宇川の皆さんに敬意を表したい。辺野古は勝つまで闘っていく。安倍政権は何を考えたのか、京都に基地を作った。そこから全国に反基地闘争が広がる。政府を震撼させる運動をつくり、政府にギブアップを言わせよう。求められているのは、めげない、くじけない、負けない決意に裏打ちされた闘いだ」と述べ、『今こそ立ち上がろう』の歌を歌った。

韓国からも
連帯の表明
韓国からは、オ・ヘランさん(平和と統一を開く人々)が報告した。
「日米韓政府にとって、北朝鮮・中国への戦争策動で東アジアにおけるミサイル防衛網の構築が重要になっている。日本は、パトリオットミサイルもXバンドレーダーも配備している。韓国はパトリオットミサイルを配備しているが、米軍はさらにHTAADミサイルとXバンドレーダーを配備しようとしている。その理由として北朝鮮のミサイルの脅威をあげるが、本当の対象は中国だ。日本と韓国のXバンドレーダーを使えば、中国のどこから発射されるミサイルもとらえることができる。ミサイル防衛というが、それは言葉のあやで、いつでも迎撃できるという意味だから、いつでも先制攻撃ができるシステムでもある。日米韓は強力な軍事同盟をつくりたいと思っている。私たちは、二〇一三年経ヶ岬にXバンドレーダーが設置されることが決まってから、このことに強い関心もち、韓国配備を止める運動をすすめ対策委員会をつくっている。テグ・ピョンテック・プサン・クンサンが候補地として上がっている。対象地域の住民投票が重要になってくる。京丹後の闘争に連帯し、多くのことを学びたい」。

基地県神奈川
から3つの報告
神奈川からは、越川好明さん(基地撤去をめざす県央共闘会議事務局長)が発言した。
「三つ報告をしたい。相模原市にある米軍の補給敞が火災事故を起こした。市の消防が駆けつけたが、すぐには入れず、五時間待たされた。その後、消防が一回は原因調査を米軍と一緒に行ったが、二回目以降は米軍から要請がなく、原因は明らかにされないままだ。日米地位協定では、要請がない限り消防は入れない。二つ目は、横須賀を母港にしている空母の艦載機の飛行訓練を米軍厚木基地でやっている。ものすごい爆音で、地域住民が爆音訴訟をやった。昨年四回目の裁判の判決が出て、爆音は違法だから損害賠償に応じるとなった。さらに、夜間の航空自衛隊機の飛行は禁止された。ところが、爆音の主たる原因である米軍艦載機の飛行訓練については、司法は判断を避けた。米軍にやることには口を出さない、これではいつまでたっても変わらない。三つめは、昨年安保関連法が成立してすぐ、キャンプ座閧フ陸軍司令部に、日米合同の陸軍司令部をつくる動きが報道された。基地がある限り事件は起こりうる。米軍は日本を守るために動くことはない。そのことははっきりしている。その上に、米軍が来いといえば自衛隊は行って、敵国を先制攻撃する。ますます在日米軍があることで危険になっていくということだ」。

エア・シーバトル
構想とは何か?
三上智恵さん(『戦場ぬ止め』の映画監督)が発言した。「高遠菜穂子さんから聞いた話だが、ファルージャで住民を虐殺した米海兵隊には、沖縄のキャンプ・シュワブとキャンプ・ハンセンからの海兵隊が半数以上いた。彼らの肩章にOKINAWAと書いてある。それを見た住民が、OKINAWAというのは、どこか南の島にある米軍基地の名前だと思った。それは日本だというと、日本は戦争をしない国のはずなのに、これはどういうことだ、なぜ君はそれを許しているの? といったという。高遠さんは混乱した」。
「平成二四年に自衛隊幹部がつくった、日本防衛に関する提言レポートがある。その後の政治はその通りに進んでいる。その中に、エア・シーバトル構想という中国封じ込めの米軍戦略がある。それを見ると、軍事的に日本は米国から独立していない、主権国家は幻想だったんだなという気がする。エア・シーバトル構想では、中国が出てくるとき日本列島が防波堤になってドンパチをやる。核戦争をすると共倒れだが、低減戦争といって、短いドンパチは仕方がない。陸海空宇宙インターネットで中国を封じ込める構想だ。宮古島と石垣島に地対空ミサイルを配備しようとしているのもその一環だ。中国によると、米軍にとって一番弱いのはサイバー攻撃だ。だから、通信施設が狙われる」。
次に、滋賀から川瀬さん(滋賀平和フォーラム)、大阪から中北さん(しないさせない戦争協力関西ネットワーク)、兵庫から中村さん(憲法をいかす会)、奈良から梅林さん(憲法をいかす県民の会)、和歌山からは中田さん(和歌山平和フォーラム)が発言した。
集会後は、Xバンドレーダー基地まで約二キロの道のりをデモ行進した。

 *注 THAADとは:米国の地上配備型迎撃システムでの高高度防衛ミサイルのこと。Xバンドレーダーは、THAADシステムの中核となる。(T・T)

 

 


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